第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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最強なるゼロのガンダム、それを操る暴走の少年を彼らは止めれるのか


第十六話~ゼロのガンダム~

前回の最後、カトルの住んでいたL4コロニーにてカトルの父が殺されたのを聞いたZEXISは続いてきた新たな情報、新たなガンダムにより襲撃を受けている事を聞いてL4コロニーに向かっていた。

 

香鈴「新たなガンダム…どういう奴なんだろうか」

 

レイジ「あー、こんな時セイがいたらなんか分かるんだろうけどな…」

 

微調整をしながら呟く香鈴に操縦席に座ったレイジがぼやく。

 

シオニー「セイ?」

 

アイラ「レイジのパートナーをしていた男の子でガンダムに関する知識なら誰にも負けない程博識なのよ。確かにガンダムが関わってるならセイがいたら分かったかもね」

 

そんなレイジの呟いた事に首を傾げるシオニーへアイラは答えた後にレイジの意見に同意する。

 

AN「…………」

 

そんな中でANは思い出す。

 

ガンダムと言うのでANは前にウイングガンダムを見て浮かんだフェニーチェとは別のもう1体のウイングガンダムを…

 

AN「(ウイングガンダムゼロ……)」

 

出て来た名前と姿を見るからにヒイロ達が乗るコロニーのガンダムの原型ではないかとANは考える。

 

ゼロと言う名前はいわばプロトタイプや元になる奴に付けられる事が多い事があるのでそう行き当たった。

 

ただ、その中で1つ気になるシステムがあった。

 

AN「(ゼロシステム……)」

 

そのシステムの力にANは人が使って大丈夫なのだろうかと不安を覚えた。

 

シオニー《み、みなさん!L4コロニーに到着です!い、今戦闘中です!》

 

艦橋で情報が来るのを知らせる為にいたシオニーからの言葉と共に画面が展開されると映し出されたのは崩壊したL4コロニーと問題のガンダムにOZより抜けたキラ・ヤマトが乗るストライクフリーダムガンダムとアスラン・ザラが乗るインフィニットジャスティスガンダムが迎え撃っていて、さらに見た事のない赤と青の機体がトーラスの集団を引き連れていた。

 

レイジ「おいおい、なんじゃありゃあ?」

 

AN「ウイングガンダムに似てる…(あれがウイングガンダムゼロ…通称ウイングゼロ)」

 

驚くレイジの後にANは映っているガンダムを見て内心呟く。

 

シオニー「あのガンダムがコロニーを破壊したんですか!?」

 

フェニーチェ「みたいだな…それだけの武装を持っていると言う事か」

 

急いで走って来て画面を見て言うシオニーにフェニーチェは腕を組んでそう言う。

 

AN「ん?あの二体のガンダムは……」

 

その後にストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを見る。

 

シン『キラさんにアスラン!』

 

AN「ああ、知り合いでしたか」

 

ルナマリア『ええ、私たちの世界の人達よ。OZと敵対してるって事は抜けたのね』

 

シンの様子にそう言うANへルナマリアはそう返す。

 

出撃すると言うのでAN達は出撃する。

 

キラ『元気そうだね、シン。見ない内にデスティニーが変わってるね』

 

シン『何を呑気な事、言ってるんですか!これはどういう状況なんです!?』

 

アスラン『あの正体不明のガンダムの攻撃でコロニーは破壊された』

 

AN『やはりあのガンダムがコロニーを破壊したのですか』

 

出撃した事で気づいたのか気軽に声をかけるキラにシンがそう聞くとアスランがそう返し、ANはそう言って件のガンダムを見る。

 

そのガンダムはウイングガンダムに似てるがバックパックや体の細部が所々違う。

 

刹那『新たなガンダム…』

 

ティエリア『ソレスタルビーイングのものではない…!コロニー製か!』

 

???『あれにはカトルが乗っていると思われる』

 

