第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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暗黒の大陸にて、黒歴史の産物は再び邂逅する。


第十二話~白と黒とXと~

AN「うーーーーーーーーーーーん」

 

万丈の依頼でとある場所へ向かう中、ANは唸っていた。

 

唸っている理由は彼女が造り上げたあるガンダムが原因であった。

 

そのガンダムは白をメインとした中で赤が目立つ全体が不死鳥をモチーフとしたMSで名前はフェニックスガンダム

 

ただ、造ってAエクシア達と同じAIは入れてるのだがなぜかうんともすんとも言わない。

失敗したかと思ったが造った者としてちゃんと完璧に仕上げたつもりである。

 

AN「どうしましょうかねぇ……」

 

ホント困ったと呟いた後に別の方へ顔を向ける。

 

そこにはゼロから預けられたヒイロが乗り捨てたウイングガンダムがあるのだがその姿を変えていた。

 

まず背部ウイングはより大型かつ複雑なパーツ構成を持つ形に変更されていてカラーリングも鮮やかな原色系のトリコロールになり、武装も大幅な改修が施されていた。

 

預かって修理したのは良いがなんかそれだけで物足りないと感じたANがつい改修を施してしまったのだ。

今のウイングガンダムはウイングガンダムカスタムと言えるだろう

 

AN「まぁもう使われないかもしれないからいいのかな?」

 

なぜかそう確信できる程の事を呟いた後に別の意味でどうしようかなと考える。

その意味とは…乗るパイロットの事である。

 

人が乗ってたんだし人に乗って貰った方が良いだろうがいかんせん機体がないパイロットがいない。

 

時たま乗って貰うにしても誰に乗って貰うかも悩む。

 

AN「どうしましょうかねぇ…」

 

デュオ「ちーす…ってうお!?なんかウイング変わってね!?」

 

うーむと悩んでいるとそこに暇だったのかデュオが来て、ウイングCを見て驚く。

 

それと共ににゃぴーんとANはデュオを見て、その視線にデュオは後ずさる。

 

AN「デュオさん!」

 

デュオ「お、おう?」

 

勢いのままデュオに近づいて肩を掴んだANにデュオは顔を引き攣らせる。

 

AN「ちょっと相談が…」

 

デュオ「そ、相談?」

 

ずいっと顔を近づかせて聞くANにデュオは厄日かと思った。

 

AN「はい。皆の中で特にヒイロさんと親しかったあなたにピッタリな相談です!」

 

デュオ「あいつは腐れ縁に近いからな!と言うかもしかして…」

 

呟いた後にウイングCを見てからANへ向き直るとANは素敵な笑顔でデュオは理解した。

 

ちくしょう。また貧乏くじかよ…と

 

数分後…

 

デュオ「たくっ、やっぱりこうなるのかよ」

 

なすがままにウイングCに乗せられて機類をチェックしながらデュオは愚痴る。

 

AN『どうですか?デュオさん』

 

デュオ「どうって、武装以外大体デスサイズと変わらねえから扱えるのは扱えるけどよ…」

 

拡声器で話しかけるANにデュオはそう返す。

 

AN『けど?』

 

デュオ「俺の戦い方を見て貰えば分かるが俺は近距離主体のデスサイズに乗ってるからヒイロがやってる様な事はあんました事ないんだよな…」

 

首を傾げてるANを見てデュオは肩を竦めて答える。

 

一応、デスサイズは遠距離用武装は装備されてはいるが頭部に搭載されたバルカンは一応倒せるのは倒せるがほとんど牽制用にしか使用してないので論外。

 

両肩のはほとんど近付いてきた相手に使ってるので遠距離ではない。

 

まぁ、次の言葉は絶対…とデュオが予想してる間にANは笑顔で言う。

 

AN『それなら練習あるのみです』

 

デュオ「デスヨネー」

 

がっくりと項垂れながらデュオはホントヒイロの奴は…と考えながら出た後にANにトレーニングルームへと引きずられるのであった。

 

 

一方で…

 

