第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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暗黒大陸と太平洋上にZONEがセットされたと聞き、暗黒大陸を別動隊に任せ、AN達の方は太平洋上のZONEを止める為に向かう。


第三十一話~過去を糧に未来へと~

ANは唸っていた。

 

太平洋上のZONEへと向かう途中で分かれた方の部隊からこれまでの情報が伝えられたのだ。

 

葵達が倒した筈のムーンWILLの復活。

 

ムーンWILLがゲシュタルトのメタールと同じ暗黒の1人。

 

ロボットマフィアの首領、ブランチが倒され、彼が残したゲシュタルトの背後に黒幕が2人いるという事でその1人がムーンWILLではないかと……

 

葵達の先輩にあたる獣戦機隊にエイーダとブラックオックスが合流した事

 

行方知れずだった旧ゲッターチームの竜馬との再会にANが出会う前にとある時に出会ったローレライと言う少女の加入。

 

悪い事もあれば良い事もあるが、AN的に気になるのは向こうでは破滅の軍団の襲撃はなかったという事だ。

 

AN「(なんでこちらだけ襲撃したんでしょうかねぇ…?)」

 

自分がいるから?それともスフィア持ちがいるから?

 

考えようにも判断材料が足りなすぎる。

 

しかもZONEがもしも起動した場合……

 

AN「(また誰か一人ZONEを止めるために犠牲になってしまう…それだけはなんとか止めないと)」

 

今の所、2つのZONEをなんとか分析しているが止め方が全然見つからない。

 

もしもあの人なら……とANはとある人物を思い浮かべてから首を横に振る。

 

AN「(って居ない人を頼ろうとするなんて駄目ですね…)」

 

いやはや……と不安になり過ぎてますねと苦笑する。

 

AN「(ホント今どこで何しているんでしょうかね…師匠)」

 

ガールズ男爵《連絡!ZONE近くに到着!パイロットは順次出撃するのだ!あ、ついいつも通りの出ちゃった》

 

そこにガールズ男爵の艦内放送が響き渡ったのでANは思考を切り替える。

 

AN「着きましたか。さてなんとか頑張ってみるとしますか!」

 

気合を入れて格納庫に向かう。

 

エイジ「遅いぜANさん」

 

ハヤテ「なにか用事でもあったんですか?」

 

AN「ん~ちょっと考え事をしてたんですよ」

 

出迎えた面々にすいませんと謝罪してから乗り込む。

 

コーラサワー『んじゃあ行くぜ!』

 

シオニー『は、はい!』

 

AN『さてさて、行きましょうか』

 

その言葉と共に出撃する。

 

出撃した後、聞こえて来たアニューとソレスタルビーイングの面々の会話にハヤテはほっこりする。

 

ハヤテ「(あれを見ているとやっぱり助けて良かったと思いますね)」

 

コーラサワー『おいハヤテ、嬉しそうだけど気を抜くんじゃねえぞ』

 

あ、すいませんとコーラサワーの注意に謝ってから気を引き締め直す。

 

ハヤテ『今回もあのデカいの出てきてますね』

 

香鈴『出て来るではないか?門番として……』

 

ルークアダモンを思い浮かべながら呟くハヤテに香鈴がそう返す。

 

Zちゃん《それにしても人気が無い場所ね……》

 

ガールズ男爵《…なんだか嫌な予感がしますね》

 

五飛『奴らがこんな所に置くのは不自然にしか見えんから強ちその予感は間違いではなさそうだな』

 

ガロード『だよな、今は破滅の軍団がいるとはいえ、全面戦争を仕掛ける気満々だしな……』

 

カトル『ZONEの設置場所に何らかの法則があれば、彼らの戦略を読む事が出来るのだけど……』

 

話を聞きながらANはZONEの周囲を確認して絶対次元断層が張られてるのを確認して溜息を吐く。

 

AN『やっぱり張られてますね。この面倒なのが』

 

スメラギ《つまり、まともな手段では破壊は出来ないという訳ね……》

 

