ある日の朝、鶫は上司のクロードに呼ばれ屋敷の一室にいた。
そこで、台車に乗せられたペットボトルを見付ける。
「…なんだろう、これは…?」
「おお、誠士郎。突然呼びつけてすまんな」
クロードが現れた。
「クロード様、これは一体…?」
「これはな、一見ただの水なのだが、飲んだ者から微細な匂いを発して、周りの人物に影響を与える薬品だ」
「影響…と言いますと?」
「具体的には、周りの人物が薬を飲んだ者に対して抱いている感情を反転させるのだ。飲んだ者のことを普段好いていれば、薬の効果が出ると嫌悪感を露にするようになる。その逆も然り。普段好意的であればある程、影響を受けた際の嫌悪感も増すのだ」
「は、はあ…。しかし何のために…?」
「いいか、私は今もお嬢とあの男、一条楽の関係を疑っている。この薬を使えば普段表に出している態度とは関係なく、『本音』の逆の反応が出るのだ。即ち、これを一条楽に飲ませてお嬢の態度を見れば、お嬢の本音≒恋人関係の真偽が確かめられるのだ!」
「な、なるほど…!」
「そう言う訳で任務だ。これを学校で奴に飲ませるのだ。そしてお嬢の様子を後で私に報告しろ」
「承知しました。…しかし、この場合私にも影響が出てしまうのでは…?」
「心配するな。これは異性にしか反応しない。男性同士なら何の影響も出ないのだ」
「そ、そうなのですね…(この人はまだ私のことを男だと思っているのかー!?)」
「ちなみに、効果は通常1時間程で、影響を受けた者はその間の記憶はしっかり残るようになっている」
「承知しました。行って参ります。」
そんな訳で、薬品を受け取った鶫はそのまま学校へと向かった。
鶫と別れた後、クロードは伝え忘れたことを思い出す。
「…あ、あまりにも正負どちらかの感情が強すぎる場合、効果の持続時間が長くなるというのを言い忘れていたな…まあ、私の読みではお嬢はヤツにさして好意を持っていないはず。誠士郎にわざわざ伝えずとも大丈夫だろう」
そう考えたクロードは、鶫に追加で伝えるのをやめた。
教室で楽に会った鶫は、ただちに任務を開始する。
鶫は楽に薬の入ったペットボトルを見せた。
「なんだよ鶫、これ?」
「ビーハイブで開発したミネラルウォーターでな、疲れを取る効果があるらしい。他の皆さんの分も用意してあるんだが、先にぜひ飲んでみてくれ。」
小さな嘘も混ぜ、楽に薬を飲ませようとする鶫。
「へー…おまえんとこ、気の利いたもんを作るんだな。じゃあ、一口頂きます…」
楽がペットボトルを口に運ぶと、鶫は小さな笑みを浮かべた。
ごくっ
「…飲んだ感じは、普通の水だな…」
「ふふふ…」
「?」
「ふはは!!薬を飲んだな一条楽!!いいか、これはなあ、薬を飲んだ者に対する周りの人の感情を反転させる薬!つまりお前の周りの女性たちがお前に対して、普段心の中で好いているのであれば嫌悪感を露に、嫌っていれば好意的に接してくる薬なのだ!!」
「!?は、はあ!?何のためにそんなもの…」
「クロード様はおまえとお嬢の関係を疑っておられる。もし今のこの状況で、お嬢がお前に対して明らかに険悪な態度をとらなければそれ即ち愛情が薄いと言うこと!つまり、恋人関係は虚偽だと分かるのだ!」
「んなー!!?」
「…わ、私は、そんなことは無いと信じたいのだが…」
クロードの意向は伝えたものの、胸の内にある本音を少しだけ見せた鶫。
「で、でも、それじゃお前も影響を受けるんじゃ…」
「ふん、その点は抜かりは無い。影響を受けるのはせいぜい1時間程度だし、その間の記憶も残る。私はお前から一定の距離を取って観察させてもらうぞふふふ…」
「おまえ…朝からなんつーことを…」
会話をして行くうちに、楽の身体から仄かに甘い香りがしてきた。
「お、効果が出て来たようだな…では私は様子を見るとしよう」
