問題児達と錬金術師×2が来るそうですよ?   作:射水 終夜

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今回のテーマは、写真!
知っている人は知っている、あの設定を使いました!
それでは、番外編スタートです!!


番外編 Re:picture

「何を見てるんだ?」

十六夜は畳に寝っ転がっているコーキに聞いた。

「ん?ああ、写真だよ写真~」

「ということは、お前こっちに呼ばれる時写真持ってたってことか?」

「いやいや~、仮に持ち込んでても湖へのダイブの時に終わるし」

「なら、箱庭に来てからの写真か?」

「ブッブー、残念。答えは、白夜叉ちゃんがちょっと変わったプリンターって写真を現像する機械を貸してくれたんだ」

「そういえば、お前らの世界にプリンターなんてないよな。写真見せてくれよ」

いいよ!とコーキは十六夜に写真の束を渡した。

1枚目、モップで床を掃除しているカズマ。

2枚目、洗濯物を干してるカズマ。

3枚目、料理しているカズマの後ろ姿。

4枚目、ご飯を無表情で食べているカズマ

5枚目、男子に告白されているカズマ  などなどカズマの写真しかなかった·····。

「コーキ、俺はお前をノーマルだと持ってたんだがどうやら俺の勘違いだったみたいだな」

「違うっ!!!僕はそっち系じゃない!!!僕はノーマルに女の子が好きな健全男子だ!!!!」

「別に隠さなくていいぞ。世の中には色んな奴がいるからな」

「本当に違うんだ!!!!!!」

「落ち着け。冗談だ、お前は俺の同士だと思っている」

「ならいいけど」

不満そうにコーキは言った。

「ところで、これ何でカズマの写真ばっかなんだ?」

「それはプリンターのギフトが脳とリンクして写真を現像するからだよ」

「脳とリンク?」

「うん。ほら、僕達って目で見たものを電気信号とかにして脳に保存したりしてるじゃない。それを利用して、プリンターを脳とリンクさせて電気信号を読み取って現像してるらしい」

「なんか俺の時代にもそんな技術あったな。それで、お前目線の写真だからカズマがいっぱい写っているんだな?」

「そういうこと」

「にしても、あいつが家事しているとこあんま見たことねえぞ。いつも寝てるからな」

「そうだね。基本起きてる時は家事してるけど、大半は寝てるもんね」

「でも、この部屋作るぐらいの金はかせいでるんだよな。いつゲームに参加してるんだ?」

そう、この部屋(和室)はカズマの部屋なのである。

元々は他の部屋と同じ洋室で生活していたカズマが飛鳥の話や本を読んで和室を空いていた隣の部屋に作ったのだ。

材料は“サウザンド・アイズ”から買い、錬金術などを使って一人で作ったらしい。

戸棚にはお茶っぱに急須、和菓子など和のお茶が出来るようになっている。

もちろん、簡単なキッチンもある。

他にも押し入れの中には敷き布団などもあって和の文化に浸れる一室となっていた。

ちなみにコーキは長机の近くに座布団を4枚ほど敷いて寝っ転がっている。

その向かいでは飛鳥、耀そしてメイドであるレティシアが和菓子やお茶を飲みながら雑談をしていた。

この前からメイドになったレティシアはカズマの指導のもと日々家事に励んでいる。

カズマの指導と言ってもカズマはいつも何処かで寝てるのでそれを起こして無理矢理教えてもらっている。

一日に一回ぐらいはカズマから何か教えているが、一回では足りないらしい。

そしてこの部屋の主である彼は現在白夜叉に仕事を頼まれ、不在である。2~3日は戻らないそうだ。

「さあ?僕もカズマと24時間いるわけじゃないから」

「だよな。おっ、こっちにも写真あるじゃん!」

十六夜は長机の上に置いてあった写真の束を一つ取った。

1枚目のは········上半身裸の筋肉ヒゲダルマがカズマを投げ飛ばしているところだった。

「なんだ····これ····?」

「何を見ているのかしら?」

そこで飛鳥、耀、レティシアの女性陣が十六夜が持っている写真を覗き込んだ。

「カズマ君と····」

「マッチョ······?」

「······なんだこれは?」

十六夜と同じような反応をする女性陣。

「ははは、そこだけ見たらわけわかんないよね~。よし、こんなこともあろうかとプロジェクターって機械もあるんだよ!」

コーキは待っててね!と言うとせっせと障子を閉めたりプロジェクターの準備をした。

 