クロウ『それ以前に門番が来た様だぜ』

 

顔を顰める2人の後にクロウがそう言うとZONEの前にルーク・アダモンが現れる。

 

ロラン『ルーク・アダモン!』

 

香鈴『む?なんだか色が少し違うな』

 

AN『そう言えばそうですね』

 

現れたルーク・アダモンを見て気づいた香鈴にANも言われて見て気づく。

 

第2のZONEの時に現れたルーク・アダモンは顔と足、足先の宝石の様になってる部分が緑色であった。

 

だが、目の前のルーク・アダモンの顔と足、足先の宝石の様になってる部分の色が黒みが強い紫色なのだ。

 

騎士「なんらかの強化態でしょうか?」

 

コマンド「だが、調べた限りじゃあルーク・アダモンには絶対次元断層はねぇ見てぇだ」

 

クロウ『ならば、力押しで行けるか……!」

 

ハヤテ『待ってください。そんな簡単にはいかないんじゃないですか?』

 

AN『そうですよ。絶対次元断層がない代わりに別の厄介な能力があのルーク・アダモンにはあるかもしれませんし』

 

そう言って飛び出そうとするクロウをハヤテとANが止める。

 

ドモン『2人の言う通りだ。ただ色が違うだけのを配置するのはおかしい』

 

ダブラスM2(左)「気をつけた方が良いって事だな」

 

ガラダK7「なんと言うか、色的に精神的な事をして来そうだな……」

 

同じ様にそう言うドモンのにガラダK7が色から思った事を述べた時……

 

レントン『気を付けて!ニルヴァーシュが何かに反応してる!』

 

アイラ《ちょっと、何これ!?》

 

フェルト《ルーク・アダモンから未知のエネルギー反応!》

 

直後にレントンが警告を発すると共にアイラとフェルトが叫ぶとルーク・アダモンが黒い光を発する。

 

うお、眩しとANは思った後に光りが収まったがAN自身には変化はない。

 

なんだったんだろう?と思っていると……

 

シオニー『い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』

 

AN『し、シオニーさん!?』

 

突如悲鳴を上げるシオニーにANは驚く。

 

Aエクシア「お、おい!どうしたんだ皆!」

 

X魔王「ガロードはん!シンはん!」

 

コーラサワー『お、おい!何があったんだ!?フェニックスの奴、いきなり画面を暗くしたから全然分かんねえんだけど!?」

 

慌てて周りを見ると、自立出来るロボットとコーラサワーの乗るフェニックス以外が膝を付いたり、倒れ込んでたりなど様々な反応を見せていた。

 

ハヤテ『あっ…ぐっ…!』

 

ガールズダブラス《な、なんナノ…これ…!?》

 

戦艦にいる面々も同じ感じに一体何がとANが思っていると転移反応を感知すると共にガブリンやディム・リーにディム・サー、人造次元獣と共にディアムドが現れる。

 

武者「インサラウム!この様な状況の時に!」

 

AN『…まさか、この状況を作っているのがあのルーク・アダモンでは!?』

 

???『ご名答だ。今お前達ZEXISに起きている事はこいつの能力だ』

 

今起きてる事からルーク・アダモンを見て言ったANのをディアムドからジェラウドではない者の声が響く。

 

クロウ『!その声はウェインか!』

 

AN『あなたがその機体に乗っているということは…もしかして』

 

ウェイン『ああ……ジェラウド・ガウス・バンテールは名誉の死を遂げられた。ディアムドとナイトオブナイツは俺が受け継いだ……彼の魂と共に……』

 

静かに、だが、強く答えるウェインの気圧にクロウは顔を歪める。

 

クロウ『ちっ……!ナイトオブナイツを継いだのは名ばかりじゃないようだな……!』

 

AN『そのようですね。まあでもジェラウドさんから貰ったのはこちらもなんですけどね』

 

ウェイン『……は?』

 

出て来た言葉にウェインは思わず呆けた声を漏らした後にANは指笛を作り……

 

ピュイ――――!!!

