第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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始祖は天秤座の者と共に新たな力を得る。




第二十五話~Wアンブレイカブル~

前回の戦いから時間が経ち、ANはベッドに寝転がりながらゼロやスメラギとジェフリーと対峙していた。

 

AN「それで何から説明しましょうかね」

 

ゼロ「まずは君の正体から説明欲しい。その後にあなたを攻撃した奴の詳細も頼みたい」

 

切り出された事にそうですね…とANは少し思案してから口を開く。

 

AN「私はAN。ロボットの始祖です」

 

ゼロ「その始祖とはなんだ?」

 

続けてのゼロの問いにやはり聞かれますよね…と呟いた後にANは説明する。

 

AN「始祖と言うのは遥か昔、ある一つの世界が生まれたと共に誕生した存在でして、怪人や吸血鬼、天使や悪魔と言った様々な種類の始祖が存在します。始祖はそれぞれ固有の力を持ってて私はロボットの始祖ですのでそれに関した能力を持っているのです。また、始祖は不老不死でどんな傷を負っても復活できるのです」

 

ジェフリー「不老不死だと!?」

 

スメラギ「そんな存在がいたなんて…」

 

説明のにジェフリーとスメラギも驚き、ゼロもまた別の驚きがあった。

 

と言うか似た存在が傍にいるからこそすぐさま冷静になった後に次のを聞く。

 

ゼロ「では貴方を攻撃した奴の正体は?」

 

AN「あいつはエルク。様々なエネルギーを混ぜて作り出したエネルギー生命体です」

 

ジェフリー「エネルギー生命体…ではあの姿は…」

 

答えられた事にすぐさまジェフリーは予想してそんな彼のをANは肯定する。

 

AN「アバターと言う仮の姿です」

 

ジェフリー「やはりか…そして君の目的はエルクを捕まえる事なのかね?」

 

続けての問いにANは頷く。

 

AN「ええ。製作者として責任を取らなくてはならないのでね」

 

スメラギ「……ちょっと待って?製作者ってANさんが誕生させたと言う事!?」

 

告げられた事にスメラギがすぐさま反応して問う。

 

AN「はい、そうですよ」

 

ゼロ「一体なぜ作ったのだ!?」

 

あんな存在をと言うゼロのにANは困った顔をする。

 

AN「いや~様々なエネルギーを混ぜたら凄いエネルギー出来るのでは?と思って…その結果で意思を持ってしまったのが誤算でしたけど…」

 

その言葉に3人(ゼロは仮面で見えてないが)はなんとも言えない顔をする。

 

それにより少し無言の空間が出来るがジェフリーが崩す。

 

ジェフリー「とにかく、これからも奴が現れる可能性があるだろう…AN。改めてだが、これからも我々に協力して欲しい」

 

AN「もちろんそのつもりです」

 

ゼロ「その代わり、我々もあなたの目的に協力する。奴をほうっておけばガイオウと同じ厄介な可能性がありうる」

 

そうお願いするジェフリーにANは了承し、ゼロがそう申し出る。

 

AN「ええ。ありがとうございます。あ、ところでこの事はZEXISの人たちだけの秘密でお願いしますね」

 

ゼロ「勿論。あなたの秘密は悪い奴らには利用されたらいけない事です。我々の心内に秘めときましょう」

 

お願いするANにゼロは了承し、ジェフリーやスメラギも頷く。

 

ロボットで不老不死と言う時点でも知られたら大騒ぎになりかねないのだ。

 

AN「ありがとうございます皆さん」

 

ジェフリー「うむ、所でAN、君の体は大丈夫かね?」

 

礼を述べるANにジェフリーは確認する。

 

例えロボットだとしても女性なのと仲間として何かあったらと心配してのだ。

 

AN「ええ、もう大丈夫です」

 

ゼロ「そうか…現状の行動について説明しておこう。今我々はシカゴにあるスコート・ラボに向かっている。そこでブラスタのパワーアップをするそうだ」

 

頷くANにゼロは簡単に現状と今後のを教える。

 

AN「ブラスタのパワーアップですか…」

 

ジェフリー「これからの戦いは激化する可能性を考慮して我々もそれに賛成したのだ」

 

呟くANにジェフリーはそう言う。

 

AN「なら私もノワールの強化でもしましょうかね」

 

スメラギ「プランはあるの?」

 

少し考えて言ったANにスメラギは聞く。

 

AN「あ、そう言えばないですね…ふむ、此処は本家を訪ねてみましょうかね」

 

ゼロ「本家と言うと…トライア・スコートに聞くのか?」

 

AN「ええそうです」

 

本家を元に自身の機体の改良に良いアイディアが浮かぶだろうし、もしくは他のメンバーの改良プランを考えられると思ってのANの言葉に成程なとゼロは納得する。

 

AN「(なんかいいアイデアあるといいですね~)」

 

ワクワクしながらANはスコート・ラボに到着するのを待った。

 

 

 

 

しばらくしてスコート・ラボに到着し、クロウはチーフであるトライアに頼んでパワーアップもとい新型に移行する前にテストをしたが、VXを外した状態では起動すらままならないと言う結果になり、ぶっつけ本番でとの事になった。

 

その際にトライアはクロウは格闘戦か射撃戦のどっちを伸ばすかを聞いてから作業に移りにかかろうとする前にANからの要望に目を丸くする。

 

トライア「何かパワーアッププランはないか、だって?」

 

AN「はい!技術的に無理な奴でも良いのでください!」

 

そう言って手を合わせてお願いするANにトライアはふうむと唸る。

 

トライア「無理と言う奴なら、クロウに伝えた奴の原型となったのが2つあるよ」

 

AN「おお、どんなのですか?」

 

目を輝かせるANにトライアは説明を開始する。

 

トライア「まず1つ、沢山の火器を使用した超火力の砲撃形態。だけどその威力が対次元獣用兵器以上のになってしまったのとその武装の1つがビームをミサイルの様にするんだけどその武装を作れる技術が不足していたのもあってお蔵入りに、そんな砲撃形態を元にしたのがクロウに提案した格闘戦タイプさ」

 

AN「ふむふむ、なるほど。ではもうひとつの方は?」

 

1本指を伸ばして説明するトライアのにANは促す。

 

