第二次スーパーロボット大戦Z Another 作:Dr.クロ
それは宇宙と暗黒大陸、それぞれ別々の場所に行っていたメンバーと合流した日のことであった。
AN「ふむ……」
自身の部屋でANは送られてきた一通のメールを見ながら難しい顔をしていた。
AN「まさかアイツからメールが来るとは……」
『アイツ』
それはANがこの世界に来るきっかけとなった者のことだ。
その者とANがどんな関係なのか。それは後々明らかになることだろう。
そしてその者から突如、こんなメールが送られてきたのだ。
【ANへ
明日、この近くの町ナリアで待つ】
AN「まさかアイツの方から呼び出しをするとは……一体何を考えているのやら」
そうANは口に手を当てながら警戒する。
わざわざ自らを追っていた自分にこんなのを出すとは何か罠があるのかと考えてしまう。
一応その周辺に何かないかを警戒して貰った方が良いだろうかと考え、ゼロへと通信を繋げる。
AN「ゼロ、ちょっといいですか?」
ゼロ《なんだAN?こんな時間に》
今後の事を考えていたゼロは珍しそうに聞く。
どことなく焦った様子なのは無視してANは言う。
AN「ちょっと明日用事ができましたのでちょっと行ってきます」
ゼロ《用事?》
出て来た言葉にゼロは首を傾げる。
AN「はい。ですので明日はちょっと居ませんのでそれでは」
ゼロ《あ、お……》
ブツン
そう言い終えるとANはゼロが止める間もなく通信を切ってとそのまま部屋を立ち去るのであった。
次の日~ナリア~
AN「此処がナリアですか」
ANは手紙に書いてあった街、ナリアに到着した。
街は人が存在しないゴーストタウンになっておりあったのはボロボロの家々だけだった。
AN「こんなところに呼んで一体何を企んでいるんですかねぇ」
???「企んでいるだなんて……失礼ですねぇ」
AN「!」
ANがつぶやいた瞬間、廃墟の家の影から台詞と共に一人の人物が現れる。
それは男性でANはその体から放たれる気配から目の前のが自分が追いかけていた存在だと知る。
AN「まさかアバターまで手に入れているとは……」
???「私のエネルギーでならこれぐらい簡単なことですよ」
身構えるANに男性は肩を竦めて答える。
???「そもそも私を作った貴方がそれを知らないはずないですよねぇ?マスター」
AN「やれやれ、相変わらずのようですね。エルク」
とANは自身をマスターと呼んだ男性、エルクにそう言ってから睨む。
その睨みにエルクはおお、怖い怖いとおちゃらける。
AN「あのガンダムやテロリストの兵器等々も貴方の仕業なんですよね?」
エルク「流石マスター、すでに気づいていましたか」
偉い偉いと指摘に対してエルクは愉快に笑って褒める。
そうかつてANたちが闘った空飛ぶ大竜胆やテロリストたちが使っていた自動迎撃装置、そしてガンダムヴァサーゴたちを作ったのはこのエルクだったのだ。
褒めるエルクだがANは睨みを止めない。
AN「あれらを作って……一体何をしようとしているんですか貴方は」
やはりそこを聞きますかとエルクは言った後に笑みを浮かばせたまま動じない。
エルク「私の目的……それはまだ明かすことはできませんがこれだけは言いましょう……今のマスターが絶対に気に入らないという事だけはね」
AN「ええ、それを聞いただけであなたの目的を阻止しますよ」
にこやかに言うエルクにANは睨んで言う。
エルク「……ところでマスター、何故私がわざわざこんなところにマスターを呼んだと思いますか?」
AN「?」
いきなりの問いにANは疑問を浮かばせる。
エルク「一つはマスターと彼らを離すため……そしてもう一つは……」
ズドォォオオオン!
と廃墟が崩れるとともに巨大な何かがエルクの後ろに現れる。
AN「!?」
エルク「マスターと一度闘ってみたかったからですよ」
そう言ったエルクはすぐさま現れた何かへと乗り込む。
ANは距離を取る為に走りながらARISIAに連絡を取る。
AN「ARSHIA!ノワールをすぐさま私のところに向かわせてください!」
《了解》
ANの指示を受け、ARISHIAはすぐさまノワールを発進させる。
少しして飛んで来るノワールがANの目に入って来る。
AN「!来ましたか!」
バシュゥゥウウ!
