第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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新たなZONEを壊す為に作戦を開始する中、始祖は自身の事を明かす。



第二十四話~一点突破・明かす事実~

前回、第二のZONEが出現したとの報を受け、ZEXISはそれが作られたユーラシア大陸へ向かう筈だったがヒイロが寄り道させて欲しいと頼み込み、ANのARISIAを除いて先行し、デュオも手伝って欲しいと言う事で強制的にヒイロに連れて行かれた。

 

AN「んで私に手伝って欲しい事って何ですか?」

 

ハヤテ「ゴッドマスターをドモンさん様に調整して欲しいんですよ」

 

なんで?と首を傾げるANにハヤテの傍にいたドモンが理由を説明する。

 

ドモン「ここに飛ばされる前の戦闘ので、俺のゴッドガンダムのあちこちが調子悪くなっていてな…強敵ではなかったが数が多かったのもあってしばらく整備ついでに休ませると言うのを言ったらハヤテが自分のゴッドマスターを使ったらどうだと提案されてな」

 

AN「あーなるほど。ですがハヤテさんはどうするので?」

 

ハヤテ「その場合はウイングガンダムに乗ろうかと思います」

 

理由を聞いて納得した後にそう聞くANにハヤテはそう答える。

 

AN「ああ、そう言えば空いてましたね」

 

それなら大丈夫かなと思っているとウイングゼロとデスサイズが戻って来る…その間にあるガンダムを抱えて…

 

そのガンダムは上半身が紺色で肩の形状が棘が4つ伸びた感じで顎と額のアンテナが赤色で遠くで見るとガンダムと見難いそれにハヤテは驚く。

 

ハヤテ「ガンダムアクエリアス!?」

 

レイジ「ガンダムアクエリアス?あいつもガンダムなのかよ」

 

ええ!?と運ばれて来たガンダムに驚くハヤテの後にヒイロとデュオが降りて来る。

 

ハヤテ「ええ。(でも確かこのガンダムって…アニメでの歴史では存在しない筈じゃあ…)」

 

ヒイロ「…俺がトレーズにエピオンを渡された時、トレーズがもしもZEXISに戻ったのならばある人物に頼み込んで作り上げた機体を俺の意思で好きに持って行ってくれと教えられた座標にあったガンダムだ」

 

デュオ「しっかし水瓶座の名を持つガンダムとはな…」

 

驚くハヤテにヒイロがそう答え、デュオが頭を掻きながらアクエリアスを見て呟く。

 

ええっと…と早速どんなガンダムなのかをANは調べる。

 

AN「(うーむこれは…)」

 

武装は実弾とビーム弾に切り替え出来るドーバーガンと105mmマシンガンにヒートロッド×2と左腕に装備されたシールドとそれだけ見れば平凡に見えるがその中に搭載されたシステムが一番目を引いた。

 

AN「(アンチMDウィルス…)」

 

半径100km内に存在するモビルドールの行動を妨害する対モビルドール用電子兵器で、ウィルスの稼働にジェネレーター出力の大半を使うため、エネルギーを使うビーム兵装を使用できないから実弾系統やヒートロッドしか搭載されてないのだろうとANは考える。

 

AN「これは少し弄れば使えそうですね」

 

ただ、ジェネレーターのはANの手にかかれば使用中でもビーム兵装が仕える様になるのは朝飯前で着くまでの間に仕上げておくのと基本的なビームサーベルや後付けの頭部バルカンも武装のに加えておくかとも考える。

 

ハヤテ「(あーこれ、魔改造されますね)」

 

ウキウキした様子のANの様子から数日の付き合いだがすぐさま理解したハヤテはアクエリアスを見た後に通常コックピットでの動かし方に慣れる為にトレーニングを始めるのであった。

 

 

しばらくして合流したAN達はゼロから作戦を伝えられた。

 

ZONEには防衛としてルーク・アダモンが配置されており、そのルークアダモンは絶対次元断層と言う防御手段を持っているのだが一点集中による連続スナイピングにより突破する事が出来るとの事だ。

 

そのスナイピングの役割を果たす為ロックオン、ミシェル、ゲインが指定された座標で狙撃をすると言う。

 