トライア「2つ目はに反応できない程の超スピードの素早い速さと一撃をコンセプトにした短期決戦型。これの欠点は超スピードによる操縦者の負担とどんな相手だろうと一撃で仕留める為の武器に使う物質がなかった事でのお蔵入りさ、だから一撃で決めるのではなく、全くダメージを受けずに敵を殲滅すると言うのにコンセプトを変更して操縦者に負担のない程度にした機動力を活かしたアウトレンジで攻めるのに変更したのがクロウに提案した射撃戦タイプさ」

 

AN「なるほど…。クロウさんはどっちを選んだんですか?」

 

2本目の指を伸ばして続けて説明したトライアにANは聞く。

 

トライア「あいつが選んだのは射撃型だよ。まぁ、後でもう1つのに換装出来る様にするけどね」

 

AN「そうなんですか。ふむ、迷いますね…」

 

ううむとどっちかにしようかと悩むANにトライアは作業を開始しながら提案する。

 

トライア「悩むなら私がやる様に2つとも作ってどっちかを先に使ってもう1つは後で使ってやればいいんじゃないかね」

 

AN「その先に使う方をどっちにするか悩んでるですよ」

 

そう言われてトライアはふむ…と顎を摩った後…

 

トライア「ならクロウが選んでない…つまり格闘戦タイプの元になった砲撃形態にしたらどうだい?まぁ、出来たらと言いたいがあんたは出来るみたいだね」

 

AN「なるほど。ではそうしてみましょうか」

 

提案された事にありがとうございます!とトライアにお礼を述べてからANは早速ARISIAへと戻る。

 

 

 

 

 

AN「ってことでこれからノワールの強化を行います」

 

シオニー「それでなぜ私も?」

 

そう言うANのにシオニーが恐る恐る聞く。

 

AN「いやー、ついでにシオニーさんの機体も強化しとこうかなと思いまして」

 

強化!?と驚くシオニーや見に来ていたハヤテ達は驚く。

 

X魔王「ちなみにどういう感じにシオニーさんのを改良するんでっか?」

 

AN「そこはおいおい決める感じですがまずは蛇使い座的要素を加えたいと思いまして」

 

シオニー「蛇使い座的要素…ですか?」

 

聞くX魔王のに答えたANのにシオニーは首を傾げる。

 

ハヤテ「あ、もしかしてシオニーさんのスフィアが蛇使い座だから…」

 

AN「はい。なので機体にも蛇使い座の要素を加えたいと思いまして。他の皆さんの機体もそれぞれのスフィアの星座を外見や名前に取り入れてますからね」

 

そう言われてハヤテ達も確かにと納得する。

 

レイジ「だからシオニーには蛇使い座って訳か」

 

ハヤテ「シンさんから聞いた僕達が来る前にいたセツコさんのはバルゴラは乙女座のヴァルゴでランドさん達のガンレオンは獅子座でレオン…あれ?そうなるとクロウさんのブラスタは天秤座のリブラになる筈ですけど…」

 

納得するレイジの後に言ってから気づいたハヤテに香鈴が言う。

 

香鈴「それならANさんから先ほど聞いたのだが、どうやらブラスタは改良後はリ・ブラスタになるそうだ」

 

ハヤテ「ああ、なるほど」

 

作業をしているANを見ながらハヤテは成程なと納得してから困った顔をする。

 

その顔をする理由はクロウだ。

 

ハヤテ「改良した機体でクロウさん暴走しなければ良いんですが…」

 

シオニー「あ…」

 

そう言われると誰もがハヤテの心配を察する。

 

香鈴「そう言えばそうだな…」

 

シオニー「そこはクロウさん考えているんでしょうか…」

 

Aエクシア「考えてると良いんっすけどね」

 

コマンド「……もしも奴を繋ぎ止めれる可能性があるのならありえるだろうな」

 

唸っていた面々に武器を整備していたコマンドがそう言う。

 

ハヤテ「繋ぎ止めるものですか…」

 

コマンド「クロウ・ブルーストはそれを見つける事でスフィアの力を使いこなせる様になる…俺はそう思っている。戦士としての勘がそう告げている」

 

香鈴「戦士としての勘か…」

 

ビーー!ビーー!

 

すると警報が鳴り響く。

 

フェニーチェ【インサラウム接近!インサラウム接近!至急出撃できる者は出撃せよ!】

 

ハヤテ「インサラウムが!?」

 

AN「ちょっ!?まだ強化終わってませんよ!?」

 

ドモン「ならばお前は自分の機体の改良に専念するんだ。俺達が出撃する!行くぞハヤテ、レイジ!」

 

ハヤテ「はい!」

 

レイジ「おう!」

 

驚くANへとドモンがそう言って他のメンバーへと呼びかけてAN以外が出撃に移る。

 

ドモン「しかし、クロウが狙いとなるとやはり奴らもスフィアの力を完全に制御されたくない可能性があるな」

 

ハヤテ「そのようですね。それだけスフィアの力は凄いんですね」

 

シオニー「あ、皆さんあれを!」

 

行く途中でそう呟くドモンにハヤテも頷く中でシオニーが外を見て何かに気づいて指をさす。

 

誰もが彼女の指す方を見る。

 

香鈴「あれはディアムド!?」

 

ハヤテ「と言うことはナイトオブナイツの最強の人が!」

 

すぐさまそれぞれの機体に乗り込んだ後に出撃する。

 

レイジ『最強の騎士様が出迎えとは、ホント評価されてるなこっちは』

 

ハヤテ『まあ低く見られてるよりはいいでしょうね』

 

そう呟くレイジにハヤテはそう言う。

 

ジェラウド『ZEXIS…私が用があるのはクロウ・ブルーストだ。今はお前達と戦うつもりはない』

 

出撃して来た面々を見てジェラウドはそう言う。

 

シン『そっちに用がなくても、こっちにはある!』

 

ジロン『クロウをお前にやらせる訳にはいかないんだ!』

 

香鈴『だからお前は私達が倒す!』

 

ジェラウド『あの男がZONEを止める最後の手段であるのは認識しているか』

 

そう言うジェラウドのに対して違うなとロックオンが否定する。

 

ロックオン『そういう打算的な付き合いじゃねえのさ』

 

青山『仲間が狙われてるんだ。助けるのは当然だろ?』

 

デュオ『あいつと戦いたいってんなら、まずは俺達が相手になるぜ』

 