ZEXISが向かう暗黒大陸にてロラン・セラックが仲間のネゴシエイターのロジャー・スミスと共に農場を乗っ取ろうとしていた連邦軍から無理矢理農場を乗っ取ると言う証拠を掴み、ロジャーの乗るビッグオーで脱出した後に向かって来た連邦軍と連邦軍に結託した3人の異能生存体を相手にしていて、そこにゲイン率いる農場を守るメンバーが駆けつけた時、マリリンが新たな機体、パールファングに乗って次元獣やガブリン、自分の部隊を率いて現れた。

 

そこに封印された筈の∀ガンダムが現れてロランは乗り込んで戦線に加わったが大量の相手に苦戦していた。

 

ロラン『くっ!』

 

メシェー『いくら何でも戦力に差があり過ぎるよ!』

 

ソシエ『ロジャーさん!ホントにこれで万事うまく行くの!?』

 

相手の攻撃をなんとか避けるロランの近くで泣き言を言うメシェーの後にソシエが焦りながら聞く。

 

それに対しロジャーは涼しい顔で答える。

 

ロジャー『大丈夫だ。逆転の切り札が来た』

 

逆転の切り札?とソシエが思っていると戦闘区域にプトレマイオス2、マクロス・クォーター、イカルガ、ARISIAが現れる。

 

その後に少ししてクロウ達も出撃する。

 

ちなみにデュオはそのまま訓練させられていたのでウイングCに乗って出撃していた。

 

ロラン『あれって!?』

 

ソシエ『ZEXIS!』

 

ガロード『よぉ!待たせたなロランに皆!俺達もいるぜ!』

 

ゲイナー『ゲインさんにシンシアもいるんだね!』

 

それにロラン達が気付くとガロードがDXで手を振り、ゲイナーは一緒にいるドミネーターとエスペランザを見て言う。

 

???『ゲッ!あいつらは!』

 

すると連合軍の中で彼らとまた違うロボから聞こえて来た声にエスターはあっとなる。

 

エスター『あ、あの野郎、生きてたのか!』

 

???『ああ、あのカン・ユーだ。エスター、カレン』

 

そう言うエスターのを肯定する様にゲイン達と一緒に来た機体のパイロットが答える。

 

カレン『そのベルセルガ…』

 

エスター『もしかして…』

 

キリコ『シャッコ…!ル・シャッコか!』

 

自分達の名前を言ったパイロットにまさかと思った2人はキリコの言葉にやっぱりと考える。

 

まだZEXISが再集結する前、エスターとカレンはC.C.と共にとある戦場でキリコと共に戦っていた。

 

その時に一緒にいた傭兵の1人が先ほどキリコが言ったシャッコである。

 

ちなみにカン・ユーもその時いたがほとんど自己中に近い人物だったから2人共良い思い出がない。

 

特にカレン自身、その時に恥ずかしい思いをしていてしかもゼロの救出作戦にもした事もあるから嫌いに近い。

 

AN「知り合いですか?」

 

エスター『うん。まだ集まる前に行った所でね。あんたも暗黒大陸に来てたんだね』

 

ANの問いに答えた後にシャッコに向けて言う。

 

シャッコ『あぁ、ここの用心棒をしていたんだ』

 

カレン『久しぶりね』

 

C.C.『まぁ、ついでに陰険男もだがあっちは歓迎しないがな』

 

そう返すシャッコにそう言うカレンの後にC.C.がダイビングビートルを見てそう言う。

 

カン・ユー『おのれ貴様ら…』

 

???『まあまあ落ち着け…おい!ZEXIS!お前等がどれだけいきがろうと、こっちには連邦軍が付いてんだ!』

 

???2『張り合うだけ無駄ってやつだ。とっとと尻尾を巻いて帰りな』

 

そんな沸点上がっているカン・ユーを真ん中のロボ、ベック・ザ・グレートRX3に乗るベックが宥めた後に自分達の前に展開された連邦軍を見て言い、続いて左隣にいたロボ、ブラッカリィに乗るティンプが追従して言う。

 

AN『あの二人も知り合いで?』

 

ガロード『ああ、真ん中のロボットに乗ってるのがベックでロジャーと長い付き合い、んでもう1人はティンプでこの場にいない仲間のジロンって奴のライバルさ』

 