ただ、5分以内がやらないといけないとの事だ。

 

他のメンバーは3人が撃墜されない様に護衛として勤める様にとの事だ。

 

AN「うーむ、これは時間との勝負ですね」

 

ハヤテ「ですね」

 

ドモン「ならば速攻でやれば良いだけだ。後は狙撃手に任せれば良い」

 

唸るANに同意するハヤテへドモンはそう言う。

 

香鈴「その狙撃手の邪魔を我々が防がないとな」

 

騎士「守る事は騎士の使命。やり遂げましょう!」

 

シオニー「が、頑張ります!」

 

誰もが気合を入れた所で出撃する様に言われ、戦場に出る。

 

ANは改めて戦場を見た後にZONEの前に佇む初めて見る次元獣を見る。

 

AN「(あれがルーク・アダモン…堅そうな奴ですね)」

 

見た目からしてもまさに番人とも言える次元獣にANは本当にタイミングを逃せませんねと呟く。

 

スメラギ《時間は5分…!それまでにゲイン達が目標地点に到達出来ないと作戦失敗よ!》

 

ジェフリー《各機、作戦開始…!5分以内にスナイパーを護衛して、配置に付けろ!》

 

2人の号令と共にZEXISは行動を開始する。

 

ウェイン『奴らが何をするか知らないがZONEを守れ!』

 

それと共にインサラウムも動き出す。

 

それぞれ3人の護衛に付く中でANはケルディムの護衛に付く。

 

AN『ロックオンさん、良い狙撃、お願いしますよ!』

 

ロックオン『了解した。エスコートのは頼んだ』

 

勿論と返した後に向かって来るブルダモンを撃ち抜く。

 

一方でハヤテはガンダムアクエリアスに乗ってドモンと共にゲインの乗るエンペランザを護衛する。

 

ハヤテ『はぁっ!』

 

ヒートロッド2本を巧みに振るい、向かって来るガブリンを攻撃するアクエリアスの隣でゴッドマスターに乗ったドモンは巧みな動きでディム・サーやディム・リーを1機ずつ行動不能にする。

 

ドモン『うむ、このゴッドマスター、初めて乗るが凄く動かしやすいな』

 

ハヤテ「(そりゃそうですよねー)」

 

手をぐっぱさせるドモンのにハヤテは苦笑する。

 

元々ゴッドマスターはとある事情でゴッドガンダムがパワーアップしたと言う流れで誕生したガンダムなので、ドモン専用機に変わりないのだ。

 

やはり本来の主が乗ると改めてその凄さを実感出来るとハヤテは考えながらブルダモン改を縛り上げた後に放り投げる。

 

ロックオン『こちら、ロックオンだ!ゴールに着いたぜ!後は奴にぶち込むだけだ…!周りの連中のお相手は頼むぜ!』

 

ミシェル『こちら、スカル2…!ポイントに到着!そのまま狙撃体制に入る…!敵をこちらに近づけないでくれ!』

 

ゲイン『ゲインだ。ポイントに到達した。周りの敵を頼む』

 

戦闘が始まって2分後に3人が同時に指定ポイントに到達した事を報告する。

 

ゼロ『良し!各機!邪魔をされない様に援護に回れ!』

 

シン『了解!』

 

AN『了解です!』

 

その指示に誰もが同意して向かって来るのを迎え撃つ。

 

ゲイン『一発勝負だ!ミシェル、ロックオン、準備は良いな!』

 

ミシェル『やってくれ、ゲインさん!』

 

ロックオン『そっちに続いて俺達も勝負する!』

 

確認するゲインに2人も強く返した後にゲインは狙いを定める。

 

ゲイン『どっちも恨みっこ無しだ…!行くぜ…!』

 

その言葉と共にエンペランザのライフルから銃弾が放たれてルーク・アダモンへと向かって行き、展開された絶対次元断層に命中する。

 

ミレイナ《ルーク・アダモン、ダメージを受けてないです!》

 

フェルト《ですが、攻撃はポイントに着弾してます!》

 

スメラギ《今よ、ミシェル!ロックオン!》

 

