私は、今悲しみと喜びに満ちています
なぜなら、まだまだですがSAOがIBM(VR機器)で出来るんですよっ!
これがテンション上がらないわけないじゃないですか!!
ですが、私は年齢上αテストの応募すら出来ません·····
ま、皆さんにはどうでもいいですよね
では、本編をどうぞ!
七七五九一七五外門“アンダーウッドの大瀑布”フィル・ボルグの丘陵
「わ、······!」
「きゃ······!」
ビュゥ、と吹き込んだ冷たい風に悲鳴をあげる飛鳥と耀。
カズマにはパーカーを着てるから少し涼しい位で丁度良い風だった。
「す······凄い!なんて巨大な水樹·······!?」
丘陵に立つ外門を出たカズマたちの瞳に飛び込んだのは、樹の根が網目模様に張り巡らされた地下都市と、清涼とした飛沫舞う水舞台だった。
「飛鳥、下!水樹から流れた滝の先に、水晶の水路がある!」
耀は今までにない様な歓声を上げ、飛鳥の袖を引っ張る。
珍しいことだ。他の人に無関心なカズマでもそう思ったぐらいに。
カズマも下を見てみると、大樹の根が地下都市を網目状に覆っており、その間を縫うように翠色の水晶で作られた水路があった。
「飛鳥、上!」
えっ、と声を出しながら上を向く飛鳥。
(本当にテンションが高い····)
カズマはそう思いながら上を見ると、何十羽も角が生えた鳥が飛んでいた。
「角が生えた鳥······しかもあれ、鹿の角だ。聞いたことも見たこともない鳥だよ。やっぱり幻獣なのかな?黒ウサギは知ってる?」
「え?え、ええまあ······」
「ホント?何て言う幻獣なの?ちょっと見て来てもいい?」
その言葉に困ったように黒ウサギがしていると、
「――――――――――」
巨大な翼で旋風を巻き上げ現れたのは“サウザンドアイズ”のグリフォンだった。
なお、下りてくる時に何か言っていた気がしたが飛鳥、カズマ、ジンの普通の人間には分からなかった。
「久しぶり。此処が故郷だったんだ」
「―――――――――――――――――――」
どうやら世間話をしているようだがやっぱり三人には何を言っているか分からない。
ここで自分も動物の言葉が理解出来る方法があったことを思い出したカズマはネコミミを出してみる。
「―――――――」
「YES!お久しぶりなのです!」
「お、お久しぶり·········でいいのかしら、ジン君?」
「き、きっと合っていますよ!ね、ねぇカズマさん?」
「幻獣はダメか······」
どうやら、ネコミミを出しても理解出来なかったらしい。
ここからは以下略。理解出来ない言葉が多すぎるので。
一応何があったのかは説明しよう。
1,グリフォン(名前はグリーと言うらしい)が街まで送ってくれた。
2,その途中、あまりの勢いにジン(命綱付き)はグリーの背から落ち、飛鳥は二の舞にならないように頑張っていた
3,カズマは平然と立ち上がると、ジンの命綱を引っ張って回収していた
まぁ、主なことはこんなことだろう。
ジン、ドンマイだ☆
◇◇◇
「――――――――――――」
「うん、分かった。気を付けてね」
耀がそう言うや否、翼を広げグリー去っていった。
多分、仕事に向かったのだろう。
そして、耀が黒ウサギから殺人種であるペリュドンには近づいてはいけない釘を刺されていると、
「あー!誰かと思ったらハー、もといカズマじゃん!しかも、耀もいる。何?お前らも収穫祭に、」
「アーシャ。そんな言葉遣いは教えていませんよ」
賑やかな声がした方を見ると、そこにはこの前まで寝食を共にした“ウィル・オ・ウィスプ”のアーシャとジャックが窓から身を乗り出して手を振っていた。
「·······ジャック、アーシャ」
「君も来てたんだ」
「まあねー。コッチにも色々事情があって、サッと!」
アーシャは窓から飛び降り、ジャックはふわふわと降りてきた。
「やっぱり、あんたは人の姿だと無表情なんだな。ハーミットの時はメチャクチャ表情豊かなのにさ。同じ奴なんて信じらんないよ」
「前にも言ったが一緒だと考えるな。混乱するだけだ」
「そうだけどさ。もうちょい、笑った方が良いと私は思うよ、ガチで。ところでさ、耀はもう出場する――――」
今度はアーシャは耀と出場するギフトゲームについて話し始めた。
「ヤホホホ!こんなに早くまたお会い出来るとは、嬉しいですね~。子供たちが貴方が帰ってしまって寂しがってましたよ!」
「····それについては、ノーコメント。仕事の方は完了した」
「人の御姿をしているということは、そのようですね。それにしても“ウィル・オ・ウィスプ”の物品を一式注文をされた時には、本当に感謝感激ですよ!いやはや、カズマさん。前にも言いましたが私たちのコミュニティに来ませんか?」
「それについても、前と同じノーコメント。それよりも、バイト代についてだが·····」
「ああ、それでしたら····」
とゴニョゴニョと話し始める二人。
それを見ていた飛鳥とジンは、
