問題児達と錬金術師×2が来るそうですよ?   作:射水 終夜

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はい、どうも皆さん
なんかいつも通りの二週間に一回の投稿なのに久しぶりな気がします
実はそれもこれもハーメルンに来るのが一週間ぶりなのが理由なのは秘密な方向でお願いします
それでは、ご都合主義なギフトゲームのフィナーレの始まりです!


クロナ=クロニクル争奪戦 後編

さてと、このバカみたいなギフトゲームの話も前編、中編と進んで最後の後編だ。

ちょっと待て後編なのに予選すら終わってないぞ、と思っている読者もいるだろうがそこは毎度同じみのカットさせてもらう。

そもそも、作者がこのギフトゲームを企画したのは面白そうだったからって理由が大きいがそれともう一つ、少佐VS十六夜の闘いを書いてみたかったからだそうだ。

マジふざけんなんよって話だけど、また愚痴を言い出すとキリが無いので以下作者死ねで略とする。

結果から言って予選バトルロワイヤルDブロックの勝者は春日部だ。

しかし、春日部は決勝を棄権した。

いや、当然と言えば当然だ。

あの姉さんとレティシア(バーサーカー)と闘いたがる酔狂な人間は十六夜ぐらいだろう。

というわけで、残りの試合は姉さんVSレティシアだけとなった。

そして、現在は予選が終わり決勝までの間の休み時間だ。

 

◇◇◇

 

「カズマさーん!頼まれていたのアレ、回収して来ましたー!」

「ありがとう黒ウサギ」

「いえいえ、これくらい安いものです!それに黒ウサギとカズマさんは振り回され役(仲間)じゃないですか」

「うん、そうだね。ほんとにありがとう黒ウサギ。仲間がいて本当に良かった···」

「はい·····黒ウサギも一人ならとうの昔に挫けていたと思いますが、カズマさんという同じ境遇の仲間がいてくるからどうにか頑張れてマス···」

「これからもよろしく···」

「はい···」

ズーンと重く悲しい空気に包まれる二人。

カズマはため息を吐き。

黒ウサギにいたっては、若干涙目だ。

さて、空気をリセットするための閑話休題っと。

「これがアンケート結果です」

そう言って黒ウサギは持っていたアンケート用紙の束をカズマに見せた。

このアンケートはカズマが開会式後に黒ウサギに頼んで作ってもらい、100人に回答してもらった物だ。

アンケート項目は二つだけ。

『Q1,クロナ=クロニクルの正体が男だと分かり嫌いになりましたか?YES or NO』

『Q2,Q1の回答の理由を簡単に答えてください』

両手を拘束されているため一人で見れないカズマの代わりに黒ウサギがアンケート用紙を一枚ずつ捲っていく。

『Q1,NO Q2,例え男だとしても可愛ければ問題ないよね!』

『Q1,NO Q2,嫌いになる理由が見当たらない。もし、嫌いとか言った奴はいたらそいつはクズ』

『Q1,NO Q2,嫌いになんてなるわけないじゃないかですか!!!日本には「こんな可愛い子が女の子なわけがない」って言葉があることを知らないんですか!?』

『Q1,NO Q2,クロさんクロさんクロさんクロさんクロさんクロさんクロさんクロさん』

『Q1,NO Q2,むしろGJ!男の子だと知ってもっと好きになりました!私と付き合ってください!!!』

『Q1,NO Q2.男の娘なんてどストライク過ぎる!これはもう運命だ!結婚しよう』

『Q1,NO Q2,性別なんてどうでもいい。クロナ=クロニクル、僕と結婚してくれ!』

『Q1,NO Q2,I love you(付き合ってください)!!!』

『Q1,NO Q2,男も守備範囲ならぜび俺と付き合ってください、お願いします!』

『Q1,NO Q2,ハイライトが消えたのクロナちゃんも超可愛い!ヤンデレクロナちゃんに束縛されたい!』

『Q1,NO Q2,クーカワなクロナちゃんを犯して泣かせたい!あぁ、そのまま私だけの物なって!』

『Q1,NO Q2,クロナさんとデートしたいです!私と一緒にクール系ファッションの服とか買いにショッピングに行ってください!もちろん、可愛い服も買いましょう!』

『Q1,NO Q2,こんな綺麗な娘と結婚出来る上に、子作り出来るなんて私女に生まれて良かったーーー!!!!!ということで、私と結婚を見据えたお付き合いをしてください!』