ミシェル「(ロックオンさん!)」

 

ロックオン「(兄さん!)」

 

その言葉と共に2人は同時に銃弾を放つ。

 

そして…弾丸はルーク・アダモンに炸裂した。

 

ルーク・アダモン「!!?」

 

モニカ《ルーク・アダモン本体に着弾を確認!》

 

キャシー《同時に次元獣の次元断層が消滅しました!》

 

AN『やりました!あとはルーク・アダモンを倒すだけです!』

 

シオニー『そうですね!』

 

誰もが喜ぶ中でミシェルはロックオンに話しかける。

 

ミシェル「俺の負けです、ロックオンさん」

 

ロックオン「結果はたまたまって奴さ、ミシェル。狙撃勝負だけにな」

 

クロウ『お…スナイパージョークって奴か』

 

そう言ったミシェルにロックオンは軽く返してクロウが茶化す。

 

実はと言うとこの作戦は2人の勝負でもあったのだ。

 

ミシェルはロックオン…名を継いで二代目となったライルの事を敵視していた。

 

弟だからと、ロックオンの名を継いだ理由に初代ロックオンこそニールを尊敬していたミシェルは許せなかった。

 

これは自分の我儘と言う事で割り切ろうとしていたミシェルにゲインが割り切れないだろうと言う事からどちらかが上手くルーク・アダモンのに当てられたかで勝負しろと提案したのだ。

 

先ほどのは同時ではあったが僅かな僅差でロックオンが勝利したと言う事だ。

 

ミシェル『見せて貰いましたよ。ロックオン・ストラトスの腕を』

 

アルト『ミシェル…』

 

クラン『わだかまりは弾丸に乗せて、吐き出した様だな』

 

ゲイン『スナイパーは一発に全てを込める。当然の結果だ』

 

AN『なんかカッコいい会話ですね』

 

ランド『俺には分からん世界だが、とりあえず一件落着って奴か』

 

ぶつかり合った事でロックオンだと認めるミシェルにアルトとクランは安堵し、ゲインの言葉にANがしみじみと言い、ランドがうんうんと頷いた時…

 

柏木《喜ぶのは、まだ早いです!》

 

アイラ《敵増援、来るわよ!》

 

その言葉と共に複数次元獣達と共にパールネイルと聖王機ジ・インサーが現れる。

 

シオニー『パールネイル!』

 

AN『それに皇子様も来ましたか』

 

カレン『!?クロウ!あれを見て!!』

 

呟いたANの後にカレンがクロウを呼びかけて指さす。

 

つられてANも見ると次元獣の中に白いダモンがいた。

 

クロウ『白いダモン級!エスターか!』

 

AN『あれがエスターさん……でも白と言うより黄色っぽくないですか?』

 

Aエクシア「そこは野暮じゃねクリエイター?」

 

叫んだクロウの後に感想を述べるANにAエクシアはそう言う。

 

クロウ「(待っていろ、エスター!)」

 

ユーサー『ZEXISよ。余の切り札であるルーク・アダモンに傷をつけた事を褒めてつかわす』

 

対峙しているメンバーへと向けてユーサーは称賛の言葉をかける。

 

レイジ『あいつがインサラウムの王…』

 

ドモン『ユーサー・インサラウム!』

 

ハヤテ『確かANさんの奇襲で瞬殺されたんですっけ?』

 

グサッ!!!

 

ユーサー『ぐふ…』

 

初めて見る面々の中でハヤテの言葉が突き刺さったのか、ジ・インサーは膝を付く。

 

マルグリット『で、殿下!?』

 

ウェイン『おま…ズバッと言ったな』

 

クロウ『ハヤテ…お前、意外と黒いな』

 

ハヤテ『え?精神攻撃は普通ですよね?』

 

AN『普通…なのですかね?』

 

シン&デュオ『普通じゃない普通じゃない。現れた奴にいきなりする程普通じゃない;』

 

それにマルグリットは慌てて、ウェインは唖然とし、腹黒さに思わず引くクロウに返したハヤテのに首を傾げたANへとシンとデュオは否定する。

 

