問題児達と錬金術師×2が来るそうですよ?   作:射水 終夜

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どうも!前回は少し真面目なお話でしたが、今回は“サウザンドアイズ”の温泉のお話でございます!
楽しみにしている方も多くいると思いますが、うまく書けたか自信がありません
ですので、多少変なところがあってもご愛敬ください
それでは、本編をどうぞ!



第4話 シャンバラ

サウザンドアイズ旧支店・露天風呂

 

「ハハハ!今、露天風呂って聞いて女湯を想像しましたか?残念、ここは男湯でございますよー」

「誰に説明してんだ、コーキ?」

「ん?この世界を神の視点から見てる方々ですかね?wwwww」

コーキはケラケラ笑いながら答えた。

「んで、何でお前は黒ウサギの姿で温泉入ってんだよ?」

十六夜の質問に待ってましたと言わんばかりにコーキが答えた。

「それは、男湯なんてむさ苦しシーンですからせめてものサービスです♪」

「そんなにむさ苦しんですかね?」

とジン。

「そりゃそうだろ。御チビだって見るなら男湯より女湯の方がいいだろ?」

「確かに見るなら男湯より女湯がって何を言わすんですか、十六夜さん!?」

顔を真っ赤にして怒鳴るジンを見て、十六夜はヤハハと笑う。

「やっぱり御チビも男だな」

「そうですねー。健全な男の子ですもんね、ジン坊っちゃーん!!」

コーキの呼び方に身の危険を感じたジンはカズマの後ろにさっと隠れる。

それを見て、コーキは悪戯を思い付いた子供のような笑みを浮かべると、

「恥ずかしがるなよーん!」

カズマの後ろにいるジンに飛びかかった。

盾になっているカズマは、すっと十六夜の横に移動しこれを回避。

残った無防備なジンはそのまま黒ウサギ(コーキ)に抱き付かれた。

「ほーら、どうですジン坊っちゃん?この黒ウサギのカ・ラ・ダは?」

「ぎゃあああああ!ちゃ、コーキさん、やめ······助け·····僕の精神が·······理性が····あ··あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ジンはバシャバシャと手足をバタつかせて抵抗するが効果はない。

「あはは、可愛い反応。そんなジン坊っちゃんにはサービスぅ!」

黒ウサギはジンを抱き締める力を更に強くする。

それによりジンの顔により強く黒ウサギの大きくて、柔らかく、しかし程良い弾力を持つ双乳が押し付けられ、彼の理性はガリガリ削られていく。

「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ジンは顔どころか身体中真っ赤にして絶叫しながら更に激しく抵抗する。

一応書いておくが黒ウサギはバスタオルは巻いている。ジンにとってはほぼ意味ないが。

そんな見ていた十六夜は悔しそうに呟いた。

「御チビのくせに羨まし過ぎるぜ·····」

「·····騒がしい」

隣でカズマは少し迷惑そうにしている。

「あ、そうだ!お前にまだ礼言ってなかったな、ありがとな」

「いきなり何?全然意味わからない」

「俺と黒ウサギがぶっ壊した時計塔だよ。おかげで助かったぜ!」

「ああ、あれ。あれもお前達の仕業だったのか。······今日は厄日だ」

「否定は出来ないな。事の始まりは寝ている所を拉致られたところからだな」

「うん」

「次に起きたら、すぐに俺に殴られ」

「時計塔直さなければよかった」

「更に次に起きて、外に出たら吸血され」

「頭痛かった」

「でも、吸血ロリに膝枕され」

「·······」

「感想は?」

「気持ちよかった」

「うぜぇ、死ね!」

「断る」

「で、崩壊した時計塔を直した·····と。確かに厄日と表しても仕方ないな」

そう言いながら、十六夜はカズマの手首を掴む。

「同情するぜ。本当にすごーく同情するぜ」

「わざとらしい。あと、手掴むな」

「そんな今日不幸だったお前にこの十六夜様からのプレゼントだ。受け取れやゴラァ!」

と言うと十六夜は同時に立ち上がり、カズマを()()()()()

カズマは特に叫び声も出さず、竹垣を越え、向こう側の温泉にどっぼーん!と投げ込まれた。

「よし!ホールインワン!」

「あれ~。十六夜君何女湯に投げたの?」

そう言いながら隣にやって来るコーキ(通常)の後ろにはジンが茹でダコのように浮いているが気にしない☆

「カズマ!」

「はっ!?」

カズマの怒鳴り声がしてきたのはすぐ後だった。

 

◇◇◇

 

露天風呂・女湯

 