「ジン君、大変よ!ジャックが主力を引き抜こうとしているわ」
「そうですね·····。由々しき事態ですね。流石は“ウィル・オ・ウィスプ”の参謀····油断出来ません」
ちょっと危機感を感じていた。
◇◇◇
“ウィル・オ・ウィスプ”の二人は“主催者”に挨拶に行くと言うので、“ノーネーム”の一行も一緒に行くことにした。
現在位置は、“アンダーウッド”の地下都市、壁際の螺旋階段である。
深さは20mほどだが、壁伝いに上るならかなりの距離だ。
しかし“ノーネーム”のメンバーは億劫そうな顔をせず、初めてきた都市に瞳を輝かせる組と黙々と登る組(約一名)に別れていた。
収穫祭とあって、出店も多くあちらこちらから美味しそうな薫いが漂ってくる。
その内の一つに耀が目を奪われた。
「·········あ、黒ウサギ。あの出店で売っている“白牛の焼きたてチーズ”って」
「駄目ですよ。食べ歩きは“主催者”への挨拶が済んでから、」
「美味しいね」
「いつの間に買ってきたんですか!!?」
「カズマの方がすごいよ」
ばっ、とカズマの方を見ると彼の手には二枚のこんがりと焼かれたパンがあり、その間には焼きたてとろっとろのチーズにこんがりと絶妙な焼き加減のベーコン、そしてブラックペッパーがかかったホットサンド×4があった。
カズマが黒ウサギの視線を意に介さず食べているように、耀もチーズを一口、二口と食べていく。
そこで、耀は物欲しそうに見ている飛鳥とアーシャに気づき、
「―――········匂う?」
「匂う!?」
「匂う!!?匂うって聞かれた!?そこは普通、『食べる?』って聞くはずなのに『匂う?』って聞いたよコイツ!!」
「うん。だって、もう食べちゃったし」
「しかも空っぽ!?」
「残り香かよ!!どんなシュールプレイ望んでるのお前!?」
「こうなったら、仕方ないわ!カズマ君、そのホットサンドを寄越しなさい!!」
「そんなにいっぱい持ってるんだから一つくらいくれてもバチは当たらないぜ!てか、マジでそれ一つくれ!いや、ください!!!」
と耀がダメだと分かると、すぐにカズマの方にターゲットマーカーが動いた。
「·········」
カズマはモグモグとホットサンドを食われたまま逃走。
「待ちなさい!!」
「待ちやがれ!」
その後を追いかけて行く二人。
それを見ながらジャックは頭を抱えて笑った。
「ヤホホホ!いやまったく、春日部嬢もカズマさんも面白いですねぇ。賑やかな同士をお持ちで羨ましい限りですよ、ジン=ラッセル殿」
「······カズマさんは賑やかな人ではないですがね。でも、賑やかさでは“ウィル・オ・ウィスプ”の方が上だと思います」
「ヤホホホ!いやまったく恐れ入ります!」
どの集団よりも賑やかな一同であった。
◇◇◇
“アンダーウッド”収穫祭本陣営。貴賓室
受付を済ませ通された貴賓室は大樹の中心にあり、窓から覗くと網目状の根に覆われた“アンダーウッド”の地下都市が見える。
「では自己紹介をさせてもらおうか。私は“一本角”の頭首を務めるサラ=ドルトレイク。名前から分かるように元“サラマンドラ”の一員でもある」
「じゃあ、地下都市にある水晶の水路は、」
「もちろん私が作った。しかし勘違いしてくれるな。あの水晶や“アンダーウッド”で使われている技術は、私が独自に生み出したもの。盗み出したようなことを言うのは止めてくれ」
ホッと胸を撫で下ろすジン。それが気がかりだったのだろう。
「それでは、両コミュニティの代表者にも自己紹介を求めたいのだが······ジャック。彼女はやはり来てないのか?」
「はい。ウィラは滅多なことでは領地から離れないので。·······まぁ、しかし彼が来ることが分かっていたら別でしたがね」
「彼······?」
ジャックの視線のを辿るとそこには、無表情で無機質な不動のカズマがいた。
他の“ノーネーム”メンバーもカズマを見るが何もわからなかった。なら、初対面のサラは言わずもがな。
「············。そうか、それは残念だな。でも、暁の彼女もいないようだが·····」
「ああ、彼女でしたらご心配なく。少々、寄り道してから来るそうですので後で合流しますよ。しかし、こちらも空振りのようですがね」
「空振り·····?」
「ヤホホホ、こちらの話です」
再びカズマに視線を向けていたジャックはそう笑いはぐらかしたのだった。
◇◇◇
“ノーネーム”農園の小道にある休憩所となる予定の場所
ジンたちが“主催者”と挨拶をしている頃、十六夜の昔話は一段落していた。
「―――と、まぁこんな感じか?それで、話を聞いた感想を聞かせてもらおうか?」
「ん、そうだね~。十六夜君のお義母さんは随分と面白い人だったことが印象に残ったね。正直、ちょっと羨ましいね、色々と。それにしても、ショタの十六夜君か~。きっと今と違って可愛かったんだろうなwwww」
