第二次スーパーロボット大戦Z Another 作:Dr.クロ
時間は進み…夕方、誰もいない公園にてANは1人佇んでいた。
時間を確認してると足音が聞こえて来る。
AN「…来てくれましたか」
シャーリー「こんにちわ」
振り返った先にシャーリーがいて、シャーリーはANへ近寄る。
シャーリー「あの…私に用事とは何でしょうか?」
AN「いえいえ、今の貴方には用事なんてありませんよ。用事があるのは…」
カチャ
そう言ってANは銃(機械)を取り出して構えてシャーリーを狙う。
シャーリー「!?」
AN「本来の記憶を持った貴方に用があるんですよ」
驚いているシャーリーに向けてANは引き金を引く。
パリィィィィィィィン!
銃より放たれた光の弾はシャーリーに命中する。
それと共にシャーリーは鏡が割れる様な音の後に今までの事を思い出す。
シャーリー「あ、私…そうだ。ルルがゼロで…!なんでナナちゃんが…」
AN「…やはり彼がゼロでしたか」
蘇った記憶でしゃがみ込むシャーリーから出て来た言葉にANは呟く。
AN「さて教えてくれませんか。彼の真実を」
近付いて聞くANにシャーリーは不安そうに目を動かす。
自分が広めるんじゃないかと言う思いに気付いてANは優しく言う。
AN「大丈夫です。彼の事を言い触らしたりしません。信じて話してくれませんか?」
安心させる様に微笑んで言うANにシャーリーはじっと見た後にこっくりと頷いて自分が知る範囲の事を話す。
自分がゼロ、ルルーシュに何かされて最初にルルーシュに関する記憶全てを失うが、後に自分が書いた手紙を見つけ「ルルーシュ=ゼロ」だと知り、ルルーシュは自分達に危害を加えることはないと信じ、最後までゼロの正体を誰にも言うことはなかったがブラックリベリオン後にブリタニアの皇帝、シャルルのギアスによりまた記憶が失ったと言う。
ルルーシュには妹がいたのだがその妹が今のエリア11の総督になっていると言う。
AN「なるほど…でゼロの力ってのは何なんですか?」
シャーリー「……確かギアスと言ってました。目で見た人にかける力だと聞きました」
聞くANにシャーリーはそう答える。
AN「記憶が?目を見たら?」
シャーリー「そうみたいです…私もそこまで詳しくは…」
疑問詞を浮かべるANにシャーリーは顔を伏せる。
ふむ…とANは顎を撫でて考える。
AN「…しょうがない、あの機能を使いますか」
現状では情報が足りないのでそう言ってANは目を瞑る。
そして意識の中で目を見開くと白い空間に無数の本棚が浮かぶ場所へとなっていた。
これはANがとある時に知った地球の本棚と言うのを全世界でも対応出来る様にANが加えたのである。
AN「キーワード、ギアス・ゼロ・ルルーシュ」
呟くと本棚がどんどん減って行き、最終的に本棚1つとなって本棚から1冊の本が出て来るがその本は鍵がかけられていた。
何か開ける為のキーワードが必要かと考えてANはゼロと一緒にいるC.C.を考えて試しに彼女の名前を言う。
すると、閉ざされていた鍵が開き、閲覧できる様になったのでANは見て行く。
AN「これは…」
刻まれていた内容にANは言葉を無くす。
AN「(こんな事が…ゼロは…ルルーシュさんは…)」
読み終えた後にANは深く息を吸う。
AN「…彼は…愚か者達の被害者だったと言うわけですか…」
すると黙っていたANにあの…とシャーリーが恐る恐る話しかける。
シャーリー「お願いがあります…私に、ルルと…一緒に戦う力をください!」
そう言って頭を下げるシャーリーにANは驚く。
AN「…」
シャーリー「勝手なお願いだと思いますけど今までルルが危険を顧みずやっていた事を考えたら1人だけ安全な場所で待っているのはもう出来ないんです!だから!」
無言でいるANにシャーリーは想いを叫んだ後に再び頭を下げる。
AN「…死ぬかもしれませんよ?」
シャーリー「……平気じゃないけど…ルルは、ゼロとなって色んな戦いをして来ました…なら私も、かけます!」
その問いに胸、服の心臓部分を掴んでシャーリーは強い眼で言う。
その眼から本気だと言うのが分かる。
AN「…ならその想い、本当か見せてもらいましょう」
その言葉と共に夕焼けに包まれていた公園からどこか不思議な空間へと変わる。
シャーリー「此処は!?」
AN「私専用の異空間です。貴方には此処でテストをしてもらいます」
