問題児達と錬金術師×2が来るそうですよ?   作:射水 終夜

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読み返して思うんですがかなり歪ですね

「でも、そうしないといけなかったんでしょ?」

はい、そうしないといけなかったんです

「なら、受け入れろ」

そう·····ですね。ええ、今回後書きでちょっと発表がありますので見てください!
それでは、歪んだ本編をどうぞ····



第6話 ゲームの謎解き

『ギフトゲーム名 “The PIED PIPER of HAMELIN”

 

・プレイヤー一覧

・現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁の舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ。

 

・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター

       ・太陽の運行者・星霊 白夜叉。

 

・ホストマスター側 勝利条件

       ・全プレイヤーの屈服・及び殺害。

 

・プレイヤー側 勝利条件

       一、ゲームマスターを打倒。

       二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                       “グリムグリモワール・ハーメルン”印』

 

時系列は前回の話から少し飛び、黒ウサギの審判権限(ジャッジマスター)による審議決議終了後である。

前回からここまでの出来事をまとめると、

一、魔王が襲来した

二、十六夜は軍服を着たヴェーザーと言う魔王の仲間と交戦

三、カズマとレティシアは陶器で出来た化け物シュトロムと斑模様の少女の魔王ペストと交戦。後に

サンドラも参戦

四、飛鳥、耀、コーキなどは魔笛を操るラッテンと交戦。その際飛鳥が行方不明になる

五、白夜叉は参加条件がクリアされて無いため参戦不可

六、一から四項目の戦闘中、黒ウサギの“審判権限”によりゲームが一時中断。審議決議が行われた

そして、その結果ルールが一部変更された。

『ギフトゲーム名 “The PIED PIPER of HAMELIN”

 

・プレイヤー一覧

・現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁の舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ(“箱庭の貴族”を含む)。

 

・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター

       ・太陽の運行者・星霊 白夜叉(現在非参戦の為、中断の接触禁止)。

 

プレイヤー側・禁止事項

      ・自決及び同士討ちによる討ち死に。

      ・休止期間中にゲームテリトリー(舞台区画)からの脱出を禁ず。

      ・休止期間の自由行動範囲は、大祭本陣営より500m四方に限る。

 

・ホストマスター側 勝利条件

      ・全プレイヤーの屈服・及び殺害。

      ・八日後の時間制限を迎えると無条件勝利。

 

・プレイヤー側 勝利条件

      一、ゲームマスターを打倒。

      二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

・休止期間

      ・一週間を、相互不可侵の時間として設ける。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                       “グリムグリモワール・ハーメルン”印』

 

◇◇◇

 

境界壁・舞台区画

 

カズマは大祭本陣営、隔離部屋個室のドアの前に立っていた。

「······はぁ」

とため息を一つ。

(·····面倒だ)