 

力強く鳴らす。

 

その後にARISIAから強い咆哮と共にギガ・アダモンが飛び出す。

 

ただ、その顔には青いヘルムが装着され、両腕にはレンチを付けられた青いアームアーマーを装着し、足には青いレッグアーマーで覆っていた。

 

ウェイン『な!?なんだそのギガ・アダモンは!?』

 

AN『えっと…ジェラウドさんが置いていったので我々が保護したギガ・アダモンのギアです』

 

驚くウェインへとANは答える。

 

やる気満々なギアはぐるる……とルーク・アダモンを唸って見る。

 

その反応にANはん?と疑問を感じた直後、ルーク・アダモンが再び先ほどの光りを放つ。

 

その際、コーラサワーはまたか!?と言う声が聞こえたので見えなくされたのだろう。

 

AS団員『う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

AS団員2『止めろ!止めてくれ!』

 

すると、今度はアークセイバー達が絶叫を始める。

 

ウェイン『ぐっ……なぜだ。ルーク・アダモンPのが暴発したのか…!?』

 

AN『でもなんでいきなり…?』

 

ハヤテたちの同じ状態に陥る中で戸惑うウェインにANも戸惑う。

 

???『それはですね。こういう事ですよ』

 

それには誰もが戸惑う中で突然ガブリンが近くにいたディム・サーやディム・リーに攻撃を開始する。

 

先程の声と目の前の状況にANはすぐさま気づいた後にルーク・アダモンPの前にクォール・トゥエルドが現れる。

 

クロウ『破滅の軍団!?』

 

ウェイン『リストの偽物!』

 

AN『なるほど。あなた達がルーク・アダモンのコントロールを奪ってさっきのをしたんですね』

 

リスト『正確に言うなら、我々の方のとそっくり入れ替えたですね。見てない間にちょちょいとね……これで()()()も大混乱でしょう』

 

あちらと言う言葉にまさかとウェインは目を見開く。

 

ウェイン『暗黒大陸の方のもそうだってのかよ!?』

 

AN『面倒なことしてくれますね…!』

 

ZEXISとインサラウム、どちらとも先ほどので誰もが動きにくい状態なのだ。

 

クォール・トゥエルドはディアムドへと近づいて行く。

 

リスト『先ずはうるさいあなたを始末しましょうか』

 

AN『っ…まずいですねこれは』

 

ゆっくりと近づくクォール・トゥエルドにウェインは顔を歪める。

 

だが、その前に割り込んだ者がいた。

 

ドモン『ふん!』

 

リスト『!?』

 

ゴッドマスターだ。

 

予想もしてなかったので攻撃を受けたクォールトゥエルドは島に落ちる。

 

ドモン『人の傷やトラウマを増幅して力を出せなくするか……悪いが俺には……人のに踏み入ったお前達に対する怒りで逆に力が漲る!!』

 

その言葉と共にドモンの闘志に呼応する様にゴッドマスターの目が強く輝く。

 

AN『す、凄いですねドモンさん…』

 

ハヤテ『さ、流石キングオブハート……』

 

だが、これはこれで助かった。

 

今の状況で破滅の軍団を相手にすると言う意味では全力で動けるゴッドマスターはありがたい。

 

リスト『っぅ……やってくれますね……これは予想外でしたよ』

 

ハヤテ『っ…僕も頑張らないと……!』

 

ジェフリー《ここで下手に背中を見せれば、全滅もありえる……!迎撃するしかない!》

 

浮かび上がるクォール・トゥエルドを見ながらジェフリーはメンバーへとそう言う。

 

シリウス『この精神状態で戦うのか……!』

 

アポロ『くそっ……!体に力が……入らねぇ……!』

 

香鈴『ぐっ…!』

 

AN『皆さん…!』

 

なんとか戦う体制を取ろうとする面々に無茶はさせられないとANは影響のないAエクシアやコーラサワーに指示する。

 

AN『皆さん!動けない面々の代わりに我々がドモンさんと共に戦いますよ!あっちが卑怯な手を使うならこっちはそれすらを叩き潰してやりましょう!』

 

