ある程度修正しました。
もうスピードで走るバスその屋根の上で俺は神崎と戦っている。
「いい加減大人しくしなさい!武偵殺し!」
「なら、攻撃するの止めてくれないか?」
神崎から放たれる銃弾を斬り、撃ち返し、交わして此方も、斬り、刺し、撃ち、蹴り先程からただ弾と体力を消費するだけの戦いとなっていた。
其に此方は弾の数も向こうよりも圧倒的に少ない。
出来るだけナイフで戦いたい所だ。
けど、不味いな、この状況じゃHSSは、使えないぞ。
HSSは、本能的に子孫を残す為に女性を守ろうとして強くなる詰まり、この状況だと戦っている相手は女性。
詰まり、この場合『守りながら戦う』と言う矛盾が発生し、下手をすると弱体化する。
と言うよりこの状況でHSSになる手段が有るには有るが、使わない方が良いだろう。
だが、力を使わないで、戦うのは正直キツイ。
おまけに俺の左手には、釘なんかを積めたいわゆるパイプ爆弾。
武偵校の防弾制服ならばそこまでの被害はないと言っても爆弾は爆弾しかも抱えた状態じゃ間違いなく死ぬ。
こんな事を頭の隅で考えている間にも、車からの銃撃と神崎の銃撃其をギリギリで交わしながら車の数も減らしていく。
「やぁ!」
「ふん!」
ギイイイイイイイインィィッ!
神崎が銃を仕舞い背中から二本の日本刀を抜き砲弾の様に此方に飛んでくるのをハンティングナイフと靴底に仕込んだカードナイフで受け止める。
「あんたに銃は、効かないようね」
「と、思うなら見逃してくれないか?今なら切り傷付けるだけで許してやるぞ?」
「其は、此方の台詞よっ!」
ブン!と足払いをしてきた脚の上を飛び、日本刀の峰を借りて足場にし、更に上に飛びバスの後頭部まで飛び距離を取る。
「もし、あんたが武偵殺しじゃ無かったとしても!あんたは其に関わっている!私は、これまで、1人も犯罪者を逃がしたことなんて無い!」
「犯罪者では無いが、俺が記念すべき1人目となるか、それともお前が捕まり、母と同じ牢屋に入るかどちらかだな」
ピタリと俺の言葉に反応して止まり少しして、ワナワナと身体を震わせ
「調べたの?」
「まぁな。色々知ってるぜ。お前の母親が、武偵殺しとその他もろもろの罪をお国に吹っ掛けられて現在、一生懸命犯人探しと、裁判とは、名ばかりのゴッコ遊びの真っ最中だって事もな」
「其が、どうしたのよ」
「別に、何もお前だって俺達の事を調べていた。だから俺も警戒して調べた。予感は的中何の罪も無い風魔が犠牲になっちまった。俺は、此でも怒ってるんだぜ?逮捕する何てもんは、悪魔で人の目が個々には有るからだ!誰も見てなければとっくに殺してる………武偵法9条が有るのはこの平和ボケしたこの日本だけだ。そして―――――」
ダン!と俺は神崎の腕目掛けて走り、ナイフ蹴りを放つ
「俺に9条は通じ無いと思え!」
「みきゃ!」
ギィィン!と日本刀の一つが神崎の手から、弾き出されてそのまま道路へと落ちて行った。
そのまま動揺して動きの固まった神崎のおでこに右手のハンティングナイフを振るったその時
「キンジ………」
『●●●………』
「……………………え?」
今度はピタリと俺の腕が止まった。
その隙を神崎が逃す筈も無く
「―――――はぁ!」
ギィン!
バックステップで後ろに飛び其と同時に、もう一本の刀で俺のナイフを弾きそのナイフも道路に落ちる。
だが、何だよ今の。
まるで体が神崎を攻撃するのを拒否しているみたいだ。
いやでも、そんな筈は無い。
俺は今までだって色んな奴を捕まえて、時に殺して来たんだ。
鏡高組の邪魔になる者。
菊代と白雪に害する者。
家族に害する者。
そして今目の前にいるのは正しく風魔を襲った奴今回は、依頼人の獲物だから殺しはしないものの其でも攻撃は出来る筈なのに何故?