そのガンダムを見て言ったティエリアの疑問に続いてOZの青い新型から発された声にデュオは反応する。

 

デュオ『トロワ…その青いのに乗ってるのはトロワなのかよ!』

 

エスター『トロワ!』

 

まさかの人物に誰もが驚く。

しかもOZのNSに乗っていると言うのも驚きを大きくする。

 

トロワ『そうだ。なお、向こうのメリクリウスにはヒイロが乗っている』

 

ヒイロ『…………』

 

続けて出た名前にまたも誰もが驚く。

 

AN『ヒイロさんが!?』

 

デュオ『マジかよ!?』

 

五飛『なぜお前達がOZの機体に乗っている!?』

 

誰もが驚く中で五飛が問う。

 

トロワ『その説明をしている余裕はない。少なくとも今はお前達の敵だ』

 

アルト『何っ!?』

 

エスター『本気なのかよ…!』

 

返された言葉に誰もが身構える。

 

ヒイロ《…いいのか?》

 

トロワ《俺達が乗っているのはOZの新型だ。その俺達に勝てないようでは、ZEXISは勝てない》

 

個人通信で聞くヒイロにトロワはそう返す。

 

ヒイロ《確かにお前の言う通りだ…》

 

トロワ《あのガンダムも同じだ。ここで俺達に倒される程度の力なら、必要のないものだ》

 

そう言ってトロワは自分の乗る機体、ヴァイエイトはガンダムへと近づく。

 

トロワ『!?』

 

その直後に横から来たビームを避ける。

 

カラミティ「沢山いるな」

 

フォビドゥン「良い兵士達がいるじゃないか」

 

レイダー「あんな事あったのに使うなんて馬鹿な奴らだな!」

 

その後にカラミティ達が現れる。

 

キラ『なっ!?あれは!』

 

アスラン『バカな!?なぜあのガンダム達がここに!?』

 

それにキラとアスランは驚く。

彼らとは実際に戦った事がある2人にとってそれだけ衝撃であった。

 

フォビドゥン「久しぶりだなキラ・ヤマト、アスラン・ザラ!」

 

レイダー「あの時取れなかったてめらの首、オリジナルじゃないが取らせて貰うぜ」

 

カラミティ「お前ら!今回の狙いはあいつらじゃねえだろ。あのガンダムだ」

 

そういきり立つフォビドゥンとレイダーにカラミティはそう言ってじっとしているウイングガンダムに似たガンダムを見る。

 

バシュゥゥウウウウウウウウ!!

 

そのガンダムが手に持っていたライフルから強力なビームを放ち、それにカラミティ達は避ける。

 

カトル『何の目的があるか知らないけど、僕は全ての武器を破壊するって言う目的がある!このウイングガンダムゼロで!』

 

ヒイロ『ウイングガンダムゼロ…』

 

銃口を向けながらそう言ったカトルの言った名前をヒイロは呟く。

 

フェニーチェ「ウイングガンダムゼロ…コロニーの始まりのガンダムだと言うのか!?」

 

AN『おそらくあのウイングガンダムゼロが強力すぎて技術的に造れず、それを劣化させて造ったのがウイングガンダム達なんでしょうね』

 

デュオ『おいおい、それだとどんだけ凄いんだよあのウイング…ってまぁコロニー破壊してるんだから相当だろうな」

 

名前にあるゼロにフェニーチェはそう行きつき、ANの推測にデュオは破壊されたコロニーを見てそう呟く。

 

カトル『コロニーは連邦の所有物になった。つまり、連邦の武器だよ。だから、コロニーも破壊するんだ!』

 

シオニー『む、無茶苦茶ですよその言い分…!?』

 

トロワ『どうしたんだカトル。お前らしくないじゃないか』

 

そう言ったカトルの物言いにシオニーはそう言い、トロワも言動に戸惑いを感じさせて問う。

 