「当然だろ、何て言ったて俺だからな!つーか、お前ショタの範囲広くねえか?」
「そんなこと言ったら十六夜君もでしょ。レティシアちゃんってどう見ても外見12、3歳くらいなのにロリってどうなのよ」
「私はそういうのは、個人によって違うと思うぞ」
このレティシアのこの言葉には二人とも同意見であった。
コーキは、ミルクティーをスプーンでぐるぐるとかき混ぜながらニヤッと笑った。
「でもさ、仮に十六夜君定義でレティシアちゃんとカズマが付き合い始めたらカズマってロリコンだよね?wwwww」
「カズマはロリコン!?」
「真に受けるなレティシア。でも、あの無表情&クールでロリコンってマジおもしれえな。一生そのネタで弄れる自信あるわ、俺wwwww」
「あはっはっは!だよね~。もしもさ、もしもだよ?もしも、カズマが本当にロリコンだったらレティシアちゃんはどう思う?軽蔑する?気持ち悪いって思う?嫌いになったりする?」
「いや······軽蔑とかはしないぞ。そういうのは十人十色という言葉があるからな。でも、カズマが私を好いてくれるなら例えロリコンでも構わない·····かな」
レティシアは少し頬を赤く染めながらそう言った。
この答えにコーキと十六夜は顔を見合わせ、
「ねぇ、十六夜君。僕、何かすごくカズマを殴りたくなったよ」
「奇遇だな。俺もだぜ」
「待て、二人共!何故カズマが殴られなければならないんだ!?」
「「何かムカついたから!」」
「最低だな!!」
「と、まあ冗談として」
「本当か·····?」
とジト目で二人を見るレティシア。
「ホントホント。で、僕思うんだけど次のデートで勝負したら?」
「なっ!しょ、勝負ってつまりお前はこ、告白しろって言っているのかコーキ!!??」
「いや~、だってさ。カズマのこと超×2好きなんでしょ?」
「ま、まぁそれはそうなんだが·····。でも、カズマは私のことどう思っているかわからないし·····恥ずかしいし」
「あ、そこは大丈夫。カズマは、レティシアちゃんのことどうとも思ってないから(笑)」
そう言った瞬間レティシアは膝を抱えてうつむいてブツブツと負の言葉を言い始めた。
「そこで落ち込まないで!!!大丈夫だからどうとも思ってないって言うのは、嫌いではないって言いたかっただけです!」
「まぁ、あれだ。コーキが言いたいのは、嫌いじゃないから告っても断わられる理由がないし、一回そういうのをはっきりさせてモノにしろってことだ。別に両思いじゃないと彼カノ関係になれないわけじゃないしな」
その言葉にコーキは全力で肯定してレティシアを励ましているのを見ていると、こちらに歩いてくる女性が一人。
女性、厳密に言えばまだ少女の部類だろう。だが、しかし少女の雪のように白い肌や整った顔立ちを見ると女性といったの方が似合う。
「おいおい、お前誰だ?何勝手に他所のコミュニティの敷地に入っているんだ?」
「ん。ああ、すまない。本拠の館に言ったら君たちが農園の方にいると狐の子が言っていたので入らせてもらった」
どうやら不法侵入というわけではないく、十六夜たちに会いに来た客だったみたいだ。
「これは失礼した。丁度、紅茶とかもあるし立ち話もなんだ座ってはな―――」
そうぜ、と続けようとした時、ガタッと大きな音がした。
見ると来客に今気づいたんだろうコーキが、まるで幽霊でも見たような顔をして少女を見ていた。
隣のレティシアも初めてみるコーキの表情に何事かと少女とコーキの間を視線が行ったり来たりする。
先に言葉を発したのは少女の方だった。
「久しぶりだな、コーキ。お前の活躍は、私の耳にも届いているぞ」
と微笑みながら言う。
それに対しコーキは、『ありえない』や『そんなことは絶対に····』『でも、間違いない』といったことをブツブツと呟くと、
「何で·····?何で····ここにいるの!?お姉·······ちゃん」
信じられないと言った口調でそう言ったのだった。
いや~、ついに新オリキャラの登場です!
十六夜:でも、名前とかも言ってねぇし、詳しい紹介とか出来ねぇだろう?
ええ、出来ません。ただ、コーキさんやカズマさんや少佐と同じ世界から来た方としか言えませんね
十六夜:あと、錬丹術だろ
あら、覚えていましたか?確かにフラグと立てる際にジャックさんが言ってましたもんね
ところで、十六夜さんは錬丹術って何だか知ってます?
十六夜:ああ、一応な。錬丹術は錬金術と似ているが、目的が違って不老不死になることなんだよな
ええ、そうです。錬金術が金を作ることから錬丹術は不老不死になること。カズマさんの世界では、医療に特化した錬金術だと思っていただければ良いです
十六夜:当たらずも遠からずだな
まぁ、そうですね。今回の話はわりとのんびりしてましたが次話からバトルが始まります!
十六夜:俺の出番はほぼないけどな
今後あんまり無かった気がします···
十六夜:マジか
ええ、では終わりましょう
「「次回も見てください!」」