ここでじっとしているわけにもいかず、とりあえずドアをノックする。

コンコン。

「誰?」

と中から怠そうな声が返ってくる。

「カズマ。昼飯持って来た」

「どうぞ」

とすぐに返事が返って来た。

現金な奴と思いながらドアを開け、部屋に入る。

「今日の昼ごはんは何?」

「それが病人の言葉かよ」

「だって、6日も隔離されたら楽しみがご飯くらいしかなくなるから」

「お前は隔離とか関係なくても、飯が楽しみだろ」

「ご飯『が』じゃなく、ご飯『も』だよ」

「ああ、そう」

カズマは適当に答えながらベットの脇に置いてある椅子に座る。

この会話からわかる通り、隔離されているのは春日部耀だ。

“ノーネーム”の中で彼女だけが黒死病を発症して今もベットで横になっている。

他のコミュニティでも、かなりの数の人達が発症していて雑魚寝状態らしい。

それでも、個室を使用出来ているのはサンドラのお陰だ。

「それにしても、魔王ってどうやって感染させたのかな?」

「さあ?コーキの奴は知ってるっぽいが俺はさっぱり。起きれる?」

「うん」

耀はケホッと咳き込みながら起き上がる。

カズマは手に持っていたお盆ごと一人用土鍋と水が入ったコップ、あとれんげを渡す。

「ありがと」

受けとると、パカッと蓋を開けた。

「······雑炊か」

「そう今日は雑炊だ」

「カズマ、私は病人なんだよ。もっと栄養があるのが食べたい!」

「これは日本での病人食の一つでもあって、食べやすいし栄養も取れるし体を暖まる。そして、何より美味しい万能食ってレティシアが言っていたぞ」

「栄養があるもの。つまり、元気が出るもの。それはお肉なんだよ!お肉食べたい!!具体的に言うと、挽き肉をパイ生地で包んで焼いたのが食べたい!」

「素直にミートパイ食べたいって言えよ」

「素直に言ったら作ってくれる?」

「断る」

「ケチ」

「ケチで結構」

「ぶー」

と拗ねる耀。

それを見て、カズマはため息を吐く。

「········。はぁ、面倒な奴。···わかった、治ったら作ってやる」

「前半ものすごく酷いこと言ってるけど、治ったら本当に作ってくれるの?」

と目を超キラキラさせる。

「ホントだ」

「絶対にだよ。絶対に」

「わかったからさっさと食え」

「うん」

そう言うと耀は雑炊を食べ始めた。

そこでやっぱりカズマは、コイツ本当に病人なのかと疑う。

「ははふはふはふ、ははふははふは?(前座が終わったから聞くけど、ゲームはどんな感じ?)」

「食ってから言え。というかさっきの会話は前座だったのかよ」

「ゴクン。で、どんな感じ?」

「方針も決まって準備完了」

「えっ?クリア方法分かったの?」

「····聞いてないのか?それなら6日前に結論が出ていたぞ」

「·····。知らなかった」

カズマはそれを聞くと呆れたようにため息を吐き、一枚の紙を取りだしペンで何かを書き始めた。

 

そして、一分後

 

ぺらっと紙を耀に渡した。

そこには

『口で説明するの面倒から読んで。

まず、偽りの伝承反対である真実の伝承とは1248年8月26日に起きたことだと推測される。

次に選択肢=魔王側のメンバーはラッテン・ヴェーザー・シュトロム・ペストの三人と一体である。

ラッテンについて

ラッテン=ネズミは1559年頃に付け加えられたものなので偽物と断定

ヴェーザーについて

ヴェーザー=ヴェーザー川。実際にある川であり、子供たちは溺死したという説もあり本物である可能性が高い

シュトロムについて

十六夜曰く、ヴェーザー川のことを指してるらしい。

ペストについて

彼女は確実に偽物であると考えている。なぜなら黒死病は発症等に個人差があり、130人もの子供が同時に死ぬことはありえないのである。そもそも、黒死病をイメージさせたのは道化師の斑模様の服と操ったネズミなので1559年に付け加えられたことを考えると、偽物である可能性が更に上がる。極めつけに、コーキ曰く黒死病がヨーロッパで流行したのは14世紀頃らしい。

 

以上のことから、俺たちはヴェーザーが本物のハーメルンの笛吹だと推測した。』

 

「·····。なるほど。じゃあ、『偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ』の一文のクリア方法って何?」

「全部コーキと十六夜の受け売りだが、“砕き”と“掲げよ”は一対の同形状で、そこ二つの動作が出来るものだと推測される。なら、考えられるのは碑石共に飾られたステンドグラスらしい。で、これはイコールで彼女らの侵入方法でもある」

「侵入方法?」

「ああ、アイツらは美術工芸の出展物として侵入していたんだ」

「えっ、でもそれって·····。あぁ、でもジャックと同じ扱いってことか」

「で、少佐に頼んで調べてもらったところ、“ノーネーム”名義で100以上のステンドグラスが確認された」

「じゃあその偽物のステンドグラスを砕いて、本物のステンドグラスを掲げればいいんだね?」

「そういうことだ」

「でも、偽物と本物については他のコミュニティから意見が出なかったの?」

「出た」

「なら、どうやってまとめたの?」

耀にだって“ノーネーム”だという自覚がある。命が掛かっているゲームで名前の無い自分達が意見を言ってもすぐに納得してくれないことぐらい予想出来る。なら、どうやって短期間でまとることが出来たかは当然の疑問である。

その答えは単純だった。

「コーキが片っ端から論破した」

「ああ······」

ちょっと、論破されたコミュニティに同情した。彼らだって必死に考えたはずだ。

でも、それを名無しのチビに論破されたのだ。プライドとか色々傷つけられてそうな気がした。

耀もあの何時もニコニコ、ヘラヘラしている彼が口が上手いことぐらい知っているのでそれはそれで納得した。

「話も終わったし、食べ終わってるからもう帰る」

カズマにそう言われて、土鍋の中を見るといつの間にか雑炊は無くなっていた。

「私の楽しみが······(涙)」

と落ち込んでる間にさっさとカズマは、お盆ごと食器を回収し部屋を出ていく。

その寸前に、

「ミートパイ忘れないでね」

と言うとカズマは一瞬だけ止まると、

「はぁ」

とため息を吐いて出ていった。

 

◇◇◇

 

大祭運営本陣営・廊下

(面倒だった······)