ハヤテ『僕達はしぶといので倒すのは苦労しますよ?』

 

そう言った4人のに良いだろうとジェラウドはそう言い…

 

ジェラウド『万一の場合を考えて、こちらも準備して来た』

 

その言葉と共にディム・リーやディム・サーが現れる。

 

レイジ『来やがったなアークセイバー!』

 

エイジ『でも、次元獣や無人機がいないぜ』

 

シオニー『そう言えば…』

 

AS団員『ナイトオブナイツの戦いに同行を許されるのは名誉の証だ。その役目を次元獣に譲る訳には行かない』

 

出て来たのに次元獣や無人機の姿がないのに疑問を感じる面々へとASの1人がそう返す。

 

騎士「なるほど、仲間として戦うその姿勢、敬意を評する!」

 

ドモン『確かに、その言葉は同意だな』

 

ハヤテ『ならその敬意に対して全力でいきましょう!』

 

それに対して各々に述べる。

 

ドモンに至っては仲間の1人を思い出していた。

 

ジェラウド『お前達…分かった。お前達の働きに期待させて貰うぞ』

 

AS団員『はっ!ありがたき言葉!』

 

キラ『あのジェラウドと言う人、人望が厚いみたいだね』

 

コマンド「騎士の中の騎士が意味のナイトオブナイツの名は伊達じゃないって事だな」

 

アイラ《そうみたいね。こういう奴ら程厄介で強敵になりうるわよね》

 

ジェラウド達のやり取りを見てそう述べるキラにコマンドも同意しながらそう言い、アイラがぼやくとディアムドは右手に持っている槍を掲げる。

 

ジェラウド『各機は散開…!クロウ・ブルーストが来る前にZEXISを叩く!』

 

その言葉に誰もが来ると動こうとした時…

 

クロウ『そうはさせねえぜ』

 

その言葉と共にスコート・ラボから1体のアクシオが出撃する。

 

ワッ太『クロウ…!』

 

ヒイロ『それがパワーアップしたブラスタ…』

 

デュオ『んな、わけねえだろ!?』

 

ハヤテ『それって量産機のアクシオでは…』

 

ヒイロにデュオがツッコミを入れる中でハヤテは乗り込んでいるクロウに聞く。

 

クロウ『ああ、こいつはチーフがチューンしたアクシオだ』

 

トライア『その名もアクシオ・スコートSP・VRマキシマⅡだよ』

 

Aエクシア「名前ながっ」

 

シオニー『でどこら辺が変わっているんですか?』

 

出て来た名前にAエクシアはツッコミを入れた後にシオニーが聞く。

 

トライア『ノーマルのアクシオを可能な限りチューンナップした奴さ、ちょいとANって子にも手伝って貰って武装の強化も急ごしらえだがしてあるよ』

 

AN『まあ善戦はできると思いますよ』

 

クロウ『名前はどうもで良いが、このカラーリング…俺の趣味じゃねえな。ANさんなら武装の強化ついでに色を変えてると思ったんだけどよ…』

 

そう返す2人に対してクロウは色が気に入らないのかぼやく。

 

トライア『文句言うなら生身でやりな。パイルバンカー付きのライフルを貸してやるよ』

 

AN『カラーなら操縦席にある虹色のスイッチを押せば変わりますよ』

 

そんなクロウに対してトライアはそう言い、ANは助言する。

 

ガムリン『凄い人みたいですね。あの人…』

 

赤木『相変わらずだな、あのおキツネ博士の飛ばしっぷりも…』

 

シオニー『ANさんもカラーチェンジ装置を付けてますし…』

 

ハヤテ『けど、クロウさんなんで!?』

 

レントン『そうだよクロウ!どうして出て来たんだ!』

 

初めてトライアと会うのでそう述べるガムリンに赤木とシオニーは呆れる中でハヤテとレントンが言う。

 

渓『せっかくあんたを守る為にあたし達が戦おうってのに!』

 

香鈴『出るとしても強化終わってからにすれば良いだろうに…』

 

クロウ『気持ちだけいただいとく。俺は誰かに守られるってのは性に合わないみたいなんでな』

 

シモン『…覚悟を決めたのか?』

 

渓と香鈴のに色を変えつつクロウはそう返してからシモンのにまあなと返す。

 

クロウ『さてと…待たせたな、ジェラウド』

 

ジェラウド『ブラスタはどうした?』

 

そう聞くジェラウドにちょっと野暮用でな…とクロウは返す。

 

クロウ『色々あって使えない状態なんでな』

 

ジェラウド『…私の受けた任務はお前の抹殺だ。機体が何であっても手加減はしないぞ』

 

そう言って槍をアクシオに向ける。

 

クロウ『良い気迫だ。流石は最強の騎士様だ』

 

ドモン『確かに、No.1は伊達ではないな』

 

ハヤテ『そうですね』

 

それにクロウとドモンは感嘆し、ハヤテもこれは厳しいと思った時…

 

???『では僕も参加しましょうかね』

 

その言葉と共に両陣営近くに爆撃が起こる。

 

ジェラウド『!この声はリストの偽物!』

 

リスト『クローンと言ってください。クローンと』

 

その言葉と共に現れるクォール・トゥエルドに黙れ!とジェラウドは怒鳴る。

 

ジェラウド『貴様はリストの誇りを汚す存在!そんな貴様を絶対に許さん!』

 

リスト『やれやれ、オリジナルの誇りがどんなのか知りませんが面倒ですね』

 

そうぼやいた後にムラサメなどの軍勢が現れる。

 

クロウ『ちぃ、インサラウム以外に破滅の軍団か…』

 

ハヤテ『これはヤバイですね…』

 

誰もが状況に顔を歪め、クロウ自身もこりゃあ時間を稼ぐのは難しいか…と覚悟を決めた時だ。

 

ジェラウド『………アークセイバー各機!ZEXISの相手は後にし、破滅の軍団殲滅に集中せよ!』

 

AS団員『は、はっ!分かりましたジェラウド卿!』

 

シオニー『え?』

 

香鈴『どうやらあちらは破滅の軍団を相手にするようだな』

 

ジェラウドから出て来た言葉に誰もが驚く中でディアムドはクォール・トゥエルドへと突撃する。

 

ジェラウド『陛下からはZEXISと破滅の軍団と遭遇した場合は破滅の軍団を優先的に抹殺せよと言われた。私自身、仲間の姿をしたお前を許すわけにはいかん!』

 

