第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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日本へと向かったZEXISはANが作った者達以外に心を持つロボットが狙われてるのを聞き、向かった先である存在と遭遇する。


第二十二話~暗黒よりの使者と復活の兄弟~

前回から少しして、ZEXISは宇宙に出ていたロゼと合流する為に日本へと来ていた。

 

その間にANは作り上げたガンダム達のメンテナンスがてらの一部の改修案を考えていた。

 

と言うか最近になってX魔王とフェニーチェRの新たな姿が浮かんだからだ。

 

AN「んー、これは面白いのが浮かんできましたね」

 

ふむふむと満足そうに頷きながらどこらへんでしましょうかね~と鼻歌歌う様にしてメンテナンス完了と言うと…

 

ハヤテ《メンテナンス中すいませんANさん》

 

AN「ん?なんですかハヤテさん?」

 

終ったので気にしてませんのでと付け加えたANにハヤテは言う。

 

ハヤテ《先ほど、ロボットマフィアと呼ばれる集団が黒牛島と言う島に向かっているみたいです。奴らの狙いは敷島博士と言う方の話だと、そこに住んでる不乱拳博士が目的ではないかと言う事です》

 

AN「不乱拳博士?」

 

首を傾げるANにハヤテは聞いた詳細を言う。

 

ハヤテ《えっと、ドイツのシュトロハイムと言う博士と並び称されるロボット工学の権威で黒牛島の研究所で心を持ったロボットの研究をしているとの事です。敷島博士はロボットマフィアの狙いが博士の開発しているロボットだろうとの事です》

 

AN「心を持ったロボットですか…」

 

言われてANはふうむと顎に手を置き…

 

…ポク…ポク…ポク…チーン☆

 

AN「よし、そのマフィアブッ飛ばしましょう」

 

綺麗な笑顔で言ったANさんに怖さを感じました…と、通信していたハヤテはメンバーにそう語った。

 

と言う訳で黒牛島に向かうのだがその際に研究所に入るメンバーのでANが入ると言っていたが普通に子供にお見せ出来ないスプラッターにしそうと言うメンバーの説得でSDトリオが正太郎達と行く事になった。

 

AN「むぅ……」

 

コマンド「正太郎も子供だからトラウマもんみたいな事を見せたら可哀想だろ」

 

フェニーチェ「不満ならシオニーを弄って置け」

 

不満そうなANにコマンドとフェニーチェはそう言う。

 

シオニー「ちょ、フェニーチェさん!?」

 

AN「ふむ、ではそうしますか」

 

ひっ!?と声を漏らすシオニーにANはワキワキしている間にSDトリオは合流する為に出る。

 

AN「…にしても心を持ったロボットですか」

 

シオニー「は、はひぃ…」

 

デュオ「ん?同じ様に心を持つのを作ったあんた的にやっぱ気になるのか?」

 

ふいーとシオニーを弄り倒してから呟くANにハヤテ達と共に見ていたデュオが聞く。

 

AN「ええ、そうですねぇ…」

 

香鈴「気になったのだが、ANは心を持ったロボットを作る技術をどこで会得したんだ?」

 

頷くANに香鈴はそう聞くとハヤテ達も確かにと頷く。

 

ハヤテ「ANさん、その技術は一体どうやって…」

 

AN「ん~、ちょっと師匠みたいな人が居たんですよね」

 

レイジ「師匠いるんだな…どんな感じなんだ?」

 

感心しながら聞くレイジにANは少し遠い目をする。

 

AN「……マッドサイエンティストですかね?」

 

アイラ「なんか不吉な言葉が聞こえたわね;」

 

デュオ「奇遇だな俺もだ」

 

シオニー「わ、私も;」

 

目を逸らして言うANのに一体どれ位恐ろしい人物だろうかと誰もが思った。

 

AN「面白いことのためなら世界を平気で弄くりまわす人なんですよあの人は」

 

デュオ「普通に碌でもねえ奴だなおい;」

 

シオニー「そ、そうですね;」

 

