楽×マリー『オネガイ』その後   作:高橋徹

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今日でこの小説、引いては人生初の小説を書き始めてからちょうど1ヶ月が過ぎました!予想を遥かに越えた皆さんの反応のおかげで、書き続けることが出来ています。

本当にありがとうございます(^^)!


第35話「アダナデ」

とある日の放課後の教室。

 

「桐崎さん」

「(あれ、普通だ…)なに?万里花」

教室で万里花が千棘に声をかけた。

「あなたの呼び名って、いっぱいありますわよね?」

「9割方あんたが付けたんでしょ…はっ倒すわよあんた」

「まあまあ。桐崎さん、千棘(ちゃん)、ちとげっち、ゴリ崎、桐ゴリラ、ローランドゴリ崎…後はもう記憶が曖昧ですわ…前回までのをちゃんと読み直しませんと」

「誰視点の話なのよそれ!?まったくあんたってやつは…」

「あら、悔しかったら桐崎さんも私にあだ名をつければよいのではありませんか?ま、あなたにそれほどのセンスがあるのかは甚だ疑問ですが…♪」

万里花がここぞとばかりに千棘を煽る。

「お~~~の~~~れ~~~は~~~…!!!…何かこう、痛いところを突く感じ…『赤点女』!」

「…いきなり学業の方ですか…しかし、学業など私大して気にしておりませんので、心には響きません」

「うぐぐ…あ、『友達少なめ』」

「…泣きますわよ」

割とダメージ。

「…なんかごめん…あ」

「?」

「万里花、あんた、この間楽に対してすごい、なんかもう主従関係みたいな状態になってたわよね?」

「…あ」

「この…『ドМ女』!どーよこれなら!」

「…それならいっそ、『肉奴隷』くらいの呼び名じゃありませんと」

「すごい飛躍した!?っていうかそんな変態じみたあだ名私が呼べる訳ないでしょ!?」

万里花の予想外の返しに慌てる千棘。

 

「あれ、二人で何を話してるの?」

そこに、小野寺が通りかかった。

「あら、むっつり週六さん」

「いやーーーー!!!思いの外引っ張るのやめてよ橘さん!!」

「あ、すみません、間違えましたわ」

「え?」

「先日の王様ゲームで、もうあなたがむっつりじゃすまないことが分かったのでした。…ど淫乱ですよ、あなたは。もう淫寺(いんでら)です、淫寺。」

「なんでインドラみたいになっちゃったの!?バラモン教とヒンドゥー教の神様みたいだよ!?」

「こ、小咲ちゃん…?」

「…は!」

何故かやたらと具体的なツッコミをする小野寺。

 

「あれ、お嬢、何をしていらっしゃるのですか?」

そこに、今度は鶫が現れる。

「あ、つぐむ…つぐみ!」

「え、お嬢、あれ、今、え、え?」

「ナ、ナンデモナイヨ?スコシ、カンダダケダヨ?」

「待ってください、お嬢、今までの信頼関係が崩れる勢いでショックです!!お願いです、何を言いかけたか教えてください!!」

「…つ、つぐむっつりってさ…ぷ…か、かわいいなって…ぷぷ…ちょっと良いなって…ぷぷぷ…思ったんだよね…」

「うわああああああお嬢がそれとなく小ばかにしたあああああああ!!!自決しますううううう!!!」

「うわあごめん鶫!!ごめんって!!死なないで!私にはあなたが必要だから…」

「お、お嬢…」

「あ、桐崎さんは『妖怪舐め乳首』でよろしいですか?」

「ほんぎゃあああああ!!!何よそれ!?って言うかあだ名に乗じて段々とあの日のことを漏らして来る感じやめてよ怖いから!!」

徐々に地獄絵図と化す、放課後の教室。

「あ、小野寺さんはもう『歩く性器』でよろしいですね?♪」

「ひやあああああああ!!!?!?!?なにそれ、なにそれ!?ひどすぎるでしょ!?…あ、それ、よく考えたらみんなそうなんじゃ…」

たしかに、みんな、そうである。

「…あ」

「…」

「…」

「…」

「…じゃあ、採用でよろしいですわね♪」

「だめだよ!?一条君と二度と顔を合わせられなくなっちゃうよ!!」

さりげなく決定しようとする万里花。

「…惜しいですわね…」

何が惜しいと思ったのだろうか。

 

このとき、鶫は考えていた。

「(よかった…どうにかつぐむっつりで止まりそうだ…いや、これも十分ひどいのだが…ぷ…歩く性器や…ぷぷ…妖怪舐め乳首に比べたら…ぷくく)」

「…鶫…なんで笑ってんの…?」

「!!(笑い声が漏れてた…!!)あ、ああ、いえ、な、なんでもないですよ!あはは!」

「まあまあ乳首さん、精子郎さんのことをあまり責めないであげてください」

「「ほぎゃあああーーーーー!!!!!」」

「ちょ、ちょっと!!略さないでよ!!いやどっちもやばいけど!!」

「じ、じ、字面が!!!字面が!!!字面が…うーん」

ぱたり

「鶫ーーー!!?」

「あらあら、一人脱落ですわね♪」

「いや何のゲームよこれ!?命が削れるばっかりじゃないの!!」

「あーらいいじゃありませんか!あだ名で育む絆…素敵ではありませんか♪」

「妖怪呼ばわりされて心を開けると思ったあんたの頭の中はノーベル平和賞ものだわ…」

仲良く…なっているのだろうか。

 

