もしもクリエイティブモードで幻想郷に転生したら 作:秋雨 椛
~天狗集会所~
「大天狗様ぁー!!」
「なんだ?どうした哨戒天狗よ」
大天狗が仕事中に哨戒天狗が入り込んできた。
「は、はい、里から少し南の方に行ったところに人間が侵入してきました。」
「人間が?その程度のお前らだけで排除できるだろ」
訝しげな目で哨戒天狗を睨む大天狗
哨戒天狗は少し落ち込んだように「それが……」と前置きをして
「人間は怪しげな術を使っていて我々の攻撃が相手に通らないのです……」
「ほう……それではお前らでは辛いな……俺が向かってやろう」
大天狗がそう言うと哨戒天狗はぱぁと顔を明るくする
「ありがとうございます!今、椛隊長が相手を抑えていますのでお急ぎ願います」
「あい分かった……それでは急ごう」
大天狗は腰に刀と羽団扇を持って哨戒天狗に言われた場所へと飛んでいった。
哨戒天狗は大天狗が飛んでいった方を見て「どうかよろしくお願いします」と手を組んでいた。
~(仮)大介宅~
俺の名は
マインクラフト通称マイクラが大好きな普通の高校生だった男だ!
神のせいで死んでしまい、俺は東方の世界に転生した。
まぁ今はそんなことはどうでもいい
俺は今、大天狗という大物を相手にしなければならなくなった。
今目の前でみたらし団子をほうばっている哨戒天狗の
「って!なんでテメェーはなに普通に俺の家に入ってみたらし団子を食ってんだ!それは今から俺が食おうとしてたやつなのに!」
「ふん!此処は我々天狗の敷地内だ、勝手に家を建ててる奴に言われたくないわ」
「いやまぁ……それは俺が知らなかっただけで悪かったけどよぉ……はぁ……まぁいいや、いくらでも出せるし」
10本出していたみたらし団子は瞬く間に消えていった。
俺が楊枝だけになった皿をため息吐きながら見ていると椛が指を3本立てながら皿を差し出してくる。
後3本欲しいのか?図々しい奴め……と思いながらみたらし団子を3本出してやったら、何故か睨まれた。
「なに?あと3本欲しかったんじゃないのか?」
「何を言っている、あと30本に決まっているだろ」
「はぁ!?お前どんだけ食うつもりだよ!」
「だからあと30本と……!」
椛がいきなりばっと立ち上がり外を気にし始めた。
何かあったのだろうか?
「どうした?外に何かあるのか?」
「大天狗様がこちらに向かってきている……団子をもう少し食べたかったが……はぁ……お前もこれで見納めか」
「縁起でもないこと言うなよ!」
俺が椛に怒鳴るが知らんという顔で家の外に出ていく
椛が外に出て暫くすると遠くの方からカラスの声が聞こえてきた。
しかしその声は一羽だけではなかった。
「なっなんだ!?」
俺は外に出てみると空に黒い雲がこちらに向かってきていた…………いや、あれはよく見ると雲ではなくカラスの群れだった。
そう思わせるほどのカラスの大群、数百というカラスがこちらに向かってきていた。
その大群の一番前に他のカラスより一回り二回り大きなカラスが飛んでいた。
多分アレが椛が言っていた大天狗だろう……
そんな事をカラスは家の真上に止まりこちらを見ていた。
暫く目を交差させ睨んでいると大天狗が口を開いた。
「椛よ……そいつが例の侵入者か?」
「はい、そいつが侵入者の上履 大介という奴です」
「ほう……」
大天狗がそうつぶやくと翼で自身を包み、そしてもう一度翼を広げると大天狗の姿は黒い翼を生やした人形に変わっていた。
俺がすげぇー!と感心してると刀に手を俺に斬りかかってきた。
「うおっ!?あぶね!」
刀はキンッと音をたて俺の首元で止まっていた。
「本当に攻撃が通らないんだな……これは厄介だ……」
「あぶねぇな!斬りかかってくるなら前動作ぐらい見せろよ!心臓止まるかと思ったぞ!」
「では、宣言するぞ……俺は今からお前を連続で斬る」