聞くANにガロードが代表で答える。

 

AN『へ~』

 

スメラギ《それで彼らはああ言ってるけど?》

 

ゼロ『ロジャー・スミス。例の物の用意は出来てるか?』

 

ロジャー『当然だ』

 

聞くスメラギのに対しゼロはロジャーに問うとロジャーは自信満々にそう言った後に何かを操作する。

 

カン・ユー『とっとと農場を渡せ!さもなければ、連邦軍を動かしてお前らごとあの土地を焼き払ってやる!』

 

すると周囲にカン・ユーの声が響き渡る。

 

今のはロジャーが会談の時に録音した音声である。

 

これからの為に手に入れた証拠でもある。

 

AN『馬鹿ですね』

 

佐伯《このエリアに展開している地球連邦軍に告げる。こちらは外部独立部隊ZEXISだ。既に通達済みと思われるが我々は地球連邦軍に対して監察権を所有している。先ほどの音声データの件についてだが、あれは外部の人間のものと判断する。本件に無関係な者は事情調査の妨げになるため、帰還を命じる》

 

呆れるANの後に佐伯が今いるエリア全体に伝えると連邦軍は慌てた様子でそのエリアを離れて行く。

 

カン・ユー『お、おい?!』

 

ティンプ『あいつ等!状況が不利と見て逃げやがったか!」

 

それにティンプ達も慌てる。

 

ゲイン『成程な。これがロジャーの言っていた万事うまくいくのからくりってわけか』

 

AN『でまさかのあいつらまで居るんですか』

 

ロジャー『彼女達に関しては想定外だが連邦軍も軍組織そのものに楯突くような真似はしないだろう」

 

納得するゲインの後にマリリンの乗るパールファングを見て言うANにロジャーはそう返した後にあの3人の悪党に全てを背負って貰う事になってしまったがなと付け加える。

 

AN『…パクリか』

 

マリリン『あらー?それは心外ね。私のは正規で作られたパールネイルの姉妹機、パクリと言われるのはそっちだと思うわよ。特にフラフラちゃんやお姉さまの乗ってるのとか』

 

クロウ『ちっ、正論だからムカつくな』

 

パールファングを見てそう呟くANの声を拾ってかそう言い返すマリリンにクロウは苦々しい顔で呻く。

 

確かにANの作ったノワールブラスタやパールネシアは無断で作ったと言われたらそうであったりするからマリリンの言い方は確かに正論とも言える。

 

AN『フッ…昔からよく言うでしょ…早い者勝ちと!』

 

シン&デュオ『いや、それ今使う言葉じゃないと思うんですけど;』

 

ドヤ顔で言うANにシンとデュオはツッコミを入れる。

 

マリリン『…チッ、なるほどね』

 

シン&デュオ&クロウ『んで納得するのかよ!?』

 

そんなANの言分に顔を歪めて舌打ちするマリリンに今度はクロウ含めてツッコミを入れる。

 

AN『…さて話を戻しますか』

 

ティンプ『まったくだ。人様を無視して漫才をしやがって、悪いがこっからはマジだぜ』

 

そう言うANに蚊帳の外だったティンプが口調は呆れながらだが顔は真顔で言う。

 

クロウ『良いぜ、そう言うの。ストレートな悪党は嫌いじゃない。叩き潰すのに良心が痛まないからな』

 

AN『そうですね』

 

マリリン『ウフ…相変わらず繊細なんだから!』

 

そんなティンプの言葉にそう返すクロウへANも同意するとマリリンが茶化す。

 

クロウ『うるせえよ、マリリン。お前の場合、良心が痛まないどころか、俺の全細胞が積極的に喜んでるぜ…!』

 

茶化すマリリンにクロウは怒気を纏わせてそう返す。

 

AN『行きます…!』

 

ANの言葉を皮切りに誰もが行動を始めようとした時…

 

ドドドドドドドン!!!