以下求婚、交際の申し込みなどが87件。

「···········」

「えっと、カズマさん。あまり気を落とさないでください。黒ウサギも同じようなアンケートをしたら八割はセクハラな内容だと思いますので····。本当に気にしないでください。大丈夫です。黒ウサギの目が黒い内には仲間に手など出させません!」

黒ウサギの必死の慰めの言葉で再起動したカズマは、淡々と無機質にこう呟いた。

「この世界は間違っている···」

 

◇◇◇

 

『さぁて、皆さん。残念なことに、宴もたけなわ終わりが迫っています。残すとこあと一試合』

『決勝を残すのみとなった。いやはや、早いものじゃなぁ。ここまで波乱なギフトゲームは久しぶりじゃ。さて、フィナーレを飾る二人は必然的に決まっておったようじゃな』

『この“クロナ=クロニクル争奪戦”の発端である彼女たちが最後を飾る。うん、これは本当に運命だったのかもしれない』

静かになった会場に二人のアナウンスだけが響く。

レーネは静かに立ち、拳を握って開く。

目の前のレティシアは、幾分か狂気が薄くなっている。

予選で発散したのだろうか。いや、今はそんなことどうでもいいか。

ただ彼女は静かにレーネの一挙一動を全てを観察している。

このままではレティシアには勝ち目がないのは、二日前に分かっている。

だから、レーネに付け入る隙がないか闘い方を模索している。

『それじゃあ、そろそろ幕を下ろそうか』

『二人がどんな最後を見せてくれるか、特と見せてもらおう。“クロナ=クロニクル争奪戦”決勝戦開始ッ!』

 

◇◇◇

 

ドン!ド、ドドドン!ボココココッ!バシィ!カッカカカッ!

ギフトゲームでは、空を飛べないからと言ってハンデや制限など起きない。

ご存じの通り、悪いのは空も飛べない方だ。

なら、空を飛ぶレティシアに対してレーネはどうしたか。

彼女が錬丹術師であることを、考えれば簡単なことだ。

平たかったバトルフィールドは見る影もない。

空に向かって34本の太い石柱が立ち、至るところに砲身が見れる。

柱は砕けてたり貫かれてたりしている。地面には幾つもの武具が突き刺さっていた。

そして、また一つ――――。

 

 

レティシアは確実に追い込まれていた。

二日前のように翼を展開し、“龍の遺影”による近~中攻撃と武具の投擲で攻めていた。

もちろん、レーネに手持ちの武具程度では傷一つ付けられないことは分かっている。無いよりはマシだと思っていた。

しかし、その読みは甘かった。

二日前にレーネと争った場所は湖だった。その時レーネはただの跳躍で接近して闘っていた。

だが、今回の舞台はしっかりとした地面がある場所。それが大きく違った。

(来る·····ッ!)

