第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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Zちゃんの命中率を良くするためのトレーニング。

その内容は…


第34話~共闘!Wマジンガー!!~

ブー

 

甲児「また失敗か……」

 

鳴り響いたブザーに甲児は頭を抑える。

 

見る先ではトレーニングマシンに入ったZちゃんだ。

 

何をしてるかと言うと、彼女達のマシンを作る為の確認を兼ねたトレーニングだ。

 

街に攻撃が当たらない様に敵を撃破しろと言う課題でだ。

 

グレンダさんやグレちゃんは合格しているのだが、Zちゃんだけがまだ出来てないのだ。

 

甲児「ここまで酷いと……元の世界、甘やかしすぎじゃないのか……」

 

AN「甘やかし過ぎと言うよりはそれをしても平気だったと言った方がいいんですかねぇ?」

 

うーむと2人は唸る中でZちゃんはうがーと吠えていた。

 

Zちゃん「なんで駄目なんだよッ!」

 

ダブラちゃん「いやー、何処がって言うか…なんというか…やりすぎ?」

 

ダブラちゃんの指摘に誰もが頷く。

 

ドモン「敵もろとも攻撃してる事が多いな。力の調整もほぼ最大でやっている事で勢い余って……と言う結果になってるな」

 

ハヤテ「ドラクエで言うところのガンガンいこうぜ!みたいな感じでしょうかね?」

 

香鈴「周りを気にせず、自分の思うがままに戦う感じだな」

 

ハヤテの例えはともかくそこだよな……と甲児は苛立った顔で髪をかきむしる。

 

甲児「ここはお前の世界じゃないんだ。今までの常識で戦ってたらお前は侵略者と同じ扱いになるぞ」

 

Zちゃん「そんなの知るかよ。何処の世界に居ようがアタシはアタシ。そこを変えることはできねぇんだよ」

 

ガールズ男爵「ホント、この子は……」

 

はぁと一応敵対してる側であるガールズ男爵のため息にホント悪と正義逆じゃね?と暇で見ていたレイジとデュオは思った。

 

甲児「ホント、弱ったな……」

 

AN「ん~~~……あ、じゃあこういうのどうです?」

 

そう言って甲児に小声で内容を伝える。

 

甲児「それ、大丈夫なのか、そりゃあ民間の被害を気にしないで良いけど、増長しないか?」

 

AN「まあストレス発散になるかもしれないですし良いじゃないですか」

 

未だちょっと不安げな甲児を後目にANはZちゃんを呼ぶ。

 

Zちゃん「ん?なんだよ」

 

AN「ちょっとストレス発散してみませんか?」

 

ストレス発散と聞いてZちゃんは笑みを浮かべる。

 

Zちゃん「そりゃよさそうだな。一体どんなの?」

 

AN「それをやる前に1つ条件が、そのストレス発散に甲児さんも参加すると言う事です」

 

じゃないと出来ませんと言うANにZちゃんはえーと嫌な顔をしたが口出しはあんまりしないと甲児が言うとならやるやる!と意気揚々に承諾する。

 

甲児「なんと言うか、お守をする親ってこういう気持ちなのか……」

 

AN「そういうものですかね?」

 

はしゃぐZちゃんを見ながら頭を掻いてぼやく甲児にANも聞かれても困りますと苦笑する。

 

 

 

 

AN【それでは二人とも。準備は良いですか?】

 

Zちゃん「いつでもいいよ!」

 

甲児「こっちも同じく」

 

確認するANに2人はそう返す。

 

ちなみに2人が使うのは先ほどまでZちゃんが使っていたトレーニングマシンとは別のタイプだ。

 

操縦者にダイレクトにロボットに乗ってる時の様な感覚を伝えるVRアクティビティ型でそれにより自分に合った操縦タイプに出来ると言うのだ。

 

故にZちゃんが使うZEUTH世界のマジンガーZだが、操縦方法はドモンが使うモビルトレースシステムタイプになっている。

 

本人的にも作る際はそっちの方がごちゃごちゃしてると騒がれないだろうなと思いながらANは2人がやる仮想戦場の状況の説明を開始する。

 

AN【では説明します。ルールは無双型でどれだけ敵を多く倒せるかで、それ故に敵の本拠地の中で戦っていると言う状況になります。味方を攻撃しない様にしてください】

 

Zちゃん「敵の本拠地の中か。なら大暴れできるじゃん」

 

甲児「だからと言って現実で自分達も逃げれない様に考えないといけないぞ」

 

釘を差す甲児にZちゃんは全くとげんなりした後に気を取り直して気合を入れる。

 

Zちゃん「んじゃさっさと始めようか!」

 

元気よく言うZちゃんに苦笑しながらANは操作する。

 