香鈴「まさにマッドサイエンティストと言うべき人だな;」

 

冷や汗を流す面々にANはここらへんで良い所もあるのを言っときますかと考える。

 

AN「ただあの人にとって面白いことは良いことも悪いことも含めていますよ?」

 

デュオ「成程な…興味本位でだけどよ。そいつは時と場合で善と呼ばれたり、悪と呼ばれたりするのか?」

 

そう聞かれてANはんーと唸った後…

 

AN「たまに呼ばれたりしますけどやっぱり狂っているって言われるのが多いみたいですよ?あの人は」

 

デュオ「色々とあんたも苦労してるんだな…色々とバカ騒ぎになったのもその師匠から受け継いだんだろうな」

 

アッシュフォート学園の出来事を思い出して言うデュオにそうでしょうかとANは首を傾げる。

 

シオニー「そうかもしれないですね…」

 

AN「酷くありません?」

 

ハヤテ「あははは;」

 

アイラ「何してたのよホント?;」

 

そんなデュオとシオニーの反応にショボーンとなるANにハヤテは苦笑し、アイラが呆れた時…

 

Aエクシア《あーあー、ロボットマニアがロボットを展開したので出撃準備との事チョリース!》

 

フェニーチェR《マニアじゃなくてマフィアだ阿呆!》

 

AN「あー、了解です」

 

シオニー「出撃ですね」

 

レイジ「気張って行きますか」

 

連絡にそれぞれ向かい、機体に乗り込んだ後に出撃する。

 

タケル『すまない、正太郎!ブランチを逃がしてしまった!』

 

甲児『俺達に変わって武者達が追いかけてくれてる!』

 

シモン『俺達はこいつ等を倒すぞ』

 

正太郎「分かりましたタケルさんに甲児さん、シモンさん!ロボット軍団をやっつけて、あいつを追いかけましょう!」

 

AN『あ、そう言えば心を持ったロボットの方はどうなりました?』

 

出撃した所で同じ様に出たタケル達が正太郎へとそう言い、気になったANが聞く。

 

正太郎「ブラックオックス…心を持ったロボットについては盗まれていません!こいつ等を倒したら会おうと思ってます!」

 

AN『おお、そうですか。それは良かったです』

 

盗まれていないと言うので安堵した後にANはロボットマフィア達へと向き直る。

 

AN『さーて、ボコりますよー!』

 

その言葉の後にZEXISの面々は飛んで来た攻撃を避けて突撃する。

 

なお、デュオは今回はウイングCに乗って出撃している。

 

AN『あらよっと!』

 

向かって来るアクシオの攻撃を避けた後にノワールブラスタは弾丸を撃ち込んで爆発させる。

 

一通り見たが見慣れないロボ以外は見慣れたアクシオやジェノサイドロンなどで構成されているので苦戦する要素はなさそうだとANは思った。

 

AN「(ロボットマフィアと言ってもこの程度なんですね)」

 

これなら早めに終わりますねとANが思った時…

 

ミカ『!地下にエネルギー反応!これは不乱拳博士の研究所の位置です!』

 

ケンジ『気を付けろ!何か出て来るぞ!』

 

メンバーへと向けてコスモスラッシャーに乗るミカとケンジが警告する。

 

少しして地下から全身が黒いロボットが出現する。

 

AN『あれは…?』

 

正太郎「博士、あのロボットは!?」

 

敷島「ブラックオックス!起動状態だったのか!」

 

現れたのにANが首を傾げる中で敷島がそう叫ぶ。

 

ジェフリー《敷島博士、あのロボットは?》

 

敷島「あれが不乱拳博士が開発していた考えるロボット、ブラックオックスです!」

 

X魔王「つまりワテらと同じ様に意思を持ったロボットですかいな!?」

 

シオニー『でもそれがなんで!?』

 

確認するジェフリーに答えた敷島のにX魔王は驚き、シオニーもなぜ現れたかに疑問を持つ。

 