 

砲撃が敵味方関係なく降り注ぐ。

 

カン・ユー『な、何だ!?』

 

ベック『おいおい、逃げた連邦軍の奴ら、俺達を巻き添えか!?』

 

カミーユ『この見境のない砲撃!?』

 

シン『奴らか!』

 

ロラン『奴ら?』

 

それに敵側の3人が戸惑う中でZEXISメンバーは分かった中、大量のムラサメとギャプラン、ゲルズゲーなどの部隊を引き連れたヴァサーゴ達が現れる。

 

ロラン『なっ!?アレって…』

 

ガロード『誰か造ったか分からねえが、乗ってた奴らと同じって事だ』

 

ヴァサーゴとアシュタロンを見て驚くロランにガロードは簡単に伝える。

 

プロヴィデンス「よぉ、アロウズの基地以来だなZEXIS」

 

クロウ『まさかテメェ等まで来るとはな』

 

アシュタロン「僕達にも目的があるからね」

 

ヴァサーゴ「そしてその目的の1つ、∀ガンダム、君のデータ収集だ」

 

厳しい顔で言うクロウに涼しげに返すアシュタロンの後にヴァサーゴが∀ガンダムを指さして言う。

 

ロラン『なに!?』

 

ヴァサーゴ「黒歴史の現物とも言えるガンダム。だが、人が乗ってる事で黒歴史に振るった猛威は抑制されている」

 

アシュタロン「だからこそ君からデータを収集し造るんだ。黒歴史と云われし頃に存在していた本来の∀ガンダムをね!」

 

ガロード『それがお前等の狙いって事か!』

 

驚くロランに理由を言うヴァサーゴとアシュタロンにガロードは厳しい顔で言う。

 

カン・ユー『おい貴様ら!こちらを…』

 

???「邪魔だ!!」

 

それにカン・ユーが怒って怒鳴ろうとしてダイビングビートルが何者かに吹き飛ばされる。

 

カン・ユー『どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

キラーン☆

 

そのままダイビングビートルは見えなくなったが誰もが吹き飛ばした存在に驚く。

 

???「こうやって会えるとはな…久しぶりだな兄弟!!」

 

ロラン「ターン…X!?」

 

そう言って歓喜の声をあげる存在、ターンXにロランは目を見開く。

 

AN「アイツ…また作ったんですか…」

 

ターンXを見て誰にも聞こえない様にANは呟く。

 

それを知らずにZEUTHメンバーは警戒する。

 

アポロ『気を付けろ!あいつは厄介なのを持ってやがる!』

 

アルト『そういう相手なのか?あのターンXって言うのは?』

 

ロラン『はい、奴は危険です!』

 

ターンX「言ってくれるな兄弟。再会を楽しもうじゃないか!」

 

注意するアポロにそう聞くアルトにロランがそう返すとターンXは嬉しそうに言う。

 

マリリン『ちょっと…こっちを無視しないでくれない?』

 

そんなメンバーに対してマリリンが苛立った様子で話しかける。

 

ヴァサーゴ「これは失礼、ならばプロヴィデンス」

 

プロヴィデンス「あいよ。と言う事でお嬢ちゃん、あんたにはこいつ等の相手をしてて貰おうか!」

 

そんなマリリンに向けてヴァサーゴとプロヴィデンスがそう言うとマリリンは殺気を感じて咄嗟にその場を離れる。

 

その直後にパールファングのいた場所にビームが炸裂する。

 

避けたパールファングはすぐさま後ろから来るのに気付いて襲撃者の鎌をスピナーで受け止め、弾き飛ばす。

 

???「おいおい何防がれてるんだよフォビドゥン!」

 

???2「うっせぇよレイダー!てめぇだって外してるじゃねえか!」

 

カラミティ「お前等、マトモにやれよ」

 

頭上から降りて来た黒いガンダムに対してパールファングに斬りかかった全体が薄い緑色のガンダムが怒鳴り返すとカラミティが現れて注意する。

 

シン『あれは!?』

 

ルナ『レイダーガンダムにフォビドゥンガンダム!?』

 

カラミティと並ぶ2機にシンとルナは驚く。

 

シオニー『知っているので?』

 

シン『あの2機も俺達の世界のモビルスーツだ』

 

