Devil/Over Time   作:a0o

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 マスター及びアサシンはFate/Prototype からですが私は設定しか知らないので、矛盾が出るかもしれませんがご容赦の程を・・・


下準備

―――三ヶ月前

 

 時は少し遡り、東京西部の山岳地帯にある古い洋館。

 その奥の一室にやつれた一人の少年が大きなベッドに横たわっていた。その顔に生気はなく文字通りの意味で息を引き取る寸前だった。

 しかし、少年の僅かな意識にあるのは九年前に訪ねて来た一人の男だった。

 

 彼は魔王と名乗り、ある魔術儀式で負った後遺症を何とかできないかと相談を受けた。

 それに対し魔王の意識を阻害するものに自分の意識の一部を同調させ彼を解放するよう説き伏せると言う処置をしたが、魔王の逆鱗に触れてしまい絞め殺されそうになってしまった。

 

 それにより魔王の受けた呪いとの同調が暴走した結果が現在なのだが、少年は死の恐怖も魔王に対する恨みもなく、ただ魔王ともう一度会いたかったと言う純粋な思いだけがあった。左手が垂れ落ち延命の為に施したベッドを中心に置いた床の魔法陣も機能を停止しようとした寸前、誰かが少年の左手を握りしめ死を向えるはずだった意識を繋ぎとめた。

 

「死ぬ寸前まで恨み言一つも零さないとは呆れる位の聖者だよ。伊勢三」

 

 その声を聞いた瞬間に虚ろだった意識と視界がハッキリした。苦しみも感じなくなり手を握っていた『魔王』を凝視した。

 魔王は伊勢三の左手を握り何かを念じており、次の瞬間には掌に三つの紋様が浮かび上がった。

 

「ここに契約は完了した。サーヴァント、アヴァンジャー今この時より君をマスターと認める」

 

 契約、サーヴァントと聞いて伊勢三には思い当たる節があった。

 

「まさか、ボクが聖杯戦争のマスターに?でも何で・・・・?」

 

「結論から言えば二回に渡る大番狂わせの結果だ。そして私は二回分の聖杯に満ちた魔力を自分の物とすることになった。その膨大な魔力で色々仕組みを書き換えさせてもらった。同時にパスを通じ魔力を逆供給することで君の命を繋がせて貰った」

 

 淡々と説明する魔王に伊勢三は疑問も抱かず口を開いた。

 

「魔王・・・ボクは――――――――」

 

「言わなくていい。確かにあの処置で色々と困った事になったが、逆にそのお陰で解った事もあったし、何よりこうして戻ってくることも出来た。

 私も君同様に恨みはない。だから、もうこの話はお終いだ」

 

 瞬く間に纏められてしまった伊勢三は不平でなく安堵を浮かべた表情になり魔王を更に呆れさせた。

 

「・・・・では、これからの話をしよう。単刀直入に言うが私はこれよりサーヴァントとして第五次聖杯戦争に参加する。その間、私を現界する為に君には生きていて貰いたい。報酬として全てが終わったら人並みの青春を送らせてもらうことを約束しよう」

 

「ボクが人並みの青春を・・・?」

 

「そうだ。だからそれまでは眠っていてくれ、それが最大の協力だ」

 

 魔王は手を伸ばして伊勢三の瞳を閉じ、伊勢三は今までにない穏やかな吐息をたてて眠りに付いた。

 

 

 

 伊勢三の左手をベッドに戻した魔王は床の魔法陣に手を付いた。

 

この世全ての悪(アンリマユ)を制す者、魔王の名の下に喚起せよ」

 

 一瞬だけ魔法陣が光り、六つの魔力が散った。

 この内四つは魔王の意思が反映されていた。聖杯の器と予備の器、かつて伊勢三同様に魔王が唾を付けておいた幼い魔術師が二人、魔王の戦略ではもう一つ必要なカードがあるのだが任せらそうな〝お嬢ちゃん〟に渡るかどうか試してみかったのでそのままにした。最後の空席も何かの興になると期待して同じくそのままにした。