そんなブラックオックスは周りをキョロキョロと不思議そうに見る。

 

Aエクシア「もしかして…今の状況が分かってねえのか?」

 

AN『確かにあれは生まれたばかりの雛鳥みたいですね』

 

レイジ『ならよ。その作った博士に聞けば良いんじゃね?」

 

赤木『確かにそうだな』

 

シオニー『なら、博士に頼んでこちらに来て貰えれば…』

 

その様子からそう述べるAエクシアの後にANも評する中でレイジが聞き、赤木も頷く中でシオニーがそう提案するが…

 

敷島「だめだ。不乱拳博士はもう…」

 

シオニー『そんな…」

 

AN『ならこっちから問いかけましょう』

 

首を振ってそう言う敷島にシオニーは口を押える中でANがそう提案する。

 

勝平『ANさんの言う通りだ!俺達があいつ自身に呼びかけるんだ!』

 

ワッ太『なら俺が…お~い、ブラックオックス!俺達の声が聞こえるか!?』

 

ブラックオックス「!」

 

勝平も賛同してワッ太が代表で外部スピーカーで呼びかけるとブラックオックスは反応して接近して来る。

 

カミーユ『反応した!』

 

アスラン『本当にアメイジングエクシア達の様に動く自律型のロボットのようだ…』

 

AN『彼らと違ってブラックオックスは子供みたいですね』

 

葵『そう言われて見ると可愛いじゃない』

 

くらら『……』

 

動きからそう判断するANのに葵はそう評するのにくららは少し羨ましそうにブラックオックスを見ていた。

 

そんなブラックオックスは名前を呼ばれたのが嬉しいのか左右に動いてはしゃいでいる。

 

ミレーヌ『もしかして、喜んでる?』

 

シルヴィア『みたいね』

 

敷島「亡くなる前に聞いた不乱拳博士の話では、ブラックオックスの知能は3歳程度だそうだ」

 

香鈴『3歳か』

 

AN『確かに子供らしいですが…これは危ういですね』

 

その反応に思わず女性陣はほっこりするがANは顔を顰めて言うと敷島も同意の様で正太郎の横で頷いている。

 

敷島「ANと言う方の言う通り、今のオックスは何も分かっていない子供のようなものだ。誰かに利用される前に保護しないといけない」

 

レイジ『んじゃあ奴らが何かする前にこっちに引き寄せるか?』

 

シオニー『それが良いですね』

 

AN『では……ブラックオックス~こっちに来て一緒に遊びませんか~』

 

ブラックオックス「!」

 

そう言いながらノワールブラスタの腕を振って誘い、それもブラックオックスは嬉しそうに近寄る。

 

???「行けよファング!!」

 

刹那、ブラックオックスを足止めする様に飛んで来たのがビームを放つ。

 

それに向かおうとしていたブラックオックスは思わず足を止めてしまう。

 

シオニー『今のは!?』

 

刹那『今の声にファング…まさか!?』

 

誰もが飛んで来た方を見る。

 

そこには2機のガンダムがいた。

 

しかも誰もが見覚えのある機体であった。

 

ロックオン『あれは…アリー・アル・サーシェスの乗ってたのに似てるが…』

 

ティエリア『ガンダムスローネアインにツヴァイ!?奴らもなのか!?』

 

AN『お知り合いで?』

 

驚くティエリアにANは聞く。

 

アレルヤ『確かに知り合いだよ…良い思い出がないけど…』

 

デュオ『だな…あの2機は刹那達と同じソレスタルビーイングのガンダムなんだが…ちょいとやり方が物騒でやり過ぎてたんだよ…』

 

AN『へーそうなんですか。じゃああの戦争屋のが彼らのと似たの使っているのは?』

 

スローネツヴァイ「そんなの簡単だ。奴は俺のオリジナルを射殺して俺を奪い取り、そして俺を元に作り上げたのがアルケーガンダムだ!」

 

スローネアイン「奴にはたっぷりと礼をさせて貰うつもりだが、その前に今はそのブラックオックスを貰おう!」

 