飛鳥、黒ウサギに対する白夜叉の変態発言により桶が投げられた直後だった。

白夜叉が沈んだ辺りにいきなり肌色の何かが落ちてきた。

「く、黒ウサギ!今何か飛んで来たわよ!?」

「そ、そうですね!でも、一体何が·····?」

その時ざばっ、と落ちてきた本人が起き上がった。

「クソが!十六夜の野郎ブン投げやがって!もし石畳に落ちてたらどぉする気だ、ああ゛!?」

落ちてたら本人=カズマは男湯の方を見ながら殺気立っていた。

「「「「··········」」」」

ここでこの温泉に他に誰かがいることに気づいたカズマは黒ウサギ達の方を振り返った。

「・・・」

カズマは何時もの無表情のまま一時停止したあとすぐに元の男湯の方を向いた。

そして、

「テメェ、十六夜ふざけんな!!!無駄に処理しねぇといけないことが増えただけじゃねぇか!!!俺を過労死させる気か!!??」

近くに沈んでいた白夜叉を掴むと、男湯にブン投げながら怒鳴った。

「ハッ、テメェこそ何を言ってんだ?俺は疲れてるお前に男のロマンである“女湯(シャンバラ)”に送ってやったんだぜ?むしろ感謝してほしいくらいだね」

ゴスッ!と鈍い打撃音と、白夜叉の「おんし·····これ、二度目じゃ····ぞ」という声も聞こえた。

「そーだよ、カズマ!普通入りたくても入れないんだぞ!羨ましいなぁwwwww」

「テメェらが死にたいことよぉく分かった!そこ動くなゴラァ!!!」

と言いカズマが湯船から立ち上がろうとした時だった。

「オイオイ。お前今何も着けてないだろ?そのまま立ってこっち来たら不味いんじゃねえのか?」

腰を浮かしていたカズマは、はっ!と気付きしぶしぶ座り直した。

「ヤハハハ!やっぱお前でもそれは無理か。それじゃ、Good luck kazuma!」

「Good luck~」

こうしてカズマと十六夜達の口喧嘩は終了した。

が。

もちろん、ここまで保留にしていた女性陣の対応をしないといけないのだった。

 

 

「大丈夫よ、カズマ君。さっきの言い合いでカズマ君が悪くないってことわかったんだし」

「YES、それにカズマさんのことを男性だと思わなければ問題無しです!」

「いや、それは問題大ありだ」

「え?いいんじゃない。カズマはそういう生き方も出来ると思うよ」

「どういう生き方だよ!それと、どうでもいいが、向こう向いてるからせめてタオル位巻いてくれ」

女性陣は下を向いて自分の状態を見ると、少し顔を赤くした。

「そ、そうだな!ついでにカズマの分も私が取ってこよう!」

レティシアの言葉に「そうだな」と相槌を打ちながらカズマは後ろ向いた。

 

1分後

 

「それにしてもカズマ君のお肌って白くて綺麗ね」

飛鳥の言葉につられ黒ウサギや耀、レティシアもカズマをまじまじと見る。

「·····飛鳥さんの言う通りお肌綺麗ですね。何か特別なことをなされてるんですか?」

「いや、別に」

「ねえ、レティシア。世の中って残酷だよね。私達は色々頑張っているのにカズマは何もしなくても綺麗な肌なんて···」

耀はどこか遠い目をしながら隣のレティシアに言う。

「·······」

「レティシア?聞いてる?」

「――たい」

「へ?」

「触りたい!」

「「「「はっ?」」」」

これにはレティシア以外、珍しくカズマも驚いた。

そこでレティシアは今のが声に出ていたことに気付き、思わず自分の口を塞ぐ。

「レティシア様いきなりどうしたのですか!?」

「触りたいってカズマ君をっ!?カズマ君を触りたいって言ったのレティシア!?」

「······」

黒ウサギはいきなりことに驚き、飛鳥は鼻息を荒げ、耀は「そうなの?」とレティシアに無言の問いをする。

レティシアはあまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら自分を罵った。

(バカバカバカバカ!私の馬鹿者!いくらなんでも今のはないだろ!!ああ···、絶対カズマに変な奴だと思われた······)

レティシアは恐る恐るその本人、カズマを見る。

そしてカズマは――

 

 

 

「いいんじゃない。別に」と言った

 

「へ?」

いきなりの言葉に驚く一同。

「だからいいんじゃないって。別に触ったって減るもんじゃないし」

「そ、そういう問題でございますか····?」

「カズマ君て異性に触られることに抵抗ないの?」

「別に。触られたからって何って話」

と言い、じゃばっと右腕を皆の前に出す。

「カズマって大胆と言うか、豪快?違う、無自覚····?何か違うな」

耀はブツブツ呟きながら、ツンツンとカズマ腕をつつく。

飛鳥も黒ウサギもつられて、つついたり指でなぞったりしてみる。

「カズマ君ってやっぱり男の子なのね」

「うん」

「そうですねー」

三人は一通り触ると、まだ触ってないレティシアを見る。

「·····」

レティシアは頬を赤らめままじっとカズマの腕を見つめている。

さながら、猫じゃらしを前にしたネコのように。

早くしてほしいのかカズマが腕を揺らす。

ゴクリと生唾をレティシアは呑むと、恐る恐るカズマの腕に手を延ばす。

(·····うわぁ、柔らかい···しかもスベスベだ。でも、女と比べると少し固いな···やっぱり男の子と言うことだな。ああ、触っていて気持ちぃ····!!!)