 

(順番通りに届いたとして早くても一ヶ月は先、聖杯戦争(ゲーム)開始は更に二ヶ月と見ていいだろう)

 

 魔王には潤沢な貯蔵魔力があり枯渇する心配はない。しかし、それだけでは勝てないのは分かりきっているし、サーヴァントである以上、飲まず食わず眠らずでも良いとしても時間は限られている。下準備に費やせる時間があるメリットは活かさなくてはならない。

 魔王は身支度を整えながらもやるべき事を整理していた。

 まずは生前に残しておいた資産を回収して活動資金を得る、次に円蔵山のレイラインに仕掛けてある衛宮切嗣の置き土産を掘り起こして武装を確保、最後に日本にいる唾を付けたマスターの一人に接触して交渉し味方に付ける。

 後は現地入りして十年で変わった街を調べて網を張り、現地にいるマスターと海外にいるマスターを監視調査し確実な情報を基に計画を練る。前回同様に即席の策でなく勝つ為の入念な計画を持って望む。勿論、イレギュラーが起きれば調整しなければならないが海外にいるもう一人の魔王に縁あるマスターの協力を得られれば勝利は揺るがないと自信があった。

 

 

 

***

 

 

――― 一ヶ月前

 

 

 二ヶ月で活動に十分な資金を増やし余裕を持って武装を整えた魔王は、雨が降りしきる山の中、新たなるマスターに接触を進めようと足を進めた。書き換えたルールによりサーヴァントの召喚は感知できたが、どんなサーヴァントが呼ばれたのかまでは分からない。出来るなら自分と相性のいい英霊であることを期待して召喚の場に来た魔王は驚愕に目を開いた。

 

 そこには協力を取り付けようとしていた魔術師、仁賀征爾が物凄い形相で死んでいた。

 近づき遺体に触れた瞬間、魔王は死因を理解した。毒の呪術、しかも感染したものに残留し犠牲を連鎖させる何とも性質の悪いものだ。

 

(召喚早々にサーヴァントに反旗を翻されたか?)

 

 しかし周りを見渡しても戦闘の痕跡はない、遺体も苦しんだ顔以外は綺麗なもので服にすら異常はない。つまり仁賀征爾は全く無抵抗のまま殺されたことになる。

 だが、ここまで簡単に殺すことが出来るなら何故今殺す必要があったのか?サーヴァントはマスターが居なければ現界出来ない、だから自分もマスターを延命させる処置を施したのだ、麓の町はそれ程広くないマスターに適した魔術師が居るとは考えにくい。

 

 つまりこの殺しはサーヴァントにとっても予期せぬ或いは不本意だったものか、前提条件を覆せる単独スキルとその範囲内に適した魔術師が居る確信と土地感を持ったサーヴァントが召喚されたのか。前者であるなら今から追いつき発見できる可能性は有るが後者なら自分同様の現代かもっと先の未来の英霊と言う可能性が高く探し出すことは不可能だろう。

 

(まだ始まってもいないのに躓くか踏みとどまれるか。どちらにしても賭けるしかないか)

 

 サーヴァントは聖杯の下に集うならば冬木を目指すのは自明、マスターが居ないなら霊体化し魔力消費を抑え一直線に向うはずだ。速度は不明だが召喚直後に発ったとしてもそれほどの時間は経っていない。魂喰いをするとしても人通りのない道で運任せなどと言う愚考はしないだろう。

 魔王は現在地から冬木まで地図を思い浮かべ山道に置いてある車を飛ばして追いつける並びそれなりに人が集まっているポイントを割り出した。

 

 

 

***

 

 

 髑髏の仮面が落ちていた。直ぐ近くには誰かが悶え苦しんでいた。

 瑞々しくしなやかな容姿の女性。外見年齢は十代の後半ぐらい。褐色の肌を覆う黒衣は体にぴったりと張り付いており、均等の取れた肉体のラインをありありと見せている。その妖艶な姿は行きずりの男達を駆り立てるが―――――