敷島「何!?」

 

正太郎「ブラックオックスを!?」

 

憎々しげに言うスローネツヴァイの後にスローネアインがブラックオックスを指さして言い、正太郎は驚く。

 

AN『なんでブラックオックスを!?そちらは普通にいっぱい作れるでしょ!?』

 

スローネアイン「確かに作れるな…だが、人間に生みの親を殺されたと言う存在は奴1人だけだ」

 

敷島「っ!まさか!それを利用して人間に復讐するロボットに教育しようとするつもりか!」

 

そう問うANに答えたスローネアインのに敷島はすぐさま察して驚く。

 

スローネツヴァイ「あったり!と言う訳で奪わせて貰おうとするか!」

 

正太郎「そんな事を聞いてそうオックスを渡すつもりはないぞ!」

 

ハヤテ「(と言うか貴方達の妹、知ったらショック受けそうなんですけど…)」

 

AN『子供を復讐鬼にさせるなんて最低です!』

 

スローネアイン「ならばその復讐鬼になるだろう存在を作った者に言うのだな!」

 

その言葉と共にスローネアインとスローネツヴァイは攻撃を仕掛ける。

 

 

一方でロゼと共にブランチを追い詰めていたコマンド達の前にゲシュタルトが現れた。

 

騎士「お前はゲシュタルトのメタール!」

 

ブランチ「メタール殿!来てくれたのか!」

 

ゲシュタルト「当然だろう、ブランチ。私はお前の雇い主だからな」

 

喜ぶブランチにゲシュタルトはそう言う。

 

コマンド「そいつの雇い主だと!?」

 

ロゼ「ゲシュタルトのメタール…!なんと言う超能力だ!」

 

驚くコマンドの隣でロゼは先ほど放たれた超能力の衝撃波の威力に呻く。

 

ゲシュタルト「我が力に抗う事が間違いなのだ、ロゼ。暗黒の世界にお前たちも落ちるが良い!」

 

コマンド「来るぞ!」

 

そう言って再び衝撃波を放そうとするゲシュタルトに騎士は防ごうと盾を構える。

 

タケル「離れろ、ロゼ!」

 

AN『あ、そこ危ないですよ!』

 

ゲシュタルト「む?」

 

そこにタケルが駆けつけ、ゲシュタルトに向けて衝撃波を放つと共にノワールブラスタのバンカーが命中する。

 

ゲシュタルト「くっ!やってくれるなマーズ!」

 

タケル「いや、俺も予想外だったんだが…」

 

武者「と言うかいきなりバンカーが飛んで来たでござるの巻」

 

コマンド「あぶねえなおい!」

 

AN『弾かれてしまって』

 

呻きながらそう言うゲシュタルトにタケルは戸惑いながら返し、顔を青ざめる武者と怒鳴るコマンドにANはそう返す。

 

ゲシュタルト「出鼻を挫かれたが改めて自己紹介しよう。私はゲシュタルトのメタール。暗黒よりの使者だ」

 

タケル「お前は何者だ!?何のためにギシン星の残党を操り、地球を襲う!?」

 

AN『そもそも暗黒って…』

 

名乗り上げるゲシュタルトにタケルは問う中でANは痛い奴を見る感じに言う。

 

ゲシュタルト「全てはこの星を手に入れる為…そしてマーズ!その邪魔となるお前にはこれをくれてやろう!」

 

その言葉と共にエネルギー波をタケルの両手首に炸裂させる。

 

タケル「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

ロゼ「マーズ!!」

 

AN『やめなさい!』

 

ベシッ!