レーネは全力で柱を駆け登りながらあらぬ場所へ五本の鏢を投擲。

そして、それを目で追うレティシアに抜かって砲弾のように接近。

殴り落とそうとするがそれをレティシアはサイドステップのように水平移動で避け、影の槍で追撃する。

しかし、レーネは空中で体勢をズラして一本目の槍を避けつつそれを掴んで引っ張った。

「う、あ···!」

ぐんっといきなりのことに対処出来ず引っ張られたレティシアに踵落としをするが、それを瞬時に翼を収納して重力に身を任せることにより紙一重で回避する。

「はああああああッ!」

そこに上からレーネが手や足をフル活用した連打をかけてくる。

それを影でいなしたり、受け止めたりしていく。

このデタラメなようで計算された攻撃にレティシアは苛立ち募る。

レティシアが右や左に逸れて再び高度を上げれないように、的確に攻撃をしかけているのだ。

右に逸れようとすると左拳が、左に逸れようとする右拳がという風に。

一発でも受ければ致命傷間違いなし。賭けをするには分が悪すぎる。

さらに悪いことに、影でいなすものの完全には出来ないので攻撃を一撃一撃受け止めるごとに落下スピードは加速していく。

あっという間に、巨大な石柱の森(レーネのテリトリー)の中にに入ってしまう。

「ハッ!!!」

レーネは全力の右ストレートを打ち込み、影の反動を生かして一本の石柱に向かって飛ぶ。

その間に何十本もの を投げた。

レティシアは一気に加速した落下速度を、翼の展開で軽減して逆に上昇にもっていく。

全速力でこの森から出ないと、少しでも高度を上げないと危険だ。

しかし、レティシアが森を抜けるよりも、当然レーネが陣を描き五本の鏢を刺す方が速い。

バシィッ!と何処かで音がした気がした。瞬間には、

スパッ。ほとんど反射神経で撃ち込まれた砲弾を斬った。

それは始まりの合図だった。

ドドドッ!ガドドドドッ!ドォン!ドォン!ヒュルルル、ボゴォン!

レーネの錬金術(錬丹術)はカズマの錬金術と違って遠隔錬成が出来る、レティシアはそんなことが可能だと当然知らなかった。

鏢で作用点となる陣を作らないといけないやら、起点となる錬成陣には構築式をしっかり描かなければならないなどの縛りはあるようだが十二分に脅威だった。

初めはレティシアもレーネが投擲して作る陣の場所を覚えようとした。

しかし、それは石柱が増え森と化し、さらに無数に増えていく陣の数など200を超えたあたりからもうどれがどれだか分からなくなってしまった。

機関銃のような銃身が、バリスタのような砲台が、ドリル状の杭が撃ち出される砲身が全てレティシアに向かって火を吹く。

それをレティシアは影をミキサーのように高速回転させ、大量に撃ち込まれる弾を切り刻む。

「くっ·····!」

が、その隙間を抜けて来た矢が一本突き刺さった。

咄嗟(とっさ)にギフトカードから剣を出して斬り伏せる。

これでテリトリーに引っ張られるのは何度目かであるが、確実に前回よりも数が増えている。

(10、9、8、7·····)

影を操り、剣を振るいながらレティシアはカウントを始めた。

カズマたちと違って遠隔錬成が出来ようとも、力を消費することに変わりはない。

数が増えれば更に消耗する。恐らくもう数秒でこの集中砲火は止まる。

そして、レーネは直接攻撃に出るはずだ。

ここまでの戦いで、パターンは読めた。

(2、1···0――今だッ!)

予想通り集中砲火はピタリと止まった。

瞬間、目一杯翼をはためかせて飛び出した。

全力で最速で最短で、しかしレーネが何処から跳んで来ても回避出来るように注意しながら飛んだ。

(何処だ···。何処からだ。今度は何処から来る···?)

石柱の森の出口まであとほんの少し。ここを抜ければ、レティシアのテリトリーだ。

しかし――、そこにいた。ただ何をするわけでもなく、石柱の天辺に優雅に脚を組んで座っていた。

「チェックメイトだ。レティシア君」

(やばっ···!)

そう思った時には、ほとんど無音で三本の鎖鎌が迫っていた。

いや、三本だけでじゃない。四方八方から逃げ道を塞ぐように鎖鎌が飛んで来る。

初めの二本ぐらいは避けれた。だが、避けた先で一本。それを降りほどこうとして二本。

もがけばもがくほど、身体に鎖が絡み続ける。

レーネは、陣から手を放すと柱から飛び降りた。

そしてレティシアに絡み付いた鎖の先を数本掴むとバキバキと鎖を引き千切りながら地面に向かって全力で叩き落とした。

「かは····ッ!!!」

衝撃で強制的に肺から酸素が出される。

確実に骨が何本も折れたり砕けたりした。

もしかしたら、内臓もやられているかもしれない。

酸素を求めて肺を動かすが全然入ってこない。

「ゴポッ、バァ」

挙げ句には血が込み上げてきた。

いくら吸血鬼と言えど、これは堪えた。

起き上がろうと手をついて重い身体を起こそうとする。

その紅くボヤけた視界の先ではレーネが見下ろしながら陣に手を(かざ)すのが見えた。

瞬間、石柱全てが根元から爆発した。

それはまるで大木が倒れるようにゆっくりとぶつかり合いながら倒れていく。

石柱は瓦礫となって落ちてくる。

レティシアはそれをただ呆然と見ていることしか出来なかった。

 