初め遠慮がちに触っていたレティシアだったが、あまりのその気持ち良さにすぐに両手でカズマの腕を堪能し初める。

指先で肌をなぞったり、手の平で撫でたりと様々な方法でカズマの腕を味わう。

そこで不意にされるがままだったカズマが腕を湯船に沈めた。

「あ····」

とレティシアが寂しげな声を上げた。

カズマは再び右手を出すと水面と平行に円を書き、レティシアに周りを見るよう促す。

そこには頬を赤く染め(温泉と関係なく)、少し羨ましそうにレティシアを見ている黒ウサギ、飛鳥そして耀がいた。

そして、このあとのレティシアのフォローや興奮している三人を宥めるなど、結局カズマは安らぐことは出来なかった。

後にこの時の事を飛鳥は、

「正直言ってものすご~くエロかったわ!ここままR-18な展開にいけそうなぐらい!」ハァハァ

と興奮気味に語っていた。

 

 

◇◇◇

 

 

「·····疲れた」

カズマはポツリと呟いた。

あのあと事態をどうにか収集させ、女性陣全員が上がったのを確認したのち竹垣を越え、男湯に戻ると予想通り十六夜達は先に上がっていた。

そして、現在脱衣場にて着替えている途中である。

「····はぁ」

とカズマは浴衣に腕を通しながら疲れたようにため息をついた。

ふと、さっきまでレティシアに触りまくられていた右腕が目にはいった。

(·······。案外悪くもなかったな····今日一日)

不幸なことや面倒なこと、色々あったがそれなりに楽しいこともあった。

例えばアームストロング少佐に会えたこととか、歩くランタンとかが見れたこととかだ。

その中でも一番楽しかったのは、少しだけだがレティシアと街を回ったことだ。

単純にカズマが黄昏時が大好きだという理由もある。でも、一番の理由としては何時もと違うからだ。

何時もなら隣に居るのはニコニコ、ヘラヘラしている幼なじみ。それはそれなりに楽しい。

が、流石に飽きというか···なんというか。物足りないものだ。

でも、その時隣に居たのは金髪美少女。ああ、別にコーキとかみたいにテンションが上がるってわけじゃない。

単純に、普通に楽しかったのだ。新鮮だったとも言える。

あっ、別に友達がいなかったわけではない。

ただ、カズマはそういうのの相手は幼なじみに全て任せ、ただそこにいただけだった。

だから、ある意味コーキ以外と街を回ったのは初めてだった。

さらに言えば異性と二人なら本当に初めてだ。

前の世界では、何度か(デートに)誘われたことがあったが(本人自覚なし)全て断った。

理由は簡単ただ興味がない、それだけだ。

(また···あんな風に出かけることが出来たらいいな)

そう心で呟きながら帯を締めた。

「浴衣···というものは初めて着たが····」

カズマはぴょんぴょんと跳んでみる。

「軽いな」

そう呟くと脱衣場を出た。

 

このあと、十六夜と白夜叉とコーキのトリオに水をぶっかけられて濡れ濡れになったのは蒼鋼という読者の要望だということをカズマはまだ知らなかった。

 

 

 

 

 




皆さん、いかがでしたか?楽しんでいただけましたか?

コーキ:今回は初めてのカズマの感想的なのがあったね

カズマ:そうだな

それにしても、カズマさん。今日はお疲れ様でした!
本当に苦労の多い日でしたね

カズマ:本当に誰のせいだろうな。誰の

コーキ:······多分、十六夜君のせいだよ。うん、きっとそうだ。少なくとも僕は悪くない

うわー、人に責任押し付けたー!

カズマ:まず、死ね(バットウ

コーキ:えっ、ちょ、ま。ギャアアアアアアア!!!!!!!(ブシュッ グチャ ザクザクザク ネチャネチャ

「~しばらく、お待ちください~」

コーキだった何か:········

自業自得ですね

カズマ:うわ、汚

それは流石にヒドイッ!

カズマ:気にせず、続けろ(殺意)

は、はい!えっと、えっと、えっと、次回は“造物主達の決闘”をやりますのでお楽しみに!

カズマ:あ、腕取れた

取れた!?何やってんですか、カズマさん!終わりますよ!

カズマ:了解

それでは、
「「次回も見てください!」」コーキノウデデバイバイ

コーキらしきもの:僕の·····僕の腕が一本足りない·····






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