大天狗は刀に手をやりまた斬りかかってくる。
その斬撃は俺の目では追えず、俺の周りからキンキンと音が鳴ってるようにしか思えない。
「チッ……これでもダメか……」
「ん〜……見逃してくれませんかね?俺、ここから立ち退くんで……」
「それは出来ん、ここに入って来たものは全て排除しなきゃならんのでな」
「いやいや!哨戒天狗達と言ってること違うんですけど!?」
大天狗は刀を抜き
「大人しく斬られて死ねぇ!!」
俺はどうしたらいいのか分からず、あたふたするが頭でLEDライトが光ったように思いつく
すぐさまアイテム検索でアイテムを取り出し装備する。
大天狗は俺の手がいきなり光出して警戒したのか急停車し間合いを取る。
「なんだそれは?」
「へへっ見てからのお楽しみってな」
俺の手には懐中電灯のようなものが握られていた。
大天狗はそれに警戒しなかなか近づいて来ない……
しかし対したものではないと思い大天狗はまた勢い良く突っ込んでくる。
俺と大天狗の距離が5メートル程になった瞬間俺は持っていた"ネットランチャー"を発射した。
大天狗はいきなり目の前にクモの巣状の糸が現れた止まろうとするが勢いは直ぐ止まずネットに絡まってしまった。
「なっ何だこれは!?ただの糸だと?舐めやがって!」
大天狗は刀で斬ろうとするが防犯用のネットランチャーは簡単には斬れない、それに絡まって倒れているからか斬撃に勢いが乗らず、これはもう出ることはできないだろう。
そして俺はスタンガンを出し、大天狗の首元に当て気絶させる。
それを見ていた椛は目を見開き驚いていた。
「だ、大介は大天狗様を倒したのか……?」
「苦渋の策だったけどな……成功して安心したよ、それに大天狗は気絶しているだけだから安心してくれ…………さぁ本格的に此処に居られなくなったな、なぁこの辺に俺が安全に住めそうなところはないか?」
椛は気絶していると言ったらホッとしたような顔をして住めそうなところがないかと聞いたら
「東の方角……太陽が昇ってくる方に人間の里という里がある、そこへ行って上白沢慧音という寺子屋をやっている女に事情を話せば何処かに住まわせてくれるだろう」
「そうか……ありがとう助かったよ、お礼に……ほれ」
俺はお礼を言ってみたらし団子×30を椛に渡す。
椛はおぉ!と言って受け取る、その時尻尾をぶんぶんと振っていて可愛いと思ったことは内緒だ。
「じゃ、もう行くよ……大天狗様にヨロシク言っといてくれ」
「あぁ達者でな……」
俺は東の人間の里へ向けて歩いて行った。
~それから三十分後(仮)大介宅前~
「うっうぅ〜……」
大天狗は首を抑えて立ち上がった。
縄は外されていた。
「大天狗様!大丈夫ですか?」
大天狗が立ち上がると石に腰掛けていた哨戒天狗の椛が近寄ってきた。
その哨戒天狗がいたところを見ると皿の上に数十本の楊枝があり、団子食っていたことを証明していた。
「お前……私が気絶している間に団子食っていたのか?」
「えっ!あの……その……スミマセン」
「まぁよい、それよりあの人間はどうした?」
「あの人間は、人間の里に向かって歩いていきました」
「そうか……面白い人間だったな……」
大天狗は大介が歩いていった方を見て笑っていた。
「おいお前……またあの人間がこの敷地内に入ってきたら直ぐ私に報告しろ」
「えっ?でも規則で……」
「よい!これは上司命令だ」
「……分かりました」
椛は渋々といった感じに了承する
大天狗は満足げな顔をし頷く、そしてまたいつあの人間が来るのか楽しみでしかながない大天狗なのであった。
~その頃の大介は
「ハックション!!うわっ!あっあっ!いやぁぁあ!!」
漕いでいた自転車から転び川に転落して流れていったとさ……
この次にもうひとつの方を書かなくてはならない……
ま間に合うのだろうか……