リスト『おやおや、困りましたねこれは』

 

そう言って斬りかかるディアムドの槍を剣で防ぎながらリストはそう呟く。

 

ジェフリー《どうやらインサラウムは自分達にかかる脅威では破滅の軍団が高いと認識してるみたいだな》

 

ゼロ『今の状況ではありがたい事だ。閣員に告ぐ!インサラウムと一時共闘する形で破滅の軍団を迎え撃て!一番の脅威と言う意味ではあちらと見解は同じだ!』

 

香鈴『了解した』

 

ハヤテ『はい!』

 

その言葉と共に戦闘は開始される。

 

それぞれがお互いのを邪魔しない様に別々の機体を相手に取る。

 

ドモン『デヤッ!』

 

ハヤテ『はあっ!』

 

ゴッドマスターが1体を吹き飛ばした所で狙おうとしていたムラサメをハヤテが撃ち抜く。

 

ロックオン『たくっ、本当に数だけは他のより厄介だな!』

 

デュオ『ぼやきたくなるもんだな!』

 

シオニー『このっ!』

 

撃ち抜きながらぼやくロックオンにデュオも1体を両断しながら同意してシオニーは必死に撃退して行く。

 

ジェラウド『おおおおお!』

 

リスト『はああああっ!』

 

お互いに互角の勝負を繰り広げる中で距離を取る。

 

ジェラウド『腕もコピーしてるとは…とことん怒りを覚えさせてくれるな偽物よ!』

 

リスト『オリジナルを正確にコピーしているのですから当然です。ですが機体スペックは少し違いますよっと!』

 

そう言うジェラウドにリストはそう言いながらクォールトゥエルドの背中の翼部分からブーメラン状の刃を射出する。

 

ジェラウド『むん!』

 

飛んで来るのにディアムドは槍の先端からエネルギー弾を放って撃ち落として行く。

 

リスト『流石にこの程度平気ですか。なら次はこれです』

 

そう言って黒い刀身の剣を出現させるが今度は手に持たずに複数出して射出する。

 

ディアムドは飛んで来る剣を槍で払いのけて行く。

 

リスト『これも捌きますか。なら次はこれです』

 

その言葉の後に虚空からミサイルポッドを大量に出現させ、自らもビームによる射撃とともに出現させたミサイルポッドから全弾を放出する。

 

ジェラウド『ぬう!』

 

それにビームをなんとか避けながらミサイルを撃ち落とすが一部を撃ち落とせずにディアムドに飛んで行く。

 

が、それは横からの射撃で撃ち落とされる。

 

クロウ『おっと、わりぃが勝負を付けてないから落とされる訳には行かないぜ』

 

リスト『むっ…』

 

ジェラウド『クロウ・ブルースト!?』

 

それを行ったのがクロウのアクシオでディアムドの隣に立つ。

 

ジェラウド『礼は言わんぞ』

 

クロウ『勝手にやった事だから気になさんな』

 

リスト『二対一ですか。少し厄介ですね』

 

グォォォォォォン!!

 

そう短く言葉を交わす2人を見てリストは唸った後に獣の鳴き声が響き渡る。

 

武者「な、なんでござるか?」

 

ハヤテ『この鳴き声って……!?』

 

ジェラウド『む…?あれは!』

 

誰もが驚く中でジェラウドは思い当たるのかそう呟いた後に4体の次元獣が現れる。

 

3体はアダモンだが、先頭にいる次元獣だけは見た事がなかった。

 

クロウ『人造次元獣か!』

 

香鈴『だが今まで見たことないタイプだぞあれは』

 

ジュリィ『これまでの次元獣より洗練された形態だ。完成形と言った所だろう』

 

闘志也『ヤバさも跳ね上がっているようだぜ!』

 

冷静に分析するジュリィのに闘志也は顔を顰める。

 

ジェラウド『ギガ・アダモン!アンブローン宰相が送って来たのか』

 

ギガ・アダモン「!!!!」

 

その後にギガ・アダモンと呼ばれた人造次元獣はクォール・トゥエルドへと向かって行く。

 

リスト『む…こっちに向かってきますか。ならこちらも新作を出すとしますか』

 

その言葉と共に指をパチンと鳴らす。

 

ドシーン!!!

 

ギガ・アダモン「!?」

 

突撃しようとしていたギガ・アダモンの前に何かが阻む。

 

シン『な、なんだあれ!?』

 

香鈴『あれは…!?』

 

ハヤテ『三つ首の……次元獣!?』

 

現れたのに誰もが唖然とする。

 

ギガ・アダモンも大きいが現れた存在はさらに大きく、1つの体に顔が3つ首の龍であった。

 

リスト『これが我々の新作、魔龍次元獣トライダモン。その強さは折り紙付きですよ』

 

トライダモン「!!!」

 

その言葉と共にトライダモンはギガ・アダモンとぶつかり合う。

 

ハヤテ『ぐっ!?凄い衝撃だ!』

 

シオニー『ぶつかり合うだけでこの衝撃!?』

 

それによる起こる衝撃に誰もが吹き飛ばされない様に踏ん張る。

 

ドモン『とんでもない存在を作り出したものだ!』

 

リスト『ふふふ、我々の科学力なら可能なのですよ』

 

向かって来たのを蹴り飛ばしながら言うドモンにリストはそう返す。

 

そのぶつかり合いによるエネルギー波の一部がクロウの乗るアクシオを襲う。

 

クロウ『どわっ!』

 

アルト『クロウ!』

 

香鈴『大丈夫か!?』

 

火花を散らすアクシオに香鈴は問う。

 

クロウ『まだ大丈夫だが…さっきので武装がイカレちまった』

 

カレン『下がれ!そのアクシオじゃ無理だ!』

 

ハヤテ『トライアさん、ブラスタの方はどうですか!?』

 

呻くクロウにカレンがそう言った後にハヤテが聞く。

 

トライア『間に合ったよ、クロウ。あんたの粘り勝ちだよ』

 

勝平『じゃあ!』

 

刹那『ブラスタのパワーアップが完成したか…!』

 

Aエクシア「よっしゃあ!」

 

香鈴『気を抜くな。次元獣たちに邪魔されたら元も子もないぞ』

 