 

絶叫するタケルを見てANはすぐさまバンカーでゲシュタルトを叩き、ゲシュタルトは地面に大の字でめり込む。

 

ゲシュタルト「ぐ、ぬ!貴様!よく人のサイズの私をロボに乗ってないのに攻撃できるな!それでも正義の味方か!」

 

※:これまでの間、ゲシュタルトはロボに乗ってない状態でノワールブラスタの攻撃を受けてました

 

AN『正義?悪いですがそれを建前に仲間が傷つく所を見過ごすのは私はしない主義なのです。そして傷つけるならば容赦なしなので、後、あなたは別にロボットなしでも戦えると思いますが』

 

抜け出してそう叫ぶゲシュタルトにANはそう返す、

 

ゲシュタルト「ぬぅぅぅ!やはり始まりの者達は碌な者がいないようだな!」

 

AN「(こいつも始祖のことを知ってる…。まあ録な者が居ないのは当たってるけど)」

 

呻くように言うゲシュタルトに最初に会った時も言っていた事を思い出しながらANは脳裏にお酒お酒とお酒と叫ぶバトルジャンキーな龍の始祖とプライドの高くて見下している吸血鬼や鳥の始祖を思い出して思わず同意する。

 

ゲシュタルト「ぬぅ、いでよ!暗黒の者達よ!」

 

その言葉と共に新たな軍団が出現する。

 

ゲシュタルトはノワールのバンカーを避けてブリザームに乗り込む。

 

エイジ『ゼラバイア!それにムーンWILLの手下の生き残り!』

 

葵『やっぱり、あいつらも暗黒の力のご一行だったみたいね!』

 

ハヤテ『そうみたいですね!』

 

AN『全員、あの世に送り返してあげますよ!』

 

現れたのに誰もが身構える。

 

スローネアイン「ふむ、お手並み拝見と行こうじゃないか。ツヴァイ」

 

スローネツヴァイ「分かったぜ兄貴!」

 

するとスローネ達は距離を取る。

 

コマンド「高見の見物かよ」

 

AN『まあ邪魔しないだけいいでしょう』

 

介入しないのを見て毒づくコマンドにANはそう言う。

 

ゲシュタルト『貴様達の様に愛、勇気、思いなどを信じる者達を貴様達もろとも全て滅ぼしてやろう!暗黒の使者であるこの私がな!ハハハハハハ!』

 

クロウ『オカルト野郎の妄言は聞き飽きたぜ』

 

レイジ『だな、ごちゃごちゃうるせえよ』

 

香鈴『黙らせるか』

 

そう言うゲシュタルトにクロウは呆れて言い、レイジと香鈴も同意する。

 

ゲシュタルト『フフフ、まだ我が力が分からないか…』

 

そんなメンバーを見てゲシュタルトはそう呟いた後にタケルがガイヤーに乗り込んだ。

 

甲児『来たかタケル!ゴッドマーズで一緒に奴らを倒すんだ!』

 

タケル『ああ!来い、五神ロボッ!』

 

それに気づいた甲児が呼びかけ、タケルも同意して合体する為に呼び出した時、両手首から全身へと向けて激しい痛みがタケルに襲い掛かる。

 

タケル『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

ロゼ『マーズ!?』

 

マリン『どうしたんだ!?なぜ、六神合体出来ないんだ!?』

 

絶叫するタケルにロゼは叫び、それに誰もが戸惑う。

 

タケル「(くうっ…!超能力を使うと全身に激痛が走る…!)」

 

騎士「一体どうしたんだ彼は!?」

 

AN「(まさかさっきの!)」

 

なぜ合体しないかでANは先ほどゲシュタルトがタケルにやった事を思い出す。

 

ゲシュタルト「(ハハハハハ!それこそがデビルリングの力よ!)」

 

呻くタケルの頭にゲシュタルトの声が響く。

 

タケル「(これは…!ゲシュタルトのテレパシーか!)」

 

ゲシュタルト「(お前は今、絶望に支配されている!その様子では五神ロボも操る事も出来まい!)」

 

告げられた事にタケルは悔しさで歪める。

 

ゲシュタルト『ハハハハハハ!これが我が暗黒の力だ!跪けマーズ!そして、自らの愚かさを呪え!!』

 

タケル「俺は…ここで…」

 

愉快そうに笑うゲシュタルトにタケルは諦めかけた時…

 