飛んできたブラスタノワールを見たANはすぐさま飛び立ち、ノワールにへと近づいた後に開いた操縦席へと乗り込み、搭乗する。
エルク『ではいきますよ……』
ブィン、ブィン
ANがノワールに乗り込んだ所を見てそう言うとエルクはロボットの両腕にエネルギーの球体を出現させ…
エルク『はぁ!』
それをノワールに向けて次々に投げつける。
ズババババババババババババッ!!
AN「っ、このっ!」
ガガガガガガガガガガガガガッ!!
飛んで来る魔力弾をノワールは避けるとお返しにとAX-55EAGLEをエルクの乗るロボットにへと掃射する。
ブィン
ガチンガチンガチンッ!
向かって来た銃撃の嵐にエルクはロボットの両掌からバリアを展開し、それを防ぐ。
AN『なるほど……そのロボットは貴方から発せられるエネルギーを使って戦うのですか』
エルク『えぇその通りです。このロボット、CHAOS・オーガは試作品でしてこれぐらいしかでききないんですよ』
動き方からそう判断するANのにエルクはそう返し、自身の乗る機体についてそう言う。
AN『これぐらいってよく言いますよね。無尽蔵のエネルギーを使えるのどこがこれぐらいなんですか;』
だが、ANは話しつつスキャンした結果から出て来たのに冷や汗をかきながらそう言う。
エルク『まだまだ行きますよ。次はこれです』
するとエルクはCHAOS・オーガの右手に黒い虹色のエネルギーでできた両刃の剣を作り出すと翼を展開させ、ノワールの元にへと高速で接近する。
エルク『はぁあああ!』
AN『おっと!?』
ガキィイン!
そしてノワールブラスタにへと剣を振り下ろすがそれをバンカーで防がれる。
ガキガキガキガキガキィン!!
そしてそのままバンカーと剣のぶつかり合いをしてからつばぜり合いに持ち込む。
エルク『さすがはマスター、やりますね』
AN『そんなこと言ってられるなんてずいぶんと余裕がありますねっ!』
褒めるエルクにANは動かしながらそう言う。
エルク『おっと。流石にこのままでは埒が明かないのでそろそろいきますよっ!』
そんなANに対してエルクは言うと武器の形を剣から大鎌にへと変えるとそのままノワールにへと振るう。
AN『!』
ガキィン!
それをANは大鎌がノワールにへと当たる寸前にバンカーで何とか防ぐ。
エルク『ふっ……』
AN『?なに笑っているんで……』
そんなANの行動にエルクは不敵な笑みを浮かばせた事にANは疑問に思った瞬間…
ドスッ
AN「……え?」
ANは何かが刺さった音がしたのを聞いた後に気づく。
CHAOS・オーガの持つ剣から枝分かれした刃がブラスタノワールに突き刺さり、さらにそれが自身の腹に突き刺さっているのを…
しくったとANはつばぜり合いに持ち込んだ事を失策だと気づく。
相手はエネルギー上ので出来たので形を変えられる。
それを応用してノワールと自分を攻撃した。
エルク『はぁああ!』
ズバァアア!
そしてその隙を突き、エルクは大鎌を強く自身の方にへと引く。
それによりブラスタノワールとANの体は大きく切り裂かれる。
AN『ぐぁあああ!?』
体に起こる激痛とダメージにANは叫び、エルクはそのまま彼女を消そうとし…
ガガガガガガガガガガガガガガッ!!
左手から大量のエネルギー弾を放ち、ブラスタノワールを撃ち落とす。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!
そして地面に叩きつけた後もそのまま連続でエネルギー弾を放ち続ける。
エルク『……さてこれぐらいでいいですかね』
とエルクはエネルギー弾を放つのをやめ、ブラスタノワールが落ちた辺りを見ながらそう言う。
そこは先ほどまでエネルギー弾を放ったので出た砂煙でよく見えなくなっていた。
エルク『よく見えないですねぇ……もう少し近寄ってみますか』
とエルクがCHAOS・オーガを近づけようとしたその時
バシュ――――ン!ズドォォン!
