『オルメスには、チョッビットモノマネして、イギリスに帰る用に手配しておいたから、今頃羽田じゃないかな~~まぁ、そう言う訳だから頑張ってねキー君!アデュー』
「あ い つ は ア ホ か!阿呆なのか!バカなのか!⑨なんだな!」
「し、師匠…………ウプお、お気持ちはお察しするで御座るが……もう少し安全運転を……」
「悪いが、しがみついていてくれ。こうでもしないと間に合わない……てか、お前は彼処で降りて良かったんだぞ?」
先程、理子との賭け事を終えて、なんとかアリアの居場所を突き止めたは、良いものの場所が、呆れを通り越して、もう怒りに変わっていた。
隣に、勝手に付いてきた挙げ句俺のモンブラン(二個目)とパフェを平らげてしまい、ミサトさん並みの運転をしている性で其れ等がリバース寸前の風魔を乗せて、メーター振り切りってエンストでも起こしそうな車で走る。
無茶な運転をしたお陰で、僅か数分で目的地へと着くと
「遠山~此方よ!此方!」
「トウヤマ!急ごう余り時間が無い!アリアの乗った飛行機がもう直ぐ出発してしまう!」
「………なぁ、風魔。二人に連絡とかしたのか?」
「まだで御座るが………てっきり師匠が連絡したものかと」
………何で要るんだろう。
数メートル先には、どう言う訳か、菊代とエルの姿。
どうやってこの場所まで先回りしてきたのか?
……そんなことより、気のせいだろうか?
菊代が妙に良い笑顔で手招きしてるんですが………それこそ気のせいだろうか?その笑顔が何か、怖い。
いるよね、怒った顔より、笑顔が怖い人。
恐る恐る菊代の方へと進んで行くと。
「と~う~や~ま~」
「ウゲッ!」
「久し振りに見たな………二人の御約束」
案の定胸ぐらを捕まれ、そのまま下に下ろされ菊代と強制的に目線を合わせられる。
うん。目で分かる。
物凄い怒ってらっしゃる。
有無を言わせない迫力が有る。
始業式以来学校には、行ってないが強襲科以上に、有名な教務科(マスターズ)なんか俺にとっては目じゃないな。
菊代の方が圧倒的に怖い。
てか、エル御約束ってなんだ御約束って。
まるで、俺が卒中悪いことしてるみたいじゃないか。
「私今、幾つかの理由でちょいと頭に来てるんだけど………理由分かる?」
凄く冷や汗が止まりません。
「え~と。何でだろう?」
心当たりが多すぎる。
取り合えず目を逸らして誤魔化そう。
と、言うわけにも行かず。
「妹の風魔とキスしてヒスるわ、勝てる自信が有るからって勝手に組を賭けに使うわ、おまけにいくら急いでるからって私の車を乱暴に扱うわ、何やってんのよ!?あんたバカぁ!?」
何で知ってるんだろう?いや、後で正直に謝ろうと思ってたんだよ。本当に菊代の言葉が正論過ぎて返す言葉も御座いません。
此処は兎に角
「ごめんなさい。は、反省してます。本当、本当にごめんなさい」
正直に謝ろう。
物凄い情けない格好だけど。
「キクヨ、その話は後にしよう。リュパンの話が正しければ、アリアは今夜七時のチャーター便でイギリスに旅立ってしまう。………後二十分しか無い」
「全く此処に白雪がいなくて本当に良かったわ。居たら私と初めて会った時みたいになってたわよ」
「………なぁ、いったい何処でその情報を掴んできたんだ?」
「確か、便はANA600便・ボーイング737―350のロンドン・ヒースロー空港行き……全くいったい何を考えてるんだか」
素朴な俺の疑問はアッサリと無視され(悪いのは俺なんだけど)菊代が俺から手を離し重力に従って俺はそのまま地面と熱いキスを
「まぁ、お説教はこの位にしておくわ。………次やったら搾り取るからね?」
「其は寧ろご褒美………いや、男として物凄い情けない死に方をしそうだ。勘弁してくれ俺が悪かった。本当に俺は、まだ貞操を守っておきたい」
することはなくそのまま菊代に襟首を掴んで持ち上げられてバランスを立て直される。