ルナ『しかもカラミティと同じ時期にあった奴なのよ』

 

聞くシオニーにシンとルナはそう答える。

 

レイダー「と言う訳で”おばさん”!俺達が相手だ!」

 

フォビドゥン「泣き言を言う準備は出来てるか〝おばさん”?」

 

カラミティ「俺達の力を見せてやるからせいぜい逃げ回るんだな!」

 

パールファングに乗るマリリンへレイダーとフォビドゥンとカラミティは兆発する。

 

マリリン『…ぶっ壊す!』

 

そんな3機、特にレイダーとフォビドゥンのおばさん発言にマリリンは額に怒りマークを浮かばせて怒気を放ちながら睨む。

 

その際、クロウは内心良いぞもっと言ってやれと思った。

 

突如、ARSHIAから武装パーツと思われるのがパールファングへと出射される。

 

デュオ『な、なんだありゃあ?』

 

AN『あ、あれは…』

 

クロウ『おいANさん、あれはあんたの発明品か?』

 

驚くデュオの後に同じ様に驚くANへクロウが問う。

 

AN『はい。あれは武装パーツサウザンドと言いまして』

 

シン『武装パーツ…ですか?』

 

デュオのに答えたANのにシンは首を傾げる。

 

AN『パールネシアもそうですが元にしたパールネイルって武装が少なくてしかも武器は接近とか投げるスピナーとアーチャーとパールネシアは剣を付けましたが手軽に遠距離を攻撃出来る武装が少ないのでそれを補う為に先ほどのアーマーにもなる武装パーツとしてサウザントを作ったんですよ』

 

クロウ『んで…なんでその武装パーツがマリリンに飛んで行ってるんだ?聞く限りパールネシア用なんだろう?』

 

武装パーツについて説明するANにクロウが問う。

 

AN『マリリンさんの怒りエネルギーに反応した?』

 

デュオ『感情感知機能でも付いてるのかあれ;』

 

疑問詞を浮かばせて言うANにデュオがツッコミを入れてる間にサウザントはパールファングの両腕や両肩に装着される。

 

いきなりの事に驚くマリリンだが画面に表示されたサウザントの使用方法に笑みを浮かばせる。

 

マリリン『いいじゃんこれぇ』

 

そのままマリリンはサウザントをカラミティ、フォビドゥン、レイダーへと向ける。

 

フォビドゥン「へん!いきなり出て来たのが俺達に通じると思ってるのか!」

 

マリリン『そう言う台詞はこれを喰らってから言いなさいな!』

 

まだ兆発するフォビドゥンにマリリンは言い返すと共にトリガーを引くとサウザントの銃口からビームが放たれる。

 

フォビドゥン「はん!そんなので倒れる俺ウボァー」

 

レイダー&カラミティ「「フォビドゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!?」」

 

まだ言おうとしたフォビドゥンはビームの放流に飲み込まれてレイダーとカラミティは叫ぶ。

 

ビームが収まった後に地面に黒焦げになったフォビドゥンが落ち、フォビドゥンは顔の口部分に当たる部分から煙を吐く。

 

レイダー「うわ、もうやられたよ!」

 

カラミティ「メーデーメーデー!!」

 

それにレイダーとカラミティは慌ててカラミティが乗っていたドダイにフォビドゥンを乗せると慌てて撤退する。

 

プロヴィデンス「……何してんのかなあいつ等」

 

ターンX「さぁな…」

 

その光景に思わず顔を抑えて呟くプロヴィデンスにターンXは興味なさげに返した後にマリリンの放った攻撃を避ける。

 

マリリン『ほらほら!先ほどの威勢はどうしちゃったのかしら!』

 

ターンX「ふはは!先ほどのはともかく、なかなか肝の据わった女だな!」

 

サウザントによる砲撃を連発するマリリンにターンXは愉快そうに笑ってお返しと分裂した後にビームを放つ。

 

プロヴィデンス『我が兵達、召喚!』

 

見ていたプロヴィデンスのその言葉と共に彼の周囲に次元獣が現れる。

 

しかも現れたのは上位に当たる次元獣ライノダモンと次元獣ディノダモンであった。

 