ハヤテ『まあそれは置いといて…』

 

香鈴『置いとくのか;』

 

アクエリアスで手を横に動かしてからハヤテは香鈴のツッコミを気にせず言う。

 

ハヤテ『何しに来たんですか?皇子様は』

 

ドモン『確かに、大体の目的は聞いてはいるが総大将が直々に出るとはな』

 

ユーサー『……よ、余はかつて出た時、不意打ちに情けなく逃げ帰った。前に立つ者としてやらなければならないのに怖さで逃げてしまった。そんな事をもうしてはならないと考えて此処にいる』

 

AN『ふーん……そうなんですか』

 

覚悟のは本物だろうとユーサーの言葉からANはそう考える。

 

覚悟を以って来るならば戦うだけの事だ。

 

ジェフリー《各機、散開!敵はユーサー・インサラウムを中心に向かって来る!》

 

スメラギ《ZONEの前に敵部隊を迎撃するわよ!》

 

ハヤテ『エスターさんはどうしますか!?』

 

クロウ『そっちは俺に任せてくれ』

 

そう言った2人のに聞いたハヤテへとクロウはそう言う。

 

AN『クロウさん?』

 

クロウ『スコート・ラボの次元獣バスターは伊達じゃねえさ』

 

青山『お前…』

 

デュオ『……』

 

首を傾げるANやメンバーへと言ったクロウのに付き合いの長い青山とデュオは彼の言葉の意味を理解する。

 

AN『……諦めるつもりですか?』

 

クロウ『そのつもりはねえけど、もしものって事さ、皆はインサラウムの皇子ご一行を頼むぜ』

 

同じ様に気づいたANの問いにそう返した後にクロウは飛び出す。

 

ハヤテ『クロウさん…』

 

AN『大丈夫ですよ。あの人は救う為に模索してますから』

 

不安そうなハヤテにANはそう言う。

 

AN「(さてどうしましょうかね…)」

 

向かって来る次元獣を攻撃しつつANは考える。

 

ああ言ったがまだエスターを助け出す方法がまだ見つかってない。

 

データも足りないし、どう戻すのかがまだ見つけられていない。

 

AN「(そもそもエスターさんの意志があるかどうかさえも分からないんですよね)」

 

戻せたとしてもそれは人格は元のエスターになるのかと言うのがANを唸らせる。

 

それが油断へと繋がった。

 

???《考え事をして後ろががら空きですよマスター》

 

ズドッ!

 

AN「っ!?」

 

個人通信が来たと思ったら腹部に来た衝撃にANは見ると…ビームの刃が貫いていた。

 

何が起こったかはZEXISやインサラウムも戸惑っていた。

 

突然ノワールブラスタの後ろに機体…CHAOS・オーガが現れ、胴体部分を手から出したビーム刃で貫いたのだ。

 

ハヤテ『なっ……!?』

 

シオニー『あ……』

 

???『フンッ!』

 

そのままCHAOS・オーガはコックピット部分を一刀両断する。

 

キラ『ANさん!?』

 

ランド『な、なんだあいつ!?』

 

シオニー『ANさぁああああああああああああんん!!』

 

???『クハハハハハ!』

 

誰もが驚く中でパイロットが笑い叫んだ時…

 

ズドォオオオオン!

 

???『ぐおっ!?』

 

いきなりの砲撃に誰もが驚いた後にさらに驚く光景が目に入る。

 

AN「まーた私の機体壊しましたねこの野郎!」

 

そこには下半身がなく、背中にノワールブラスタの翼を繋げ、息を荒げながらAX-55EAGLEを構えたANの姿があった。

 

クロウ『な、なんだありゃあ?』

 

レイジ『AN…なのか?』

 

???『くっ、やはり生きていましたか。だが良いのですか?マスターの正体がバレますよ?』

 

AN「良いんですよ!てか正体隠すの面倒だったので!」

 

驚くZEXISの面々を見てそう言う存在にANはハッキリ言い返す。

 

ゼロ『なんと…(本当にロボットだったとは…)』

 

カレン『ど、どういう事!?』

 

シオニー『あ、ANさん…?』

 

