どうも、皆さん。気づいたら三ヶ月も空いてしまいました
リアルが色々忙しかったのもありますが私自身にサボり癖がついてしまったのが大きな原因です
はいっ、いつも謝罪ばっかでくどくどしていてすみません!
さっさと本編行きましょう!
はいはーい、皆さんどうも~!
お久しぶりだね。いつ以来になるかな?
もしかしたら、この物語もう更新されないんじゃね?とか思った?
しかーし、残念なことに続きが投稿されるのだ。
というか、今誰が喋ってるかわかる?
あは!僕だよ、僕。この物語の主人公コーキだよ☆
こう考えると小説の長所であり短所であるものがしっかり感じられるね。
雰囲気や口調が似ているキャラが喋っているとまたに混乱してしまうよね~。
まぁ、そこは筆者の腕の見せ所だけど。
実際どう?
ウチの作者だとわからない時ってないかな?
作者は作者だから当然そこんとこ分かるけど、読者のみんながわかってくれているのか心配みたい。
それはそうと、僕がこうも喋り続けているのにはちゃんと理由があるんだよ?
どうせ僕の喋っていることに意味がないとかなんとか思っているでしょ。
失礼しちゃうな~。僕をだたの天才だと思ってない?
その認識はおしいね。僕は『遊び』も分かる天才だ。
そうこれも『遊び』。暇だから遊んでいるだけだよ。正直、こうも同じ日々は少々飽きがくるからね。
というわけで、僕は現在手錠で繋がれておりますっ!!!
◇◇◇
「いや~、アレだねっ!養豚場の豚を見るような目ってこういうのを言うんだね。はっはっは」
「あら、コーキ君。それだと豚に失礼よ」
「あれ僕って豚以下ってこと?参ったな~」
といつものようにヘラヘラニコニコとしているコーキだが、飛鳥は相変わらず冷ややかな目でコーキを見下す。
いつもなら呆れたようにため息を吐くところだが、今回の件はそうはいかない。
その後ろの方ではしくしくと涙を流す黒ウサギ。
「コーキさんは···コーキさんは、例え可能でもそのようなことはなさらないと思っていましたのに···」シクシクシク
「大丈夫だよ、黒ウサギ。大丈夫、きっと大丈夫」
こういう時何を言ったら言いかわからないが、とりあえず耀は慰めていた。
さて、そろそろ事情の説明をするとしよう。
“ノーネーム”の本拠地がある箱庭東側の季節は田植えの時期となった。
農園の復興も進み、水田エリアもかなり面積が使用可能となっている。そこで、コミュニティ総出での田植え大会が行われることなったのだ。
『確かに全員で一気にやった方が効率はいいかもしれないけど、終わった後コミュニティを筋肉痛という地獄が襲うんだけど?それ治療する誰か分かる?対応するの誰かわかる?僕を過労死させたい寸法なワケ?』
と言うマジなコーキの言葉により午前中は女性陣を中心に午後は男性陣を中心で行うこととなった。
そして、先ほど午前のチームと午後のチームが入れ替わった。
ものはついでと言うもので、女性陣はそのまま汗と泥を洗い流すため「お風呂に入ろう!」ということになった。
しかし、献身的な黒ウサギは本人の強い意志で午後も作業をすると言って別れた。
今にして思えばコーキはこの黒ウサギの行動や女性陣の行動を読んでいたんだろう。
結論から言えば、彼は十六夜に追い返された黒ウサギを装って脱衣場に入って来たのだ。
彼のギフトは完璧だ。飛鳥も耀もみんな気付かず無防備に肌をさらしていた。
ガールズ特有のちょっとしたきゃっきゃうふふなイベントも愉しんだ。
が、そこでコーキの予想外の事態が発生したのだ。
なんと本当に黒ウサギが追い返されて浴場にやって来たのだ。
脱衣場のドアを開いた状態で固まっている黒ウサギ。
同じく固まる浴場のみんな。
そして、ギチギチと音が聞こえてきそうな動きで浴場にいる
「ご馳走さまでした♪」
この後何が起きたかは語るまでもないだろう。
というわけで、現在に至るというわけだ。