報告に誰もが喜んだが香鈴の言葉に確かにと思った所でクロウは戻ろうとアクシオを動かす。

 

リスト『おっと、そうはさせませんよ』

 

それをさせまいとアクシオへとトライダモンと共に迫ろうとし…ディアムドとギガ・アダモンが阻む。

 

ジェラウド『行け、クロウ・ブルースト。新たなブラスタに乗れ』

 

シオニー『え?』

 

クロウ『…良いのか?』

 

抑えながらそう言うジェラウドに誰もが驚く中でクロウは顔を厳しくしながら問う。

 

ジェラウド『ナイトオブナイツも1人の騎士…1人の男だ』

 

ハヤテ『ジェラウドさん…』

 

リスト『やれやれ、騎士と言うのは何故こう面倒なのでしょうか。オリジナルもどうしてなったのでしょうね』

 

そんなクロウのに対してそう返したジェラウドに例え戦争だろうと正々堂々の勝負を果たしたいと言う思いが詰まっているのをハヤテは察し、リストは理解不能と呆れる。

 

クロウ『ありがとうよ…だが、お前の期待に添えないかもしれないぜ?新しいブラスタは起動するかも当てにならない代物だからな』

 

礼を述べてからそう言い残してクロウはラボへと戻る。

 

ジェラウド『待っているぞ、クロウ・ブルースト』

 

リスト『ではその間、トライダモン。暴れなさい』

 

見送ったジェラウドがそう呟いた直後にリストがそう命令するとトライダモンは咆哮すると3つ首の口から電撃を迸らせる。

 

デュオ『どわっ!?』

 

バサラ『おっと』

 

シオニー『あわわわわ!?』

 

周囲に放たれる電撃に誰もが避ける中でアダモン3体はマトモに受けて痺れる。

 

リスト『喰らいなさい。トライダモン』

 

トライダモン「■■■■■■ッ!!」

 

それを見てリストは命令するとトライダモンは動けないアダモン3体に近寄り…

 

ガブっ!!!

 

噛み付いた!

 

ドモン『!子供たちは見るな!』

 

シルヴィア『あ、あいつ…!』

 

シオニー『次元獣を食べてるっ!?』

 

バリッ、ボキッ!グシャ

 

その行動にドモンはすぐさま叫び、大人組がすぐさま子供組の前に立つ中でトライダモンはアダモンを食べて行く。

 

ジェラウド『外道が…!』

 

リスト『外道?いえ違います。弱肉強食と言う自然の掟です』

 

それに顔を歪めるジェラウドにリストは笑みを浮かばせて言う。

 

そしてアダモンを食べつくしたトラダモンは吠える。

 

ロジャー『なんとも下品な次元獣だな』

 

ゼロ『だが、先ほどのを見ても強敵なのに変わりないな』

 

ハヤテ『そうですね…』

 

それに誰もがさらに警戒し、ギガ・アダモンも野生の本能かグルルとうなりつつトライダモンを警戒する。

 

リスト『さあもっと喰らいなさいトライダモン』

 

その言葉と共にトライダモンはギガ・アダモンへと狙いを付ける。

 

ゼロ『!いかん!もしかすると奴は食う事で成長かパワーアップをしているかもしれない!奴にギガ・アダモンと呼ばれた次元獣を食べさせるな!』

 

ヒイロ『了解』

 

香鈴『了解した』

 

それにゼロはすぐさま予測してそう言い、誰もがすぐさまトライアダモンへと攻撃を仕掛ける。

 

ジェラウド『うぉぉぉぉぉ!』

 

リスト『うおっと』

 

ガキィン!

 

再びぶつかり合うのにリストはうんざりした顔をする。

 

リスト『そろそろ面倒ですね。トライダモン、あとは任せますので頼みますよ』

 

そう言い残してクォール・トゥエルドは退散する。

 

レイジ『あ、行きやがった!』

 

ハヤテ『しかも厄介なの残していきましたよ!?』

 

それにレイジは顔を顰める中でハヤテの言う様に他の次元獣が複数現れる。

 

コマンド「厄介な置き土産しやがって!」

 

シオニー『あ、皆さん!トライダモンが!』

 

トライダモン「■■■■■ッ!!」

 

呻きながら迫った奴を撃ち抜いたコマンドはシオニーの言葉にトライダモンを見ると援軍として送られたと思われる次元獣をトライダモンは捕食し始めたのだ。

 

甲児『こいつ、自分の味方を食べてやがる!?』

 

ミヅキ『どうやら援軍じゃなくて餌みたいね』

 

香鈴『おい、なんか大きくなってないかアイツ』

 

その光景に目を見開く甲児の後に目つきを鋭くさせてミヅキがそう呟く中で香鈴の言葉通り、トライダモンはドンドン大きくなって行く。

 

ロジャー『いかん!このままでは奴はさらに大きくなる』

 

その様子にロジャーが呻く中で見ていたジェラウドは目を瞑ってすぐに開き…

 

ジェラウド『…………アークセイバーよ。退却せよ。私は残る』

 

AS団員『ジェラウド卿!?』

 

告げられた事にアークセイバーも含めて誰もが驚く。

 

ジェラウド『お前達を、誇りの解らん破壊の使徒の戦いに巻き込む訳には行かない…頼む』

 

AS団員『………分かりました。卿もご武運を!』

 

強い言葉にAS団員は了承して退散していく。

 

アポロ『お前…良い奴らしいな』

 

ジェラウド『…我々は侵略者だ。そのような言葉を受けるに値しない』

 

ロジャー『インサラウムと言う国家はまごう事なき侵略者であると言えよう。だが、先ほどの言葉と部下を思う所にはあなた個人には敬意を払わせてもらおう』

 

ドモン『確かに、あんた自身、俺の知る友と同じ騎士道精神を持ち合わせている。敬意を称するには十分だ』

 

ハヤテ『僕もドモンさんと同じ気持ちです』

 

そんなジェラウドにアポロはそう言い、否定するジェラウドへとロジャーとドモンも続き、ハヤテもトライダモンに攻撃しながら同意する。

 

ジェラウド『…………』

 

トライダモン「■■■■■■ッ!!」

 

送られて来た次元獣を食べ尽くしたトライダモンは咆哮を上げてからラボへと進路を向ける。

 

デュオ『やべぇ!あいつラボに向かう気だ!』

 

マルグリット『ぬぉぉぉぉぉぉ!!!』

 