カトル『トロワ……それにみんなにも言うよ。もう僕の前に現れないで…でないと、みんなを殺す事になる』

 

ヒイロ『カトル…』

 

そう言うカトルにヒイロは呟いてから近づこうとする。

 

レイダー「おりゃあ!」

 

カトル『!』

 

そんなウイングゼロにレイダーが砲撃を仕掛ける。

 

カラミティ「話はそれで終わりか」

 

フォビドゥン「なら遠慮なく攻撃させて貰うぜ」

 

その言葉と共にビームが発射されてウイングゼロは避けて行く。

 

カトル『くらえ!』

 

お返しとばかりにウイングゼロは持っていたライフルを分離させて二丁拳銃にするとビームを連発する。

 

レイダー「おっと!」

 

フォビドゥン「当たらないぜ!」

 

それにレイダーとフォビドゥンは避けるがカラミティは気づく。

 

カラミティ「!お前ら!それは囮だ!」

 

レイダー&フォビドゥン「何!?」

 

カトル『消えろ!!』

 

意図に気づいて叫ぶカラミティだが2人が避ける間もなくツインバスターライフルからビームが放たれる。

 

カラミティ「ちっ!」

 

それにカラミティは舌打ちした後に手を翳すとフォビドゥンとレイダーの前に大量のモビルドールが転移させられてフォビドゥンとレイダーを守る壁となってその均衡の直後にフォビドゥンとレイダーはビームの射線上から逃げるとモビルドールはビームに包まれて爆発四散する。

 

ハヤテ『な、なんてパワーなんですか!?』

 

AN『おそらくあのビームのパワーでコロニーを破壊したのですね』

 

その威力に驚くハヤテにANはそう言う。

 

ジェフリー《全機に告ぐ!モビルドールとカラミティガンダム3機と交戦しつつ、あのウイングガンダムゼロを止めるのだ!》

 

シオニー『は、はい!』

 

レイジ『面倒くせぇ状態だなホント』

 

アイラ《ぼやかないの!さっさと行く!》

 

指示するジェフリーの後にそうぼやいたレイジはアイラにはいはいと答えながら動く。

 

カトル『邪魔だぁあああああああ!!』

 

エスター『止めなよカトル!』

 

デュオ『くそ、めんどくせえな!』

 

ウイングゼロにブラスタESやデスサイズ、ノワールが挑み、ヴァイエイトとメリクリウスもモビルドールを引き連れて攻撃を仕掛けてくる。

 

AN『ホントめんどくさいですね!(だけど何かがおかしい)』

 

それぞれの攻撃を避けながらANはウイングゼロの機動に違和感を持つ。

 

先ほどから放って来る攻撃がどれも自分たちの避ける先を予測した様な感じなのだ。

 

彼女の知る限り、カトルはそんな芸当が出来そうにないと考えた後に1つの単語が頭に浮かぶ。

 

AN「(ゼロシステムですか……ならこっちもそれをしますかね……)」

 

カトル『この!』

 

行き当たった後にANは目には目をとウイングゼロの攻撃を避けた直後に素早くAX-55EAGLEで攻撃する。

 

カトル『!?』

 

予想できなかったのかウイングゼロは銃撃を受けてよろめく。

 

エスター『当たった!?』

 

AN『残念でしたね、カトルさん。ゼロシステムの未来予知はそちらにしかないと思っていましたか?』

 

カトル『!?なんでそれを!?』

 

初めて当たったのに声を上げるエスターの後に言ったANのにカトルは驚きの声をあげる。

 

エスター『ゼロシステム?』

 

デュオ『それで俺達の回避方向を当ててたのか!?』

 

AN『この機体にはゼロシステムを含んだ様々システムを使うことが出来るシステム、オリジンを積んでいるんですよ』

 

クロウ『様々なシステムを使うことが出来るだと!?』

 

ロックオン『そんなのを積んでるのかよ…!?』

 