鶫はそう言うと、楽の前から姿を消した。
「お、おい!?」
一人取り残された楽。
そのとき、千棘が教室に入って来た。
「だーりんおはよう!あら、何かしらこの甘い匂…い…」
言葉の途中で、見る見る目の色が変わる千棘。
「あ、ち、千棘…!?」
「…滅殺!!!」
ばきばきばきばきばき
「ぎゃあああああああ!!?!?」
いつも通り殴り飛ばされる楽。しかし今回は理由が初めから分かっている。
「…いつもと同じってことは…いつもは照れ隠ししてるようなもんで、本当はある程度好意は持ってくれてるってことか…?だったらいいんだ…が…げふっ」
燃え尽きた。
次に小野寺とるりが教室に入って来る。
「あら一条君おは…よう…」
先に変化が現れたのはるりだった。
「お、おはよう宮本…さん…?」
先程の例もあるため、恐る恐る様子をうかがう楽。
「…この鈍感クズ野郎」
「…うおえ!?え、いや、は、はあ…」
なじられたのである程度好意を持ってくれてはいるのだろうが、なじり具合から判断するに好意の程度も大したものではなさそうだった。しかも言われた言葉はまるで常日頃から思っているかのような重みがあり、楽は妙なダメージを受けた。
「もう、るりちゃん!一条君にひどいこと言わない…で…」
今度は小野寺に変化が現れる。
「あの…小野寺」
「このへたれ。肝心なところで寝る愚図。このハーレムの状況をなんだかんだ楽しんでるクソ野郎!!」
がすっ
「!!!??」
小野寺の口から出たとは思えないひどい言葉でなじられた上、尻を思い切りミドルキックされた楽。嫌悪感がこもっているせいか、小野寺の運動神経からは考えられないほどの蹴りの強さだった。
「まったく、気安く名前を呼ばないでほしいわ」
「お、おので…ら…キャラまで変わって」
がすがすっ
「ぐおあっ!!?」
「だから名前を呼ばないでって言ってるでしょ」
再び、今度は2発ものミドルキックをもらう楽。
足早に楽の元を去る小野寺。
「ううう…こんなことになるってことは小野寺、結構俺のこと好きでいてくれてるんだろうけど…あんな…俺のことを全力で罵倒してミドルキックして行く小野寺なんて…顔は天使のままなのに…小野寺とは思えない…うおおおおお…!!」
跪きながら慟哭する楽。千棘・るりと違い、普段の天使の如き態度とのあまりのギャップに悲しみが止まらなかった。
そんな中、万里花が教室に入って来た。
「楽様ー!おはようございます♪」
「(…万里花…!!…待てよ、万里花がこれの影響受けたらとんでもないことになるんじゃ…!?)」
「どうしたんですか跪かれて?制服が擦れてしまいます…よ…」
言葉の途中で万里花の目が見る見る冷たくなって行く。
「このごみ虫が。そのまま跪いて制服も膝も擦り切れるまで地を這っているのがお似合いだわ。ああ穢らわしい…」
「んなーーーー!!!!???」
暴力こそ振るわれないものの、ある程度覚悟していたレベルをはるかに飛び越えた罵倒が飛んで来て驚きを隠せない楽。まるで中世ヨーロッパの王族が庶民を見下すかのような言葉遣いであった。
「お、おい万里…」
「話しかけないでちょうだい。敬語を使うのも嫌だし、同じ空気を吸いたくもないわ。」
そう言い残し、万里花は去って行った。
「…つ、つらい…」
そこへ鶫が戻って来る。
「…お嬢の反応は…いまいち判断しづらかったな…」
「お、おまえなあ…」
普段仲良くしている女子たちにこれ以上無い程ぼこぼこにされ(主に後半の2人)、未だかつて無いほどの落ち込みを見せる楽。
鶫はその様子に気付き、慌てて謝る。
「す、すまなかった…まさか周りにあれ程の影響が出ると…は…」
「あれ、鶫まさかここに来ての」
「うるさい、死ね」
どんどんどんどんどんっっっっっ