AN【では戦闘プログラムスタートです!】

 

その言葉と共に2人の見てる光景が変化し、どこかの建物内部になる。

 

そのリアリティの高さにZちゃんはおおと感嘆の声をあげてる隣で甲児はマジンガーで近くの壁に試しに触れる。

 

甲児「凄いな。VRの筈なのに現実とほぼ同じ感じだ」

 

Zちゃん「ここまで再現できるとはスゲェなあいつ」

 

2人共、空間の再現度に驚く中でANの声が響く。

 

AN【二人とも、そろそろエネミーが出現しますよ】

 

その言葉と共に身構えると……四方八方から機械獣が現れる。

 

Zちゃん「よっしゃあ!全員ぼっこぼこにしてやるぜ!」

 

先手必勝とZちゃんの声と共にZちゃんの乗るマジンガーZは眼を光らせて駆け出す。

 

Zちゃん「おりゃあ!」

 

気合の声と共に機械獣の1体にパンチを叩き込む。

 

Zちゃん「ロケットパンチ!!」

 

続けざまにロケットパンチで殴ったのを粉砕しながらその後ろにいた機械獣達を貫いて行く。

 

Zちゃん「ブレストファイヤー!」

 

続けざまに胸からの熱線で回りながらドンドン倒して行く。

 

Zちゃん「おらぁ!ドンドンきやがれ!」

 

ストレス発散出来て元気よく言うZちゃんの乗るマジンガーを機械獣が後ろから不意打ちしようとして甲児の乗るマジンガーの光子力ビームに貫かれて爆発四散する。

 

甲児「後ろががら空きだったぜ、Z」

 

Zちゃん「おっ、あんがとね」

 

そのままZちゃんのマジンガーの後ろ方向にいる機械獣を攻撃しながら言う甲児にZちゃんはそう返す。

 

Zちゃん「次はこれだ!ルストハリケーン!!」

 

酸の竜巻で巻き上げて行く中で隣から機械獣が突撃してきて中断される。

 

Zちゃん「うおっ!?こいつ…邪魔すんな!」

 

殴り飛ばした所に反対から別の機械獣が来ているのに気づいて、攻撃した事によるラグに避けれないと思った後に甲児のマジンガーからのブレストファイヤーで燃やし尽くされる。

 

甲児「お前、もうちょい視野を広げたらどうだ?」

 

Zちゃん「っ…分かってるよそんな事!」

 

もうと頬を膨らませながら倒しにかかる。

 

 

 

 

AN「ん~甲児さんに注意されてばかりいますねZちゃん」

 

ハヤテ「これではなかなかストレスが発散できませんね」

 

グレちゃん「……ところでなんで甲児はZちゃんを年下みたいに扱っているの?」

 

それを見てうーむと唸っているとグレちゃんがふとそう言う。

 

ドモン「?どういう事だ?」

 

グレンダさん「……あの少し聞きますけど皆さんZちゃんを何歳ぐらいだと思ってる?」

 

香鈴「え?中学生ぐらいではないのか?」

 

ロボットガールズ組「あーーーー;」

 

代表して言った香鈴のにそれぞれが苦笑しあったのにAN達は首を傾げる。

 

グレちゃん「……Zちゃんは16歳のJKだよ」

 

フェニーチェ「なん……だと……!?」

 

香鈴「高校生…!?」

 

AN「…あーなるほど。そっちの世界ではそんな年齢だったんですね(コミックだと中学生だから勘違いしてました…)」

 

ハヤテ「…ANさん。これちょっとまずいんじゃないですか?もし甲児さんが…」

 

納得するANにハヤテが恐る恐る戦っている2人を見る。

 

AN「………あ」

 

すると声を漏らしたANに誰もが注目する。

 

ガールズ男爵「…もし甲児くんに年下って見られていたのZちゃんが知ったら絶対にブチ切れちゃうわ…」

 

AN「こ、甲児さん!ちょっと連絡が……って遅かった!?」

 

連絡しようとしたが、暴れまくるZちゃんのマジンガーのを避けている甲児のマジンガーの姿が見えた。

 

 

 

 

甲児「うお、ちょ、止め!」

 

Zちゃん「誰が中学生だこのやろぉ!!」

 

必死に動かして避ける甲児にZちゃんは吠える。

 

何があったかと言うとメンバーが危惧していた事が起きたからだ。

 

甲児「年下で中学生なんだから気を付けろよな!」

 

Zちゃん「…………おい、今何って言った」

 

そう言った甲児にZちゃんは青筋を浮かばせる。

 

雰囲気が変わったのに甲児は黒鉄屋の女将さんを思い出して少し後ずさる。

 