デュオ『おいおい!?』

 

クロウ『次元獣も呼び出せるのかあいつ等!?』

 

マリリン『ならこっちも!』

 

それにクロウ達が驚く中でマリリンは引き連れていた人工次元獣アダモンを向かわせる。

 

シオニー『こ、これって…』

 

それにシオニーが怯えると共に両陣営の次元獣はぶつかり合うがいくつかの攻撃はZEXISへ流れ弾として飛んで行く。

 

デュオ『おいおい!ぶつかり合いつつこっちも攻撃かよ!』

 

AN『にしても次元獣同士のバトルとは…』

 

バスターライフルで応戦するデュオの隣でANは興味深そうに呟く。

 

ガロード『あ、あいつ等何時の間にかいねぇ!』

 

ゲイナー『ホントだ!?』

 

するとガロードとゲイナーの声にANは周りを見るとティンプとベックの機体が見当たらない事に気付く。

 

どうやら状況が悪いと感じてそそくさとこの戦場から離れたみたいだ。

 

AN『まぁこの状況なら仕方ないですよね;』

 

デュオ『確かに、こういう状況はごめんだな俺も』

 

そう呟くANにデュオも同意する中、ヴァサーゴとアシュタロンが∀を攻撃していた。

 

ロラン『クッ!』

 

アシュタロン「ほらほら!早くをあれを見せたらどうだい?」

 

ヴァサーゴ「しないのならここで消えるのだな」

 

攻撃を避けるロランにアシュタロンとヴァサーゴがそう言う。

 

ロラン「っ!」

 

2人の言葉からロランは∀の『アレ』だと考えて避け続ける。

 

∀のあれはここぞと言う時に使わないと決めているからだ。

その行動を見てアシュタロンとヴァサーゴは目的の力を使わないと判断してか攻撃を激しくする。

 

AN『ハァ!』

 

そんな所にANとX魔王が乱入し、その攻撃にアシュタロンとヴァサーゴは離れる。

 

アシュタロン「やはり邪魔するか」

 

ヴァサーゴ「あのお方の言ってた通りだな」

 

AN『あのお方…エルクのことですか…』

 

ロラン「(エルク?)」

 

距離を取ったヴァサーゴから出てきた言葉に対して言った言葉にロランは首を傾げる。

 

ヴァサーゴ「さて、まだ不十分だが帰還するしかない様だ」

 

アシュタロン「確かにそうだね。相手が出さないんじゃあデータ収集は無理だしね」

 

そう言って戦闘態勢を解いた後に距離を置く。

 

それに気づいたターンXやプロヴィデンスも合流する。

 

ヴァサーゴ「んじゃこれは置き土産だ!」

 

ガロード『!待ちやがれ!!』

 

そう言って撤退するヴァサーゴ達にDXは追おうとしてヴァサーゴの言う置き土産に行く手を阻まれる。

 

アルト『こいつはあの時出て来た!?』

 

クロウ『たくっ、また戦う事になるとはな…相変わらずでけぇなホント』

 

現れた次元獣リヴァイダモンに対してクロウは深い息を吐く。

 

シオニー『でもなんでリヴァイダモンをあいつらが持っているんですか!?』

 

デュオ『確かに早々揃えられる奴じゃないでこいつ』

 

そんなリヴァイダモンに涙目になるシオニーの隣でデュオが警戒しながら同意する。

 

リヴァイダモンは次元獣の中で最上級であると共に早々誕生する様な次元獣ではない。

それだけの存在を呼び出せるのかと誰もがヴァサーゴ達の後ろに控える者に対して戦慄する。

 

リヴァイダモン『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!』

 

そんなメンバーへリヴァイダモンは咆哮する。

 

それと共にリヴァイダモンの内部から飛行型次元獣がたくさん飛び出して行く。

 

ゼロ『来るぞ!』

 

ゼロの言葉と共に誰もが飛行型次元獣を撃ち落とす。

 

特に長距離の相手複数を撃ち落とせるバスターライフルを持ったウイングPRとデュオが乗るウイングCが活躍する。

 