「ぬおあああああ!!!!???」
シンプルな罵倒と銃撃と言う、いつものセットで攻めて来る鶫。
楽は逃げまどいながら考えていた。
「(い、いつもの鶫より心なしか冷たい気が…ま、まさか…)」
ばすっ
「おふっ」
顔がにやけかけたところで銃弾が見事にヒットした楽であった。
1限を終えた頃、次々と薬の効果が解けてきた。
「あれ、さっきまでのあの感覚が無くなった…」
「私はそんなに違和感は無かったけど…」
「あ、あわわ、私一条君になんてこと…」
三者三様の反応をする千棘・るり・小野寺。
「申し訳ありません!実は、こうこうこう言う訳で…」
鶫は薬のことを、目的のところはそれっぽくぼかして、効能や持続時間が1時間程度であることを3人に伝えた。
「へ、へ~、そう言うことだったの…!(ん~~~さっきぶん殴っちゃったけど…あれくらいなあいつのこと好きだってばれないよね…!?)」
「ふーんそうなんだ…(私、ただ本音を言っただけじゃない…?)」
「あ、そ、そ、そうなんだねあははは!(どうしようどうしようどうしよう!あれだけひどいこと言っちゃうなんて好きだって言ってるようなもんだよ~!)」
これまた三者三様の反応を見せる。
一方、楽は皆が元に戻ったことに安心していた。
「いや~なんにせよみんな戻って良かったよ!(小野寺の本音も聞けた気がするし…♪)あ、橘もそろそろ…」
そう言って楽は万里花に話しかけようとするが、様子がまだおかしいことに気付く。
「…話しかけないでと言ったでしょう、この種馬が」
「なんかすごい罵倒が飛び出した!!?」
下ネタ混じりではあるが、罵倒であるのには変わらない。万里花が元に戻っていないことに慌てる楽。
「お、おい鶫、どういうことだよ!?効果は1時間くらいで切れるんじゃ…!?」
「わ、私にも分からないのだ!待ってろ、今クロード様に確認を…」
鶫はそう言うと、クロードに電話をかけた。
「おお誠士郎か、どうした?ふむふむ…すまない、説明不足だったな。効能時間のことで先程伝えるのを忘れていたことがあったのだ。あまりにも正負どちらかの感情が強すぎる場合、効果の持続時間が長くなるのだ。まあどんなに長くても一日程度で切れるはずだから安心しろ」
クロードはそう言って電話を切った。
会話を聞いていた楽が落胆する。
「い、一日…橘にあの態度をとられるのか…きついな…」
「だ、大丈夫だよ一条君!あまり話しかけないようにさえしておけば!それに愛情の裏返しなんだ…し…」
小野寺は楽をフォローしようとして、自爆していることに気付き耳まで真っ赤になる。
「あ、うん、きっとだいじょう…次の授業の準備しなきゃね!」
「小野寺ー!?途中でやめないでー!?」
言葉が続けられなくなり、小野寺は逃げ去った。
「うう…まあ、一日くらいならなんとか頑張って耐えるか…」
楽は腹を括った。
しかし。
万里花の様子は次の日も変わらなかった。
それどころか万里花の方から楽を執拗に責め始める。
わざわざ楽の前を通っては
「あ~らこんなところに本能丸出しの種馬さんがいるわね。皆さんもご注意くださいね~♪」
「お、おまえな」
「話しかけないで」
「ひどくない!?」
こんなやりとりが幾度となく行われた。
更に夜、楽が自室に居るときも万里花からの攻撃が。
「あれ、万里花からLINEが…まさか戻ったのか!?」
「あなたからの既読が付いただけで不快だわ、この種無し種馬め」
「それもうなんなの!?」
「もっとノリツッコミなり例えツッコミなりの高度なツッコミをしなさいこのすべり野郎め」
楽のツッコミに対しても冷たいダメ出ししか返ってこない上に、引き続き向こうからひたすら罵倒の言葉が飛んで来た。
「う、うう…攻めが一日中止まらない…」
寝る前、楽は悲しげに呟いた。
