間違いを起こしてからでは遅い。だから死のうと包丁片手に風呂にお湯をいっぱい溜め、さぁリスカと踏み込んだ所にヴィヴィオちゃんによる説明が入った。
で、そのヴィヴィオちゃんの説明を纏めると、どうやらヴィヴィオちゃんは元々孤児らしく、そのヴィヴィオちゃんを引き取り、保護責任者になったのがフェイトさん。更にフェイトさんの保護の後見人になったのが俺と高町って訳か。納得できた。つまり俺はフェイトさんに失礼な事はしていないって事だ。
……それにしても、あの高町が後見人をした、だと?
まぁ、それはさておき、保護責任者やら後見人やらその他諸々で未来の俺にかなりの興味を抱いた。まぁ、未来人がいるんだ。気にならない方がおかしい。しかもヴィヴィオちゃんは10歳でチョr話をしっかりと聞いてくれそうだ。
俺はフェイトさんがお花を摘みに行ってる間、ヴィヴィオちゃんにコソーリと近付き聞いてみた。
「……あ、あの、ヴィヴィオちゃん」
「はい?」
「……フェイトさんと俺の関係はどうなってますか?」
「えっ?」
……分かってる。ここで聞くのはとっても卑怯だってのは分かってるんだけどもどうしても聞きたくなっちゃう。
タイムパラドックスとかバタフライエフェクトだとかはフェイトさんに危機が及ばなければどうでもいい。
「………まぁ、その、知ってるには知ってるんですけど……」
「けど……?」
ヴィヴィオちゃんが少し渋るような言い方をする。なんだ?やっぱり言いたくない?それとも………悲惨な結果だったから言いたくないとか?なんだろう物凄い早さで聞く気ががが。
「あの、玄関で閉め出されている私の先輩もこの家に入れていただければ……」
そう言ってヴィヴィオちゃんが指差した先にいたのは海鳴商店街の名物料理を口一杯に含み、家に入れず涙を目にいっぱいためた緑髪のオッドアイズツインテールだった。
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第46話『
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アインハルト・ストラトスさんは、私からしてみれば先輩である。ご先祖様(記憶)から受け継いだ
だからこうして口一杯に食べ物を詰め込んで『ふぁほふぁほ』しながらバリムシャメリムシャキラキラバシューンってなってるんだと思う。
――ヴィヴィオさん。どうやらここは私達がいた時代よりも過去みたいです
あ、はい。一応それはもうちっちゃいフェイトママとお兄さんに言ってるからもう大丈夫ですよ?あと、口に物が詰まってるからって念話で話さないでください。お行儀が悪いです。ですから食べるか
――………
あ、食べる事に集中した。
「あの……それで、ヴィヴィオちゃん?」
「え?あー……あの、えっと……」
……どうしよう。ここは真面目に答えた方がいいんだろうか。いやまぁ確かに私達の時代のお兄さんとフェイトママの関係は知ってる。……知ってるけど、ここで言うべきなんだろうか……。
「……ふぅ……。あれ?どうしたの?あおなもヴィヴィオも見詰めあっちゃって」
そんな時に救いの手としてちっちゃいフェイトママが来てくれた。……ありがたや、ありがたや。
「い、いえ……なんでも無いです」
「そうなんだ……」
……あれ?フェイトママちょっとムッとしてる?もしかしてこの頃から既にお兄さんを……?