「おーい、何やってんだみんなして?」

ここで、教室のドアががららと開く音がして、楽が入って来た。

「ちょっと楽ー!!聞いてよ、万里花が私のことを『妖怪舐め乳首』って…ひどくない!?」

「…あー…そう、だな…」

「うああそうだったなんかごめん!!本当にごめん!!」

楽の曖昧な返事で事態を察し、急に謝り始める千棘。

「わ、わ、私なんて、あ、ある、歩く性器とか…淫寺とか…つ、つらいよ…」

「あー…たしかにね!」

「それどっちの意味での同意なの!?ねえ聞いてるの一条君!?」

楽の目は青空に向いていた。焦点が定まっていない目で。

「…ぐすっ…ひどすぎる…精子郎ってなんだ…これもはや私じゃないじゃないか…」

「え?誠士郎?そのままじゃないの?」

「…こうだ」

鶫は空中で字を書く動きをした。

「…ぷ…くく…」

「うわあああやっぱりいいいーーーー!!!」

「あら、鶫さん、私はそんな字のつもりで言ってませんのにー」

「ウソつけ!!明らかに目が死んでいるじゃないか!!って言うかなんでそんな死んだ目ができるんだ!?」

信じられないくらい白々しいウソをつく万里花。もはや清々しい。

 

ここで、楽が切り出す。

「ま、まあ…3人がそれぞれ…ぷ…かわいいあだ名…ぷぷ…を付けてもらえたところで…さ…ぷくふふふ」

「ちょっと楽!!あんた絶対笑ってんでしょ!?」

「一条君、さすがにひどいよ!?」

「私に対してなんて、ただただ笑っているだけじゃないか貴様ーーー!!!」

涙目で3人が楽に迫る。

阿鼻叫喚の、地獄絵図。

「…ぷくく…ま、まあそれは一旦置いておくとして…橘、なんでこんなことを?」

ふと湧いた疑問を万里花にぶつける。

 

「うふふ…楽様、友人との絆を深めるには、呼び名を変えるところから歩み寄ることこそが!!一番手っ取り早いのですわ(どやあああ…)!!」

久しぶりのどや顔を見せる万里花。

「…お、おう…」

久しぶりだな、と内心しみじみする楽。

万里花の言葉を聞いて、千棘がぼそっ、と呟く。

「…友達少ないくせに」

「…うるさい乳首ゴリラ」

えげつないカウンター。

「悪夢!?悪夢だわ!!あんたどれだけの悪意を込めたらこんな極悪なあだ名が出来上がるのよ!?ちょっとこっちこいや!!」

若干プロレスじみてくる千棘。

「ふ、ふん、大体あんただって、楽に『肉奴隷』って呼ばれたいんでしょ?」

ぶぼばっっっ

「「「は、はあ!!?」」」

楽と、その話のときに現場にいなかった小野寺・鶫が同時に吹き出す。

「…何をそんな恥ずかしいフレーズを口にしてるんですの?」

「こらーーー!!!あんたが言ったんでしょうが!!これ言うの死ぬほど恥ずかしかったんだからね!!!」

そりゃそうである。

千棘の顔は真っ赤になっていた。

「ま、冗談はさておき♪せっかくですから、楽様、試しにぜひお呼びになってくださいまし♪」

「お、おまえな…それにこんな呼び名使わなくったって…」

「?」

「う~ん…」

楽は何やら頭をひねっている。

「あ、そうだ。今日は3人にひどいあだ名を付けたお仕置きってことで♪」

「え、な、なんでしょう…?」

楽が邪悪な笑みを浮かべ、後ずさりする万里花。

 

