すいません……内容とかWi-Fiとか免許とか言い訳するつもりはありませんが、とにかくすいません……。
あと完全に後れ馳せながら明けましておめでとうございます……。
それと、今回で冒頭の件は一区切りです。
掻き分けていた筈の人混みが唐突に消え、目の前から魔法を撃ち込んでいる戦闘音が聞こえる。
そこにはエリオ君とキャロちゃん、そしてフリードが所々怪我しながらも戦っていた。
――真っ黒なフライパンを持ったあおなさんと。
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第58話『ぶっこぬき』
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「……ほなら、なんなん?今、この瞬間にその『U-D』っちゅうのが……」
「あぁ。確実に起動してるだろうな。……それでいて今は……盾街家の付近にいる」
「……そんな、なして私は気付けんかったん……」
「主は魔導士となってまだ日が浅い。それに周りに
こればかりは主を責める訳にもいかない。
本当に仕方がなかったとしか言いようがない。
「………………」
……このショボくれた顔にしてしまったのは私の所為ではないが責任はある。ただ私は主に問うただけではあるが、それが主の逃げ道を塞いでしまったのだろう。ならばその逃げ道を開かねばならないのもまた私の役目、無かった事にしてくれ、聞かなかった事にしてくれ、とまでは行かないが『
「……ふむ。なぁ主。別に主は行かn 「ナハト」ひゃう!?」
なにこの気迫。
「…………今すぐみんなを呼んでもろうても、ええか?」
「え?……あ、あぁ。今すぐにだな?承った」
主のその目は逆らうことを許さない覇気があった。
……私が『主が少しご立腹でみんな早く来て』との念話を送ってものの数秒経つか経たないか、全員、私を含めて既に鎧を纏った状態で主の元へと馳せ参じ、膝をついた。
「みんな、集まったな?……ほなら、私が今から言うことを聞いてもらいたいんやけど、ええかな?」
主からの問いに何かしらの反応を示さなければならないんだろうが、その覇気は私達を押さえつけるのには充分だったようで、私なんて口すら開けない。
「ぉ、仰せのままに」
シグナムがかろうじて返せたか。……まぁ、守護騎士達からしたら覇気よりも驚きの方が勝るだろう。普段のおっとりしている優しい主を知っていれば尚更か。
「良かった。……ほんで、用件っちゅうのは今から、あおなん家に行こうと思っとるんよ。あぁ勿論そないな程度の用件でみんなを呼んだんとちゃうで?行くくらいなら一人で行けるしな?……せやけど、ナハトから、『U-D』っちゅうもんを聞いた。それがどれだけ危ないもんなんかってのもひっくるめて聞いた。それは私達の手に入れた日常を壊すもんやってのも」
ぽたり、と主の瞳から落ちた雫が絨毯を濡らす。
「……せやから、私は守りたい。恩返しをしたい。助けてもろうて、まるで今までの旧友みたいに接してくれた友達を守りたい……。せやからお願い。私一人じゃ、なにもできないし守れないから……みんなの力を借りてもええか?」
主のその目には既に涙の光と共に覚悟の灯火が輝いていた。口ではなにもできないと言いつつも私達が断れば一人で行くと言わんばかりの意思がそこにある。
「……主。私達は主の守護騎士です。主が危険な所に飛び込むのであれば全力で止めますし、主の危機が迫れば死力を持って主を助けようと考えております。……今回は明らかに前者の方ですが、私も彼らに恩を返したいですし……」
「シグナム……」
シグナムが立ち上がると同時に、他の騎士達も立ち上がる。
「あたしだって……あたしだってあいつらにはやてを助けて貰ったでかい借りがある。……借りっぱなしってのは気持ち悪ぃ……からちゃんと耳を揃えてあいつに返してやる!」
「もぅ……シグナムとヴィータちゃんに言いたいこと全部言われたからもう私が言うことは無いわね……。でも私も皆と同じ、はやてちゃんについていくわよ」
ザフィーラは無言の頷きのみ。なんかしゃべれよ。
「私のこの身は勿論主と共に!」
リインはもう思考停止してもいいと思う。
「皆……。ありがと。……ほなら、いこか!」
主は目元の涙を拭うと魔法陣を展開し、騎士甲冑を纏った。
はじめて主の甲冑姿を目にしたが……うん。王として、指揮する者としてのオーラが溢れているように感じれる。
「シャマル。テレポートお願い」
「了解!」
床には大きなベルカの紋章が描かれ、部屋には魔力が充満する。気付くと主の部屋から盾街の家の上にいた。
……本当に盾街の家なのかは分からなかったが、
ここが盾街の家(仮)か……。このような形では来たくなかったが、今はそんな悠長な事は言ってられないな。
「シグナム!ヴィータ!二人は結界を張ってこれ以上被害がでぇへんように、それでいて『U-D』を逃がさんように!シャマルは怪我人のとこ行って治療をよろしく!ザフィーラはシャマルの護衛!」
「「「了解」しました!」」
結局ザフィーラは何も喋らないままなのか。
「リインとナハトは――」
指示を出していた主の言葉を遮り、私達の下方から聞き覚えのあるような無いような声が聞こえる。
――いっちょお空の旅でもしてきてくださいッッッ!!」
それと同時にトラックが壁にぶつかるような轟音と共に下から人影が飛び出した。
「なっ、なんや!?」
「下がれ主。あれが私達の目標である『U-D』……」
倒さねばならない存在――と続けようとしたが、その前にリインが早く動いた。
「ふんッ」
その光景は主に見せてはならないと肘と肩の関節を犠牲に目隠しをする。
「今度は真っ暗になった!?」
主には悪いが流石にリインがモツ抜きをする所は見せられない。それでも『ずぶり』の後の身体から抜き取る『ずちゅり』といった音が響き渡る訳だが。
「ふぐ……ぅ……」
……む?『U-D』が目を開いたか?……いやまぁ、流石に腹部に違和感を感じれば目を開けるか。
「ヘァァァァっ!」
しかしそれ以外の行動を許さぬリインの蹴り。が『U-D』の腹部に突き刺さり、『U-D』が吹き飛ばされた。っておい。
「リイン、お前なんで蹴り飛ばした」
「主に危険が及びそうだったからだ。それに、取るべき物を取るための行動だ」
そう答えるリインの手には三つの光輝く球体が……っておいおい。
「お前それ、もしかしてマテリアル達のか?……よく取り込まれてるとわかったな……」
「ふふん。吸収や取り込むなどは私の得意分野なのでな」
そこ、威張る所じゃ無いと思うぞ……。
「な、なんなん?何が起こっとん?説明してぇな!」
「そうだなぁ……なんと言えばいいのか……」
そう辟易していた時の事。
――はやてちゃん!盾街君が……盾街君が!
シャマルからの焦ったような念話。ナイスだシャマル。おかげて私が説明する為の時間が稼げ
――盾街君が……血が止まらなくて……心臓も、動いてないの!
…………え?
~その頃のなのはさん~
(あおな……君?……あ、あぁ……私のせいだ……。私が守れなかったから……)
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なんと言うべきか、本当にお待たせしました……。
もうあまり憂いは無いので執筆速度をあげていきたいと思います!
感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。