コーラサワー『おう!シンプルで分かり易くて良いぜ!』

 

フェニックスガンダム「!!!」

 

騎士「心得た!」

 

コマンド「なら派手にやってやろうじゃねえか!」

 

ガラダK7「俺達も合体と行こうぜ!」

 

ダブラスM2(右)「おー!」

 

指示に誰もが頷いてガラダK7とダブラスM2はガラダブラに合体する。

 

AN『さあ!行きましょう!』

 

号令と共にそれぞれ飛び出す。

 

リスト『行きなさい』

 

それにガブリンと出現させたアストレイなどのMSなどをけしかける。

 

コマンド「とにかくでまくる奴らを倒してあの次元獣へ接近だ!」

 

コーラサワー『だな!奴をなんとかすれば良い筈……だよな?』

 

AN『今はそれが可能性が高いですね』

 

決まったと言う事で早速、向かって来るガブリンや破滅の軍団を撃破しつつルーク・アダモンPへと向かう。

 

ドモン『たあ!』

 

ギア「!!」

 

クォール・トゥエルドにはドモンの操るゴッドマスターとギアが相手し、ドモンの格闘の合間にギアが口から光弾を放って援護する。

 

リスト『このっ…!面倒な攻撃を…!』

 

厄介な相手を抑えてる間にルーク・アダモンPを攻撃しようとするがアストレイやビルゴがドンドン出て来て進めない。

 

さらには動けない面々へと攻撃が向かう。

 

ハヤテ『ぐぅ……!!』

 

香鈴『うぁ……!』

 

騎士「皆!」

 

コーラサワー『くそぉ!そこまで強くねえけど数が多過ぎる!!』

 

コマンド「複数狙えそうな奴らが動けねえのが痛い所だ!」

 

AN『ARISHIAの一斉射撃が使えたら…!』

 

状況が悪い事にANは顔を歪める。

 

一斉射撃しようにも相手はそれをさせない様に動き回っていて下手すれば味方にもあたりかねない。

 

どうしようかと思った時、ANはレーザーに新たな反応が出てるのに気づく。

 

アイラ《なに、これ……3つの反応が……近づいてる?》

 

ハヤテ『まさか…敵の増援…?』

 

誰もが飛んで来る方角を見る。

 

すると目に入ったのは3機の戦闘機であった。

 

赤、青、黄色の戦闘機にアルトとデュオが真っ先に声をあげる。

 

アルト『あれは……ゲットマシン!?』

 

デュオ『しかもあれは、ゲッターロボGの奴じゃねえか!』

 

AN『でも誰が……あ、まさか!?』

 

クロウ『いや、ゲッターロボGを鹵獲したなんてのは聞いてない……』

 

龍馬達ではと含むANのにクロウは否定する。

 

それでは敵と……誰もが思った時……

 

???『何やってるんですのチームZ!!』

 

少女の声が響き渡る。

 

Zちゃん《げぇ!?この声!?》

 

グレンダさん《あら?》

 

グレちゃん《まさか……》

 

ガールズ男爵《嘘!?》

 

ガールズガラダ《おいおい、マジかよ…!?》

 

ガールズダブラス《ど、どうしているナノ!?》

 

ガラダブラ「ラッ!?」

 

その声にチームZとガールズ男爵達が驚きの反応を返す中で3機の戦闘機は赤い戦闘機を先頭に真っすぐに並び……

 

???『チェ~~~ンジ!ドラゴン!スイッチオン!!!』

 

その言葉と共に突き刺さる様に合体、直後に顔と腕や足を形成し、最後に背中にマントの様な翼が現れてロボとなる。

 

合体したロボ、ゲッタードラゴンを、特にカラーリングを見てシン達は驚く。

 

シン『あれは!?』

 

桂『間違いない!あのゲッタードラゴンは、()()()()()()()()()()()()()()()()だ!』

 

香鈴『何ッ!?』

 

ハヤテ『一体誰が操縦しているんですか!?』

 