驚いているシャーリーにそう説明した後にANがそう言って指を鳴らすとシャーリーの隣にロボットが現れる。
見た目は紅い所を蒼く染めて、目の色を黄色に染めて徹甲砲撃右腕部を左腕に反転させた紅蓮可翔式であった。
シャーリー「この機体は…」
AN「紅蓮をモデルに造った機体、蒼天です」
現れた機体に驚くシャーリーへANは説明する。
後、これはパイロットスーツですとカレンが着てるのを蒼くしたスーツを手渡される。
渡された衣装を見た後にシャーリーは蒼天を見る。
その後に決意を固めた顔で着ていた制服を用意された更衣室で着替える。
AN「これが起動用のアイテムです」
着替えたシャーリーにANは蒼いメモリのようなものを手渡す。
受け取ったシャーリーは蒼天に乗り込むと機動アイテムを挿し込む所へ装填した後に手渡されたマニュアルを一通り見て軽く動かす。
それにより蒼天は目を輝かせた後にゆっくりと動き出して軽いジャブや歩行をする。
シャーリー「い、意外と難しい」
動かしながらシャーリーは顔を顰める。
他の人が動いてるKMFを見た事はあるが実際に動かすとなると周りを見る事も大事だが倒れない様にするのにも注意が行く。
また、マニュアルを見てこれが飛べるのも知ったが空中によるGや体制を整えるのも難しいと言うのをシャーリーは改めて思い知る。
AN「さて敵はこれです」
そんなシャーリーにANはそう言うと無頼が現れる。
シャーリー「よ、ようし」
AN「それではスタート」
合図と共に無頼は動き出し、蒼天へとスラッシュハーケンを放つ。
シャーリー「うわっと」
向かって来たスラッシュハーケンを危なげに避けた後に先ほど確認した武装から右腕からグレネード弾を放つ。
無頼「…」
それに対し無頼は防御して防ぐとスタントンファを取り出して攻撃を仕掛けて行く。
シャーリー「キャッ!?」
攻撃にシャーリーは悲鳴をあげながらギリギリ避けて行く。
例えカレンの紅蓮を基にしたとはいえシャーリーはもともとKMFに触れた事もないので避けるしかなかった。
無頼「…」
そんな新人であろうと無頼は攻撃をし続ける。
AN「その程度なんですか、貴方の意志は」
シャーリー「!私は!!」
そう呟いたANの言葉にシャーリーはキッと真剣になると無頼の攻撃の隙を突いて突き出された腕を掴んで背負い投げを決め…
シャーリー「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!」
左腕で倒れた無頼を掴むと同時に輻射波動機構を起動させて炸裂させる。
投げ飛ばすと共に無頼は爆発四散する。
シャーリー「はあはあ…」
AN「ほぉ…」
爆発場所を見ているシャーリーをANは感心する。
動き方は出撃があるまで鍛えれば伸びると直感して拍手しながら近寄る。
AN「やりますねシャーリーさん。合格です」
告げられた事にシャーリーは歓喜の声を上げた後に力を抜く。
そんなシャーリーにANはうんうんと頷く。
AN「では貴方に新しい姿を与えましょう」
出てきたシャーリーへそう言って指をパチンと鳴らすとシャーリーの前に首輪とヘアースプレーにコンタクトケースの乗ったお盆が現れる。
シャーリー「これは…」
AN「貴方にはルルーシュさんのゼロのようにもう一つの姿を持ってもらいます」
出てきた品に戸惑うシャーリーへANはそう言う。
そう言われてシャーリーは思い出す。
最初に自分の記憶をギアスで消そうとしたルルーシュの顔を…
シャーリー「(ルル、あなたは私にいつもの日常でいて欲しかったから記憶を消したんだよね。だけど、私はあなたと行きたい。これから先も)…分かりました。私は私(シャーリー)を隠します」
AN「では貴方に新しい名を与えましょう…」
決意を秘めた眼で言うシャーリーにANは筆と書道で使う紙を取り出してサラサラっと書いた後に見せる。
シャーリー「黒鳥香鈴(くろとりかりん)…それが」
AN「貴方のもうひとつの名です」
受け取った名前をシャーリーはしっかりと自分の頭へ刻み付ける。
そんなシャーリーをANはじっと見る。
AN「では行きましょうか。船に」
シャーリー「は、はい!」
しばらくして声をかけるANにシャーリーは返事した後に色々と準備した後にARISIAへと向かった。
翌日
ゼロ「それでミスAN、私達を呼んだ理由は何でしょうか?」
集められたメンバーを代表してゼロは聞く。
AN「私が雇った傭兵を紹介したくて」
扇「傭兵?」
