保健室にやって来た万里花と楽。
「さあ、らっくん、ここでお休みになってください」
「あ、ああ、すまねえな万里花…」
そう言って二人は、保健室のベッドに並んで腰を掛けた。
「まったくもう、あの方たちは…」
「はは…まあ、いつものことだから…」
「…らっくん、こっちへいらっしゃい?」
「…え?」
見ると、万里花がベッドの少し奥で膝枕の体勢を整えていて、太ももをぽんぽんと叩いて手招きしている。
「…マジでか」
内心ものすごくテンションが上がりつつも、声に出すのを何とか抑える楽。しかし、若干上ずり気味である。
ぽふっ、と言う音を立てて、楽が万里花の太ももに頭を乗せ、ふと上を見上げると万里花と目が合った。
「…なんだろう、この天国は」
楽がぽそりと呟く。
「ふふ♪気持ち良いですか…?」
万里花が優しく微笑む。
「…うん、気持ち良いし、万里花、めちゃくちゃかわいい。」
ありったけの本音を話す楽。
「…もう」
万里花はほのかに頬を赤く染めながらも、楽の頭を優しく撫でる。
「…本当に、心配したんですよ…?」
笑顔に少し、困ったような表情が混じっていた。
この表情もものすごくかわいいと思った楽だが、ここはちゃんと返事をしなければと思い、その言葉を言うのを留まった。
「ごめんな、心配かけて。…って俺、一方的にやられただけじゃん!」
「…ふふ♪それもそうですね♪」
キーンコーンカーンコーン
そんなやりとりをしていると、1限開始のチャイムが鳴った。
「あ、1限がもう始まった…。そういや、万里花は大丈夫なのか…?」
楽がふと疑問に思い、万里花に尋ねる。
「心配要りませんよ♪二人分病欠届を出しておきましたから♪」
「…え!いつ?」
「うふふ…私が動かずとも…」
ぱちんっ
すたっ
「…そう言うことか」
万里花が怪しく笑い、指を鳴らすと、どこからともなく本田が現れた。
「…本田さん、いつもお世話になってます…。」
「いえ。それでは」
しゅっ
短く言葉を言い終えると、本田は再びどこかへと消えた。
「らっくん…しばらくお休みになって良いですよ?先生が来たら事情をお話しますから♪」
「お、おお…じゃ、お言葉に甘えて…」
「きゃんっ♪…もう」
楽は万里花の言葉を聞くと、この状態を見られるのはものすごい恥ずかしいのではと思ったものの、この天国から抜け出す意味は全く無いと思い、万里花の股の方に寝返りを打った。
そんな楽を見て微笑みながら、万里花は再び楽の頭を撫で始めた。
程なくして楽の口からすー、すーと言う寝息が聞こえてきた。
「…ふふ♪かわいい寝顔ばい…♪」
万里花の表情は、まるで赤ん坊を寝かせる母親のように優しかった。
しばらくして。
「…ん…うん…」
楽がゆっくりと目を覚ました。
「おはようございます♪」
「…ん、おはよ。…今何時だろ…?…30分くらい寝てたのか!すげえぐっすり眠れたな…」
「良かったです♪なんでしたら毎晩でもしてあげましょうか?」
「!そ、それは…今度ぜひ…あ、昼休みに10分15分だけでも良いか…?」
「あら、乗り気になってくれましたか!わーい♪他にも何かしてほしいことがあったら、どうぞなんなりと…♪」
楽は万里花の優しい笑顔を見て、また心が安らぐのを感じた。
と、そこであることに気付く。
「あれ、万里花、もしかして…俺が寝てる間もずっと撫でていてくれたのか?」
「ええ♪」
「そんな…大変だろう?」
「ぜーんぜん、大変じゃないですよ?らっくんの寝顔かわいいから、ずーっと撫でたくなっちゃうんです♪」
「…それ、反則…」
万里花の言葉を聞いて、楽は顔を赤くした。
「うふふ…♪…らっくん」
「ん?どうした?」
「…大好きばい♡」
「ほがあっ!!!」
「!?らっくん!?」
万里花の言葉に、ものすごい勢いでハートを撃ち抜かれたようである。
万里花の太ももの上で悶える楽。
「…はあ…はあ…今のは、幸せすぎて死ぬかと思った」
「…♡」
万里花はにこっ、と微笑んで、また楽を撫で始めた。
そしてもう数分経った頃、楽はあるところに意識が行った。
今までは万里花の膝枕に、何よりも安らぎを求めていたのだが、目の前には万里花の胸があるのだ。
気付くのが今更な気もしたが、具合も良くなってきたところで余裕が出来たのだろう。万里花の胸を凝視し始めた。
当然、万里花も楽の視線に気付く。
「…あら♪どうしたんですかー?♪」
万里花が意地悪に聞く。
「…いや、素晴らしい胸だなーと」
「もう♪…触り、ます?」
万里花の表情が、母親のような優しい表情から、うっすらと色気を帯びた微笑みに変わって行く。
楽もそれに勘付き、万里花を見る目が変わる。
二人の間の、空気が、変わった。
「…じゃあ、遠慮なく…」