そして楽が薬を飲んだ3日後の朝。
学校でも家でも万里花から罵倒され、尋常でないほど疲弊している楽。
周りのメンバーもどうしていいか分からず途方に暮れていた。
「ま、万里花に嫌われるのがここまでしんどいとは…うう…」
机に突っ伏している楽に、鶫が申し訳なさそうに近付いて来た。
「い、一条楽…大丈夫か…?」
「…これが大丈夫に見えるか…?」
「うう…そ、そうだな…本当に申し訳無い…」
「もういいよ済んだことだし…それにしても…いつになったらあいつは元に戻るんだ…ん?」
どどどどどどどっっっっっ
楽が話していると、急に廊下から激しい足音が聞こえて来た。
ばーーーんっっっ
叩き付けるようにドアを開けたのは、目の色が元に戻った万里花だった。
「ま、万里花…!…元に、戻ったのか…?」
「あう、あうう、あううううう…!!らっくん~~~~~!!!」
万里花は泣きながら楽に抱き付いて来た。
「うお!!?そ、そうか、戻ったんだな!」
安心する楽。
「あうう、わ、私は何故らっくんにあんなことを…!!?本当に、本当に、本当に…申し訳ありません…うわあああああん!!」
わんわんと泣き始める万里花。
「いいっていいって…俺は大丈夫だよ。そのことなんだけど、鶫、説明頼むわ」
「あ、ああ」
「…?」
鶫が出て来たことに首を傾げる万里花。
「実はな…橘万里花、今回のおまえの行動は、私が一条楽に飲ませた薬によるものなのだ」
「!?」
「おまえには、本当にすまないことを…」
ぱーーーんっっっ
「!!!」
鶫が言葉を終えないうちに、鶫の頬へ万里花の平手打ちが飛んだ。本気だった。
「…あ…」
鶫は言葉を失う。
万里花が話し始めた。
「…私は!!楽様と少しでも長く、楽しく、一緒に過ごしたいのです!!一分一秒たりとも無駄にしたくないのです!!それをそんな薬で邪魔されて、その上…楽様に…あんなひどいことをずっと…う、うえ…二度と…二度とこんなことしないでください!!!…う、うえ、うえええええん…!!!」
言葉半ばで泣き出した万里花。綺麗な瞳から大粒の涙が止めどなく零れ落ちる。
「…う、うう、ほ、本当に、すまなかった…うう…ご、ごめんなさ、ひっく、ごめんなさい…!!う、うわああああ…!!」
万里花の涙につられ、鶫まで泣き出した。
「お、おいおい泣くなよ…」
「ほらほら、鶫、大丈夫だから、ね?」
万里花には楽が、鶫には千棘がそれぞれ慰めようと抱きしめた。
「う…ひぐ…楽様…ごめんなさい…えぐっ…」
まだ落ち着くことが出来ない万里花に、楽が優しい言葉をかける。
「だーかーら、大丈夫だよ。もう気にすんなって。」
そう言って万里花の頭をぽんぽんとなでた。
「うう…ぐす…ほ、本当ですか…?」
「本当だよ。…確かに冷たくされてる間はしんどかったけど、それだけ俺のことを想ってくれてるってことだろ…?悪い気はしねえって言うか…嬉しいよ」
照れからか、万里花から少しだけ目を逸らして楽が言った。
「ら、楽様…」
楽の言葉に万里花は顔がぽーっと赤くなり、とろんとした瞳で楽を見つめた。
徐々に瞳はきらきらし始め、最終的にハート型に変わる。
「ああ、楽様…本当にお優しくて…かっこよくて…素敵です…」
「お、おいおい、そんなに褒めるなよ…」
「いえ、本当にそう思っているのです…ああ…楽様…も、もう…!!」
万里花は突然立ち上がり、楽の腕を掴み連れ去ろうとする。
「お、おい橘!?急にどこ行く気だよ!?」
「ホテルですわ。近くに御用達にしている良いホテルがありますの。そこへ行きましょう」
いつも通り、いや、それ以上にエンジン全開の万里花になっている。
「うおおいつもの橘に戻った…いやそれどころじゃなくて!なんでだよ!?」