「だめだぞー、万里花。友達にひどいこと言っちゃ!…まずは、おすわり。」

楽から命令が下される。

「…も、もう、いやですわ楽様ったら♪」

万里花は笑顔で茶化すが、目に余裕が無い。

「おすわり」

「あ、え…ら、楽様…?」

楽は一向にやめようとしない。

「聞こえなかったか?おすわり」

「…!は、はい…」

万里花は半ば涙目になりながら、4人が見ている中で膝立ちになる。

楽の責めは止まらない。

「…犬はそんな膝立ちをするのか?」

冷たく笑う。

楽が言葉を発する度に、万里花、そして3人の背筋にぞくぞくとしたものが走る。

「(な、なに、何なのよこれ!?)」

千棘は混乱していた。

「ほら、早く」

「う…は、はい…」

そう言うと、万里花はなるべくスカートの中が見えないように配慮しながら、ゆっくりと犬座りをした。

「は、恥ずかしい…」

顔を真っ赤にして、目を開けることも出来ない。

そんな万里花のあごをくい、と上げて、楽が畳み掛ける。

「犬は、そんな口ごたえをするのか?」

「あ…し、しません…」

気付くと、万里花の目は虚ろになり、口は半開きになっていた。

「…ほら、しゃぶれよ」

そう言って、楽は右手中指と薬指を万里花の目の前に差し出す。

「あ…ふあ…」

万里花は何も抵抗することが無いままに、二本の指をそっと掴む。

しかし。

「待て」

「!ふあ…」

舌をべろりと出した状態で止められ、寸止めに悶える万里花。

「…ほしいか?」

「…っ!…っ!」

楽の意地悪な問いに、必死で頷く万里花。

「…よし」

楽から許しを得た瞬間、待ち焦がれたように指にしゃぶりつく。

んちゅっぺちゃっぷちゅっぷちゅっ…

もはや3人のことなど完全に忘れている万里花。

幸せそうにしゃぶりつく。

「よーしよし、良い子だ…」

万里花の変貌ぶりに、楽は興奮が止まらなくなってきた。

万里花の頭を愛しそうになでながら、更に続ける。

「よーし、じゃあ次は…」

 

と、ここで。

「い、い、い…」

「?」

「いい加減にしなさーーーーーい!!!!!」

どむっっっ

「おぐほおっ!!?」

見るに見かねた千棘が、楽に全力のボディブローをかます。

「「…はっ!」」

ここで、楽と万里花の二人が我に返る。

「はあ…はあ…あんたたちね、私たちが見てる前でよくもまあそんなこと…ってこら、万里花!話聞きなさいよ!」

「…~♡」

千棘の言葉の途中で、また楽の指に近付く万里花。

「わ、わりい、千棘。つい…」

「…ついって、なによ、なんなのよもう…。ほら、鶫、小咲ちゃん!帰るわ…よ…?」

千棘が鶫と小野寺を見ると、二人とも呆けきっていた。

「ちょ、ちょっと二人とも!」

「…あ!あ、あれ、お嬢!?」

「…ふあ、あ…。」

二人もようやく我に返る。

「もう!ほら、帰るよ!元々私の用事に付き合ってもらう予定だったんだから!今日のところはじゃあね、楽!」

「あ、ああ…じゃあな」

そう言って、2組に分かれた。

 

「全くもう、あの二人、何してんのよ…!」

千棘はぷんすかしながら歩いている。

「でも…いいなあ…」

小野寺がぽそり、と呟く。

「え、小咲ちゃん?」

「あ!い、いや、なんでもないよ!?」

「そ、そう。ならいいんだけど…」

「…私も…」

今度は鶫がぽそり、と呟く。

「ちょ、ちょっと、鶫?」

「…あ、お、お嬢!な、なんでもないですあははは!」

不自然に笑う。

「もう、頼むわよ二人ともお…」

三者三様に悶々としながら、学校を出た。

 

教室に残された、楽と万里花。

体勢はまだ、先程と同じままだった。

 

「…万里花」

「…はい?♡」

犬座りをしたまま、万里花が愛嬌たっぷりに返事をする。

「…っ」

「ふぐっ!?」

楽はたまらなくなったのか、無言で万里花を自らの股間に押し付けた。

「ら、らっく…んぐぐ…~~~♡♡♡」

無理やり押し付けられていると言う状況と、汗ばんだ楽のモノの匂いでどうしようもないほどの興奮を覚える万里花。

「んぐっ、んぐっ…ぷはっ、んっ、んっ、んっ…♡」

「あ、うあ、う、うぐ…」

気付くと楽はチャックを下ろし、万里花による下着越しの愛撫を楽しんでいた。

そして、しばらく押し付け続けた後、突然楽がその手を放した。

「…はあ…はあ…っはあ…だ、大丈夫か…?」

楽はようやく我に返ったのか、万里花の身を案じ始める。

「…どうしましょう」

万里花はようやく立ち上がると、少し困った顔をした。

「?どうした?」

「…癖になっちゃいそうです…戻れるかしら…あ、でもらっくんの好みなら、どんどん突き進めばいいだけですわよね♪」

こんな行為の後にも関わらず、万里花は満面の笑みを浮かべた。

「…」

「…あんっ…だから…無言で胸を揉まないで下さいってばあ…♪」

たまらず、また手が出る楽であった。

 

 

「…あの3人とどう接して行こうかな…」

万里花の胸を揉みしだいた後、そのまま抱き寄せながら、楽はぼんやり考えていた。

 

 

 

続く。




今日で丸1ヶ月とか言ってたのにえげつないのが出来ました。やばい。

あだ名はせっかくだからオウサマのくだりを混ぜようと思ったら3人とも地獄みたいなことに←

そして、今回は、途中から急に「あ、マリーをいじめよう」と思い付き、変態にも程がある展開にしました。やばい!

感想・リクエスト(主にエロ方面)、どんどんお待ちしております(^^)!


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!

次回からは、いよいよデートのところを書こうと思います。考えないと()なので、少し空くかもしれません。エロの方を先に書くかもしれません()よろしくお願いします!!

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