そう言ったANの言葉に誰もが驚く。

 

カラミティ「ちっ!やはりあの方が言う様に厄介な存在だな!」

 

AN『あいつは一体何を企んでいるんですか!』

 

 

それに対してそう言ったカラミティにANは問う。

 

レイダー「誰が教えるかよ!」

 

フォビドゥン「そうそう!」

 

その言葉と共にビームが放たれ、ノワールは避ける。

 

クロウ『援護するぜ!(さっきの会話、どうもANさんも深い目的があるみたいだな)』

 

そこにブラスタが割り込んでノワールを援護する。

 

AN『ありがとうございます!』

 

お礼を言った後にモビルドールの攻撃を避ける。

 

その後にヴァイエイトが攻撃を繰り出し、ANはノワールを動かして避けた後に奇妙な光景を見る。

 

先ほどの攻撃がノワールを攻撃したモビルドールへ命中してモビルドールが破壊される光景だった。

 

AN『(破壊した?わざと…ではないですね)』

 

その後にメリクリウスを見るとビギニングフリーダムを攻撃するがその攻撃は避けられ、逆にビギニングフリーダムを狙っていたモビルドールに当たる。

 

レイジ『なんだ?誤射か?下手だなあんた』

 

ヒイロ『……』

 

そう言うレイジのに対して答えずに無言で攻撃し続ける。

 

AN『まさか……』

 

その行動からANは2人は従う振りをしつつモビルドールを誤射と言う形で破壊してるのだと理解する。

 

ただ破壊したら疑われるが頭の切れる者でない限り誤射と言う事で片づけられるのだ。

 

そう言う事が出来る腕を持つ2人だからこそのなせる事である。

 

ただここで口に出したらやばいと考えて言葉を飲み込む。

 

カトル『邪魔だよ!』

 

エスター『止めなよカトル!これ以上は!』

 

まだ動き続けるウイングゼロにブラスタESが組み付くがすぐさま振りほどされて蹴飛ばされる。

 

カラミティ「隙ありだ!」

 

カトル『ぐっ!?』

 

そんな出来た隙を狙ってウイングゼロの背中をカラミティが蹴飛ばし…

 

レイダー「レシーブ代わりのアッパー!」

 

カトル『がっ!?』

 

吹っ飛んで来たウイングゼロをレイダーがアッパーパンチで打ち上げて…

 

フォビドゥン「アタック替わりのスマッシュ!」

 

カトル『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

上に来たのをフォビドゥンが腕を握り合わせてのパンチでコロニーの残骸へと吹き飛ばす。

 

ウイングゼロはそのまま残骸へとぶつかり、埋もれる。

 

AN『どこぞの忍者学校の六年か!』

 

デュオ『指摘するのそこかよ!?しかも忍者が似た事やったのかよ!?』

 

それに対してツッコミを入れるANにツッコむデュオに対してカラミティはチッチッチッと指を振る。

 

カラミティ「俺のはトスじゃない。キックでシュートだ!」

 

デュオ『そしてお前も訂正するのそこかよ!?』

 

AN『つかなんでそのネタ知ってるんですか!?』

 

クロウ『俺は俺であんた等が言ってる忍者がすっげぇ気になるんだけど』

 

そう言うカラミティにデュオはツッコミを入れて続けてのANのツッコミに対してクロウはぼそりと呟く。

 

AN『ただの新聞マンガのことですよ。55巻以上あるね』

 

クロウ『ただの新聞漫画のでそんだけあるってのに驚きだな』

 

そう返したANのにクロウは呆れる感じに言う。

 

AN『まぁそれは置いといて……』

 

自分から言っちゃった空気を戻す様にANはウイングゼロを見てクロウ達も気を取り直す。

 

カトル『ダメなんだよ!僕はまだ倒れちゃダメなんだ!』

 

その言葉と共にウイングゼロは這い出るとツインバスターライフルを構える。

 