AN「皆さん、改めて自己紹介させてもらいます!私はAN。ロボットの始祖やってます!」

 

驚いているメンバーへとANは改めて名乗る。

 

タケル『始祖……!?まさか、メタールの言っていた始まりの者!?』

 

甲児『あしゅらが言っていた事のか!?』

 

AN「ええ、まあそうですね」

 

それにタケルと甲児は思い出して言い、ANは肯定する。

 

その間にCHAOS・オーガは距離を取るとその周囲にプロヴィデンス達や兵隊たちが現れ、さらにアナザーゼロの乗る蜃気楼が現れる。

 

ゼロ『アナザーゼロ!?』

 

アナザーゼロ『エルク、貴様、何勝手に行動している』

 

???→エルク『いやはや、すいませんね』

 

叱るアナザーゼロのに軽く返したエルクのにANはやっぱり…と呟く。

 

AN『貴方の仲間だったんですね。エルク』

 

ハヤテ『知り合いだったんですか!?』

 

まさか襲撃した人物を知ってる事にハヤテは聞くとええ…とANは苦い顔で頷く。

 

そしてゼロはANが重症負った時のを思い出してもしやと察する。

 

ゼロ『あの時の重症も…』

 

AN『ええ。アイツと会ってましてね。ホント、厄介なのを作ってしまいましたよ』

 

作ったという言葉に誰もが驚く。

 

正太郎《作ったって、まさか…!?》

 

葵『あいつもロボットな訳!?』

 

AN『ロボットではなく、エネルギー体ですよアイツは』

 

くらら『え、エネルギー体!?』

 

驚いて聞いた正太郎と葵のに答えたANのにまた驚きが出る。

 

ハヤテ『それは一体どういう…』

 

エルク『すまないですけどそれは後にしてもらえませんか?』

 

聞こうとしたハヤテは言葉と共にCHAOS・オーガがビームを放ち、アクエリアスを動かしては慌てて避ける。

 

ドモン『ハヤテ、聞きたい事があるだろうがまずはこいつ等の撃退だ!』

 

ハヤテ『はい!』

 

その言葉と共に破滅の軍団に応戦する。

 

ウェイン『どうするんだ殿下?』

 

ユーサー『………此処は撤退する』

 

マルグリット『殿下!?』

 

出て来た言葉にアークセイバーの全員が驚く。

 

ウェイン『逃げないんじゃなかったのか?』

 

ユーサー『確かにさっきまでならそうだったがあの破滅の軍団が出たなら話は別になる。誇りを持つそなた達をあんな無慈悲な事をする残虐な奴らと戦わせたくない』

 

マルグリット『殿下…』

 

少し苛立った様子のウェインにユーサーは強く言い、マルグリットやアークセイバー達はジーンと持つ。

 

ウェイン『……なら殿として俺が残る。さっさと先に行け』

 

ユーサー『……すまぬ』

 

そう言うウェインにユーサーはそう返して次元獣エスターと共に撤退する。

 

クロウ「(エスター…)」

 

AN「えーっと、ウェインさんはこちらと協力するで良いんですよね?」

 

ウェイン『勘違いするな。俺の隣でお前等が勝手に戦ってるだけ、それだけだ』

 

話しかけたANにウェインはそう返す。

 

???『ではウェイン、貴方の相手は僕がしましょう』

 

刹那、声がした後にサフィアーダに向けてビームとミサイルが降りそそぐ。

 

ウェイン『ぐあっ!?今の声は!?』

 

エルク『リスト、頼みましたよ』

 

体勢を立て直すウェインの前に降り立ったのに誰もが驚く。

 

クロウ『あれは!?』

 

AN「白いシュロウガ!?」

 

ハヤテ『誰が乗ってるんですか?』

 

ウェイン『お前…リスト…なのか?」

 

驚きを隠せないウェインの問いに白いシュロウガに乗った人物はくすくす笑う。

 

???→リスト『ええ、久しぶりですねウェイン』

 

ウェイン『……てめぇ…なぜそいつらといる。答えろよ!アークセイバーナンバー5!リスト・ペルター!!』

 