Zちゃん「中学生?私のこと中学生だと思っていたのか。なるほど、それで私を年下みたいに扱っていたのか…そうか…」

 

もしかして、俺、言っちゃいけない事を言ったのかと甲児は思った後……

 

Zちゃん「私は高校生だぁー!!」

 

うがーーーと吠えた後にブレストファイヤーを放つZちゃんのマジンガーに甲児のマジンガーは慌てて避ける。

 

甲児「マジかよ!?」

 

Zちゃん「ドリルミサイル!」

 

続けざまに肘部を90度折り上げると現れた各六門の発射口からドリルの様なミサイルが回転しながら射出され、避けた先にいた機械獣に突き刺さって内部に入った後に爆発を起こす。

 

甲児「ZEUTH世界のマジンガーにはあんな武装があるのかよ!?」

 

絶叫しながら甲児は必死に逃げて、Zちゃんは追いかけながら機械獣を倒して行く。

 

 

 

 

レイジ「これ、収拾付くか?」

 

AN「付かないでしょうねぇ……こうなったらあの手を使いましょう」

 

呆れた顔で聞くレイジにANはなんとも言えない顔をした後にそう言って操作する。

 

アイラ「あの手って?」

 

AN「あまり使いたくない手ですが共通の敵を作っちゃう作戦です」

 

シンプルですわねとライガ様が述べてる間にANは操作を完了する。

 

AN「よし、特殊エネミー出現っと」

 

 

 

 

甲児「くそ、しつこすぎだろ」

 

攻撃を避けながら甲児はぼやく。

 

Zちゃん「逃がさねぇぞ甲児!」

 

機械獣を倒しつつ追いかけて来るのにどうすると考えてる時……

 

???「フハハハハ!マジンガー同士で喧嘩とはこれは見ものだな」

 

響き渡った声に2人は顔を向ける。

 

そこには1人の男が立っていた。

 

甲児「ブロッケン!」

 

Zちゃん「テメェも居たのか変態野郎!」

 

その言葉にブロッケン伯爵は思わずこける。

 

ブロッケン伯爵「誰が変態だ!誰が!」

 

Zちゃん「あんたよ!あんた以外に変態はいないじゃない!」

 

怒るブロッケン伯爵にZちゃんは断言して言う。

 

ブロッケン伯爵「うぬぬ!人を変態扱いしおって!!許せん!」

 

Zちゃん「ちょうどいい!お前を先にボッコボコにしてやるよ!」

 

ふんす!と気合を入れるZちゃんにほざけ!とブロッケン伯爵は叫んだ後……

 

ブロッケン伯爵「ぬぉぉぉぉぉ!!」

 

咆哮と共にその体は大きくなっていく。

 

しばらくしてマジンガーより2倍の大きさになる。

 

甲児「マジかよ……」

 

Zちゃん「でかすぎだろ!?」

 

ブロッケン伯爵「ヴァーチャルの世界だから出来る事よ!」

 

絶句する甲児とZちゃんへメタイ事を言いつつ、ブロッケン伯爵は足を振り上げて2人事踏みつけようとする。

 

甲児「あぶなっ!」

 

Zちゃん「うおっと!?」

 

踏みつけをそれぞれ避けた後ににゃろと甲児とZちゃんは構える。

 

甲児「お返しだ!ブレストファイヤー!!」

 

Zちゃん「ルストハリケーン!!」

 

さっさと蹴りを付けると2人は同時に別の攻撃を仕掛けるが……

 

ブロッケン伯爵「くはは、効かん!効かんぞマジンガーども!!」

 

直撃を受けたのにブロッケン伯爵は楽しそうに笑う。

 

甲児「何!?」

 

Zちゃん「効いてねぇ!?」

 

んなのありぃ!?と思いながら腕ふりを避ける。

 

 

 

 

ハヤテ「ずいぶんメチャクチャな設定ですね;」

 

AN「まあラスボスなのでメチャクチャにしてみました」

 

呻くハヤテにANは笑顔でサムズアップして返す。

 

シオニー「だ、大丈夫でしょうか?」

 

香鈴「…少し心配になるな」

 

その様子にシオニーと香鈴は心配する。

 

 

 

 

甲児「ぐう!」

 

Zちゃん「うあっ!?」

 

目から放たれたビームに後ずさる2人にブロッケン伯爵はかっかっかっと笑う。

 

ブロッケン伯爵「マジンガーがこの程度なら兜十蔵もたいしたことないな」

 

甲児「……何?」

 

Zちゃん「……今なんつった?」

 

出てきた言葉に2人は立ち止まってブロッケン伯爵を睨む。

 

ブロッケン伯爵「やはり最強の天才科学者はDr・ヘル様ただ一人!あやつなんてありんこ同然よ!!」

 

