もしもクリエイティブモードで幻想郷に転生したら   作:秋雨 椛

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第2話

目覚めたら知らない地面だった。

 

俺が目を開けたらうつ伏せの状態だった。

めっさ土の匂いがする。最初なんか冷たいなぁと思って目をあけたら土だった。

せめて仰向けの状態で転生したかった……知らない天井から始まりたかった……

まぁ過ぎたことは仕方が無い、まず立ち上がり周りを見回すと木が沢山生えており森林バイオームぽかった。

 

「ふむ……まぁ木が沢山生えているならまず木材集めでもするかな」

 

そして近くにあった木をマイクラの気分で殴ると木の一部が無くなり……木が倒れてくる

 

「そこは現実なのねぇ!?」

 

木は俺にぶつかるが痛くは無かった。そして俺は思い出す……そうだ!クリエイティブモードで俺は転生したんだ!

そうなると木材集めなんで無駄だし常時無敵状態という事になる。

てかアイテムってどうやって出すんだ?

俺は何となく思いつく単語をいってみる。

 

「アイテム……おっ?おぉ!!」

 

すると目の前に色々なアイテムが描かれた画面が表示された。

原木や木材、石材に羊毛など沢山のアイテムが表示されている。よく見るとゲームの時は原木の種類が数種類だったのに対し、転生してからの画面の中には数千種類の原木があった。

それは他のアイテムも同じであった。

 

~それから1時間~

 

俺は建築アイテムを流し読みして、次に装飾アイテムを見ているとこれまた驚くアイテムが沢山あった。

もとからある苗木や種はもちろんの事ながらラジオや椅子、テレビ等も追加されていた。

 

「こりゃやべぇや!」

 

~それまた1時間~

 

装飾アイテムを流し読みしてレッドストーンを見ようとするとレッドストーンの一覧が消えていた。

どういう事だ?と思ったが、まず全てのアイテムをみてから考えようと思った。

次は移動アイテムを………ファッ!?

 

「車……だと!?それに新幹線にSL!?」

 

トロッコが霞んで見える……

 

 

~また1時間~

 

「次の卵等があった項目は消したって言ってたっけ」

 

食材や薬は沢山あって面倒だから飛ばすか……

俺はその他の項目を開くと、そこには信じられない物が沢山あった。

ダイヤとエメラルドは分かる……しかし、ルビーやサファイア、アメジストなど他の宝石の項目がズラーとあり目が痛くなった。

それにほ宝石を見終えるとインゴットだが金と鉄の他に銀や銅、鋼に刀に使われる玉鋼など沢山あった。

そしてその下には、レッドストーンが消えた理由があった。

電気ケーブルが何種類とあったのだ。その他にソーラーパネルなどがあった。

 

「やばいな……」

 

~まただよ1時間~

 

「はぁ〜……やばいなドキが胸胸してる……」

 

こんな沢山のアイテムを使って物作りが出来る、その事を考えると自分の中にある職人魂の火がメラメラと燃えて激しく胸が高鳴ってくるのだ。

 

「まぁその前に拠点を作らなくてはいけないな!」

 

~20分後~

 

「ふぅ〜完成した。我、満足」

 

目の前には純和風の一軒家が建っていた。

中身は畳と竈と布団だけという質素な家だが雨風を防ぐというだけでは十分な建物だろう。

 

「さて、中に入って一休…「まて!」……?」

 

「貴様、ここが妖怪の山麓の敷地と知っての狼藉か!勝手に家など建てよって……即刻取り壊してこの山から出ていってもらおう!」

 

そう言って現れたのは犬耳と尻尾を生やし着物のようなものを着た男女数名だった。

 

「えっ?コスプレですか?」

 

「なんだ"こすぷれ"とは?私達はこの辺の警備をしている哨戒天狗だ」

 

「哨戒天狗?知らんなぁ?」

 

「貴様、哨戒天狗を知らんのか!?人間の里の者は全て知っておるはずだが……まさか、貴様迷い人か?」

 

「迷い人?」

 

大介は顎に手を当て考える

 

「迷い人はこの幻想郷に迷い込んできたものの事を言うのだ」

 

そして大介は思い出したかのように手を打つ

 

「そうだった!ここ幻想郷か!」

 

「貴様!やはり知っててやったのだな!切り捨ててやる!はぁーー!」

 

云うやいなや一人の哨戒天狗が大介に斬りかかってくる。

 

「ちょっ!?まって斬らないで!」

 

哨戒天狗の刀が大介に触れ血が辺りに溢れる……と思いきや刀は大介の肩に触れたまま微動だにしなかった。

 

「なっ!?なぜ切れない!」

 

哨戒天狗は何度も斬りかかるが何故か斬れない……

大介は斬れない事に安堵しつつ、クリエイティブはこんなところで無敵か……と考えていた。

 

「貴様!どんな術を使っている!正々堂々と斬られろ!」

 

「正々堂々と斬られるってどういう事だよ!?それよりアンタが使っている刀の名前教えてよ」

 

「何故貴様などに教えなければならない!」

 

「良いじゃん教えてくれても」

 

「…………"白狼丸"だ」

 

名前を聞いた瞬間俺はアイテム検索で白狼丸と調べると一発で出てきた。俺はそれを装備欄に持ってきて装備すると一瞬手元が発光して武器が現れる。手元にはズシリと重さを感じられるが振り回せない程ではない。

目の前の哨戒天狗達は驚きを隠せずにいた。

 

「なっ!?何故貴様が私と同じ武器を持っている!」

 

「ん〜…あったから?」

 

「あったからだと!?」

 

「まぁいいから……かかってきな」

 

俺は挑発する様に武器を持ってる反対の手でくいくいと指を動かす。

 

「ちっ!人間如きが舐めるなよ!」

 

先程の武器が通らなかったからか複数人で俺に挑んできた。

目の前の哨戒天狗が俺に武器を振りおろしてきて当たった所で動きが止まりそこを狙って武器を振る。

すると相手の脇腹に刃が当たり血が辺りに溢れる

 

「ぎゃあ!」

 

俺は他の哨戒天狗達を斬りかかろとしたところで目の前の哨戒天狗が「そいつはもういい大天狗様に報告して来い」と言い、俺から離れ周りの天狗がどこかへ飛んでいく。

 

「ふふ……大天狗様達が来たらお前等ひとたまりもないぞ……」

 

目の前の哨戒天狗は脇腹から血を垂らしながら不敵に笑っている。

大天狗と言う奴はそれ程強いのだろうか……

俺はアイテム検索でHP回復のポーションを取り出し相手に渡す。すると相手の哨戒天狗は訝しげな目で俺を見てくる。

 

「なんだそれは?」

 

「傷薬だ」

 

「ふん!敵の施しなど要らぬ」

 

俺はポーションの蓋を開け相手にぶっかけてやると「何をする!」と怒ってくるが、傷が見るみる間に治っていくところをみると驚いている

 

「じゃ、俺は家の中で大天狗が来るまで待ってるわ、アンタは大天狗の所に行くなりなんなり勝手にしろ」

 

そう言って俺が家の中に入ろうとすると「待ってくれ!」と止められる

 

「貴様の名前を聞いておきたい」

 

「まず他人の名前を聞くときは自分から言うもんだぞ」

 

「……私の名前は犬走 椛という」

 

「俺は上履 大介だ」

 

そういうと俺は今度こそ中には入っていった。

 


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