Aエクシア「まだ立ち上がれるのか!?」

 

エスター『もう止めてよ、カトル!』

 

カミーユ『カトルの悲しみが広がって行く…』

 

刹那『くっ…うう…!』

 

まだ動くウイングゼロにAエクシアは驚き、エスターは悲痛の声を上げる中でニュータイプので感じ取るカミーユの後に刹那が呻き出す。

 

AN『はい、そこまでにしときなさい』

 

そんなウイングゼロのツインバスターライフルを掴んで充填されていたエネルギーを吸収する。

 

カトル『!?邪魔をしないでよ!』

 

AN『はいはい、それはもう良いですので休んでてくださいね…っと』

 

振り払おうとしたウイングゼロの右手を掴んでそこからANはハッキングしてシステムを全てダウンさせる。

 

カトル『なっ!?』

 

AN『これで多少は元に戻りますかね?』

 

カラミティ「隙を見せたな!」

 

それにANはそう呟いた所にカラミティがスキュラを放つ。

 

しまったとANは回避行動に出たいが間に合わず…

 

どん!!

 

その時、横から衝撃が入り、ANは顔を歪めた後に見る。

 

そこには…スキュラのビームを浴びるヴァイエイトの姿があった。

 

デュオ『トロワァァァァ!?』

 

ヒイロ『お前は!』

 

AN『……!』

 

それにデュオは叫び、ANも目を見開く。

 

トロワ『カトル…俺はお前が過ちを起こしていると思う』

 

カトル『トロワ!?』

 

ヴァイエイトが火花を散らせる中、ノイズが走った画面でトロワはカトルへ通信を繋げてそう言う。

 

トロワ『この戦いには必然性はない…』

 

ヒイロ『トロワ、脱出しろ!ヴァイエイトが爆発するぞ!』

 

普段見せない焦りながらそう言うヒイロだがトロワは首を横に振る。

 

トロワ『そうだな…俺はここまでだ』

 

そう言うとトロワは力を振り絞ってヴァイエイトをメンバーから離れる様に動かす。

 

カトル『トロワ!?』

 

トロワ『カトル…コロニーはどんな形にしても連邦と手を組んだ。これは一つの戦争が終わった事を示している。それと同時に…俺達の任務も終了した。俺達は今、個人で戦っているに過ぎない。なまじ俺達は兵士として完璧な力が備わり過ぎてた。真剣に戦ってきた故…自分一人でも、時代を変えられると考えてしまう。カトル、それはお前だけじゃない。みんな、そうなんだ。でも、その心は…優しい奴ほど、辛く追い込んでいく』

 

AN『トロワさん…』

 

そう言うトロワの言葉に誰もが息を飲む。

 

トロワ『俺達の心の中は俺達自身が戦い、そして、厳しい結論を見出さなくてはいけない。今までの戦いが意味のないものになったとしても…その中で新たな道を見つけよう。一人で背負うのではなく、みんなで…だからカトル…もういい…優しいカトルに…戻ってくれ…』

 

カトル『トロワ!』

 

ヒイロ『止めろ!お前まで爆発に巻き込まれる!』

 

近づこうとしたウイングゼロをメリクリウスとノワールが止める。

 

カトル『退いてよ!このままじゃあトロワが!』

 

ヒイロ『お前が殺した』

 

謝るANの後にそう言うカトルにヒイロは厳しく言う。

 

カトル『!?』

 

トロワ『…あまり、カトルをいじめるなよ、ヒイロ…そこの機体のパイロット…カトルを止めてくれて感謝する…』

 

その言葉と共にヴァイエイトは爆発する。

 

カトル『トロワァァァァァァァァァ!!』

 

その爆発にカトルは叫ぶ。

 

誰もがその光景にショックを受ける。

 

AN『すみません、トロワさん……』

 

???「(あーあ、これだから人間は嫌いなんですよね)」

 