それにデュオが焦った時、パールネイルがトライダモンの前に飛び出して展開した小型のを発射する。

 

トライダモン「!」

 

シオニー『マルグリット!?』

 

飛び出したパールネイルに誰もが驚くがトライダモンは攻撃を受けたのにダメージを受けてなかった。

 

トライダモン「■■■■ッ!!」

 

今度はこっちの番だとトライダモンは左右の首を伸ばして裂け目の様なゲートを作り出すと左右の首をゲートに入れる

 

パールネイルの近くからゲート出てきてそこから左右の頭がそれぞれパールネイルの両肩に噛み付く。

続けて尻尾が伸びて新たに作り上げたゲートを通り、パールネイルの胴体に刺さる

 

最後に真ん中の頭が強力なエネルギー砲を身動きの取れないパールネイルに放つ

 

直撃したパールネイルは全身から火花を散らす。

 

マルグリット『きゃあぁぁぁぁぁ!?』

 

ジェラウド『マルグリット!?』

 

シオニー『大丈夫ですか?!』

 

倒れるパールネイルにディアムドとパールネシアは近づき、追撃しようとするトライダモンをギガ・アダモンが止めに入る。

 

ジェラウド『マルグリット…何故そんな無茶を!』

 

マルグリット『う…すみません…けど、彼を…クロウを…殺させる訳に行かない…そう思ってしまったら…アークセイバーとしてすいません』

 

シオニー『マルグリット、貴女……』

 

飛び込んだマルグリットに問うジェラウドに本人が悲痛な顔で答えた事にシオニーは胸を握り締める。

 

ジェラウド『…良いだろう。マルグリット・ピステールは、ここで死んだ。どこへでも消えるが良い』

 

マルグリット『はい…(すいません。そしてありがとうございますジェラウド卿)』

 

そんなマルグリットにジェラウドはあえて冷たく突き放すとパールネイルはなんとか立ち上がった後にボロボロの状態でその場から離脱する。

 

シオニー「(マルグリット、大丈夫でしょうか…)」

 

そんなパールネイルをシオニーは心配しながらトライアダモンへと顔を向ける。

 

トライダモン「■■■■ッ!」

 

ギガ・アダモン「■■■■ッ!!」

 

ズドォンズドォオン!!

 

その間にトライアダモンはギガ・アダモンを吹き飛ばし、倒れて動けない所を食らおうとし…ラボを見る。

 

ジェラウド『来るか…!』

 

騎士「む?」

 

ハヤテ『もしかして…!』

 

その様子に誰もが察すると共に…

 

トライア『行ってこい、クロウ!!』

 

トライアの言葉と共にラボから一部が青く塗装され、形状を少し変えたブラスタが飛び出して来る。

 

アイラ《あれが…》

 

シオニー『強化されたブラスタ…リ・ブラスタ』

 

クロウ『そうだ。こいつが新たな相棒…リ・ブラスタだ…で、悪いな皆…俺はスフィアの力を使う』

 

呟いたシオニーのにクロウは肯定した後に一同へと告げる。

 

出て来た言葉に誰もが驚く。

 

デュオ『お前…!』

 

ハヤテ『クロウさんそれは…!』

 

クロウ『この次元獣には生半可な力じゃ勝てねえ…一撃で決める。もしもの時は、その後の事も頼むぜ』

 

アルト『頼むって…あんた…!?』

 

香鈴『……覚悟はできてるのか……』

 

覚悟を込めて言うクロウに香鈴は地を出さない様に必死に我慢しながら問う。

 

クロウ『してなきゃこうは言わねえ…俺はスフィアに囚われちまったら、きっと正常な判断は出来なくなるだろう』

 

ガロード『俺達にお前を撃てって言うのかよ!』

 

武者「味方を撃てなど酷であるぞ!」

 

シオニー『そうですよ!そんなこと……エスターさんはどうなるんですか!?』

 

そう言ったクロウにガロードと武者は叫び、シオニーはエスターの事について叫ぶ。

 

そんなシオニーのにクロウは苦笑する。

 

クロウ『だったら、一か八かの勝負だ。俺は俺らしく生きる。俺の意思を捻じ曲げようとするものを突き抜けて進む!エスターの事は…万一の時は、そっちも頼んだぜ…!』

 

その言葉の後にリ・ブラスタの目が強く輝く。

 

クロウ『リ・ブラスタ…!お前に俺の全てを預ける!!行くぜ、次元獣!!』

 

その言葉と共にリ・ブラスタは突撃する。

 

チャリーン!

 

その中で何かの音がクロウのコックピットに響き渡る。

 

クロウ『SPIGOT起動!全基、展開!!』

 

その言葉と共にリ・ブラスタの右手に持っていた銃の先端に付いていたSPIGOTが分離してリ・ブラスタの周囲に浮かぶ。

 

クロウ『見せてやるぜ、本当のゼロ距離射撃って奴を!』

 

そのまま銃からレーザーを発射すると銃の銃口前にあったSPIGOTを通して3つのSPIGOTからレーザーが放射される。

 

怯んだ所で続けて連続射撃を浴びせてトライダモンの周囲を飛び回った後に3つのSPIGOTがトライダモンの体にぶつかり…

 

クロウ『トライアングル・フォーメーション!弾けろ!VXクラスター!!』

 

そのまま残った1つに連射するとトライダモンにくっついた3つのSPIGOTから先ほど言っていたゼロ距離射撃が炸裂する。

 

トライダモン「!!!?」

 

クロウ『これが俺とリ・ブラスタの力だ』

 

呻きの咆哮をあげるトライダモンを見ながらクロウはそう言う。

 

青山『クロウ…お前…』

 

ロックオン『スフィアに取り込まれていないのか?』

 

コマンド&武者「何!?」

 

騎士「なんだって!?」

 

ハヤテ『でもなんで……!?』

 

AN『……えー、まさかそう言うことですかー』

 

誰もが意識を保っているクロウに驚いているとANの言葉と共にラボから別のブラスタが出る。

 

そのブラスタはクロウの乗るリ・ブラスタと違って重武装で肩にミサイルポッドが装着されていた。

 

シオニー『ANさん!強化終わったんですね!』

 

AN『ええ、お待たせしました!これぞノワールの新しい姿!ノワール・ゼロGです!』

 

ハヤテ『ノワール・ゼロG…』

 

出て来た名前に誰もがおおとなる中でANは呆れた顔をしてリ・ブラスタを見る。

 

AN『それにしてもクロウさん、まさかそんな方法で暴走抑えるなんて、思ってもいませんでしたよ……』

 

フェニーチェ「そんな方法?」

 

X魔王「呆れる感じのなんですか?」

 

クロウ『フ…スフィアの力を使いながら、ギリギリの所で自分ってものを残せたらしい』

 

トライア『とっておきの仕掛け…CDSのおかげだね』

 

まあなと返すクロウだが全員がトライアの言うのが気になった。

 

デュオ『CDS…!?』

 

ハヤテ『それって一体何ですか!?』

 

トライア『ふふ、教える前にあいつの意識を繋ぎ止めたのは…この音だよ』

 

チャリーン!