「あの、拙者はどうすれば」
「勝手に付いてきたんだから、帰ればいいだ………あぁ、そうだ風魔耳貸せ」
地面に膝を付き襟首を捕まれ半立ち状態の情けない格好で側まで来た風魔に耳打ちする。
「―――を集めて出来るだけ――――をするよう―――――に伝えてくれ。そうすれば万が一の時に備えられる。頼んだぞ」
「御意!」
風魔はそのまま、走って行き数メートル進んだ辺りで急に消えてしまった。
流石筋金入りの忍者なだけはある。
ここ最近のお前の食費分は働いてくれよ。
「風魔に何を頼んだの?」
「ちょっとした保険だよ万が一に備えて」
「なるほど、トウヤマには何か考えが有るんだね。そうとなったら二人とも急いだ方が良い事態は一刻を争うかも知れない……二人とも頼んだよ」
そう言いながら、背を向けて菊代の車の方へと歩きだすエルの襟首を掴んで
「然り気無くシリアスな事を言って逃げようとするな」
「いや、ボクはキクヨを送って来ただけだからもうお役御免と言う筈なんだけど」
「そんな訳ないだろ。リュパン&ホームズと来たんだ。俺は関係無くても理子は先祖云々に拘って要るんだ………後は分かるな?」
エルは、急に滝の用な汗を流し油の切れたロボットの用に首だけを此方を向きながら
「いや、ボクはワトソンはワトソンだけど、あの有名なワトソン家ではなくて他人のそら似なワトソン家で詰まりワトソン違いだ」
「何訳分からん言い訳をしてるんだよ。ほら逝こう」
「ト、トウ、トウヤマ!何か、行こうの意味が違うと思うんだ。ボクは道連れは御免だ………嫌だ~~~~~!!!」
「元々イ・ウーの話を持ち込んだのはお前だろ?」
「其と今回の話は別だ!」
確かにこの件に関しては、最初に首を突っ込んだのは俺達だろう。
そのあとエルから話が持ち掛けられたんだから。
「だが、行くことに変わりはない」
菊代が俺を引きずり、俺が喚くエルを引きずり空港内へと入って行く。
なんだこれ?
引きづられながらボーディングブリッジを抜けハッチを閉じつつあるANA600便・ボーイング737―350、ロンドン・ヒースロー空港行きに押し入り
「今すぐだ。今すぐ離陸を中止しろ!」
目を丸くして驚いているアテンダントに
「お、お客様!?失礼ですが、ど、どう言う「黙って従え!」ひ、ヒィ!」
そのアテンダントの額に菊代のベレッタM92FSを押し付ける。
生憎俺は、理子と会うためだけに出掛けたんでな。丸腰なんだ。
客と会うのに武器なんて持ってたら失礼だ。
武偵手帳だって持って来てない。
こんな茶番は終わらせてさっさとアリア連れて帰って一眠りしたいんだよ。
だからさぁ
「冗談は此くらいにして、案内してくれねぇか?“理子”」
ピタリと、先程まで目の前で涙を浮かべて怯えていた、アテンダントの女性はクスリと笑い
「やっぱり、分かっちゃう?」
「香水で誤魔化せると思ったのか?さっき嗅いだ甘ったるいバニラの香りを忘れるかよ。俺は生まれつき鼻が良いんだ。他人の顔は忘れるが、レディーの香りは忘れない自信が有る」
決まった………見たか菊代。汚名返上だ。
「格好いい事を言ってる用で変態よね」
「でも、トウヤマ犬みたいに百発百中だから凄いよ」
後ろで何か言ってるけど聞こえません。聞こえ無いったら聞こえない。
そう言えば、理子……お前どうやって先回りしたんだよ。
俺、決行早く来たつもりなんだけど。
まぁ、いいか。
「クフフ。そう、慌てなくてもアリアは此処に要るよ」
理子が指を上に向ける。
その意味は、アリアは二階にいると言う風に解釈して問題無いだろう。
この飛行機は、TVや雑誌等で『空飛ぶリゾート』なんて呼ばれていて、俗に言う、セレブ御用達の新型機。
俺達がいる場所は広いバーとなっていて少し進めば高級な酒の並ぶカウンターが有る。
アリアがいるらしい二階は高級ホテル並みの12の個室。
しらみ潰しに探せと………面倒くさ!