カズマは何度目になるか分からないため息と共にそう思った。

現在カズマは耀が食した食器を片手に厨房に向かっているところだ。

そこにコーキが右の通路から現れた。

「よっ、カズマ。耀ちゃんとこの帰り?」

「ああ、コーキか。うん」

「ふむふむ。なるほど」

「ところでお前は何してんだ?」

「流石にヒマすぎて持ってきたラノベも読み終わったから暇人中~♪」

「なら、久しぶりに少佐と筋トレでもしてきたらどうだ?少佐喜ぶぞ」

「カズマは僕にあの筋肉ムキムキの暑苦しい人と密室で二人きりで筋トレしろと言うの?」

「お前、たまに少佐のこと本当に慕ってんのかわかんなくなるわ」

「だって考えてみてよ!筋肉肉ムキムキのヒゲダルマと一緒に汗を流すのと、美少女とR-18な意味で一緒に汗を流すのどっちがいい?断然後者でしょ!!!」

「まず比較するものがおかしい。ていうか、R-18って何だよ。R-18って」

「おやおや~、やはり気になりますか?やっぱり、カズマも男の子ってことですな~。レティシアちゃんが喜ぶぞ」

「意味がわからん。なら、お前医者だろ。看病したり治療したりしたらどうだ?」

「チッチッチッ。それが、そううまく医療系錬金術ってのは出来てないんだよ」

「そうなのか?」

「うん。医療系だろうがなんだろうが錬金術である以上、等価交換。つまり、無から有は生み出せない。それはカズマも知ってるでしょ」

「ああ」

「で、外傷とかなら無事な組織を繋げて傷を塞いだり出来るけど、ペストみたいな菌が原因の場合は抗生物質とかの薬と一緒に使うんだよ。だけど、その肝心な薬が全然ないの!だからどうすることも出来ないの!」

「なるほど」

「まぁ、僕はそんなことより気になることがあるんだよね~」

「?」

「ほらっ、僕たちが相手することになっている魔王側が雇った傭兵のことだよ」

「それが?」

「それが、じゃないでしょ!魔王は普通傭兵なんか雇わないんだよ!それが今回の魔王は雇っている。何か裏がありそうな気がするんだ」

「裏って?」

「さぁ?僕もそこまでは分かんない。でも気を付けた方がいいよ、カズマ」

「お前こそ」

「そだね。んじゃ、僕はそろそろ行くよ」

「おう」

そう言うとカズマは厨房の方に消えていった。

 

 

 

「さてと」

コーキはカズマが歩いて来た方向、隔離部屋の方に進む。

そして、すぐにある右の通路に顔を出し、

「な~にしてるの、レティシアちゃーん!」

「やはり、気付いていたのかコーキ」

レティシアはため息と共に言う。

「そりゃ、まあ。カズマからは見えなくても僕からは丸見えだからね~」

「私もそこそこ尾行術に自信があったんだがな····」

「まあまあ、そう落ち込まずに。でも、わざわざストーカーするくらいからついて行けば良かったんじゃない?」

「いやいやいや、分かっていないなコーキ。――そう、カズマを尾行する。それが良いのだよ!」

「あくまで、ストーカーとは言わないんだね!ちなみに何時から尾行しているの?」

「96時間前からだが?」

「4日前からっ!?えっ、じゃあ4日前からずっとストーキングしてるの!?不眠不休で」

「いや、流石に不眠不休ではないぞ。ちゃんとカズマが寝たのを確認した後に寝てるし、カズマが起きる前に私は起きている。何だったら、カズマの今日までどのように過ごしたかを紙に書いてもいいぞ」

「いや、遠慮しとくよ」

「残念だ。それでは、私はそろそろ行くとするよ。またな、コーキ」

「うん、じゃあまたねー!」

そう言いレティシアはカズマと同じ、厨房の方に消えていった。

廊下に一人立たずみながらコーキは、

「カズマって愛されているね·····(意味深)」

と呟いた···。

 

 

 

 

 




さてさて、前書き暗ーい雰囲気は本編終わったので持ち込みません!

耀:ねぇ、作者

はいはい、なんですか?本編でペストを発祥した耀さん

耀:······。第二章の私の出番ってこれで終わり?

ええ、まぁ 一応本編では登場することはありませんね。実際、原作もそうですし

耀:·····出番が欲しい

病人なんですからダメです!大人しく、休養していてください

耀:でも、欲しい  (ゴホッゴホッ

ほらほら、咳しているじゃないですか····。しょうがありませんね。では、耀さんアンケート取ってきてください

耀:·······アンケート?

はい、詳しい内容は後で。
では、読者の皆さん。アンケートを活動報告で行うので回答をよろしくお願いします!

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