~数分後~

 

ポチっとスイッチを入れるとさっきの写真が壁に写し出された。

「さて、皆はこの筋肉ヒゲダルマが誰なのか?そして何故カズマは投げ飛ばされているか知りたいんだよね?」

「ああ、そうだ。何故カズマがこんなことになっているかが知りたい」

レティシアが他の三人を代表して答える。

「まず、僕達が国家錬金術師は知っているよね?あの写真は箱庭に呼びされる半年ほど前にあった“国家錬金術師見習い”って言う、国家資格を取れそうな人が国家錬金術師と1ヶ月生活してみるって企画の時の写真なんだ~」

「じゃあ、あのマッチョは国家錬金術師なのか?」

「YES!彼の名前はアレックス・ルイ・アームストロング。二つ名は“豪腕”」

「なんと言うか、二つ名も名前も彼を表してるわね」

「うん、アームストロングと豪腕。見ためも名前も力持ちだね」

「そして、彼は軍人でも有り地位は“少佐”。まあ、アームストロング家自体が代々高官を輩出している名門中の名門なんだけどね~」

忘れるところだったけど、と付け加えると

「これは初日に互いの時期紹介も終わって錬金術について話して貰ってたら『健全な精神は鍛えぬかれた美しき肉体に宿るもの』って言い出して『見よ!我輩の美しき筋肉を!!!』って言って上半身裸になってはち切れんばかりの筋肉をを見せられたよ。あれはマジ凄かった!それで『では、体を鍛えるため組手をするのである。二人で来い、遠慮無用!!!』そして初めにカズマが投げ飛ばされたわけ」

