頭からの落下。そこまではいい。しかし気付いた時には目の前に、プレシアさんの顔が。な、何を(ry)と思ったその瞬間、更に目の前にピンク色が毛の生え際をしっかりと見せるように私の目の前にぶつかってきた。流石にここまで来たら解せない。
更に、避けようにも避ける事が出来ない距離。出来たとしても顔面を強化する事しか私には出来なかった。その為、プレシアさんの顔とピンク色の頭を顔面で受け、鼻から噴き出す赤き生命の液体の軌跡を描きつつ、地面に着地する。
鼻からぼたぼた止まらない液体を流しつつもしっかりとその原因を探して仕返しをしようとしてる私は完全に
私はクリスを掴み、その二つの耳を止血の為鼻に突っ込んでおく。粘膜を傷付けるとかヒロインとしてどうなんだと言われても気にしない。……鼻の穴が拡がるのはちょっと気になるけど。
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第44話『知らない子』
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「いった~い……。あら?王様は……?」
これが、あんな激突で無傷な人のファーストワードである。……信じられるか?ぶつかってた時、確実に首が普通の人なら死んでる角度まで曲がった上に伸びたんだぜ?……私の周りには、人間やめた奴か人間じゃない奴が多過ぎる。勿論フェイトさんは人間だけどね!……いや、天使で女神だから……どうなんだろ。あ、この場合は天使や女神のようなお方だって事でいいのか。
ちなみに、金髪のオッドアイズロリは鼻から何か噴射しながら遠くに吹っ飛ばされてたいった。だから今はどうでもいい。
「……あ、見付けた!」
ピンク頭さんがヤガミモドキをロックオン。何をしようとするのかが気になる。
だがここではあえて放置しよう。もう目を逸らす事なんて出来ない。
「母さん……。良かった……怪我は無いみたい」
そう、お義母さんだ。
まさかこんなタイミングでフェイトさんの母親に挨拶できるとは思ってもみなかった。……しかし、フェイトさんの母親…………えっと、名前、なんてったっけ?
……いかんやばいやばい、そういや俺フェイトさんの母親の名前聞いてなかったじゃん。別にフェイトさんを責める訳じゃ無いけどフェイトさんとアルフさんの話ちゃんと聞いときゃ良かった。……あぁんもう俺のお馬鹿さん……。
「ただ気絶してるみたいですが……」
こんな時でも冷静なしゅてるんに敬意を払いそうになった。
「ん~……。あ、そうだ!ここからはあおなの家が近いし、一旦あおなの家に母さんを運び込んでもいい?」
勿論ですよ!
おっと思考の先走り。
「勿論ですよ!」
「…………ぐぬぬ」
しゅてるんが何故顔をしかめたのか理解できないしたくない。
「
そんな時、ふと肩を叩かれる感覚あり。条件反射でその腕を掴み、そのまま背負い投げの要領で地面に叩き付ける。しかし相手はよっぽどの手練れなのか叩き付けられる直前に地面に着地、その姿はまるで銃弾を身体を仰け反らせて避けるような体勢だった。更にその瞬間、目の前に兎(何故か両耳が赤くなってる)が舞う。それに気を取られていた瞬間に叩き付けられる前に着地したソイツが立ち上がり、俺の片腕を
そんな事をされたら腕を決められて肉体的に痛い状況になるので、足を軸にまるでコンパスのように周りをぐるぐると回って貰うことにした。
しかし、その瞬間に
さて、ここで俺を襲った犯人の顔が分かった訳だけど、ソイツはなんと先程ぶつかっていた三人組の一人で吹っ飛んでいった金髪のオッドアイズロリだった。
「……やっぱりだ。やっぱりお兄sあおなパパだ!」
どっちやねんとの言葉を飲み込み、さてここから事情聴取を始めるとしよう。ちょいとあかん単語が聞こえた。パパとかパパとか……パパとか。
「
「
……コイツ、出来る!
