主人公が兎に角酷いから。
多少今回は読みづらいかも知れませんが、使用です。
うん。
もうあれだ、私から先に言わせて貰う。
「どうしてこうなった?男のヤンデレって、誰得だよ!」
―――――さて、何処から話そうか?
あぁ、いや拍手は良いぞ。指笛も要らん。
本当に『良くある』ような在り来たりでつまらない話だからな。
校長の話並みに長くなるだろうから、何か食ったりしながらラジオ感覚で聞いてくれ。
て、おいおい、だからって、俺の紅茶を飲むな。
いつの間にか俺のモンブラン食ってるし………器用にクリームだけ。
数分前に奢るって言ってなかったか?
はぁ、全くやれやれ。
でだ、この話は結構遡る事になるんだ。
そう、無理矢理武偵中学入れられて、一年と二ヶ月ちょっと過ぎた位だったかな?
小さい頃から仲の悪かったクソ兄貴とちょいとケンカしてな。
家が半分吹き飛んでしまったんだ。
別に冗談じゃないぞ?
事実だからな。
え?何で仲が悪いかだって?
最初は、良くある意見の食い違いだよ。
いや、『遠山家の掲げる正義』と『俺の掲げた正義』が合わないんだ。
要するに価値観の違いだ。
………まぁ、今は、そんなことは良いじゃないか。
話を戻そう。
もう、その頃には、両親死んでてな、まぁ親父の親父つまり祖父の所に住んでいた訳だが。
家破壊のどさくさに紛れて家出した訳だが、勿論行く宛何て有るわけねぇから、少しの金持って適当にそこら辺ぶらついてた訳だ。
出来るだけ遠く遠くって行くうちに、声掛けられてな。
最初は、警察かと思ったよ。
家を出て結構時間立ってもうすっかり暗くなってもうすぐ日付も変わる時だったからさ、補導されるとか思っても仕方無いだろ?
家に逆戻りは嫌だって本気で思ってたからな、巻き込まれたくないし。
………結局今そう言った道を進んでしまっているけど。
あの頃わさ、自分の無力さに本当に嫌気さしてグレてたからな。
力があるのに離ればなれの幼馴染みの願い一つすらかなえられない何てな。
とりあえず、気絶させて逃げようかなとか考えたんたけど違ったんだよ。
警察じゃ無かったんだよ。
じゃあ、誰だってなる。
どうも遠く遠く行ってる内にその手の人達の縄張りに入ってたみたいで。
分かるだろ?
ヤクザだよ。893でヤクザ。
ああいう人達ってそう言うのにうるさいんだよね。
何か、文句でも言って来るかと思ってたら違ったんだよ。
何て言って来たと思う?
『家の島で何してんだ?何処の組のもんだ?』だってさ。
要するに間違えられたんだよ違う組の構成員と。
何?目付きが悪いのが原因?
………うるせぇなコノヤロー。
これは、生まれつきだよどうしようもねぇよ。
あ、ついでに何か飲み物注文してくれない?
何でも良いから。
さて、そのままお縄になって家の中まで案内されてしまった訳だが。
入ってびっくり。
学校何て、殆ど行ってなかったけど直ぐに分かったよ。
同じクラスの女子が其処にいた。
まぁ、つまり今の俺の姉――――菊代だ。
向こうも俺を見てびっくりしてたよ。
まさかの敵さん(と間違えられた)がクラスメイトとは誰が想像できるのだろうか?