 

妄想毒身(ザバーニーヤ)

 

 逆に男達が女性の餌食になる・・・・はずだった。

 

「そこまでだ」

 

 黒いコートを着た男、魔王が近づいてくる。その歩に比例して毒気も押しのけられていく。

 女性の毒気にやられかけていた男達は正気を取り戻し魔王の得体の知れない気配におびえ去って行く。

 

 完全に二人きりになった所で魔王が口を開いた。

 

「なるほど、肉体全て吐息までが毒その物、それがお前の宝具と言うわけか。

 されど自身で制御は出来ない。マスターを殺したのはやはり不可抗力だったか」

 

 目の前の男が何者か、何故殺したマスターの事を知っているのか・・・・などの疑問は沸いてすらこず強靭な幻想主すら殺す自分の宝具を物ともしない魔王に女性は生前からの望みが叶うかもしれない大きな期待ならぬ希望に魅せられていた。

 

 そして魔王はその表情と制御でない宝具、無抵抗に殺された仁賀征爾の有様から女性の孤独と望みを見抜き言葉を掛けた。

 

「私はこの世全ての悪を制する者、魔王。故に私がお前を制する者に相応しい、応じるなら私にその身命を尽くし捧げよ」

 

 魔王が両手を広げ迎え入れる格好を取ると女性は縋り付くように口付けをした。女性の宝具が発動するが魔王側から流れる〝何か〟に押し負け、同時に枯渇していた魔力が身体に満ちた。

 

「サーヴァント、アサシン・・・静寂のハサン。以後、汝を主と認め身命を尽くすことを誓う」

 

 アサシンは生気を取り戻し絶対的な忠誠を込めて魔王に跪いた。

 

(まさか今回もマスターになるとはな。修正範囲内で済んだとは言え奇妙な感じだ)

 

 魔王の右掌にはアサシンが剥がした仁賀征爾の令呪があった。

 

 

 

***

 

 

 

―――十日前、冬木市の古い洋館。

 

 魔王は我が目を疑いながらも額に手を当てていた。

 目の前には協力を取り付けようとしたもう一人のマスター、バゼット・フラガ・マクレミッツが左腕をもがれた状態で死に掛けていた。

 

(一体これは何なんだ・・・)

 

 先日の仁賀征爾と言い伊勢三と言い何故、皆死に誘われていくのか。特にバゼットは最も頼りにしていた魔術師だったので治療して可能な限り情報を得る必要がある、それも可及的すみやかに・・・・とは言っても魔王は魔術師でも医者でもない、兵士としての応急処置の心得はあるが、それでどうにかなるレベルではない。

 セオリーでは教会に連れて行くのだが前回の事を考えると信用できない。取れる手段は止血して県外の病院に連れて行くしかない。身分証や保険の確認をする時間はないので十割診療並びに口止め料もプラスして相当の金を積まなければならないだろう。

 

(予想外の時の為に選り分けておいた資金を早速使うはめになるとは)

 

 そんな事を思いながらも魔王は止血を終えバゼットを抱きかかえた。

 

「アサシン、お前は冬木に留まり町の監視、怪しい動きがあったら報告しろ」

 

 実体化し頭を垂れるアサシン、その姿を髑髏の仮面に黒衣でなく現代の格好に変装した姿だった。外国人が多い冬木ではベストと言えるだろう。

 

 

 

***

 

 

 冬木に戻る車の中で魔王は現状を確認していた。

 名実ともに大きな病院に大金を振り込み警察その他の司法機関に口止めするよう交渉し、治療を終えたバゼットに魔力を流し聞き出した情報では、彼女を襲ったのは今回の監督役である言峰綺礼でありランサーのサーヴァントと左腕ごと令呪を奪われたそうだ。

 言峰綺礼と訊いた時、魔王は黄金のサーヴァントを思い出し綺礼の狙いを悟った。

 

(腐っても神の使いと言うわけか。魔王たる俺の邪魔をする)

 

 更にアサシンからは間桐からライダーのサーヴァントが召喚されたとの事だがマスターは自分が指定した聖杯の予備でなく、偽臣の書を持った一般高校生が活動をしていると報告を受け、遠坂の方は未だにサーヴァントを召喚した気配がないと言う。

 

(前提条件が次から次へと崩れ行くな。俺のやろうとしてる事に神いや世界の抑止力が働いてるとでも言うのか?)

