もしもクリエイティブモードで幻想郷に転生したら   作:秋雨 椛

6 / 7
遅くなって申し訳ないです。



6話

闇の衣を纏い周りの被害も考えずに突進してくるルーミア、俺はそれをどうするか瞬時に判断しなければならないが……

 

「死に晒せぇえええ!上履 大介ぇぇええ!!」

 

こりゃあかんやつや!家が壊れてまう!

俺はあわあわと焦っていた。

その間もルーミアの突進は止まらない。

 

「くっ!俺は……俺は!受け止め……」ガコンッ!

 

るっ!と言って腕を前に出すが衝撃が何時まで経っても襲ってこない。恐怖によって閉じていた目をゆっくりと開けるとそこには……何もいなかった。

あれ?あれ?と周りを見回すがルーミアは居なかった。

何処かに行ったかな? と心配損かと頭を掻きながら下を向くとそこには大きな()()()()ができたルーミアが倒れていた。

 

「………ハァ、仕方がない家の中に運ぶか」

 

俺は目をクルクルと回しながら気絶しているルーミアをお姫様だっこしながら茶の間へと運んだ。

 

 

 

~それから数分後~

 

 

「やっぱアジンパンマンつぇなぁ〜!」

 

煎餅と漫画本を両手に持ちながら目が覚めるまで待っていると後ろから呻き声が聞こえ始めた。

目が覚めたかな、と思い後ろを振り向くと両眼を抑えジタバタしているルーミアが写った。

 

「あっ、そうだった明かりに弱いのか」

 

俺はルーミアの弱点を思い出しLEDライトの電源を消す。

代わりにサーモグラフィを取り出しルーミアの居場所を見るとぬぅ〜とゾンビのように立ち上がり、又もや紅く輝く両目で俺を睨んでくる……しかしルーミア体温低いなぁ〜全身青色でっせ? 妖怪だからか?

 

「くっ! また私の目を痛めつけてくれたな……、しかし上履 大介、お前は何者だ? 私の攻撃が効かないだけに飽き足らず鉄以上の硬さを持つ体……見た目はひょろひょろだが……」

 

「大きなお世話だ! 俺の体が硬いだと? そんなわけ無いだろ、触ってみてみんしゃい、このやわらかぼでぇい!」

 

と言いながら腕を差し出すとゆっくりと俺に近づいてきて腕に触れる

 

「あっ……柔らかい……どうして?」

 

ルーミアは不思議そうな顔をしてさすさすと俺の腕を触りながら調べる。

……おい、触るのはいいんだが何と言うか……なんか女の子に腕を擦るように触られるのってちょっとオホッてなるな

 

「ビクッ!……ちょっと変な目で見ないでよ、噛みちぎるわよ? ナニをとは言わないけど」

 

「そういうのやめろよ! 怖いわ!」

 

「ならそのイヤらしい目を辞めなさい」

 

「イヤらしい目ってなんだよ、そんな目した覚えわねぇよ!」

 

否定するとジトォとした目で睨まれる……

なんだよ! 本当にした覚えはないんだよ!

 

「てか、お前の方こそ俺の腕を触りながらヨダレ垂らすのやめろよ!」

 

そう言うとルーミアはハッと顔をさせて袖でヨダレを拭う

女の子がそれでいいのか?

お腹減ってるのかな? 俺はルーミアの為に腐った肉を数個取り出すと無言で渡す。

すると嬉しそうに肉を受け取りバクバクくちゃくちゃともうそれは餓えた獣のように食べていく。

 

 

~数分後~

 

 

「ふぅ〜食べた食べた」

 

腐った肉を食べ終えたルーミアは満足そうに畳に寝転がり膨れた腹を撫でていた。

 

「よく食うなお前、その体の何処に入ってるんだか……」

 

「それは勿論お腹に……っ!?」

 

何か言おうとしたルーミアが突然苦しみ出した。

やっぱ腐った肉が当たったか!? と焦ってルーミアに近づくと唐突に抱きつかれた。

えぇ!?

 

「上履 大介ぇ〜……体が熱いのぉ〜……ハァ…ハァ…」

 

えええええぇ!? ナニコレ!?

なんで発情してんの?