「とりあえず、反省も含めて貴方はこのままにしていくわ。
「飛鳥ちゃんのちくぼぉがッ!!」
「最っ低ッ!!!」
そう顔を赤くさせて叫ぶとさっさと部屋を出ていった。それに続き耀たちも退室していった。
きっと別室で何の刑にするか話し合うのだろう。
「いたた···、胸の形だけじゃなくて乳首も綺麗だったって褒めようと思ったのにゃー。まったく。用心深くギフトカードと錬成陣を書けないようにチョークを没収ってどんだけ逃がしたくないの···?別に裸を見られた位で大げさだな~。······なんてね。羞恥心があってこそのエロ。おっぱいも隠さず当然なようにそこにあってはただの脂肪の固まり、日頃見れないからこその恩恵っ!ビバエロス!!ビバ美少女!!白夜叉ちゃん万歳!」
と一人叫んだら隣の部屋からドゴンッ!!と警告がきた。
「・・・」
はぁと溜め息を吐き、肩を竦める。そして頑丈そうな手錠を見る。
「こんな物、錬金術が使えなくても抜けられるんだよ。
そう呟いた時にはコーキの姿は、魔女の帽子がトレードマークのハーミットになっていた。なお、ランタンはギフトなので持っていない。あくまで細胞単位で変身するだけだから、恩恵までは引き継げない。
「よいしょっと」
腕の大きさも小さくなってガバガバになっている手錠を置くと、音を立てないように歩く。
抜き足、差し足、猫の足~♪
ドアノブをジャンプして掴まって開けると、顔少しだけ出して辺りを窺う。
廊下には誰もおらず、耳には隣の部屋からの話し声がかすかに聞こえるだけだった。
時おり笑い声が聞こえてくるのをみるに、もうコーキのことなど忘れてガールズトークに花を咲かせているのかもしれない。
「それはそれで寂しいものだけどねぇ···」
そうポツリと呟いてコーキは歩き出す。
とりあえず、ゆっくり休めそうな農園区にで行くことにした。
◇◇◇
水田区の端、水路の近くには何本かの木が生えている。
その中で太陽の角度的に良い木陰があるのを探して、コロンと寝っころがる。体が小さいから擬音も可愛ければ、ビジュアルも可愛い。
そう考えると、猫っていうのは何だかズルい気がした。
(まぁ、なろうと思えば大体のには化けられ続けられるけどね。しないけど)
空には本来天幕がありこんなに綺麗に見えないはずなのだが、やはり箱庭の技術は遊び心が多いのか無駄なところがある。前に黒ウサギも思っていた定期降雨もそうだ。
日差しは少し強いが、その分風が吹いているので涼しい。きっと日向にいたらジリジリと暑いだろうけど。
空気を吸い込めば湿った土の匂い、木々の香りがする。初めて見た時の土埃の舞う死んだ土地と違い、生きている。
耳をすませば子供たちのはしゃぐ賑やかな声が聞こえてくる。
「何だか平和だな~。···って、おじいちゃんかっ!!」
とつい呟いて自分でツッコミをいれてしまった。
「やっばいな···。こんなことつい言っちゃうって精神だけ年取っちゃったのかな、僕」
気を付けないと。まだまだ僕は若いんだし。
それにしてもこの箱庭に来て数ヶ月相変わらず濃い時間を過ごしていることを自覚させられる。
召喚されたら空中で池に落ちて、第三宇宙速度の被害にあった白雪ちゃんを治療して、ウサ耳少女の貧乏コミュニティに入って、黒死病の魔王と戦って、吸血鬼の姫君を救えた。
クソ嫌な奴にもあったけど、楽しい時間を過ごせたなぁ。
サーっと一際強い風が吹き抜ける。僕は葉の間から光を溢す太陽に向かって手を伸ばしながらこう呟いた。
「一体いつになったらこの夢は覚めるのだろうか···」
◇◇◇
農園区水田エリア
「猫。ちょっといいか?」
カズマが黙々と苗を植えていっていると隣の一列をやっている白雪が声をかけてきた。
「何か間違ってたか?」
「あ、いや、別に間違えてないぞ。田植えのやり方の話じゃなくてだな···」
とそのまま白雪は溜め息を吐いた。明らかに元気がない。
その原因に自分は関係しているのだろうか?