???『諦めるな、タケル!』

 

声は響くと共に一体のスーパーロボットが降り立った。

 

AN『あれは!?』

 

タケル『ゴッドシグマ!』

 

マリン『闘志也か!』

 

闘志也『おう、俺達も地球に戻って来たぜ!』

 

キラケン『皆も元気にやっとるか!』

 

ジュリィ『全く…!呑気に挨拶をしてる場合じゃないでしょうが!』

 

驚くメンバーへと闘志也がそう言い、呑気に言うキラケンにジュリィがブリザームを見てツッコミを入れる。

 

ゲシュタルト『我が暗黒の力を恐れぬ愚か者がまた来た様だな』

 

闘志也『何が暗黒の力だ…!そんなものは俺達はとっくに打ち破ったぜ!』

 

そんなゴッドシグマを見て言ったゲシュタルトは闘志也の口から出た事に少し驚く。

 

闘志也『しっかりしろ、タケル!俺達は暗黒の力なんてものに決して負けないで戦って来た!怒りや憎しみ、欲望や暴力にエゴ…!戦いを呼び、平和を破壊する心…!それが暗黒の力だ!』

 

タケル『暗黒の力とは…悪の心…!」

 

AN「(え~でもそれ大事ですよね?それがあるから人は人で居られるんじゃ…)」

 

激励する闘志也の言葉にANは内心そう呟く。

 

確かに悪の心だけだと闘志也の言った事を起こしてしまうが正義の心だけではそれが暴走し、災厄を起こしかねない時もある。

 

AN「(まあようするにバランスですよね)」

 

雷太『そうは言うがよ、闘志也!』

 

オリバー『暗黒の力は死人を蘇らせ、時空を超えてゼラバイアを呼ぶんだぞ!』

 

バランスよく取らないと…と内心思ってる中で雷太とオリバーがそう言う。

 

闘志也『そんなものは、ただの結果だろうが!俺達だって色んな力を集めて、何度も逆境をひっくり返してきた!奴らが暗黒の力で襲って来るなら!俺達は光の力で、それを跳ね返すんだ!』

 

タケル『光の力…!』

 

AN「(闇には光、光には闇…お互いに対極であるからこそつり合い、どちらかが欠けたらダメなんですよね…まぁ、暗黒だから=闇と言うのは違う時ありますし)」

 

力強く言う闘志也のにタケルは気力を取り戻して行く。

 

闘志也『悪に負けない心が、光の力だ!お前にだって、それがある筈だ!』

 

ブラックオックス「!!」

 

そんな闘志也のにブラックオックスは力強く吠える。

 

正太郎「オックス…あの人の言ってる事が分かるのかい!?」

 

バサラ『分かってなくても、感じてるんだ!ハートでよ!それが生きてるって事だぜ!』

 

AN『あーバサラさんらしいですね』

 

そんなブラックオックスの反応に驚く正太郎にバサラがそう言い、いつも通りな彼にANは苦笑する。

 

タケル『心…ハート…生きる…!そうだ…!俺はいつだって、その力で戦って来た!』

 

ゲシュタルト「(無駄だ、マーズ!デビルリングは決して外れない!!)」

 

気力を取り戻すタケルにゲシュタルトはテレパシーで言うが闘志也やバサラの言葉で完全に戦意を取り戻したタケルにはもう通用しない。

 

闘志也『タケル!』

 

タケル『うおぉぉぉぉぉぉぉ!六神合体ーッ!!』

 

闘志也の呼びかけを追い風にし、タケルはガイヤーと五神ロボを合体させ、ゴッドマーズとなる。

 

タケル『ゴッドマーズ!』

 

ゲシュタルト『バカな!?合体しただと!?』

 

闘志也「見たか!これがタケルの光の力だ!』

 

AN『貴方の闇の力はタケルさんの光の力に負けたみたいですね』

 

驚くゲシュタルトに闘志也とANは言い放つ。

 

ジュリィ『驚いたね、こいつは…闘志也の根性論がオカルトパワーを打ち破ったよ』

 