 

 まだ始まってすらいない聖杯戦争で用意していた計画がダメになってしまったが、逆に考えればまだ挽回の余地はあると言うことだ。

 

(一から組み直すか。戦う相手のバックに文字通りで世界が付いているなら前回の様な保身を第一とした戦略はダメだ。俺自身も相応どころか全てを賭けなければならないかも知れないな)

 

 

***

 

 

―――二日前

 

 アサシンに冬木教会を監視させ、魔王はもう一人の空席候補がいる深夜の遠坂邸を自ら監視していた。邸の直ぐ目の前に車を止めると言う生前では考えられない堂々とした方法で―――――そして邸に強烈な光と轟音が響きとうとう待ちわびた瞬間が来たと悟った。

 

(やっとか、宛が外れたかと思ったがどうにか期待通りになったか。それにしてもさっきの音はなんだ?)

 

 些細な疑問を抱くも携帯電話を取り出し番号を押す。数秒後、お目当ての相手が出た。

 

『もしもし、誰よこんな時間に!』

 

「んん。何だか上機嫌とは程遠い声だな。だが久しぶりに声が聞けて嬉しいよ」

 

『なぁ!』

 

 予想通りのリアクションに笑みを浮かべ用件に入る。

 

「よければ明日会えないか?遠坂凛(お嬢ちゃん)

 

『魔王!!』

 

 明日の早朝に新都の駅前に待ち合わせの約束をして通話をきる。声の様子からして今、邸では修羅場に近い事が起こっている気がするが気にせず去って行った。

 

(アサシン。たった今第六のサーヴァントが召喚された。明日、そのマスターと会うことになった冬木教会の監視は明日で終わりだ。変わりに監視対象をもう一人の空席候補に切り替えろ。俺はアインツベルンの森の近くで待機して様子を見る)

 

(魔王、危険です。万が一に戦闘が起きたことを考え私も近くに潜んでいたほうが――――)

 

(あのお嬢ちゃんが今俺と戦うことを選択することはありえないさ。殺り合うなら然るべきシチュエーションを求めてくるだろう)

 

(その様な希望的観測で―――――――――――)

 

(くどいぞ。行動を強制されたくなければ命令に従え!!)

 

(・・・・・・承知しました)

 

 数秒の苦悶の後、アサシンは命令続行を承諾、魔王は車のエンジンをかけ新都に向った。

 

 

--- 一日前

 

 

 霊体化し新都の駅ホームで一夜を過ごし日の出とともに駅前の広場を見る。そうして数時間後に案の定、約束より早い時間に凛はやって来た。

 

(母親同様、律儀と言うか何と言うか・・・・それにしても随分と成長したものだ)

 

 現在の凛の美少女と言える姿は魔王を深い意味もなく感心させた。

 そして自分を探し辺りを見渡している凛に声を掛け、新都の公園で雑談する。その際に凛のサーヴァントが姿を現した。

 

(真っ当な一騎打ちをするタイプに見えないからアーチャーかな?)