カズマは機械のごとく田植え作業を続けながら頭を巡らす。
さっきまで白雪と反対の列をやっていたレティシアと米の話からスタートしてご飯を使った献立について講談していたが、それが原因だろうか。
確かにカズマは洋食系で攻めていたが、それは国柄仕方のないことだ。パン派だの米派だの和食派だの洋食派だの正直どうでもいい。普通に美味しく食べれればそれで構わないだろう。なお、レティシアは中華の勉強中だったから中華系で攻めていた。
ともかく、ペストは喧嘩になると面倒だから午前組だったのでこれら関係ではないと思う。
では田植えの仕方の説明の時、普段よりも薄着だったので当然のごとくあった十六夜からのセクハラが原因だろうか。いや、それくらいで元気を無くす彼女ではない。むしろ、怒りに燃え上がっているはずだ。
「コーキの話なんだが···」
その一言でなんとなく理解した。原因はさっきの覗き事件のことだ。そして、確かに彼の話なら幼馴染みであるカズマに相談するのも頷ける。
「で、何?」
「いや、そのだな···。ちょっと思っただけで、私は十六夜の小僧や白夜叉様と違ってだな···」
といざ本題に入ろうとすると言葉を濁す白雪。
「前置きが長いな」
「いや、この前置きは大事なことなんだ!私の威厳に関わることなのだ!」
「で、結局なんなんだ?」
カズマは田植えをしている手を止めると白雪と向かい合った。
白雪は頬を少し赤く染め、目をそらしながら、どうにかカズマが聞き取れるくらいの声でこう言った。
「コーキは女の裸なら、胸が大きい女なら誰でもいいのか······?やはり亜人ですらない私はダメなのか···?」
カズマは二度ほど瞬きをしてこの言葉の意味をじっくり考える。
「いや、違うぞッ!別に私は小僧みたいな破廉恥なわけでも、白夜叉様のように助平なわけじゃないからなッ!!そこは勘違いするなよ!」
「わかったわかった。あんまり騒ぐな。十六夜に聞こえるかもしれないだろ」
はっとした白雪は辺りをを見回すと、十六夜は隣の田んぼで子供たちと田植え競争に興じていた。そして、なぜレティシアも参加している?
「それで、お前。見られたかったのか?」
「そういうわけでは······ないとは言い切れないな。正直、今日のことはちょっと嫉妬した。他の女の裸を見るくらいなら私を見て欲しい。何で私じゃないんだ?っとな。この私がこんなことを思うようになるなんてなぁ···」
そう言いながら溜め息をまた一つ吐いた。どうやら白雪の元気のなさは自分の変化による戸惑いのようだったみたいだ。
カズマは小説で同じように自分の気持ちの変化に戸惑いを感じる主人公の物語を思い出した。人の心とは移ろいやすい。だから誰にでもあることなんだろうなと思った(蛇神だけど)。
「なぁ、猫。人間は異端のものより自分と同じようなものを好む傾向があるが、やはりコーキも私のような人外よりも普通の人間の女の方が好みなんだろうか?」
「さぁな。俺も人間モドキだからな。参考にならないだろうが、少なくとも俺は気にしない。蛇だろうが悪魔だろうが化け物だろうが関係ない。そこに確かな気持ちがあるなら種族差なんて些細な問題だ」
そうカズマらしくキッパリと言った。こういう時、相手に遠慮したりせずはっきりと言ってくれるからカズマは相談相手として適してる。
「コーキも俺と同じだと思う。実際この箱庭で態度変えたことなんて一度もなかっただろ?」
「そう、だな。なら、嬉しいことこの上ない···。だが、たまに思うんだ、猫。コーキの見ている世界は、私が見ている世界と違う気がする。なんだかとても遠く感じるんだ」
「確かにな。正直、俺もコーキのことはよく分からない。いつもニコニコヘラヘラしているがどこまでが本物なのやら···。付き合いはお前たちより長いが、本当によく分からないよ。コーキって奴は」
白雪は相槌を打ちながらコーキが拘束されているであろう本拠の一角を見た。
(どこまでが本物か···)
白雪はコーキに初めて会った時のことを思い出す。
傷を治癒された時、あの懐かしい感じはなんだっただろうか?
初対面なはずなのにコーキが暖かい視線だったのはなぜだったのだろう?