理子の、お見通しだよとでも言いたげなイタズラな笑みに対抗するように引き攣った笑顔で
「そうか、じゃあ早く連れて帰えんねぇとな。……いや、いっその事このまま向こうで数ヵ月過ごすってのも悪く無い」
「どの道直ぐには帰れそうもないもんね。暫くエルの家にお邪魔させてもらいましょう」
「帰国の予定は無かったんだけどなぁ」
俺の後ろで其々の感想を口にする二人も何処か嫌そうな顔をしている。
理子は、そんな俺達が意外だったらしく
「あれ?キー君達乗り気じゃないの?」
「元々この件に関してはお前ら三人で、勝手にやってくれと思ってたんだよ。先祖云々な調度エルがいるからな」
「ワトソン違いだ」
「まだ言うか諦めろ」
「ふ~ん。でも、もう降りられないのは分かってるんだよね?」
理子の挑発的な言葉を軽く受け流しながら
「こんな手の込んだ豪華なステージを用意してもらって降りるなんて、それこそ失礼に値する」
「くふふ、それじゃあ」
「だが、此方からも要求させて貰う!」
「ふぇ?」
ビシッ!と理子の鼻先に指を向けてそのまま一歩前に出る。
理子お前こう言うノリ好きだろう?
俺は苦手だけど
「賭け事は常にお互いの欲しいものを賭けてこそのギャンブルだと俺は、思っている」
「くふっ。だからアリアを―――「全く公平じゃない」………じゃあどうして欲しいのさ?キー君には、アリアが必要なんじゃないの?」
少し困り顔になってきた理子に畳み掛ける用にして
「あぁ、確かに必要だ。だが、元々はアリアの居ない状態での、プランAでズット進めていた。だが、エルが近道として持ってきた話しプランBに俺は乗っただけだ」
「―――おい。何が言いたい」
先程までのふざけた感じが消えてまるで別人の用にしてドスの聴いた声になる。
―――バスジャックの時に聴いた声だ。
うん良いぞ。此方のお前の方が話は通じやすいだろう。
「俺は、自分で言うのもなんだが、欲張りなんだ」
「あ?」
「目の前に大きな箱と小さな箱―――片方に化け物達が入っていて、もう片方には金銀財宝。俺だったら、そのどちらも担いで持って帰る。妖は見慣れてるんでな……どちらか一つなんて答えは論外だ」
「流石
お怒り気味の理子に向かって、挑発と理子のモノマネを兼ねて理子の声を出来るだけ再現し
チッチと指を理子の目の前で振る―――うん。気持ち悪い。
此でもし、クロメーテルの格好なんてさせられてたら、多分首を括ってるね。
「まったく~ニブチンだなぁ~りこりんは―――――アリアもお前もお持ち帰りするって言ってんだよ」
途中で声を元に戻して、手を開き握手のポーズにする。
理子は意味が分からないと首をかしげ
「おい。どう言うつもりだ」
「俺が賭けに負けたら、アリアを煮るなり焼くなり好きにしろ。俺が勝ったら、理子、俺の家族になれよ。イ~イ話が有るんだ絶対に損はさせねぇ。何せ、俺にはお前が必要なんだよ」
「良い話?………へぇ、面白そうじゃん言ってみてよ」
この話なら、理子は絶対に食い付く筈だ。
と言うか、食い付いてくれ。
祈る用な気持ちと焦る気持ちを押さえて冷静に理子を真っ直ぐに見詰めて
「ちょっとした設け話だ。怪盗のお前には調度良いだろう?復讐も出来てな。
――――【生きるお宝ブラドの生け捕り】をさ」
ビジネス的な理由ならばアリアの味方。
個人的な理由ならば理子の味方な金次君です。