がはははははは!!と笑うブロッケン伯爵に2人は手を握り締める。

 

さて、ここで1つ、マジンガーのある力について触れよう。

 

それはマジンパワーだ。

 

様々な世界に存在するマジンガーが持つ力なのだが、ZEXIS世界のマジンガーにそれは備わっていない。

 

故にZEXIS世界のマジンガーは発揮しないのだが本来出会う筈のなかったZちゃんとの邂逅を切っ掛けにZEXIS世界のマジンガーは誰にも気づかれずに少しずつその力を得ようとしていた。

 

そしてその一端がデータとはいえ出た。

 

甲児「今なんて言ったァァァァァァァァァ!!!」

 

Zちゃん「許さねぇぞこの野郎ォォォォォォオオ!!!」

 

咆哮と共に2体のマジンガーの目が強く輝く。

 

ブロッケン伯爵「ぬお!?」

 

甲児「行くぞゼットォォォォォォォォォ!!!!」

 

Zちゃん「こっちもやるぞマジンガーァアアア!!」

 

咆哮と共にブレストファイヤーの発射体制に入る。

 

その時、ANやシオニー達の目にそれは入った。

 

2人のマジンガーが、それぞれ別の姿になるのを……

 

甲児のマジンガーは凶暴さを感じさせ、悪魔と神を超越せし終焉の魔神。

 

Zちゃんのマジンガーは逆に神をも越え、悪魔も倒せる王の風格を持ちし魔神皇帝。

 

甲児「ブレスト!」

 

Zちゃん「ファイヤー!!」

 

咆哮と共に放たれるダブルバーニングファイヤーはブロッケン伯爵を包み込む。

 

ブロッケン伯爵「な、なんだこれはぁああああああああ!?」

 

自分を屠る2体の魔神を目に焼き付けながらブロッケン伯爵は断末魔をあげながら消滅していく。

 

 

 

 

バチッ、バチバチバチッ!

 

AN「こ、これは…!?」

 

ドモン「いかん!皆離れろ!」

 

機類が火花を散らし始めたのに誰もが慌てて離れる。

 

ズドドドドドン!!ドガァァアアアン!!

 

直後に爆発を起きる。

 

シオニー「しゅ、シュミレーターが!?」

 

ハヤテ「爆発したッ!?」

 

X魔王「し、消火や消火!!」

 

コマンド「退いた退いた!!」

 

爆発に驚く中でX魔王やコマンド達が消火器で出始めた火を消しにかかる。

 

コーラサワー「おいおい!これ大丈夫かあの2人!?」

 

ガールズ男爵「あ、出てきました!」

 

誰もが心配する中でシミュレーターから2人が出て来る。

 

Zちゃん「あ~、スッキリした!」

 

甲児「ふう……」

 

スッキリした顔でんーーーと背伸びするZちゃんの後に疲れた顔で甲児が出て来る。

 

AN「お二人とも、お疲れ様です」

 

Zちゃん「いやぁ、すっごくスッキリした!これよこれ!ねえねえANさん!あたしのマジンガーもああいう感じでお願いね!」

 

はいはいと苦笑しながらオーダーを了承する中でANは甲児に話しかける。

 

AN「どうですか甲児さん。Zちゃんのこと、どういう子かわかったんじゃないですか?」

 

甲児「あ、ああ……」

 

話しかけたが生返事なのにANは訝しむ。

 

AN「ん?どうかしましたか?」

 

甲児「……なあ、ANさん。見てたんならブロッケンに攻撃を放つ際、俺達……()()()()()()()()()()()?」

 

そう言われてANは少し困った顔をする。

 

AN「ん~凄いのが見えたとしか言えないですね…」

 

凄い……か……と呟いた甲児は固定されているマジンガーを見る。

 

甲児「俺は凄いとかで納められないのを感じたよ。マジンガーが、マジンガーじゃないって感じで、爺ちゃんからマジンガーは神にも悪魔にもなれるって言ってたけど、あの時のマジンガーは神でも悪魔でもなかった……」

 

AN「神でも悪魔でもないですか…」

 

自分でもどう言えば良いか分からない感じで述べる甲児にANもマジンガーを見る。

 

AN「(…あの二つのマジンガー、なんなのか調べてみないといけませんね)」

 

甲児のマジンガーとこれから作るZちゃんのマジンガーの変化せし姿。

 

それを知る為にANはそう決意するのであった。

 

なお、Zちゃんの命中率や建物壊し問題については自動命中補正装置と威力調整装置を組み入れる事で解決しましたとさ

 

あの苦労はなんだったんだと嘆く甲児をクロウとデュオは肩を叩いて慰めたのであった。


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