 

聞いたハヤテにトライアはそう前置きしてから…手に持ったお金を落として音を響かせる。

 

クロウ『金!』

 

レイジ『はあ!?』

 

ロックオン『まさか…』

 

青山『CDSとは…!?』

 

香鈴『コインの音がするシステム!?』

 

誰もがその正体に驚愕する。

 

クロウ『そう…C《コイン》・D《ドロップ》・S《システム》だ』

 

トライア『クロウが無意識でも金に反応する習性を利用したんだよ。VXの出力が一定以上になると、コックピットでコインの音が鳴って、あいつの意識を繋ぎ止めるのさ』

 

AN『どんだけ金好きなんですか貴方は……』

 

不敵に笑って説明する2人にANは呆れる。

 

クロウ『一か八かの賭けだったが、上手くいったようだぜ』

 

デュオ『まさか、あんた…スフィアに囚われてながら、その音だけは聞こえてるってのかよ!』

 

アイラ《あ、飽きれた…》

 

シオニー『そんなので解決できるものなんですね……』

 

ロックオン『なんだよ、そりゃ…!』

 

青山『とんだ守銭奴だよ。お前は!』

 

得意げなクロウだが他の面々は呆れ果てたり怒っていた。

 

そりゃああんなに苦労していたのをそんな方法で解決するなど想像できる訳がないのだ。

 

クロウ『フ…否定出来ねえ…んでまだ倒れてねえみてえだな…!』

 

トライダモン「!!!」

 

不敵に笑った後にクロウはまだ健在なトライアダモンを睨む。

 

AN『ちょうどいいです!ノワール・ゼロGの力を見せましょう!』

 

その言葉の後にノワール・ゼロGはミサイルポッドからミサイル型の光弾を連発する。

 

光弾ミサイルは次々とトライダモンに炸裂する。

 

トライダモン「!!」

 

AN『まだまだ!』

 

続けて両腕を突き出すとその両腕に付いていたSPIGOTが回転すると共にエネルギー弾が連発で放たれる。

 

それにより雨の様になったエネルギー弾にトライダモンは咆哮する。

 

シオニー『す、凄い…』

 

AN『まだまだですよ!』

 

最後に狙いを定めてからミサイルポッドの発射口と両腕のSPIGOTを回転させて光らせ…

 

AN『フィナーレです!!』

 

光弾ミサイルと光弾が一斉に放たれ、トライダモンを飲み込んだ。

 

ギリー『す、すっげぇ…』

 

ダリー『圧倒してる…』

 

トライア『凄いね…こっちが没にしたのを見事に再現してるよ』

 

ハヤテ『これならトライダモンも流石に…』

 

それに誰もが圧倒される中でハヤテが呟いた後…

 

トライダモン「!!!!!!!!」

 

爆風からトライダモンが現れる。

 

ただ、体中が傷だらけであったが…

 

ジロン『おいおいおい、まだ生きてるぞ!?あ、いや生存フラグがハヤテの口から出てたか』

 

ハヤテ『すみません……;』

 

シン『いや、少しおかしいぞ』

 

それにジロンが思わずメタい事を言い、ハヤテも謝罪する中でシンがツッコミを入れてる間にリ・ブラスタとノワール・ゼロGは並び立つ。

 

クロウ『ようANさん…どうせだしWブラスタ…いや、リ・ブラスタとノワール・ゼロの力を合わせようぜ』

 

AN『お、良いですねそれは』

 

その言葉と共にお互いに出力を上げる。

 

クロウ『行くぜ相棒!飛ばして行くぜ!』

 

AN『こちらも行きましょう!』

 

お互いの相棒の言葉に答える様にリ・ブラスタとノワール・ゼロGは強く目を輝かせる。

 

最初にリ・ブラスタが飛び出すと先ほどトライダモンに浴びせたSPIGOT3基からのレーザー放射攻撃を放つ。

 

同時にノワール・ゼロGが頭部の両端に搭載された電磁加速砲による砲撃と両腕からガトリングを放ってトライダモンの動きを封じながらレーザー攻撃と共にダメージを与える。

 

治まった所をリ・ブラスタの3基のSPIGOTがトライダモンにぶつかりめり込んだ所を見て、残りの1基をリ・ブラスタとノワールゼロGの前に浮遊させる。

 

その1基へと2機は狙いを定める

 

クロウ『さあ、味わいな!』

 

AN『真のゼロ距離射撃を!』

 

ドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

その言葉と共に両機は連射し、SPIGOTを通してトライダモンを内部から破壊する。

 

トライダモン「!!!!!?」

 

ドカーーン!