エルク『なっ!?』
砂煙から突如放たれた弾丸がCHAOS・オーガの左肩を打ち抜き、破壊する。
バシュッ!
そして土煙の中から何か飛び出してくる。
エルク『!?』
飛び出してきたものを見てエルクは驚愕する。
AN「はぁああああああああ!!」
なんと飛び出してきたのはボロボロだが目から闘志を失っていないANであった。
だがその体は下半身が無く、さらに右手にバンカーを、左手にAX-55EAGLEを、さらに背中にはブラスタノワールの翼を自身から出ているコードで繋げ装備した姿だったのだ。
エルク『っ!』
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
近づいてくるANにへと慌ててエネルギー弾を放つエルクだがANの速度により弾は全て回避され…
AN「たぁああああ!」
ズバッ!ズドォオオオン!
バンカーによりCHAOS・オーガの右腕を切断されてしまう。
エルク『んなっ!?』
AN「まだまだぁ!」
エルクが驚く間もなくANはCHAOS・オーガのコックピット部分にへとAX-55EAGLEを突きつけると
AN「はぁああああああああああ!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!
ゼロ距離で連射する。
AN「はぁあああああああああああ!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!
振り払おうとしたエルクだが時すでに遅く、放たれる弾丸によりCHAOS・オーガの装甲は歪み、壊され、穴が開き、その穴から弾丸が次々にへとコックピットの中にへと撃ち込まれる。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!
バリン!ガシャン!ズドン!
撃ち込まれた弾丸によってエルクは勿論、コックピットのモニターや操縦板などが次々と壊され、火花が出始める。
ガガガガガガガガガガガッ…………
AN「はぁ……はぁ……」
そして弾倉が尽き、ANがCHAOS・オーガから離れるとCHAOS・オーガはそのまま落ちていき……
ズドォォ――――――――――――――――オオン!!!
地面と激突すると同時に爆発する。
AN「…………」
その様子をANが肩を上下させながら見ていると……
「やれやれ、まさかそんな無茶をするとは思いませんでしたよ」
AN「!」
ジジジジジジジジ………
まさかの声がした方へANは慌てて向くと廃墟の屋上の一部がぶれる様な現象が起こってるのが目に入った後に…それが収まるとエルクが立っていた。
AN「チッ、やっぱりアバターを倒しても復活しますか」
憎々しい顔で呟くANにエルクはくくくと笑う。
状況的に言うならばANが一番不利である。
何故かというと相手側は無傷なアバターなのに対し、ANは体が満身創痍に近い半壊状態へとなっている。
エルク「私としては今の状態のマスターを捕獲したいところなんですが……」
AN「クッ……」
そう言って右腕をANへと向けるエルクにANは構えようとするが限界に近く、もはやこれまでか…と思われた所でエルクは右腕を降ろす。
エルク「やめときましょう。それでは面白くないですしね」
それに…とエルクはある方を向く。
そこにはこちらへと向かうZEXISの戦艦と先行して来るAN特製のガンダム達が見えた。
エルク「彼らとはまだ会いたくないですし……これで失礼します」
ジジジジジジジ……
そう言い残してエルクは消えるとANは緊張の糸が途切れたのかそのまま地面へとフラフラしながら着地して地面に崩れ落ちる。
そのまま自己修復をフル活動させる。
AN「間に合いますかね……」
ガチャガチャ……ウィンウィン
呟いた後にそんな音と共にANの身体は凄いスピードで修復され始める。
まず、離れた場所に分断された下半身が上半身の切断された面から出たコードで繋がり上半身にへとくっ付き、ところどころ部品が見えているところは徐々に元の状態にへと直されていった……。
その後にノワールの翼を取り外して遠くに捨てる。
そして数分後、ZEXISが到着する寸前でANの修復は完了した。
AN「ふぅ、ギリギリでしたね……」
アイラ《ANさん!大丈夫ですか!?》
慌てて通信をするアイラに大丈夫ですよと小さく返して腕を軽く上げる。
その後、ANと大破したノワールブラスタは回収される。
ただ、まさかその後に驚きの事態が起こる事をANは知らなかった。