 

「お願い……助けて……」

 

上目遣いでうるうるとつぶらな瞳で懇願されて助けない男なんて男ではない。

俺はルーミアを助けるため布団へと連れていった。

 

 

~翌朝~

 

 

朝風呂から上がった俺は布団で寝ている女の子ルーミアを見やる。

顔は少し赤みがさしており少し苦しそうだ。

額には濡れたタオルが乗っており、これは俺が熱を下げるために乗せたものだ。

 

えっ?お楽しみ? ナニソレ、俺は熱の治療をしただけさね。

解熱剤飲ませて寝かしつけただけさ、そんな熱で苦しんでいる女の子にイヤらしいことをするわけ無いでしょ?

 

俺はルーミアに日光が当たらないように室内テントを建てその中に移動させる。

これでなんとか大丈夫だろう。

 

しかしルーミアのことどうしたもんかね……慧音さんにでも相談してみようかな?

 

いや、待てよ……

例えば昨日のあれが発情だとする、腐った肉+犬=発情……

Oh...ルーミアは犬だったのか?椛さんは白狼天狗でアレかも知れないけど

 

「ムムム……どうしたものか、今度から豚肉でもやるか……」

 

いや、その前に森に返さないといけないか

と、悩んでいると戸を叩く音が聞こえた。

 

「ごめん、上履さんいるか?」

 

慧音さんの声だ

 

「はい! 今行きます」

 

ドタドタと足音を鳴らしながら玄関へと向かうと、何時もの深い青色の服を着、清楚な立ち姿で待っていた。

 

「お早うございます。 慧音さん」

 

「お早うございます。 上履さん、今日来たのは昨日貰ったドリルという書物についてお礼を言いたくて来ました」

 

「いえいえ、里長に面会させてもらっただけでも感謝していますし、そのお礼として渡したものですので感謝なんて……」

 

「昨夜読ませてもらったのですが、幻想郷内で売られているどの書物よりも詳しくかつ読みやすい学書を下さった上履さんには寺子屋の教師として本当に感謝しております」

 

そう言って深々とお辞儀をする慧音さんを見て俺は嬉しいやら恥ずかしいやらで、頭を書きながら顔を赤くしていた。

 

「……」

 

「……」

 

「「あのっ」」

 

やっべ!言葉が被っちゃった!どうしよ!

 

「「どうぞ!」」

 

……れでぃ〜ふぁ〜すと、ってやつで

 

「慧音さんからどうぞ! 俺はそんな大した話でも無いんで」

 

「そうか? いや、こちらもそんなに大した話でも無いんだが……近隣の住人から妖怪の声が聞こえた、と聞いたもので上履さんなら何か知っていないか、と思ったものでね」

 

…………HAHAHA

 

「知りません」(`・ω・´)キリッ 上履

 

「そうですか」( ´・ω・`) 慧音

 

フラグっぽいぞ! すっごいフラグっぽい!

俺は背後に全神経をとがらせた。

ルーミアがいつ出てきても対処出来るように構えておく

 

「上履さん? どうされました? 顔色が悪いですよ」

 

「い、イエナンデモナイデスヨ」

 

「?」

 

いつ来る、いつ来る?

………はっ! 来た!

 

「上履 大介!このすぽーつさんぐらす?ってやつ凄いわね! 目があんまり痛くない!」

 

「あれ? この子は?」

 

ウオーーーイ!?なんで慧音さんの後ろから現れた!?

どうやって出たんだよ!

窓あけたんか?開けたんだな!

 

俺はドタドタと廊下を走り窓を見ると……

チキショー!開ける前に家半壊してんじゃねぇか!

 

目の前には人だかりが出来ており上履の家の半分が無くなっていた。

もうそれはそれは、清々しい程の壊れっぷりで……

 

「まだ出来て一日も経ってないのに……」

 

クソッ!ルミーアー(クリーパー)め!

許さんぞ!

 

「オイ!匠!」

 

「誰が匠よ!」

 

冗談で言ったんだがルーミアは反応した。

本当は知ってんじゃないかという程のツッコミの速度だった。

 

「家をよくも壊しやがって!」

 

「あら? 風通しが良くなるようにって善意でやったんだけど?」ニヤニヤ

 

(#^ω^)ピキピキ

 

俺は無言であるアイテムを取り出す

ほう。マイクラでは赤いブロックだったが現実では円柱型なのか…、まぁそれはどうでもいい

 

「破壊には、爆発でかいしちゃる! 消えろルミーアァアーー!」

 

俺は全力でTNTをルーミアに投げつけたのだった。




早く仕事に慣れたい(´;ω;`)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。