出てきた言葉に誰もが騒めく中でどうぞと言う言葉と共に現れる。
膝まで来る黒髪をなびかせて青色の瞳を持った少女であった。
香鈴「…黒鳥香鈴だ。よろしくたのむ」
ティエリア「AN、あなたはどうして傭兵を雇ったんだ?」
名乗る香鈴を見た後にティエリアはANへ理由を問う。
AN「戦力の強化でです。皆さんも昨日のを見て分かっておりますがあのジャンクモンスター、インサラウムや皆さんが戦った者達とはまた違う存在が暗躍してる。これを考えるからには戦える者が多い方が良いでしょう。安心してください。私もちゃんと考えて彼女を信用できる者と考えて雇いました」
ゼロ「(確かに、あの迎撃装置も一介のテロリストが持つには不自然過ぎる物だ…聞こうにもテロリストは全滅したからな…彼女の言う通り謎の存在を相手に多い方が良いだろう)了解した。黒鳥香鈴と言ったな…ANが君の雇主だがなるべく我々の指示を聞いて貰うぞ」
そう説明するANにゼロは内心そう考えた後に華凛にそう言う。
香鈴「…わかった」
頷いた後にゼロを見てからロボットの整備があると言うので香鈴はその場を離れる。
正太郎「寡黙な方でしたね」
ルナマリア「確かにそうね」
甲児「しっかしさっき見たがカレンの紅蓮の色違いとはな」
カレン「こっちも驚いたわ。ANさんはホントに驚かせてくれるわね」
各々に述べた後にさっき見たのを思い出して言う甲児にカレンは頷く。
AN「火力は彼女の注文で2倍にしていますけどね」
カレン「え?;」
ゼロ「(ミスAN、やはり彼女の技術力は計り知れないな…しかし…)」
出てきた言葉にカレンが呆気に取られる中でゼロは感心した後に先ほどの香鈴を思い出す。
自分を見た後に振り返った彼女の口元が悪戯が成功した様な感じであった。
それがゼロには不思議であった。
ARISIA~格納庫~
香鈴「…ふぅ…」
格納庫に着いてから香鈴は周りに誰もいない事を確認して息を吐いて力を抜く。
香鈴「(緊張した~ルルはゼロの時はこういう緊張感を味わってるのね何時も)」
胸に手を当ててドキドキしながら香鈴は壁にもたれる。
AN「いや~いい演技でしたよ」
香鈴「ひゃ!?」
そう言って拍手しながら来たANに落ち着かせようとしていた香鈴は驚く。
そんな香鈴の反応にANはくすくすと笑う。
香鈴「あ、ANさん…」
AN「さっきのは可愛かったですよ」
からかうANに香鈴はもーとぷんすか怒り、ANは気にせずくすくす笑う。
一方…???では
???「いかがでしょうか、ミスター・リボンズ」
見せていた映像を終えて聞く人物にリボンズは満足そうに口を開く。
リボンズ「なかなか面白いのを見せて貰ったよミスター・エルク。君のジャンクモンスターはなかなか役に立つね」
エルク「いえいえ、それほどでも…」
褒め言葉に人物、エルクはニコニコしながら手を振る。
リボンズ「(エルク、色々と謎の男だが僕が成すべき事に利用できるのは確かだ。たっぷり利用させて貰うよ。僕の野望の為に)」
エルク「(さて、せいぜい潰しあってもらいますよ)」
お互いに思惑を抱きながら2人は笑いあうのであった。
キャラ&機体設定
黒鳥香鈴(くろとりかりん)
外見:髪を膝まで伸ばして黒くして目の色を青色に染めたシャーリー・フェネット
概要
シャーリー・フェネットが変装した姿での偽名
記憶を取り戻してルルーシュと一緒に戦いたいと願ったシャーリーをANが自分が雇った傭兵としてそうした。
ばれ難い様に冷静で敬語なキャラでいるがガールズトークとなると時たま素が出てしまう。
ちなみに腕に関してはシオニー同様にスパルタにより叩き込まれてカレンと同じ位になっている。
目に入れてるカラコンにはギアスなどの目を見る事でなる能力を遮断するの組み込んでいる。
パイロットスーツも自動的に体の周囲にバリアを張る機能を付けたのをANから貰っている。
普段は和服を着ている。
首に付けている首輪型ボイスチェンジャーで声を変えている。
その場合声は佐倉綾音になる。
蒼天(そうてん)
外見:紅い所を蒼く染めて、目の色を黄色に染めて徹甲砲撃右腕部を左腕に反転させた紅蓮可翔式
概要
ANが香鈴(シャーリー)用に作り上げたAN製KMF
外見から分かる様に紅蓮可翔式を元にしており、違いとして右腕にある徹甲砲撃を左腕にしている事
荒事に巻き込まれようとパイロットが無事になる様にされている。
火力は紅蓮可翔式の二倍となっている。