それに悲しい顔をするANだったが頭の中に響いた声に周りを見て疑問が出来る。

 

AN「(今のは……?)」

 

デュオ『お、おい…嘘だろ…?トロワお得意のトリックだろ?』

 

五飛『目の前の現実を受け入れろ!奴は…トロワは死んだ…』

 

シン『そんな…そんなのって…!』

 

エスター『トロワ…トロワ!!』

 

戸惑いを隠せないANを知らず、誰もが悲しむ。

 

カトル『う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ああああああああ!!』

 

ヒイロ『くっ…カトル…』

 

絶叫するカトルに近寄ろうとするヒイロだが先ほどまでので意識が朦朧していた。

 

クロウ『まずいぞ…ヒイロも意識を失いかけてる!』

 

そこにOZのモビルドールがさらに現れる。

 

シオニー『また出ました!?』

 

AN『これは直接ヤバいですね……』

 

デュオ『五飛!』

 

五飛『デュオ・マックスウェル、どうやら俺とお前は同じ考えの様だ』

 

それに誰もが焦りを感じる中、五飛に声をかけたデュオは返しのにああと答える。

 

デュオ『だったら、行くぜ!死なない程度に頑張れよ!』

 

五飛『貴様こそ!』

 

その言葉と共にデスサイズとシェンロンは飛び出す。

 

OZ兵『馬鹿め!飛んで火にいる夏の虫にしてくれる!』

 

カラミティ「それはこちらのセリフだ!」

 

それにOZは攻撃をしようとしたがそれより前にまだいたカラミティが手を突き出すとモビルドールは勝手に動き出し、デスサイズとシェンロンに攻撃しながらカラミティ達の方へ飛んでいく。

 

レイダー「はっは!丁度さっき大量に消費したから嬉しい補給だ!」

 

フォビドゥン「ホントにOZってバカだろ!」

 

???「(ちょっと操作奪わせて貰いますよぉ)」

 

高笑いするレイダーとフォビドゥンだが別にみていた者がそう言った瞬間…モビルドールはOZへと向かっていき虐殺を始める。

 

OZ兵『な、なんぎゃぁぁぁぁぁ!?』

 

OZ兵『や、やめぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

シン『なっ!?』

 

刹那『これは!?』

 

突如起きた虐殺に誰もが驚愕する中スメラギは震える。

 

目の前で起きている事はまさに自分がかつて見た光景にそっくりだからだ。

 

レイダー「お、おいカラミティ何してるんだよ!」

 

カラミティ「し、知らん!俺はこちらに来つつあのガンダム達を攻撃しろと指示しただけだ!それなのにコントロールが取れん!」

 

フォビドゥン「はぁ!?んなわけないだろ!?あの方のだぞ!?」

 

それにカラミティ達も戸惑いの様子を見せる。

 

???「(ひゃはは!もっとやりやがれ!)」

 

???2「(ここまでですと私はあなたを抑えます)」

 

それに満足そうに見ていた存在は別の存在に抑え込まれ始めるのに舌打ちを始める。

 

???「(ちっ!ここで出やがりますか!)」

 

???2「(あなたと主人格の事は創造主から頼まれてるのでこれ以上の悪さはさせないと私は言いながら封印作業を進めます)」

 

憎々しげに言う存在に新たに現れた存在はそう言いながら一緒に消えて行く。

 

それと共にモビルドールは動きを変えて再びカラミティ達の方へと飛んでいく。

 

カラミティ「な、何だったんだ?」

 

訳が分からないと呟いたカラミティははっとなった後にひとまず退散だとモビルドールともども撤退していく。

 

ジェフリー《各機、戦闘宙域から離脱せよ!》

 

その直後にジェフリーの言葉に誰もが我に返って慌てて戦闘宙域から離れる。

 

ただ、デュオと五飛、そしてカトルがOZに捕まったのを知るのは誰もが落ち着いてしばらくしてからであった。

 


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