「もう、もう、もう、楽様がかっこよすぎて我慢ならないのです…!!私を、私を孕ませてくださいまし!」
ぶふうっっっ
楽が盛大に吹く。
「うおいいい!!まず朝だ!!そんでここは学校だ!!あとみんなが周りに居る!!あとそんな関係じゃないだろ俺ら!!(『まだ』っては言わないでおこう…)あと、せめてもう少し言い方を遠回しにしてくれ!!」
連続でツッコミをする楽。一分一厘の隙も無い正論である。
「ああん楽様のいけず!よいではありませんか!結婚はまだ法律上出来なくとも、楽様の子を宿すことは出来ます!さあ、どうか私を孕ませてくださいまし!!」
「だーーかーーらーー…」
しばらくこのやりとりは続いた。このときの楽の、なんだかんだまんざらじゃない感じにいらいらした千棘が、この会話のあと比較的理不尽に楽のことをぶん殴っていた。
ちなみに。
楽と万里花のやりとりの後。
「い、一条君と橘さ…そ、それって…な、中出」
「小咲…それ以上はだめよ」
「あ、る、るりちゃん…で、でも孕むってそれ、な、中出」
「だからだめだって言ってんでしょ、この耳年増!かなりやばいわよそのワード!」
「うう…私に教えたのるりちゃんでしょ…」
小野寺がむっつりを全開にしていた。
後日。
「そういや、万里花はさ」
「はい、なんでしょう?」
「鶫と仲直りはしたのか?」
「んふふ…ただ許すのは癪でしたから、せっかくだからと交換条件を付けて許しましたわ!」
「え、どんな条件なんだ?」
「『今後1ヶ月の間、私がらっくんにどれだけ抱き付いたりしても絶対に発砲してはいけない』という条件ですわ♪」
「…抜け目ねえな。」
「うふふ…覚悟してくださいね♪」
「お、おう…」
「あ、そうですわ」
万里花が何かを思い出した。
「ん、どうした?」
「あのときの…あの暗黒の3日間のお詫びとして、何か致したいのです。なんでもします!いくらでも!」
「(暗黒の3日間って…聖書かっての…)い、いや急にそんなこと言われても…!」
「で、では、一つでいいです。何か私に命じてくださいまし!…エッチなことでもいいんですよ…?」
万里花は少し恥ずかしがりながら言葉を付け足した。
「お、いや、まあ、そ、そんなことは、ねえ?いやまあ、うん、ええっと…」
エッチというワード1つで激しく葛藤する楽。命令してみたいことはたくさんあるのだろう。
「じゃ、じゃあ…」
「はい、なんでも!」
「今度デートするときさ、ミニスカ履いてくれねえか?」
「え、あ、ええ?それでいいんですか?…少々恥ずかしいですが…」
万里花は少しばかり顔を赤らめる。
「そう!いつもロングスカートだろ?あれもかわいいけど、万里花のその…セクシーなところも見てみてえなって思って…」
「…わ、わかりました、着ますわ!よくよく考えたらデートして頂けるのですか、それ自体も嬉しいですらっくん!♪」
楽の言葉に舞い上がる万里花。
「…あ、今思い付いた」
「え?」
「そのデートで、ミニスカを買おう。俺が選びたい。…うん、選びたい。」
「…らっくん、急にエッチになったばい…」
「う…だめか…?」
「…よ、よか…」
「(ああだめだもうめっちゃかわいい)」
楽の提案に照れ、思わず方言が出る万里花。楽はとろけている。
「じゃあ、約束だぞ?」
「…はい♪」
こうして今回の騒動は無事丸く収まったのであった。
続く。
休日出勤終了後、つらつらと書いてました。
…そんなに長くならないだろうと思ったら、一話の長さが今まででダントツという。
今回は今までに比べて他のキャラも出しつつ、マリーのビンタやマリー・鶫の号泣と言うシーンを入れてみました。自分で入れてみて「これ新鮮…」って思いました()
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!