 

ズズゥゥンと土煙を上げながら崩壊した瓦礫の上にレーネは着地した。

彼女は自分が足場にしていた石柱が倒れる瞬間跳躍することによって崩壊から免れていた。

当たりはまだ土煙が舞っているがそれも直に晴れるだろう。

観客は石柱の森が形成された時点で映像中継に切り替わっている。

まぁ、そんなことはどうでもいいことだ。

ボゴ、ドォン!という音を立てて瓦礫が一部吹き飛んだ。

「はぁ···はぁはぁ···」

これはレーネにとって予想通りのことだ。

吸血鬼がこれぐらいで死ぬはずがない。

しかし、ダメージ0というわけでもない。

この死なない程度にダメージを与えて攻撃が避けれないぐらい弱らせるのが目的だったが、どうやらうまくいったようだ。

流石に殺すのは、カズマが悲しみそうだからな。

さて、肩で息をしているレティシアはきっと意識が朦朧としていてもう飛ぶことも動くことも難しいだろう。

あとは簡単だ。軽く殴ってフィールドから出せば決着がつく。

影を多少動かされても、然程(さほど)問題出はない。

レーネは一、二回リズムをとるように足踏みをすると砲弾のように跳び、一瞬でレティシアに迫った。

拳を打ち込もうとするレーネに対してレティシアは腕を動かした。

(影で攻撃を阻害するつもりか···。だが、押しきるッ!)

問答無用でレーネは拳を放った。

 

その次の瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それに観客の誰もが驚いた。

レティシアがとった行動は事態は簡単なものだ。腕を掴んで引っ張る、それだけだ。

それだけで、レーネは運動方向がズレてレティシアに投げ飛ばされる形になったのだ。

日本で言うところの“一本背負い”だ。

こういう技をレーネは知っていたはずだ。シンの体術は、相手の力を利用して戦う“柔法”が基本なのだから。

レーネは自分のスピードのせいで、そのまま砲弾の観客席に張られた防壁に激突した。

そして、レーネはそのまま重力に引かれ地面へと落ちた。

『し、試合終了ーーッ!ギフトゲーム“クロナ=クロニクル争奪戦”を制したのは“ノーネーム”所属、レティシア=ドラクレア!!!』

次の瞬間、会場は歓喜の渦に飲み込まれたのだった。

 

 




というかわけで、優勝はレティシアさんでした!

白夜叉:まぁ、ある程度予想通りの結果であったのう

コーキ:仕方無いよ。そうしないと次回からカズマ救出編だか奪還編になっちゃうからね

白夜叉:それはそれで私は面白いと思うのじゃがなwww

コーキ:冗談でもそれはやめてよ!姉ちゃんと戦争なんて·········死にたくないッ!

まぁ、レーネさん以外にもリーダーであるウィラさんやジャックさんもいますから、いくら十六夜さんたちがいるからって無傷での奪還(略奪?)は不可能でしょうね

白夜叉:双方に被害が出るのは免れないじゃろうな。ん?待てよ

コーキ:どったの白夜叉ちゃん?

白夜叉:いや、ふとその構図を想像して思ったんじゃが―――

白夜叉:この作品、カズマがヒロインの方が正しいんじゃないか?

コーキ:あ



コーキ:確かにレティシアちゃんに攻略される側だし

ツンデレでクーデレで“受け”ですし

白夜叉:今回のギフトゲームでも、完全にヒロインの立場だったじゃろ?

白夜叉:あやつ、どんだけヒロイン力高いんじゃ?wwww

コーキ:だねwww。タグにヒロインはオリ主にした方が絶対良いってwww

カズマ:遺言は終わったか?

コーキ・白夜叉:( ゚д゚)ハッ!

ヒュッ、スパッ、ペチャ

(お見事、首の皮一枚を残してこ見事な断頭ですね。亡くなったお二人には悪いですが、私はこのまま退散させてもらいますね)コソコソ

(それでは、皆さんまた次回!)

カズマ:見ーつーけた (ヒュッ

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