 

リ・ブラスタとノワール・ゼロGの同時攻撃を受けたトライダモンは爆発四散する。

 

爆発を背にリ・ブラスタとノワール・ゼロGはポーズを取って目を光らせる。

 

武者「おお!」

 

エイジ『新しい次元獣を倒した!』

 

シオニー『凄いです二人とも!』

 

ハヤテ『凄い合体技でしたよ!』

 

トライダモンを倒した2人に誰もが称賛する。

 

クロウ『ナイスショットだぜ』

 

AN『良い技でしたね。後で名前考えときましょうか』

 

ジェラウド『見事だ、クロウ・ブルースト。お前の新しい力、見せて貰ったぞ』

 

そうだなとお互いに褒めた所でジェラウドが称賛の言葉をかける。

 

クロウ『そう言う堅苦しいのは無しだ。俺の事はクロウで良い』

 

ジェラウド『フ…良いだろう。ではクロウと呼ばせて貰う。先ほども言ったが見事だった。それに応える為にも私とディアムドも、全力で相手させて貰う!!』

 

その言葉と共にディアムドの目が輝く。

 

クロウ『良いぜジェラウド。もしも奴が現れなかったら最後の相手に指名するつもりだったんだ。戦友認定させて貰った分、こっちも応えてやるぜ!』

 

その言葉と共にリ・ブラスタも目を輝かせると二機はラボと街から離れた場所に移動して対峙する。

 

クロウ『わりぃな皆、ここからは俺とジェラウドの1対1の決闘にさせて貰うぜ』

 

ゼロ『……良いだろう。クロウ、見せてやれ』

 

シモン『いけクロウ!』

 

ドモン『俺達は手を出さん』

 

ハヤテ『頑張ってくださいクロウさん!』

 

AN『きっちり決めてくださいね』

 

声援を受けたクロウはおうと返した後に向きなおる。

 

ジェラウド『ジ・アンブレイカブル…お前のその決して折れない心に敬意を表する。行くぞ、クロウ!』

 

クロウ『ああ、これで心置きなく全力を出せる!行くぜナイトオブナイツ!俺はこのリ・ブラスタで戦い続ける!』

 

その言葉と共に互いにぶつかり合う。

 

リ・ブラスタはエネルギースパイカーを展開すると突撃し、それに対して繰り出されたディアムドの槍とぶつかり合った後にすれ違う様に横を通り過ぎてから銃弾を連射する。

 

それにディアムドは槍を回転させて防いだ後に飛んで来たSPIGOTを弾いて行く。

 

シオニー『す、凄い…』

 

AN『リ・ブラスタと互角の戦いをするとは、流石ナイトオブナイツですね』

 

そのぶつかり合いに誰もが息を飲む。

 

その間もエネルギースパイカーと槍で鍔ぜりあった後に距離を取ると共に互いに放ったエネルギー弾がぶつかり合って爆発を起こす。

 

クロウ『ジェラウドォォォォォォォ!!!』

 

ジェラウド『クロウォォォォォォォォォ!!』

 

再びぶつかりあった後にクロウはSPIGOT4基をバラバラに展開して1つに向けて撃つとSPIGOTを通ったビームの弾道が変化して別のSPIGOTに当たって複雑な軌道を描いてディアムドに炸裂する。

 

レイジ『すげぇ!』

 

AN『これは決まりましたか!?』

 

その攻撃を見て誰もが息を飲む。

 

クロウ『勝負ありだ、ジェラウド』

 

ジェラウド『くっ…!』

 

急所に当たった事で火花を散らしながら膝を付くディアムドに向けてクロウはそう突きつける。

 

ジェラウド『クロウ…何がそこまでお前に力を与える?』

 

クロウ『俺にも背負ってるものがある。それを返すまでは、降りる訳にはいかないんでな…』

 

問いに対してクロウはそう返す。

 

それを聞いてジェラウドは笑う。

 

ジェラウド『フ…私にとっての騎士の誇りのようなものだな…』

 

クロウ『誇りか…俺もそんな風に生きたいと思った時があった』

 

その言葉を聞いてジェラウドはさらに笑みを深める。

 

ジェラウド『良い戦いだった…私の最期を飾るに相応しいぞ…』

 

クロウ『お前…』

 

ハヤテ『最期って…』

 

出て来た言葉に誰もが息を飲む中でだが…と火花を散らすディアムドはリ・ブラスタから距離を取る。

 

ジェラウド『このディアムドを敵に渡す訳にはいかぬ……!さらばだ、クロウ!そして、ZEXIS!お前達の事は決して忘れぬ!』

 

その言葉の後にディアムドはその場から退散する。

 

クロウ『ジェラウド…』

 

ワッ太『恰好良かったな、あいつ…』

 

ハヤテ『僕もそう思います…まさしく騎士と言える行動でした』

 

正太郎『ええ、敵なのに立派だった…』

 

ドモン『そこまでだハヤテ、正太郎。奴にその言葉は慎んだ方が良い』

 

見送るクロウの後にそういうワッ太にハヤテも同意して正太郎も言おうしてドモンが止める。

 

ゲイン『ドモンの言う通りだ。そんな言葉は、奴は望んじゃいない』

 

香鈴『そう…だな』

 

何を言えばいいんだと言う子供達を代表して聞く勝平に決まってるさとクロウはそう言い…

 

クロウ『ジェラウド・ガルス・バンテール……お前の強さは、俺達は忘れない…』

 

静かに強敵へと追悼の言葉を送った。

 

X魔王「で、この次元獣どうしまっか?」

 

エクシア「トライダモンに倒されてから全然動かないまま消えてねえんだけど」

 

ギガ・アダモン「……………………(チーン)」

 

一通り終わったのを見計らって、リ・ブラスタの登場でトライダモンに食われずに済んでそのまま放置されていたギガ・アダモンを指さすX魔王とAエクシアが聞く。

 

シオニー『どうしますかANさん?』

 

AN『んー、倒すのももったいないですしうちで飼いますか』

 

飼うの!?と誰もが驚きの声を上げる。

 

ゼロはゼロで、もしもの時はあっちに任せた方が良いだろうと言う本人らしくない投げやりので了承した。

 

その後は呆れられる中で迎えられたクロウがまた別の借金を作り上げて笑いのネタにされた。

 

が、その後にとんでもない者達と出会う事を、誰もが予想していなかった。




機体設定

ノワール・ゼロG
外見:リ・ブラスタRの白い所を黒くして黒い所を白くして赤い所を緑色にした感じ、目の色や緑色の部分は赤に変わっている。肩のパーツをミサイルポッドに変更されている。
概要
ANがトライア・スコートが技術不足とお蔵入りしたのを元にノワールブラスタを大改修した機体。
沢山の火器を使用した超火力の砲撃形態だが対次元獣用兵器以上のになってしまったのと武装を作れる技術が不足していたのでお蔵入りとなり、これを元に装甲と格闘戦能力に特化させた形態のリ・ブラスタRの設計が出来た。
肩にエネルギーをミサイルにして放つビームミサイルポッドを搭載しており、両腕のSPIGOTから強力なエネルギー弾を連発で放つVXガトリングを搭載している。
アンブレイカブル・フルクラムは全身の武装を展開して一斉射撃して殲滅する。

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