出て来た言葉に誰もが驚く中で映像が入る。

 

映ったのにはゲッタードラゴンを模した様な服を着た少女であった。

 

少女→ゲッちゃん『チームGのリーダー!ゲッちゃん!ライガとポンちゃんと共に推参いたしましたわ!』

 

シルヴィア『お、女の子!?』

 

Zちゃん《やっぱりお前らだったのか!》

 

ガールズガラダ《でもどうやってこの世界に来たんだぜ?!》

 

名乗り上げた少女、ゲッちゃんにZちゃんは嫌な顔をする隣でガールズガラダが誰もが気になった事を聞く。

 

???2『あの後、帰れたと思ったらまたも知らない所だったのですわ』

 

???3『ほんだら~ミセスSちゅう女の人が親切に教えてくれた後に不思議な部屋でこのロボットさんの操縦の仕方を教えてくれたけんね~』

 

するとゲッターライガ―を模した服を纏った水色髪の少女とゲッターポセイドンを模した服を纏った小麦色の髪の少女が映し出されてそう返す。

 

クロウ『……またあんたのとんでも師匠が絡んでるみたいだなANさんよぉ……』

 

AN『ハハハ;そうですね…』

 

グレンダさん《やはりライガさんとポンちゃんさんもだったんですね……それにしても3人とも、どうやってここが分かったんですの?》

 

???『僕が教えたのさ』

 

思わず呆れて声をかけるクロウにANは半笑いする中でグレンダさんが気になった事を聞くと3人の誰かではなく、別の声が答える。

 

ルーク・アダモンP「!!!」

 

リスト『む?ルーク・アダモンが震えている?』

 

すると佇んでいたルーク・アダモンPがまるで何かに怯える様に震える。

 

その後にシュロウガが現れる。

 

桂『シュロウガ!』

 

ハヤテ『って事はあなたが話に聞いていたアサキムさん…!?』

 

シオニーが覚醒した時にはANの方へと向かっていたハヤテは目の前のシュロウガに強敵だとすぐに分かる。

 

リスト『アサキム…何しに来たのですか』

 

クロウ『俺が食べ頃になったんでいそいそとやって来やがったな……』

 

警戒するリストとは別に軽口で言うクロウにおいとロックオンが怒る。

 

アサキム『うぬぼれない事だね、クロウ』

 

クロウ『何っ!?』

 

だが、言い方から狙いはクロウではないみたいだ。

 

AN「(クロウさんが目的ではない?では一体何を…)」

 

彼が狙うのが何かと考えてZONEを見る。

 

AN「(…まさか次元力目当てで…?)」

 

リスト『あなたはあんまりいられると楽しくないのでご退場願いたいですね』

 

するとゴッドマスターとギアに次元獣をけしかけてからクォール・トゥエルドはシュロウガと対峙する。

 

アサキム『君では僕の相手は務まらないよ』

 

リスト『何?』

 

ドスッ!

 

その言葉と共に背後からの攻撃にクォール・トゥエルドは腰部分を貫かれる。

 

攻撃したのは自身の能力で空間を切り裂いて道を作ったギアであった。

 

アサキム『そうやって僕に気を取られてあちらの次元獣のを受ける時点でね』

 

リスト『なっ……!?』

 

そのままギアは地面に突き刺した状態のクォール・トゥエルドを叩き付ける。

 

リスト『ぐあああっ!?』

 

そのまま地面を跳ねる様に倒れた後に遅く起き上がる。

 

リスト『やれやれ、バカにしてたら自分もバカを見ましたね……』

 

そう呟いた後にクォール・トゥエルドはその場から撤退する。

 

ギア「!!!!!」

 

AN『逃げましたか…後は……』

 

カミーユ『アサキム!何をしに来た!?』

 

アルト『クロウを狙って来たのなら俺達が相手になってやる!』

 

自分達の方へと顔を向けるシュロウガに動けていなかった誰もがなんとか構える。

 

アサキム『馬鹿げてるよ、全てが』

 