そう言って、楽はゆっくりと万里花の胸を楽しみ始める。
「…んっ…ふっ…」
声を漏らすのを我慢する万里花。こんな状況でも楽の頭を撫でてくれている。
「…もう…らっくんたら…触り方いやらしいですよ…ひいんっ…」
徐々に万里花から甘い声が漏れ出す。
「…ん…んあ…ふう…らっくん…らっくん…」
声を必死に抑えながら、万里花が楽に顔を近付けてきた。
今にも唇と唇が触れ合いそうな、お互いの吐息さえかかる距離。
目の前で見つめ合いながらも手を止めない楽。
「…ひう…ん…私だって…♪」
「!う…お…」
万里花はそう言うと、するりと楽の股間へ手を伸ばし、片手で器用にベルトを外しズボンを緩めると、ズボン、そしてパンツの中へと手を突っ込んだ。
「こんなところでらっくんのたくましいモノを出す訳にはいかないですからね…♪こんなの他の女の子が見たら、それだけで妊娠しちゃいます!」
「…お、おまえな…う…くう…」
万里花の冗談に言葉を返そうとするも、万里花の愛撫に負け声が漏れる楽。
「…なら、こっちだって…」
「…ひうっ!?ん…んん…んああ…」
楽は左手は万里花の胸を揉んだまま、右手は万里花の尻に潜り込ませ、スカートの中に手を入れ下着越しに責め始めた。
「ひあ…あ、だめ…らっくん…」
「ん?どうしてだめなんだ?」
楽はさっきのお返しと言わんばかりに意地悪に聞く。
「…もう…あう…んん…ひあ…し、下着…また、ぐちゃぐちゃになっちゃうよお…」
万里花が楽の顔の目の前で、甘い声を漏らしながら、はしたない言葉を口にする。
「…!!」
ここまで、場所を考えて動きはある程度自制していた楽だったが、ここで理性の糸が、ぷつっと切れた。
「…万里花!!」
起き上がり、がばっ、と万里花に覆いかぶさる。
「あんっ…♪きゃー、狼さんに襲われちゃうー♪」
万里花は押し倒されているにも関わらず、楽しそうに楽をちゃかす。
しかしそんなことを言いつつも、身体はもう完全に楽に委ねている。
「…まったく…。…それじゃあ、いただき」
がらがらがらっ
「失礼しまーす。楽ー万里花ーだいじょう…ぶ…」
入ってきたのは、千棘・鶫・小野寺・るりの4人だった。
このメンバーと、保健室と言う場所、そして楽が万里花を押し倒していると言う状況。
楽と万里花が10年ぶりに再会した日と、同じ状況であった。
唯一、決定的な違いは、この行為を楽が進んで行っていると言う点だが。
時は流れるものである。
「…」
「…あ~っと、え~っと…モ、モウダイジョウブダヨ…?」
好きでやっているのだから、間違っても『違う!』等とは言えない。
楽に出来るのは、お茶を濁すことくらいである。全く濁せていないが。
「…」
「…」
「お久しぶりです、獣(けだもの)さん」
「お久しぶりです!?そんなごみを見る目で見ないで!!」
「死ねカス。さあ私の家に行こう」
「前半はお久しぶりです!後半笑顔で言うのやめて泣いちゃう!!」
「まじファックだわ」
「もはやはっきり言っちゃった!!?」
「…」
「お、小野寺…?」
「…ソ、ソウデス、ワタシノムネハ、Cカップデス」
「小野寺が壊れたー!!!」
前回よりも4人のリアクションがパワーアップしていた。
「や、やばい、死ぬ…。…あ、あれ、万里花?」
楽はあることに気付いた。
万里花は依然としてうっとりとした表情のまま楽を見つめており、この状況に全く気付いていない。
いやな予感がする楽。
そして次の瞬間。
「らっくん、もう…早く…」
万里花はそう言うと、急かすように楽の両手を掴み、そのまま自分の胸に持って行って鷲掴みにさせた。
「んあう!…気持ち良い、よお…」
全く抑えることの無い嬌声が保健室中に響く。
瞬間。楽の背後で4つの火山が噴火する。小野寺は湯気の方だが。
がしっ
「あ」
「「「連行します」」」
ずるずるずるずる
「あ~…」
3人に引きずられ、楽はどこかへと連れ去られた。
万里花がぽつん、と残され、小野寺は気絶している。不憫である。
「…あん、もう…中途半端にされちゃったから余計に…」
そう言って、万里花は少しだけ、もじもじとした。
続く。
エロ部分をR-18に置いたところ、結果的にこちらの宣伝に繋がったのか…こちらのUAとお気に入り登録数が急激に増えました。なんと言う。ありがとうございます!!
微エロまではここ(今回のはぎりですかね←)に書いて、それ以上は向こうに載せたいと思います。
現在進行形で向こうにどエロを書いているので(少しだけ時間を飛ばした設定です)、そちらもお楽しみ頂ければと思います!
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!