軽く挨拶する人物、リストにウェインは怒鳴る。

 

アスラン『アークセイバー!?』

 

ハヤテ『彼が!?』

 

リスト『それは勿論、エルクが僕を生き返らせてくれたからですよ』

 

ZEXISが驚く中で生き返ったという言葉にウェインは合点が言ったとばかりに言う。

 

ウェイン『成程な…死んだと聞いた筈なのにこうしてここにいるって事はそう言う事かよ…それで恩返しって事か?』

 

リスト『ええ、そういうことです』

 

肯定するリストにウェインは続けて問う。

 

ウェイン『そいつ等に従っているのは生き返らせてくれたの義理か?』

 

リスト『それもありますがこちらの方が強いんですよ。そちらよりもね』

 

その言葉にウェインは怒る。

 

ウェイン『……お前の性格は俺は嫌いだったが、それでも王国に尽くす姿勢に師匠達はあんたに敬意を払っていた…だが今の言葉でお前は祖国だけではんく師匠達の信用も裏切った!お前は俺が師匠達に変わって鉄槌を下す!ZEXIS!手を出すんじゃねえぞ!こいつだけは譲れねえ!』

 

クロウ『あいつ…』

 

ハヤテ『ウェインさん…』

 

リスト『やれやれ…貴方が自分をどう見ていたかは勝手ですが相手ならしてあげますよ』

 

そう言ってリストは自身が乗っていた機体の翼部分からブーメラン状の刃を射出する。

 

ウェイン『そんなもん!』

 

それに対して背部ユニットに内蔵された太刀を取り出して切り払う。

 

リスト『甘い』

 

だが、切り払われた刃は反転して再びサフィアーダに襲い掛かる。

 

ウェイン『がっ!?なぜだ!?』

 

リスト『隙有りすぎですよウェインくん』

 

驚くウェインへとそう言って機体の手に黒い刀身の剣を出現させるとそのままサフィアーダを切り裂く。

 

ウェイン『ぐぅぅ…!?まだだ!』

 

切られた瞬間、ウェインは右手の太刀でリストの乗る機体の左肩にかすり傷を負わせる。

 

それにリストは感心した様に言う。

 

リスト『反撃するとはやりますね。ならこれならどうですか?』

 

その言葉の後に自身の周囲にミサイルポッドを大量に出現させ、自らもビームによる射撃とともにミサイルポッドから全弾を放出する。

 

ウェイン『最初に出して来やがった奴か、だが二度目はあたらねえ!』

 

そう言ってサフィアーダはミサイルやビームを避けて行く。

 

リスト『そこです!』

 

そう言って何かをサフィアーダに投げ付ける。

 

投げ付けられたのがサフィアーダに命中すると電撃が迸り、サフィアーダの動きが止まる。

 

ウェイン『な、動けねえ!?』

 

リスト『はっ!』

 

そこをすかさず出現させた巨大メイスで吹き飛ばす。

 

ズガン!

 

ウェイン『グッ!?』

 

リスト『これで終わりです!』

 

地面に倒れたサフィアーダに向けて胸部から強力なビームを発射する。

 

ウェイン『ぐぁあああああああああああああああ!?』

 

ドカーーーン!!!

 

それを受けたサフィアーダのいた所が爆風に包まれる。

 

治まった後には大破したサフィアーダが目に入る。

 

ウェイン『ぐあ、まだまだ…』

 

リスト『ほう、まだ戦うつもりですか』

 

起き上がろうとするサフィアーダにリストはほとほと感心した後にならばトドメを…としようとし…ブラスタの放った銃撃を避ける。

 

クロウ『わりぃが邪魔させて貰うぜ』

 

ウェイン『クロウ・ブルースト!?』

 

リスト『邪魔するのですか?』

 

そう言ってサフィアーダの前に立つブラスタにリストは問う。

 

クロウ『ああ、こいつとは敵同士だが、お前さんの様な奴に討たせる程小さくねえんだよ』

 

リスト『ふむ…ではやめときましょうか』

 

そう返したクロウのにリストはそう言って一歩下がる。

 

それと共にジ・インサーとディム・リーが来て、サフィアーダに近づく。

 