クロウ『何ッ!?』

 

AN『全てとは……随分と言いますね』

 

呆れた様にシュロウガで肩を竦める動作をさせるアサキムにANは顔を顰める。

 

アサキム『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。さらに言えば愛欲の蛇使いもね』

 

AN「(真の力ですって…?)」

 

どことなく挑発してるアサキムの言葉にANは眉を潜める。

 

まるで力を引き出そうとしてる様な……いや、違う。

 

引き出そうとしてる様ではなくそうする様に誘導している。

 

AN「(…なんだか嫌な予感がしますね)」

 

クロウ『言いやがったな。アサキム…!だったら、お前の相手をする前にあの化け物を片付ける!俺にはやらなきゃならねえ事があるんだよ!!』

 

次の瞬間、リ・ブラスタの目が強く輝き、全身から緑色の光りを発した後にルーク・アダモンPへと向かって行く。

 

AN『な、なんですかあの光!?』

 

シン『あれは……!?』

 

ガロード『スフィアの輝きじゃないか!?』

 

クロウ『SPIGOT起動!全基、展開!!』

 

驚いている間にリ・ブラスタの右手に持っていた銃の先端に付いていたSPIGOTが分離してリ・ブラスタの周囲に浮かぶ。

 

クロウ『たっぷり味わいな!!』

 

レーザーが放射を浴びせて怯んだ所を連続射撃を浴びせてルーク・アダモンPの周囲を飛び回った後に3つのSPIGOTがルーク・アダモンPの体にぶつかり…

 

クロウ『トライアングル・フォーメーション!弾けろ!VXクラスター!!』

 

そのまま残った1つに連射するとルーク・アダモンPにくっついた3つのSPIGOTから先ほど言っていたゼロ距離射撃が炸裂する。

 

ルーク・アダモンP「!!!?」

 

クロウ『これが俺とリ・ブラスタの力だ』

 

呻きの咆哮をあげるルーク・アダモンPを見ながらクロウは力強く言う。

 

ガムリン『クロウ……!』

 

バサラ『やるじゃねえかよ、あいつ!こっちのハートも熱くなって来たぜ!』

 

クワトロ『彼はスフィアの力を引き出せる域に達したのか……!』

 

ハヤテ『これが天秤座のスフィアの力…』

 

誰もがリ・ブラスタとクロウが見せた強さに驚きの声を漏らす。

 

クロウ『……分かったぜ』

 

香鈴『クロウ?』

 

AN『もしかして天秤座のスフィアの力がどんなのか分かったんですか?』

 

いや、トラウマ克服の方だと2人のにそう返してから語り出す。

 

クロウ『要するに、トラウマを克服するにはその根を断つに限るって事だ』

 

ロックオン『具体的にはどうすりゃあいい!?』

 

騎士「!そうか!あの次元獣にトラウマを越える強き心で挑んで対決し!」

 

武者「挑んだ者の心が勝てば、呪縛が解けると言う事であるな!」

 

ガールズガラダ《トラウマを超える強き心…》

 

AN『なるほど……では私たちはその邪魔を防げばいいんですね』

 

そういうこったとクロウは肯定するとアサキムがシュロウガで拍手を送る

 

アサキム『見事だよ、クロウ。だが、ただの人間にそれが出来るかな?』

 

シン『あんたって奴は!』

 

AN『あなたは人間を舐めすぎですよアサキムさん。特に今ここにいる人達はそうはいきませんよ』

 

アムロ『彼女の言う通りだ。そうやってお前は他人を高い所から見下ろすか!』

 

それに誰もが力強く構える。

 

刹那『やって見せる!俺達も!』

 

ヒイロ『俺達の精神力と次元獣の悪夢……どちらかが勝つかだ……!』

 

ハヤテ『負けられませんね…!』

 

香鈴『こいつ等を倒したら貴様が相手だアサキム!』

 

そう言って返した彼らだったが、次のアサキムの言葉に度肝を抜かれた。

 

アサキム『では、僕も手を貸そう。僕自身の宿願の為にもね』

 