キラケン『病は気からじゃ!元気が通れば、病気は引っ込む!』

 

キラ『キラケンさんの言う通りです』

 

ランド『そうよ!痛みなんてのは奥歯に力を入れてぐっと耐えれば、何とかなる!』

 

シオニー『でもあまり我慢しすぎは駄目ですよ?』

 

ハヤテ『あんまり我慢しすぎるとホント死にますからね』

 

クロウ『お前さんが言うと凄く説得力あるのはなんでだろうなハヤテ…』

 

呆れ交じりに感嘆するジュリィにキラケンが言ってキラとランドも同意するとシオニーとハヤテも続き、続いたハヤテのにクロウがしみじみと言う。

 

ゲシュタルト『おのれ、マーズ!おのれ、ZEXIS!やはりお前たちの存在は許されない!』

 

タケル『黙れ、メタール!』

 

ロゼ『マーズ…あなた…』

 

闘志也『行くぞタケル!暗黒の力に負けないお前の光の力を見せてやれ!』

 

そう叫ぶゲシュタルトにタケルは強く返した後に闘志也のにはい!と頷く。

 

スローネアイン「では…ここでサプライズだ!来いジンクス達よ!」

 

その言葉と共にジンクスが複数現れる。

 

シン『ここで出してきやがるのか!』

 

AN『面倒ですね!』

 

攻撃を仕掛けるジンクスの集団に避けながらANはぼやく。

 

ゼロ『各機、ゲシュタルトの軍とスローネの軍団を二手に分かれて迎撃するぞ!』

 

ハヤテ『了解です!』

 

ゼロの指示に誰もが了承してソレスタルビーイングを中心とするガンダムチームがジンクスの集団を、ゴッドマーズを中心としたスーパーロボットがゲシュタルトの軍団と迎え撃つ。

 

AN『私達はどっちにしましょうかね』

 

そう呟いた後に飛んで来たGNファングを避ける。

 

スローネツヴァイ「俺と遊んで貰おうかね!!』

 

そう言ってGNハンドガンを撃ちながらスローネツヴァイが来る。

 

AN『おっと』

 

そのまま避けた所でGNファングのビームが飛んで来てノワールブラスタの肩に命中する。

 

AN『っ!』

 

シオニー『ANさん!』

 

スローネアイン「よそ見をしてる暇あるかな?」

 

パールネシアへとスローネアインがビームサーベルで斬りかかり、シオニーは慌てて避ける。

 

香鈴『はぁっ!!』

 

追撃しようとするスローネアインに香鈴の蒼天がグレネード弾を放ち、距離を取らせる。

 

攻撃を避けながらスローネアインは蒼天を見る。

 

スローネアイン「ふむ、どうやら腕は乗り始めてまだ1年も経ってない様だな」

 

香鈴「ッ!(バレた!?)」

 

AN「(やはり実力者には分かってしまいますか…)」

 

告げられた事に香鈴は動揺し、ANは唸る。

 

確かに香鈴はANの手腕でそこらのパイロットには負けないが強者が相手となると苦戦してしまう。

 

スローネアインの言葉はANと香鈴以外には戦闘の音で聞こえてない事が幸いか…

 

AN「(せめてゼロさんの正体がバレるまでは隠さないと…)」

 

刹那『はあ!』

 

そこにジンクス部隊を倒したのかダブルオーがスローネアインに斬りかかり、スローネアインは避ける。

 

AN『ありがとうございます!刹那さん!!』

 

刹那『後は奴らだけだ』

 

ハヤテ『そうですね(あ、ついでに彼らにあの事言った方が良いですかね)』

 

スローネアイン「どうやらここまでの様だな」

 

スローネツヴァイ「撤退かよ兄貴」

 

そう言って距離を取る2機にハヤテが待ったをかける。

 

ハヤテ『ちょっと貴方達に伝えたいことがあるんですよ』

 

スローネアイン「何かな?」

 