 

 敵の姿を確認し凛に自分の存在を焼き付けることに成功した魔王は席を立ち、宣戦布告をしたが―――――

 

「魔王、これだけは言っておくわ。アンタを倒すのは私よ、だから詰らない奴に倒されるじゃないわよ」

 

「いい返事だ。この十年で身体も心も成長したようだな、実に()好みだ」

 

 凛の台詞に心底嬉しくなり魔王は彼女を認め少し心を開いた。あくまで敵として・・・・

 

 

***

 

 

―――当日

 アインツベルンの森に続く山道に向う前に車にガソリンを入れながら、魔王は聖杯戦争の始まりが近いことを予感し改めて現状を確認していた。

 出揃ったサーヴァントは六名、接触できた正規のマスターは自らのも含め四名、その内の二人は脱落し片方は自分がもう片方は言峰綺礼が穴を埋める形になっている。

 残る二名の内、優先的にするべきは正規の器であるアインツベルンとの接触だろう。幸いにも凛同様に自分を強く焼き付けるだけの材料はある。間桐の方は接触する必要が感じられない、と言うかアサシンを通じて見た代理マスターなら簡単な小細工で始末できそうなので保留。

 

(現状で一番の気掛かりは最後の空席だな)

 

 アインツベルンに接触するために機会を窺っていたが、マスターの銀髪の少女が接触し赤髪の少年に口にした言葉『早く呼び出さないと死んじゃうよ、お兄ちゃん』が切欠だった。

 

 調べてみると相手は十年前に衛宮切嗣の養子になった衛宮士郎という少年で切嗣自身が五年前に他界した際に前回拠点にしていた武家屋敷を相続したとのことだ。

 十年前と言えば言うまでもなく第四次聖杯戦争及び冬木の大火災、まず間違いなくその生き残りと見ていいだろう。切嗣なりの罪滅ぼしなのか真意は知れないが、屋敷以外にも相続させたものがあるかも知れない。

 

 ここまで考えた時、明確な根拠もなく全くの直感で金髪碧眼の少女のサーヴァントが頭に浮かんだ。

 

(もしそうなら、最後の最後に嬉しい誤算だな)

 

 されど確信があるわけではない、現状はアサシンに遠目で観察させるに留めている。仮に死んだらそれまでだったと言う話だ。

 ガソリンを満タンにし山道近くの適当なパーキングで目標との最適な接触を模索する。

 

 鍵となる衛宮士郎は普通に学校に登校するも夜になっても帰宅の気配がなく、何の因果か校庭でアーチャーとランサーの戦いを目の当たりにして夜の学校を必死で逃げていた。

 そしてランサーに殺された時、それまでの話だったと落胆しかけたが測らずも、凛が魔術で助け命を繋げたときは色んな意味で苦笑した。

 

(恋慕には感じられないし、借りでもあるのか?それとも世界はあの少年に味方しているのかもしれないな)

 

 そうだとすれば返って好都合だ。それも程なくハッキリするはずランサーは再び体を引き摺りながら帰宅した士郎を襲い、士郎も今度は抵抗しているが明らかに遊ばれ土蔵に追い詰められる。

 

(さぁ、どうなる?)

 

 その時、士郎の後方の魔法陣が光り小柄な人影が現れランサーを退かせた。

 

『サーヴァント、セイバー召喚に従い参上した。問おう、貴方が私のマスターか?』

 

 その言葉、その容姿全てが魔王の期待したものだった。

 間違いなく前回と同じセイバーのサーヴァントだ。やはり衛宮切嗣はあの英霊(少女)に縁のあるものを残して置いたのだろう。そうでなければこの事実に説明が付かない。

 

 その後、セイバーはランサーと一戦交え宝具を受け負傷するもランサーを撤退させえることに成功した。

 

(アサシン、もういいぞ。お前も撤退しろ、今すぐアインツベルンに会いに行くからお前も付いてこい)

 

 そう命令し魔王は車を走らせた。予想するまでもなく衛宮士郎に目を付けていたのはアインツベルンが先だ、寧ろ殺し合いたくてウズウズしているはずだ。そうなる前に接触し注意を自分に向けさせる必要がある。

 自分が思い描く最高の終わりにはセイバーは最適だ。この時、魔王の新たなる戦略は確定した。

 

「さぁ、いよいよ聖杯戦争(ゲーム)の始まりだ」

 

 




 本当の戦いはこれからです。

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