コマンド&武者「何!?」

 

AN『マジですか!?』

 

まさかの申し出にANも驚く。

 

AN「(一体何を考えているんですかこの人…全然わかりません)」

 

クロウ『勝手にしやがれ。お前とはなれ合う気にはなれねえよ』

 

アサキム『それで良いよ。揺れる天秤』

 

そう言ってアサキムは向かって来た次元獣を切り裂く。

 

決まった以上、ANは怯えるシオニーを呼びかける。

 

AN『シオニーさん、聞こえますかシオニーさん!』

 

シオニー『う、あ……』

 

まだ怯えてる様子のシオニーに直接の方が良いなと思ってノワール・ゼロをオート操縦にして帰還させてからパールネシアへと乗り込む。

 

AN「シオニーさん、しっかりしてください。こんなのに負ける程貴方は弱くないでしょ?」

 

シオニー「あ、ANさん……」

 

その後にANは抱き締めて優しくなでる。

 

AN「あなたは昔と違って強くなりました。そんな昔のトラウマを強くなった今こそ乗り越えるときなんです」

 

シオニー「乗り越える…」

 

そうですとANは頷いてからカメラやマイク、通信などもOFFになってるのを確認し……

 

AN「だから頑張ってください。こんなところで立ち止まらずに前に進んで行けるように私も支えます」

 

そう言ってシオニーの頬にキスする。

 

それにシオニーは涙を流す。

 

自分をここまで思い、信じてくれてる人がいなかった。

 

裏切られた事で心の底から信じると言う事がシオニーは怖かった。

 

だが、今のANの言葉でシオニーは心の底からANを信じられると言う思いが沸き上がる。

 

それと共に体から力が沸き上がって来るのを感じた。

 

涙を拭い、前をみつえたシオニーにANは横に退く。

 

シオニー「ありがとうございますANさん。おかげで私、もう一度誰かを心の底から信じることができました。私を信じてくれるANさんのために私は戦います!」

 

AN「ええ、行きますよ!」

 

はい!と言う声と共にARISIAから武装パーツサウザントが飛んで来てパールネシアに装着される。

 

その後にパールネシアをルーク・アダモンPへと突撃させる。

 

シオニー『はぁあああああッ!』

 

サウザントからの砲撃を浴びせながら近づくと共に両腰にある剣を手に持っての二刀流で斬り込んで行き……

 

シオニー『これで…終わりですッ!』

 

続け様にスピナーで一撃を叩き込む。

 

ルーク・アダモンP「!!!!」

 

騎士「おお!」

 

ガールズダブラス《力強い一撃だぜ!》

 

ハヤテ『僕たちも負けていられません!』

 

シン『俺達も続こう!』

 

アルト『おう!』

 

それに他の面々も続く。

 

香鈴「(私はルルと共に戦うことをあの日、決めた。今もルルは戦っている。だからこそ私もこのトラウマを乗り越える!)行くぞ次元獣!貴様が繰り出す己のトラウマに負けん!」

 

ゲッちゃん『皆さんお熱くて良いですわね!ライガさん!ポンちゃん!私達も続きますわよ!』

 

ポンちゃん『あいさ!』

 

ライガ様『ええ!』

 

その言葉と共にデスティニーと蒼天が切り裂くとゲッタードラゴンがダブルトマホークで追撃した所にVF-25Fとアクエリアス、ビギニングフリーダムが射撃攻撃を繰り出す。

 

ハヤテ『三千院家の執事としてこの程度のトラウマに負けません!』

 

レイジ『嫌なもんを見せてくれたなバケモン!過去のを刺激するならあいつが嫌だったことを思い出させたって事だ!百倍返しで返してやるぜ!』

 

アイラ《レイジ……!》

 

次々と攻撃を仕掛け、トラウマを乗り越えるZEXISの面々。

 

ボロボロになったルーク・アダモンPへとリ・ブラスタとパールネシアが迫る。

 