ああん!と突っかかろうとするスローネツヴァイに手を出して抑えながら話を聞く体制を取るスローネアインにハヤテは言う。

 

ハヤテ『貴方達の妹さんのことでちょっと』

 

スローネアイン「正確には私達の元になったスローネ兄弟の末っ子だな。ネーナがどうしたのかね?」

 

スローネツヴァイ「もしかしてそこのガンダム野郎が泣かせたとかか!」

 

刹那『なぜ俺が出る?』

 

そう切り出すハヤテにスローネアインは訂正しつつそう聞くとスローネツヴァイがダブルオーを指す。

 

ハヤテ『いえ、それがですね…』

 

そう言ってハヤテは2人にしか聞こえない様に個人通信に切り替えて説明する。

 

スローネアイン《何?そんな事が起こるのか?》

 

ハヤテ《ええ、そうなんです》

 

スローネツヴァイ《てめぇ、嘘付いてんじゃねえよな?》

 

説明された事に驚くスローネアインにハヤテは肯定する中でスローネツヴァイが疑う声で問う。

 

スローネアイン《止めろツヴァイ、だが、それが起こると言う確証と証拠はあるのかね?》

 

ハヤテ《それならこのデータを見れば》

 

そう言ってハヤテはある物を見せる。

 

スローネツヴァイ「……………うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!ネーナ!!!!今兄ちゃん行くぞおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

その瞬間、スローネツヴァイは叫んだ後にトランザムを発動して猛スピードで飛び去って行く。

 

Aエクシア「うお!?なんだ!?」

 

刹那『いきなり…飛んでった…』

 

カレン『な、なんでいきなり?;』

 

スローネアイン《……流石に嫌な物を見せてくれたな少年》

 

ハヤテ《すみません;手っ取り早く信じてもらうならこれしかないと思いまして》

 

そんなスローネツヴァイの知らない者からすれば奇怪な行動に戸惑う中で顔を手で覆いながらそう言うスローネアインにハヤテは謝罪する。

 

スローネアイン《まあ確かにこれなら信じるしかないだろうな》

 

ハヤテ《自分が助けるより貴方達の方が良いかと思ったので明かしました。なので妹さん、助けてあげてくださいね》

 

そう言うハヤテにスローネアインはふっと笑う。

 

スローネアイン《我々はスローネ兄弟のを元にされた存在なのだが…それでも我々にとっても妹に変わらない。良いだろう。まぁ、助けた後は刹那・F・セイエイに任せるか…悪ふざけとはいえネーナがファーストキッスを捧げた男だからな…責任は取って貰わないとな…不幸にするなら蹴り飛ばす》

 

ハヤテ《まあそこんところはお任せしますよ。ただ今回のあれはネーナさんがやってしまった罪が原因だと言うのも忘れないでくださいね?》

 

その言葉にそう…だな…とスローネアインは頷いた後に距離を取る。

 

スローネアイン「さらばだZEXIS!それと刹那・F・セイエイ!ネーナの婚期を遅らせる事をしたら許さんからな!」

 

刹那『え?』

 

そう言ってトランザムで去って行くスローネアインに指名された刹那は戸惑う。

 

デュオ『……どっちでもお前さん目を付けられてるね刹那…』

 

刹那『……俺が何かしたか…?』

 

ハヤテ『ドンマイです刹那さん;』

 

呆れた感じでスローネアインを見送りながらそう声をかけるデュオのに刹那は戸惑い、ハヤテはそう声をかけるしかなかった。

 

ちなみにプトレマイオスⅡでスローネアインの言葉を聞いて不機嫌度MAXなフェルトにスメラギ達は冷や汗を流していた。

 

苦笑していたANは周りの戦闘が終わったのを確認する。

 

AN『ふむ、他の所も終わったみたいですね』

 

ハヤテ『そうみたいですね』

 

ふうと息を吐くANにハヤテは頷く。

 

この時のAN達は知らなかった。

 

この後も戦いがあり、そこで新たな出会いと再会が待っている事を…


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