ジェラウド『ウェイン!』

 

ウェイン『旦那、それに殿下も…』

 

リスト『おや、久しぶりですね皆さん』

 

駆け寄った2人はリストの乗る機体を見る。

 

ユーサー『その声…』

 

リスト『お久りぶりです殿下。アークセイバーナンバー5、リスト・ペルターで御座います』

 

驚くユーサーにリストはそう名乗り上げる。

 

ジェラウド『………嘘を付くな偽物よ』

 

だが、そのリストに対してジェラウドはそう言い放つ。

 

リスト『おや、どうしてそう言えるのですか?』

 

ジェラウド『口調や声、雰囲気が同じでも、殿下に忠誠を誓ったあいつの心意気は本物の騎士である。お前からはそれを肝心、故に偽物と断言した』

 

静かに怒りを燃やしながらジェラウドはそう返す。

 

心外ですねとリストはそれに対して肩を竦める。

 

リスト『偽者でなくクローンですよ自分は』

 

ウェイン『なっ!?』

 

ユーサー『……そうか…やはり本人ではないのか…』

 

あっさり答えた事に驚くウェインの隣でユーサーは悲しそうに声を漏らす。

 

ジェラウド『黙れ、クローンといえど、我が仲間を侮辱する者を生かす訳にはいかん!』

 

リスト『やれやれ……どうしますかエルク』

 

困った感じに見せずにそう聞くリストにエルクもそうですね…と呟き…

 

エルク『取り敢えず此処は引きましょう。戦う理由も別にないですし』

 

ですねと頷いた後にエルクとリストや他の幹部陣なガンダムやアナザーゼロは距離を取って退散する。

 

アナザーゼロ『ではさらばだゼロ』

 

ゼロ『置き土産を残して行ったか…!』

 

AN「面倒なことを…」

 

それにANが呻いた後にジ・インサーとディム・リーもサフィアーダを抱えて撤退する。

 

アポロ『敵は俺達任せかよ』

 

ハヤテ『まあいつものことですね』

 

レイジ『だな次元獣もあのルーク・アダモンってのが残ってるしなちゃちゃっと倒そうぜ』

 

その言葉と共に軍団を蹴散らして行く。

 

AN「あーすみません、自分そろそろ限界なので一度戻っても良いですかね?」

 

シオニー『そうですよ!戻った方が良いですよ!』

 

フラフラとなるANにパールネシアが手に乗せてARISIAに帰還する。

 

ハヤテ『ハッ!』

 

香鈴『フッ!』

 

ルーク・アダモンへとハヤテと香鈴が同時に攻撃を仕掛けてダメージを与える中でルーク・アダモンは脚部上部からビットと思われるのを上方へ展開し、躯体中心のユニットからビットに向けてレーザーを放ち、それを拡散させて攻撃を仕掛ける。

 

ハヤテ『うわっ?!』

 

慌てて落ちて来るレーザーをハヤテと香鈴は避けて行く。

 

再び攻撃しようとした所をゴッドマスターが打撃を叩き込んでいく。

 

ドモン『大丈夫か!』

 

ハヤテ『ありがとうございます!ドモンさん!』

 

ヒイロ『決めるぞ』

 

礼を言うハヤテの隣にウイングゼロが隣に来て言い、反対側にデスティニーGSとフェニーチェRが来る。

 

ハヤテ『はい!』

 

それぞれ最大火力の武装を構えた後に同時に引き金を引くと共にビームが放たれ、ルーク・アダモンを貫く。

 

ルーク・アダモン「!!!!!?」

 

ドカーーーン!!