「思い出したわ!そのナイフ裁き銃弾が効かない体。今まで集めた情報………あんたはイギリスの
「………」
俺が何も言わないことを、認めていると思っているのか、神崎は機嫌良さそうに自分の推理を喋っていく。
「噂の通りね。どっかの貴族に有能な日本人男女2名のボディーガードが付いていた。其も6月から9月の4ヶ月の間だけ………おまけにその間にその貴族の間で起きたトラブルを全てその二人が解決した。そしてその4ヶ月あんたもイギリスで特殊任務に付いていた……間違いなく私の探していた人達と同じ条件」
神崎は何かを言っているが、俺の耳には全く入って来ない。
不思議だこいつの声を聞けば聞くほど『手を触れてはダメだと』警告されてる気分だ。
そう、まるで主人に無礼を働く事を禁じられた従者の様に。
本能はこいつの言葉に頷いて仕舞いそうだ。
そんな思いを頭から振り切り
「同じ条件?」
唯一聞き取れた疑問をぶつける。
「ええそうよ。あんた達なら私の力に為ってくれる。その思いで日本に来たわ。イギリスではあなた達の関わった事件はどれも有名。あなた達を味方にすれば私のママは助かる筈なの……この件は水に流してあげるわ!だから、私の『ドレイ』になりなさい!」
「ふざけるな!」
ガキン!
新しく取り出した予備のハンティングナイフでもう一度神崎に斬りかかりつばぜり合いとなり神崎がもう一度足払いをしてきた所をジャンプで交わして
フッ!と俺が目の前の神崎目掛けて息を吹き掛けると
「ッ!ア!」
突然目を押さえてフラフラと後ろに二歩歩き刀をバスに刺して身体を支え始めた。
引っ掛かったな。
俺が神崎の目の下に刺したのは先端に細かな穴の開いた僅か1センチの毒針。
刺されば一時間程は視界がボヤけ体が痺れる。
其を口に含み撃てる距離まで待つそのベストタイミングがつばぜり合いだと言う事だ。
「人の家族襲っておいて言う事がドレイ…………仲間になって母を助けろと?そう言われてはいなりますと言うバカがいると思っているのか?笑わせるな!殺さないだけでもまだ慈悲のある方だと言うのに、事に置いてそんな話を持ち出すとは………だが、獲物の横取りはしない約束だからな。せめて、風魔と同じ痛みを」
チャキリとナイフを持ち直し神崎のおでこに、風魔と同じ真ん中を斬ろうとしたその時
ヂィン!!
「ヴッ!」
俺の左手には抱えていた爆弾が金属と金属のぶつかる鈍い音と共に俺の腕から神崎の方へと飛ぶ。
車が残っていたのか?
だが、後ろを確認している暇なんか今の俺には無い。
だからここは今すぐバスから飛び降りて
「お嬢様!!」
「ワプ!」
撤退―――――――――――あれ?
気が付いたら俺は爆弾を空高く蹴りあげて、防弾制服のブレザーを脱ぎ神崎に被せてその上から神崎を守る様に覆い被さって仕舞い。
バアアアアアアアアアァァァンッ!
爆発したその破片や釘等が俺に降り注ぎ次々と刺さっていく。
その痛みと爆風による熱が背中を焼いて行く。
俺はその衝撃でもう痛いのか熱いのか分からなくなり同時に物凄い眠気が襲い瞼を閉じていく。
その中の限られた時間で俺は
何で守ったんだ俺?
バカか俺は、てかお嬢様って何だよ俺の主人じゃない。主人は菊代だろうに。
そう、心の中で出来るだけ愚痴り意識を手放す瞬間に
『何で、お前は何時もそうなのだ!もうお前など知らん!●●●のバーカ!バーカ!』
何処か懐かしくて、心地好い声を聞いた気がした。
だが、残念かな。肝心らしい所が聞こえなかった。
そう思って俺は、異常に強い眠気に負けてその瞼を閉じた。
今日、始めてコンビニで俺のプリンと言うデカイプリンを買いました。
まぁ、美味しいんですけれど、食べきれませんねアレ。