クロウ『ありがとうよ、化け物。お前がエスターを見せてくれたおかげで、俺の決心も固まったぜ……あいつのためにも俺は俺のやるべき事をやる……!その為にもZONEを守るお前を潰す!』

 

シオニー『あなたのおかげで私はもう一度誰かを信じることができるようになりました。だからこそ、私は進みます!』

 

まずはサウザントとAX-98 RAPTORによる連続射撃を浴びせ、その次にSPIGOTとスピナーによる連続アタックを決めた後にリ・ブラスタはRAPTORをパールネシアに投げ渡し、パールネシアはサウザントの銃口と共に狙いを定め……

 

シオニー『これが私たちの進む道を開く一撃です!』

 

咆哮と共に一斉発射し、途中でビームが1つとなるとルーク・アダモンPを飲み込む。

 

ルーク・アダモンP「!!!!!!」

 

断末魔をあげながらルーク・アダモンPは光の中で消滅して行く。

 

ガムリン『ルーク・アダモンの撃墜を確認!』

 

コマンド「んで、インサラウムの奴ら、破滅の軍団との闘いの中で何時の間にか撤退してやがったみたいだな……まぁ、あの状況じゃあそれが最善だろうな」

 

AN『さてこれで残るはZONEだけですか』

 

クロウ『うっし、それじゃあ……』

 

そう言ってリ・ブラスタはZONEへと近づこうとし……放たれたシュロウガの光線を避ける。

 

アサキム『そうはいかないよ、クロウ』

 

ドモン『貴様!』

 

ハヤテ『また邪魔を…!』

 

ジャマをしたシュロウガに誰もが身構えた時、シュロウガはZONEの中心部へ飛ぶ。

 

アサキム『これを君に渡すわけにはいかない』

 

クロウ『お前……何を言ってるんだ!?』

 

AN『渡すわけにはいかないって…!?』

 

出て来た言葉に誰もが戸惑う。

 

アサキム『オリジン・ローの流れの中で僕は再誕する』

 

その言葉と共に光りが強まって行く。

 

桂『あいつ、ZONEを封印する気なのか?』

 

コマンド「いや、先ほどの言い方じゃあ封印ってよりエネルギーを集めながら休眠する感じにも聞こえるな……」

 

AN『…もしかして本当にパワーアップ睡眠するつもりなのでは?』

 

ハヤテ『う、けど、ジャマすればクロウさんが代わりにならなければいけないし、どっちとも入らないだとZONEが動き続けるから駄目……出来る事がありません;』

 

それを見て呟く桂のを否定するコマンドにANは先ほどのからもしやと推測を言う。

 

誰もがありえると思ったがZONEを止める手立てがないのでハヤテの言う通り、アサキムのを通すしかなかった。

 

アサキム『とりあえずのお別れだ、揺れる天秤、愛欲の蛇使い。もう会えないかも知れないけどね……気を付けるんだね。スフィアを持つ者が君達に迫りつつある』

 

クロウ『何っ!?』

 

シオニー『スフィアを持つ者が私たちに…?』

 

問いただそうとするが強い光によりそれは出来なくなる。

 

ーこれで良いー

 

最後にクロウ達の耳に響いたアサキムの言葉がそれであった。

 

後には静寂した空間しか残らなかった。

 

シン『終わったのか……』

 

フェニーチェ「そうみたいだな」

 

ゲッちゃん『意味深な事を言いましたわね』

 

AN『そうですね…』

 

沈黙したZONEを見て呟くシンとフェニーチェの後に言ったゲッちゃんのにANは同意する。

 

ジェフリー《…気になる事があるが、とにかく暗黒大陸の別動隊が心配だ》

 

スメラギ《確かにそうね。皆!すぐに帰還して》

 

ハヤテ『あ、はい!』

 

香鈴『了解した』

 

その言葉に誰もが戦艦に向かっていく中、ANはZONEを見る。

 

AN「(…アサキム。彼が本当に何を企んでいるのか知りませんが、もしも禄でもない事なら、邪魔させてもらいますよ)」

 

そう心の中で呟きながら帰還する。


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