まぁそれはともかくとして
「本当に貴女は誰なんですか?どうして俺の事を父親と?自慢じゃ無いですが、俺はこの年で子供作りたいって盛った事はありませんからね?そもそも、何故俺の名前を」
「うん。それが普通だと思うよ?パパ」
だからパパって言うのやめぇや。
あと俺の名前は……あぁ、確かフェイトさんとしゅてるんが呼んでたね。
「あぅ……パパって呼ばれたくない、か……。じゃあ、お兄ぃさんッ。……これで、いい?」
上目使いでこちらを見てくるのは素直に可愛いとは思うよ?フェイトさんには到底叶わないけど。本気で頼んでるって言うのはなんとなくわかる。
だけど何故そこで御大将っぽく言ったのかが今の僕には理解できない。
「いいも何も俺は貴女の事は名前の苗字しか知りませんが?」
「いや、その、
あれ?そうなの?
「じゃあ貴女の苗j「おい!シュテル!『砕け得ぬ闇』が見つかるかもしれんぞ!だから今日は我らの元に帰ってこい!」……」
オノレヤガミモドキ。なんでこんなタイミングで話を持ち出すのかな。
しかもこっちに来やがったよ。引っ張られてるピンク頭さんの方も気にしてあげてよ。地面にばんばん打ち付けられてるから。端から見たらかなり残虐に見えて精神削られるから止めたげてよぉ!
「本当ですか!?」
「あぁ!この桃色の情報でな!この辺りに潜んでいるらしいぞ!」
「それでは、今すぐにでも!」
「うむ!」
そう言ってしゅてるん、レヴィちゃん、ヤガミモドキ、ピンク頭さん達は空へと飛んでいった。ちなみに、レヴィちゃんだけは思い出したようにこちらに帰ってきて、フェイトさんと再戦の約束をして再び飛んでいった。
………………にしても、なんなんだろう、この虚しいって言うか、裏切られた?って気持ちは。しゅてるんが『砕け得ぬ闇』を優先したから?まぁいっか。俺にはフェイトさんが一番だから。
あ、結界が消えた。
「……とりあえず、フェイトさんのお義母さん、運びましょうか」
「う、うん。そうだね」
「あと、ヴィヴィオちゃんは俺の家に来てください。色々と話がありますし」
「あ、はい」
あ、シュークリームのレシピ………また明日でもいいか。
あと、家に入る前に聞こえた『待ってください!私も……』ってのは誰だったんだろう。
フェイトさんの母親を我が家に運び、(母さんの)布団を敷き、そこに寝かせておく。ちなみに、今は居間にいる(ダジャレですか?いいえ、ケフィアです)。
……そう言えば、フェイトさんが家に来るのなんて初めてだなぁ……。顔がにやけてきた。
「で、それで君は?」
そんな俺のにやけ顔を無視し、フェイトさんはヴィヴィオちゃんの方へ顔を向け、話を開始する。
うん、分かってた。なんとなく分かってたけど、なんか虚しい。
「あ、はい。フェイトマm……フェイトさん」
むむ?……何故フェイトさんの名前を知ってるんだろう。確かフェイトさんの名前は誰も口に出してない筈だけど。……もしかして読心能力をお持ちの人かしら。
それならそれで俺の甘い甘いフェイトさんへの告白訓練妄想を垂れ流して顔真っ赤にしてやるまでの話だけど。
「あの、私……ヴィヴィオって言います」
それはさっきも聞いt……あぁ、フェイトさんへの自己紹介か。
「私は、ヴィヴィオ。ヴィヴィオ・テスタロッサって言います」
「「えっ?」」
この一言は俺の思考を停止させ、フェイトさんの顔を驚かせる事に充分以上に貢献しましたとさ。
~その頃のアインハ……緑髪の人~
(ヴィヴィオさんに追い付きましょう!……閉め出された!?……馬鹿な……)
◆◇◆◇◆◇◆◇
ヴィヴィオちゃんにテスタロッサ姓をつけてみました!
………………。
ゆ、許してください!これも全部深夜のテンションが悪いんです!
か、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします……。