 

最大火力のを受けたルーク・アダモンはそれにより爆発四散する。

 

武者「やったでござる!」

 

コマンド「あらかた倒してこれで終わりだな」

 

AN《皆さん!ZONEが!》

 

アイラ《エネルギー増大!これって!?》

 

それに武者とコマンドが言った瞬間、切羽詰まる様子で2人が叫ぶと共に周囲が歪みだす。

 

闘志也『何が起こるんだ!?』

 

タケル『あのZONEは次元力を抽出する為のシステムなんです!』

 

マリン『あれが作動すると周囲の全ての物質が死滅して行く!』

 

武者&コマンド「何!?」

 

騎士「何だって!?」

 

ハヤテ『なら早く止めないと!』

 

レイジ『だな!ああ言うのはぶっ壊すに限る!』

 

ジェフリー《全機、砲撃開始!持てる限りの火力を叩き込め!!》

 

その言葉と共にメンバーは一斉攻撃を仕掛ける。

 

ドモン『石破!天驚けぇぇぇぇぇぇぇん!!』

 

ハヤテ『はぁあああ!』

 

ズダダダダダダダダダダダダダダン!!

 

誰もが放った攻撃で爆風に包まれたZONEは…煙が晴れると無傷な状態であった。

 

ドモン『なっ!?石破天驚拳で壊れないだと!?』

 

ハヤテ『なんで無傷なんですか!?』

 

自分の流派最終奥義が効かない事に驚愕するドモンの隣でハヤテも目を見開く。

 

ゼロ『やはりアサキムの言う通り、異なる次元に存在しているから外部からの物理的な干渉は無意味なのか』

 

レイジ『おいおい、じゃあどうすりゃあ止めれるんだよ!?』

 

クロウ『……となると、こうするしかないわな』

 

呻くゼロのにレイジが叫ぶとブラスタがZONEへと近づく。

 

デュオ『クロウ!?』

 

ロックオン『あんた…!』

 

AN『駄目です!クロウさん!』

 

すぐさま何をしようとするかに気づいて叫ぶ3人だが、ブラスタはそのままZONEへと向かおうとし…掴まれた感覚を感じてから後ろに投げ飛ばされる。

 

投げ飛ばしたのは…ガンレオンであった。

 

クロウ『ランド!』

 

ランド『お先に失礼するぜ!』

 

デュナメスに抑えられる中で叫ぶクロウにそう言いながらガンレオンはZONEへと向かう。

 

ドモン『何をする気だ!?』

 

AN『まさか!』

 

ランド『悪いな、クロウ。早い者勝ちだ。俺とガンレオンでこのZONEってのを止める』

 

クロウ『バカ野郎!それは俺の役目だろうが!』

 

そう叫ぶクロウだがランドの次の言葉で目を見開く。

 

ランド『じゃあ、エスターはどうすんだ?』

 

クロウ『!』

 

ハヤテ『そうですよクロウさん!エスターさんはどうするつもりだったんですか!』

 

ランドに続き、ハヤテにも言われてクロウは返せず、顔を逸らす。

 

ランド『最初に一人で飛び出て行ったのだって、エスターの事を確かめる為だったんだろ?そこまでの覚悟があんなら、あの子をなんとしても救ってやんな』

 

メール『ついでにあたし達とセツコさんもね』

 

笑って言うランドの後に付け加えたメールのも聞いてクロウは少し間を開けて分かったと真剣な顔で約束する。

 

それを聞けて満足したのかガンレオンはZONEへと足を進める。

 

ランド「苦労を掛けるな、メール」

 

メール「それは言わないお約束だよ、ダーリン」

 

謝罪するランドにメールは笑って言い、そうだなとランドも笑う。

 

ジロン『ランド!メール!』

 

ゲイナー『待ってください、ランドさん!!』

 

ガロード『2人ともぉぉぉぉ!』

 

多次元となる前からの付き合いの3人のを聞いてガンレオンは顔だけを向ける。

 

メール『じゃね、皆!ガンバ!』

 

ランド『後は任せるぜ、お前等』

 

ハヤテ『!』

 

ゲイン『ああ、そっちは気にするな、ザ・ヒート』

 

おうよ!とゲインのに返したランドはヒートスマイルを見せる。

 

ランド『じゃあな。次に会う時には、良い酒を用意しといてくれ』

 

その言葉を残してガンレオンはZONEの中心に立つと機体が輝いて辺りを包み込む。

 

そして収まると停止したZONEだけが残る。

 

ハヤテ『ランドさん…』

 

シオニー『………』

 

クロウ『くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

誰もが黙る中でクロウの叫びが戦場に響くのであった。


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