「少佐って暑苦しそうだが漢だな。あの筋肉には少し憧れるぜ」

と十六夜。

「あんな筋肉どうやったらつくのかしら?不思議だわ」

「多分筋肉が発達しやすい体質なんだよ」

と飛鳥と耀。

コーキはリモコンで写真を次のにした。

それには、大きなお屋敷が写っていた。

「これは····アームストロング少佐の豪邸か?」

「おっ、正解!よくわかったね、レティシアちゃん」

パチパチパチと手を叩くコーキ。

「西洋の豪邸っていうのも日本ののと違った良さがわね」

「お嬢様の言う通りだな。にしてもこの豪邸デカいな、この館ぐらいあんじゃねえか?」

飛鳥と十六夜の感想が終わると次の写真に変えた。

「む?これはカズマっと誰だこの女は?」

「金髪だし、少佐の家族じゃないの?」

「でも、似てないよな」

「ええ、金髪以外似てないわね」

「それがなんと!少佐の妹である、キャスリン・エル・アームストロングなのだ!!」

どどーんという効果音が付き添うな勢いでコーキはいった。

「全然似てないな」

「突然変異か?」

「あっ、ちなみにお父さんとお母さんはこんな感じ」

写真を二枚追加で表示した。

「なおさら、突然変異じゃねえか」

「本当に少佐の妹?」

「ほんとーだよ!」

またコーキがリモコンを操作すると、今度は片手でピアノを持ち上げてるキャスリンの写真が表示された。

「前言撤回。少佐の妹だね(確信)」

「あの細い体の何処にあの腕力が····」

「あら、十六夜君もそれくらい出来るわよね?」

「あれと俺を一緒にするな、お嬢様」

彼女が少佐の妹だと納得してくれたようだ。

「他には面白いのないのか?」

「私ももっと見たいわ」

「う~ん、他にはカズマの告白現場の写真ぐらいしかないなー」

「カズマって元の世界で彼女いたの?」

「いや~、いなかったよ。まず告白してきた男女比が4:1だったしね」

「あいつらしいな、うん」

「それに、カズマ恋愛どころか他人に興味がなかったからね~。ああ、でも十六夜君たちのことは気に入ってるみたいだよ」

「それは、嬉しいわね」

「うん」

「特にレティシアちゃんはカズマのお気に入りランキングで1位か2位を争うぐらいにね」

「私にはそう見えないんだが····」

「幼なじみの僕が言うんだから間違いない!自信持っていいよ」

「要するにアイツは吸血ロリのことが好きなのか?」

「そこまではわかんない。僕にわかるのはカズマはすごくレティシアちゃんを気に入っているってことまで。それがどういう意味なのかまではわかんないよ」

「レティシアはどうなの!?レティシアはカズマ君のことをどう思ってるの!?」

飛鳥は興奮気味にレティシアに問いかける。

「お、おい飛鳥?いきなりどうした?近い、近すぎるぞ!落ち着け!」

「そうだよ。、少し落ち着いて。いきなりどうしたの?」

「これが落ち着いていられるわけないわ。もしかしたら、恋愛が見れるかもしれないのよ!!!私、一回生の恋愛を見てみたかったの!」

「そ、そうなの?飛鳥ちゃんが興奮している理由はわかった。とりあえず、僕も幼なじみがどう思われてるか知りたいなあ~?」

「面白そうだし、俺も聞きたいな」

「私も」

「さあ、レティシア。言うのよ!」

「え、いや、その·····いきなり言われてもな···。その実を言うと·····初めて彼を見た時には好きになってたのかもしれない···。·····俗に言う一目惚れと言うやつだ······と思う。それでドライに扱われて···少し傷ついた。でも、メイド服姿を褒められた時にはすごく嬉しかった····。今思えば一番最初に会った時、よく平然としていられたと思う。多分、私は好きなのかもしれない···カズマのことを···」

レティシアは頬を赤く染め、うつむきながらそう言った。

「いいわね!いいわね!レティシア貴女最高よ!」

「いや~、ご馳走さま。まさか一目惚れとは思わなかったよ~」

「あとは、アイツ次第だな」

「レティシア頑張って!」

「あ、あくまで『かもしれない』だけだ!だから勝手に話を進めるな!」

「そんなに顔赤くして可愛いな♪お礼に僕の宝物を見せてあげる☆」

「おい、聞いているのか!?」

コーキはレティシアの抗議の声を無視し、リモコンを操作した。

 

写真には、四歳児ぐらいの白いワンピースを着たロングヘアーの()()()が写っていた。

 

「この女の子、カズマ」

「「「「えっ?」」」」

 

◇◇◇

 

「カズマよ、昨日はご苦労じゃった。この調子なら今日中に仕事が終わって明日には帰れると思うぞ。って聞いとんのかカズマ?おい!」

「······何の話だ?」

「やはり、聞いてなかったか。この調子なら明日には“ノーネーム”に帰れるぞっと言ったんじゃ」

「ああ、了解」

と返事をしながらカズマは頭の中で首をかしげた。

(さっき、何でレティシアのことが頭に浮かんだんだ······?)

どうやら、彼には自覚がないようだ。

 

 

 

おまけ

 

「ただいま?」

「お帰り、カズマ。てか、何で····疑問···系···な····の?」

「どうした?」

「何でカズマの頭に猫耳が生えてるの!!??」

 

カズマは白夜叉からの報酬でギフト“猫族(ケットシー)”を手に入れた。




コーキ:·······白夜叉ちゃん最後のアレ何?

白夜叉:む、おんし程の男がアレを渡した意味がわからないじゃと?

コーキ:いや、まあ、わからないわけじゃないけど········一応

白夜叉:良かろう。ここはあえて言ってやろうじゃないか。


    カズマを天然ネコミミメイドにしたかったからだ!!!!!!!

コーキ:超GJ。ナイス、白夜叉ちゃん!マジ、神!!

作者:あなた達バカなんですか?

白夜叉:バカではない。私はすごく真面目に言っておるのじゃ

コーキ:そうだよ。アレをカズマが手に入れたということはメイド服のフラグが立ったのも同然

作者:あ、そこの部分は否定出来ませんね

コーキ:白夜叉ちゃん聞いた!?今の聞いたよね!?否定出来ないってよ!これはさっそく準備しなきゃ!カメラにフラッシュ、あと現像する機械を良いのにかえないと······

白夜叉:ナース服にチャイナ服、巫女服と学生服にメガネは外せないの·····

作者:うわっ!さっそく妄想世界に行ってるよ、この人たち。とりあえず、ネタギフト“猫族”は今後ちょこちょこ出すのでよろしくお願いします
それでは~

コーキ:ついでに黒ウサギちゃんにも着せてツーショットも····

白夜叉:ありじゃな!

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