ロックオン『乱れ撃つぜぇぇ!!』

 

続けてロックオンの乗るケルディムガンダムによる早打ちで飛行型次元獣を撃ち落として行く。

 

するとリヴァイダモンは躯体中央の口(クリスタルのある部分)を大きく開き、その中からさらに口のついた触手を3つ伸ばし、メンバーを捕まえようとし、それに誰もが必死に避ける。

 

AN「なんですかアレ!?」

 

ゲイン『捕まったら、死ぬ』

 

AN『OK、把握しました』

 

避けながら聞くANは短く簡単に伝えたゲインの説明で理解した。

 

シオニー『ひぃぃぃぃぃ!』

 

リヴァイダモンの口の付いた触手はパールネシアに狙いを付けてか執拗に追いかける。

それにパールネシアは必死に逃げていく。

 

すると、夢中になっていたせいか3つの口の付いた触手は雁字搦めになる。

 

シオニー『あ、あれ?』

 

デュオ『おお、運が良いな』

 

ゼロ『よし!今がチャンス!一斉攻撃だ!』

 

目をパチクリするシオニーにデュオは賞賛した後にゼロの号令と共にリヴァイダモンへ一斉攻撃を仕掛ける。

 

巨体であるリヴァイダモンもその攻撃に断末魔を上げて倒れてその体は四散する。

 

赤木『よし!倒せた!!』

 

エスター『これであいつを残して敵は全滅だね!』

 

それに赤木はガッツポーズしてエスターはサウザントから分離されたパールネイルを見る。

 

どうやらANが造った者としてのなんらかの権限で分離させた様だ。

 

マリリン「(そろそろいいかしらね)」

 

時間を見てマリリンはそう考えた直後にパレス・インサラムが現れる。

 

クロウ『マリリンがいるからと考えてはいたが…ホントにいたとはな』

 

AN『何をする気なんでしょうか?』

 

それにクロウが顔を顰める中でANは敵の目的を考える中でパールファングはパレス・インサラウムへと戻る。

 

アークセイバー「パールファング収納完了しました」

 

ジェラウド「うむ、マリリン殿は最低限の任務を果たしたか」

 

マルグリット「はい。周辺の地形データは既にこちらでも確認しました。Dディストーションの各スレイヴユニットもポイントに設置されています」

 

報告するアークセイバーの言葉を聞きながらそう呟くジェラウドにマルグリットはそう言う。

それにアンブローンは満足げに頷いた後に口を開く。

 

アンブローン「では始めるかのう」

 

そう言ってアンブローンが機類を操作する。

 

するとパレス・インサラウムから光が迸った後に周囲の光景に異変が起こる。

 

AN『こ、これは!?』

 

キャシー《次元境界線、急速に歪曲して行きます!このままでは…!》

 

ジェフリー《次元震…いや、時空振動が起きるか!》

 

クロウ『アンブローンとか言う奴!ここで時空振動を起こす気か!?』

 

起こった現象に誰もが驚く中で報告された事にクロウは呻く。

 

シオニー『えぇ?!』

 

アンブローン《ククク、この大陸を包む時空境界線の歪みが邪魔なのでな!》

 

スメラギ《何ですって!?》

 

すると通信を繋げてきてそう言うアンブローンに誰もが驚く。

 

アンブローン《さあ、次元の檻よ!我が科学の前に跪くのだ!》

 

その言葉と共に辺りが白い光に包まれて行く。

 

AN『くっ!』

 

クロウ『くそぉぉぉぉぉぉっ!!』

 

そのまま辺りは光に包まれて行く。

その後に何かが壊れる様な音がZEXISメンバーの耳に聞こえた気がした。

 

インサラウムにより発生させられた時空振動、これにより…何が起こるのか…




機体説明
サウザント
外見:4本爪のカギヅメの様な感じで各爪の下に砲門が付いている。
概要
ANがパールネシア様に作り上げた砲撃専用武装パーツ
武装の少ないパールネシア様に作られたので両腕や両肩に装着される。
また、原型になったパールネイルやパールファングにも装着が可能である。
感情を感知する能力がある模様。

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