何か、今何かの糸の端を掴んだような気がした。
そう言えば、前に将棋をしている時にコーキにはぐらかされたことがあった。
もやもやとした思考をどうにかまとめる努力をするが、うまく線と点が繋がらない。
そんな風に白雪が自分の思考に没頭していると、
「ところで、白雪はコーキに言葉でちゃんと『
「ブファッ!!!!???」
「······いきなりどうした?」
「そ、それはこっちの台詞だッ!お前はいきなり何言ってるんだ!?」
カズマの意外過ぎる一言で思考などぶっ飛んでしまった。まさかカズマからそんな言葉を聞くことになるとは。
本人は相変わらずの無表情、いや若干怪訝そうな顔をしている。
「コーキはあんな風に積極的に見えるが意外と純情なとこあるから、そういうのはしっかり言葉で言ってやった方がいいぞって思っただけだ」
「貴様にだけはそんなこと言われたくない!!その言葉コーキの部分をレティシア殿に変えて返してやる!」
「はぁ?何でそこでレティシアが出てくるだぁ?」
「レティシア殿もなぁ!あんな風に振る舞っているが、貴様がはっきりしないからそれなりに悩んでいるんだぞっ!貴様こそさっさとレティシア殿にプロポーズしてこんか!!このツンデレ猫ー!!!」
「いや、待て待て待て待て!前提条件からおかしいだろッ!何で俺がレティシアのことが好きってことになってんだよ!!?」
流石のカズマも白雪のその言葉に叫んだ。しかし、白雪はキョトンとしたふりをしながら問う。
「じゃあ、レティシア殿のこと嫌いなのか?」
これはカズマにとって痛い質問だった。十中八九ここで答えたことはレティシアに伝えられるであろう。
カズマは悩んだ末に言葉を濁すように言った。
「別に嫌い、じゃあないが···」
「なら今すぐ行ってこい」
「だから何でそうなるんだよ!俺は感情のことは知識として知っているが······」
「嘘をつけッ!本当は分かっていて逃げてるんだろ。結局私と同じじゃないか」
「そもそも、元の話から――」
「離れてない。貴様が―――」
「何だよ、それ。気持ちがはっきりしてるなら――」
「カズマ様と白雪様がケンカなんて珍しいですね」
リリは田植えの手を止めてギャーギャーと言い合いをしている二人を見ながら言った。
「まぁそうだな。どっちかって言うと、カズマがくだらねーって言いそうなことでケンカしてることが珍しいな」
「十六夜様にはケンカの原因が分かるのですか?」
「さっきから何やら話し込んでいたからな」
そう答えながら十六夜はじーっと二つ先の田んぼにいる二人の唇の動きを注視している。
リリには間の田んぼでワーワー楽しそうに泥塗れになりながら田植えをしている子供たちの声で聞き取るきとはできない。
「それで、何が原因でケンカしているんだ?」
と同じく田植えの手を止めたレティシアが聞く。
十六夜は二人の方を見たまま少し悩む素振りをした。
「あ~。まぁ、敢えて言うならヒロインたちの女子力高めのケンカだな」
「ヒロイン?女子力?どういうことだ十六夜?」
「ヤハハハ、つまりレティシアには教えれないってことだぜ!残念なことにな」
教えられないとなると気になるのが当然であり、レティシアは食い下がったが結局十六夜は教えてくれなかった。
リリはこの変わっていく風景や仲間たちを見てこれからもっと頑張らなくちゃっと気合いを入れるのだった。
◇◇◇
暗い闇のような微睡みの中、うっすら目を開けた。
頭はボーッとしていて記憶の深海へと引きづり込まれそうな微睡みがコーキの意識に絡み付く。
それを引き剥がすように上体を起こして背伸びをした。
「ん~~~~あっ!······僕いつの間にか寝てたんだ」
寝惚けた頭で辺りを見渡すと、夕日で風景が染められていた。空は少し紫色になっており月が出ている。
水田の方からは子供たちの声ももう聴こえず、田植えが終了したことを意味していた。
ポリポリと頭をかきながら頭のエンジンの回転数を徐々に上げていく。
まだ立ち上がる気力も生まれない脳に少し刺激を与えるために指をパチン、パチン、パチンと鳴らせた。
左耳に着けていた
『首なし♪顔無し♪頭亡し♪
言語道断問答無用の死♪首なし――』
ズキンズキンと頭が痛み、呪いの唄が脳漿をダブダブに浸していく。
呪いの唄はたまに聴いて脳を慣れさせていくことも必要であるためコーキは日常生活でよく流す。こういう脳に刺激が欲しい時は特に。
脳が揺さぶられて調子が戻ってくると立ち上がり歩き出す。日の傾き方からそろそろ夕食だ。
寝起きでイマイチお腹は減ってないが食べないと後が辛い。
まぁ、貯蔵してあるお菓子を食べればいいだけの話だけど。
そんなこんなことを考えながら彼はいつものコーキ・C・マユズミへと頭をシフトしていく。
「さぁて、田植えのサボりをどう誤魔化そっかな~♪」
そう鼻歌混じりにニコニコとコーキは笑いながら本拠へと帰っていったのだった。
この時彼は完全に忘れていたのだ。自らが墓穴へと入りつつあることに。
そう、脱獄者が呑気に監獄へ戻るように······。
ぺラッ。
まずは未だにお気に入り登録をしていただいている皆様に最大の感謝を
まだもう少しリアルが立て込みますが、頑張っていつもの投稿ペースに戻れるよう立て直していきます
あっ、でもご安心を♪
次話はもうほぼ完成しているのでちゃんと投稿できるはずです
それでは次回、三週間後にお会いしましょう!