問題児達と錬金術師×2が来るそうですよ?   作:射水 終夜

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まずは謝罪を。
いつもの曜日いつもの時間に投稿するのがウリの一つであったのに、それを今回破ってしまいすみませんでした。
それでは、本編どうぞ!


第四章 錬金術師たちの研究レポート
観察対象 北山 白 episode1


五四五四五外門“煌焔の都”境界門(アストラルゲート)付近

 

巨大ペンダントランプに照らされた“サラマンドラ”の本拠地のある都市を、殿下とリン、アウラに人の姿のグライア、そして鏡磨(きょうま)(あきら)の一行は至って普通に歩いていた。

そう何の変装や姿を隠したりもせずに堂々と。

「すごいな!あの巨大なランプ一つでこの都市全域の気候を温暖にしているなんて···」

「ランプと言うより擬似太陽と言っても過言じゃないだろう」

「そうですね。太陽と言っても色的には夕焼けですが」

そう殿下の言葉に相槌を打ちながら、白は都市を眺める。

「······何だかこの都市は黄昏色なせいで、もの寂しさを僕は感じますね」

そんなセンチメンタルな言葉に

「うわっ」

「なーに言ってんの白ちゃん!あっちとかそことか工房とかあってすっごく活気あるよ。全然寂しそうなんかじゃなよ?」

リンは、どーん!と勢いよく白に抱きつきながら言う。

「いや、そんなことは見れば分かりますよリン。そうじゃなくてですね···。こう、美しい風景を見て感じるものはないんですか?というか、何で僕を抱き締めてるんですか?あなたは」

「だって、白ちゃんの抱き心地最高なんだもん。シルクのような肌触りの綺麗な銀髪に、手入れの行き届いたスベスベなお肌。そして、スラッとしたした体型だけど触れてみると予想以上に柔らかい体···。こんなの抱き締めずにはいられないよ!揉まずにはいられない!そもそも、そんな抱き心地抜群な白ちゃんが悪いんだよ?」

「そんな無駄な評価いりませんから離れてください。そして、どさくさに紛れて変な所揉まないでください!ほらさっさと、はーなーれーろー!」

白は抱きついて離れないリンをどうにかこうにか引き剥がそうとするが、リンもリンで意地でも放さない。

むしろ、もっと絡みついていこうとしている。

そんな光景を見ながら鏡磨はある疑問を口にした。

「なぁ、何で女子同士ってスキンシップが激しいんだろうな?正直ちょっと目のやり場に困る時があるっていうか···、色々危ないっているか···」

「鏡磨。俺には一方的にリンが白に絡んでいるように見るのは気のせいか···。それと、アレはスキンシップが激しいのか?」

「多分。俺たち男子に比べたら激しい方だと思う。まぁ、いつものことだから流石に慣れたけどな」

「その通りだが、今俺たちがこんな堂々としていられるのはリンのお陰だからな。少しぐらい好きにさせとこう」

そう殿下の言った通り、今こうして一行が堂々とのんびりしてられるもの彼女のギフトのお陰だ。

リンのギフト“アキレス・ハイ”は概念的な“距離”を操作するギフトだ。それを使えば、他の人からはまるで遠くにいる誰かという風に認識され、ほとんど記憶も意識さえもされることはない。

というわけで、殿下も鏡磨も白に絡みつくリンのことはほっといて迎えに来ているはずのある人物を探し始めた。

「グライア、アウラいたか?」

「いえ。彼にはちゃんと到着時間を伝えているのでこの付近にいるはずです」

「でも、いないな。あの人の服装ってこの都市だと目立つからわかるはずなのに」

「ええ、その通りなのにいつも探すのが大変だなんてどういう理屈かしら。しかも、あっちはこっちの存在に気づいているっていうのにいつもこちらが見つけるまで声かけないって―――」

というアウラの愚痴を軽く聞き流しながら鏡磨はキョロキョロと辺りを見渡すがやはりあの人はいない。

そもそも、境界門の近くは人通りも多いので人を探すのは困難だ。

鏡磨が半分諦めた時だった。

「フン。見つけたぞ」

グライアは人混みの奥を睨み付けるように見ている。

その視線を辿ると人混みの中こちらを見て笑っている和装の少年がいた。

少年もこちらが見つめたことに気づき歩いて来る。

そして、四人の前に立つとこう言った。

「やぁ、ようやく見つけたか。このまま見つからないんじゃないかちょっとヒヤヒヤしてしまったよ」

「そういうなら次から普通に出迎えることだな。こんな時間の無駄なことをしてなんの意味がある?」

「そう怒らないでくれよグライア。これもちょっとしたゲームさ」

殿下は一歩前に出ると和装の少年にこう言った。

「今回も世話になるな。草薙レンカ」

「いやいや、おいちゃんこそよろしくな。白髪のあんちゃん」

外見に似つかわしくない喋り方ををする和装の少年、草薙レンカ。

彼は、隠れ屋という商売をしている侍だ。

 




改めまして、本当にすみませんでした!
いつもならちゃんと投稿予約しているのに今回それをし忘れるなんて、なんとお詫びしたらよいか···。
次回からはそんなことがないように気をつけます!!!本当にすいませんでした!
さて、始まりました四章ですがタイトルにあるようにそれぞれの錬金術師たちが基本的に主人公のオリジナルの短編をするつもりです
ちなみに“ヒッポカンプの騎手”の話はカットです(^.^)

蛟劉:僕の出番は無いん?

今後ありますから、安心してください。でも、原作と比べたら減りますけど(ボソッ
多分今後私の都合で色々内容は変わっていきますが、皆さんに楽しんでいただけるよう頑張るので今章もどうぞよろしくお願いします!
なお、今話はいつもより短いですが来週も投稿しますので許してください(テヘッ
それでは、今回登場してきた草薙レンカとはどういう人物なのか!?
次回もお楽しみ!

プロフィールは来週載せます

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