まぁ、そんときは現実逃避気味にあぁ、家近いんだな~とか物凄いどうでも良いこと考えてたよ。
勿論そんな状況じゃねぇだろ!って分かってたけど。
んで、菊代も俺に気づいて声掛けて来たんだよ。
そしたら、回りの人達も困惑してさ。
その中の一人が呼んで来たんだろうけど、来ちゃったんだよ菊代のお父さんつまり組長さん。
其で組長に菊代が何か話してたんだ。
あぁ、こいつ武偵だとか言われて殺されるんだろうなぁ。
この手の人達は消し慣れてるもんなとか他人事みたいに考えてたら。
いきなり組長さんが、回りの奴等に俺の縄をほどく用に命令したんだよ。
一瞬何言われてるのかさっぱりだった。
後から聞けば、何でも菊代は俺に庇って貰った事が有ったらしい。
詳しくも教えて貰って無いけど…………何かしたんだと思う。
其で、菊代が何でこの辺彷徨いていたのか聞いて来たから、素直に行くところが無いって言ったんだよ。
嘘は言って無い。
流石に家半壊させておいて帰ろうなんて思って無い。
クソ兄貴も壊してだけど。
―――で、そう言ったら、何か親父さんの方が顔を近づけて来てな。
おっさんのアップなんか見たくも無いんだが、暫くしてニヤッと笑ってな。
此所に条件付きで住めって言って来たんだよ。
でも『住め』だ。
命令なんだよこれ。
まぁ、こんな話願ってもないような美味しい話だからな。
勿論乗ったよ………条件付きってのに。
人の道を大きく踏み外してるのは良く理解している。
だけど目の前に転がって来たチャンスだぞ?
俺には力が必要だからな。
今も昔も『組織力』ってのがどうしても必要なんでな。
藁にもすがる気持ちだったんだよ。
と、此処までがプロローグ見たいな物だ。
長いだろ?
………素直に頷かれても困るんだが。
まぁいいや。
―――其から半年立って季節は冬。
それこそ地球をアイスピックでかち割ったような寒さだと言う意見に頷ける位の本格的な寒さになった頃だ。
もうその頃にはすっかり俺もそっちに馴染んでしまってな。
たまにいるんだよ。
武偵でも警察でもそう言った所に潜入捜査のつもりで入ったのは良いものの案外居心地が良くて、そのままお仲間になって仕舞うなんてパターン。
今思うと正に俺がそうだった。
そんな時だ忘れ掛けてた時にその話が来たんだよ。
例の条件
―――その、条件って言うのがだな。
『菊代のボディーガード』だと。
そしてこれが、理子がさっき言っていた事件『神奈川武偵高付属中二年B組集団心中事件』って呼ばれてるんだったか?
正しくは、
似たようなもんだよな。
いや、俺は、参加してないぞ菊代も。
菊代はこの事は詳しく知らないんだ。
俺は、この同士討ちの後押しをしただけだからね。
別に悪い事をした訳じゃ無い。
『当たり前の事を当たり前』にしただけだ。
反省はしているよ。
色々と。
菊代を―――姉さんを―――家族を虐めた人達が生きていて良いわけ無いだろう?
それ相応の報いを受けて貰わないと。
あれは、当然の結果。
なるべくしてなった事だからな。
あぁ、もうちょっとだから我慢してくれ。
【遠山ファイル】
此はボクが、トウヤマからとある相談を受けたときに作成したトウヤマの為の診断書である。
身体的には、一部を覗き至って健康的。
薬や毒が聞きにくい嗅覚が人一倍優れている等と言った遺伝的な所は有る。
また、精神的に不安定な所が時々見られ、心開いた相手には執着する傾向が見られる。
逆に、心開いた相手にとって害となるまたは、目的の邪魔となる対象者等は徹底的に排除しようとする傾向が見られる。
例えば、此を書く5日前の事町を三人で歩いていたとき内容は忘れたが、キクヨ君に難癖を付けた男が数時間後には自殺をしていたり等で有る。
―――正直後片付けをするのはボクなのだからもう少し押さえる事をしてもらいたい。
以上のような所を《依存》の類いだと予想する。
その為ストッパーとなる人物が必要。
基本、彼はストッパーの言うことは何でも聞く。
この場合キクヨやシラユキ―――――自分で言うのも何だがボク……エル・ワトソンの言う事は聞くらしい。
最後のらしいは、悪魔で本人から聞いた事であるからだ。
………本当にそうなのだろうか?甚だ疑問である。
此のような所は本の一部に他ならない。
その為、今後もボク達が彼のストッパーであり『薬』で有るべきなのだろう。
彼にとって『治療薬』となるか『麻薬』となって仕舞うかは別として。
かつてボクの先祖がシャーロックの麻薬依存を止めさせた用にボクが―――いや、ボクたちが彼の薬となる必要が有ると先程も書いたが、薬は多くてもダメだ。
薬となるのは『ボクたちだけで良い』他は毒だ。