……でもお兄さん、全然気付いてない。この頃のお兄さんって鈍感だったんだなぁ……。
「あ、そうだ。ねぇ、あおな」
「はい!なんですか?フェイトさん!」
うん。ここは全然変わらない。
「えっと、あの……あおなの家に、泊まってってもいいかな?」
「
「お、お兄さん!日本語が意味する事を放棄してますよ!?」
「
「う~ん……。長くてこの事件が終わるまでで、短くても2週間くらいかな?」
唐突にブレイクダンスを踊り出したお兄さんは放っておくとして、
「えっと……フェイトマmフェイトさんはなんで泊まる事にしたんですか?」
「えっとね、今さっきトイレに行ってた時にアルフから念話があったんだけど……私達が住んでたマンションが火事で燃えちゃってね……」
そう答えたちっちゃいフェイトママの顔には深い悲しみが刻まれていた。……あー、だからフェイトママは私に『火遊びしたら絶対許さないからね!』って言ったんだろうなぁ……。謎が解けて良かった。
「ねぇあおな、アルフも来るけど、いい?」
ブレイクダンスも佳境に入り、何故か空中に浮きかけていた(これが本当の天にも昇るって奴?)お兄さんはピタリと止まり、どしりと床に叩き付けられたのち立ち上がり、
「大丈夫です!問題なんてあるわけがない!」
はっきりとそう言った。
「あ、私達もしばらくの間、泊まってっいいですか?」
「………………………………えぇ……。まぁ、別にいいですけど」
ちっちゃいフェイトママの時とはうって変わってまるで蛇足を見るような目で私達を見たお兄さんにイラッて来たのは、私達の時代まで持っていく事にしよう。
◆◇◆◇◆◇◆◇
―時は少し巻き戻る―
――なんかね?下の階の奴が飼ってた『リオなんとかの雛』が原因らしくてマンションが燃えた。と、言うわけでアタシ達は宿無しになったんだけど、どうしよう
……えっ?どういう……事?
私は今、アルフからとんでもない衝撃の真実を明かされている。夢であってくれたら、そうなんども思う。しかし現実は非情で無情、更に酷だった。
――うん。フェイトが思考停止になるのは分かるよ?でもまぁ燃えちゃったもんは仕方ない
……燃えたって、全部?なのはとの思い出の
――あぁ、それなら心配ないよ。家具とかは駄目だったけど、フェイトの思い出の品と金品、あと学校関連とその他必要なモノは無事確保しておいたから大丈夫
え?どうやって?……まさか燃えた中に飛び込んだんじゃ……。
――そのまさか、だよ。フェイトの為だもん。あぁ、怪我はしてないから安心して、ただ尻尾がヒトカゲみたいになりかけただけだから
……それは大丈夫って言わないんじゃ……。
――まぁまぁ、今はそんな事より住む所、だよ。……どうする?無難にリンディ提督に頼んでみる?それともなのはに訳を話て少しの間居候さして貰う?それかはやてに頼む?あおなん家に永住する?
……なんか、最後のがおかしい気がするけど……。あ、今一応あおなの家にいるけど、駄目元で頼んでみようかな……。
――(駄目な訳が無いんだけど……)うん。OKだったら連絡して
うん。分かった。
アルフとの念話を終了し、ここで一度、頭の中を整理してみると、『リオなんとかの雛』の所為で私達の家が燃えた。それで今からあおなの家に泊まれるかどうかを交渉する……。
……姉さんが寝てて良かった……。絶対にうるさかっただろうし。
私は用を済ませ、あおなの所に戻る。するとあおなはヴィヴィオと目と目で見詰めあってた。
「……。あ、あれ?どうしたの?あおなもヴィヴィオも見詰めあっちゃって」
「い、いえ……なんでも無いです」
「そうなんだ……」
……なんだろう。何か私今とっても最悪な事やってるんじゃないかな……。でも、あおながヴィヴィオと見詰めあってた事を思い出すと……幾らヴィヴィオが私の未来の
………でもここはとりあえず、とりあえず置いておこう。先に泊まれるかどうかを聞いておこっと。
……………このむしゃくしゃは後からでも充分考える事が出来るし。
「あ、そうだ。ねぇ、あおな」
……この、『泊まれたらいいな♪』って気持ちは胸の深くに大事に閉まっておこっと。
~その頃のなのはさん~
(なんだろう。猛烈で鮮烈で激烈に嫌な予感がする……)
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強引に話を進めるにはどうしたらいいか、と思いながら書いてたらこうなりました。
さて、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。
次回は隅っこで泣き出し始めてたシリアス要素を少しぶっこもうと考えてます。