『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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お気に入り数が1000件突破してるのを見て涙が出てきました。
何て言うか、ありがたいって気持ちとかで混乱しちゃいまして……うれしくてうるっときちゃいまして……。
皆様、本当にありがとうございます!


第43話『おかあさま』

 とりあえず、このままだと地面にぶつけたトマトになる。流石にそれはうら若き乙女としてはどうかと思ったから懐からゆっくりとデバイスであるクリスを取り出す。

 

「クリス、浮遊制御お願い。私とアインハルトさんの落下防止で」

 

「」ビシィッ!

 

 クリスが敬礼した格好になると同時に、だんだんと私達が落ちるスピードが緩んで来た。

 

「ティオ、クリスさんの手伝いをお願いします」

 

「にゃ!」

 

 アインハルトさんのデバイスであるティオの手伝いもあり、私の楽しいパラシュート無しのスカイダイビングは終わりを告げた。

 

「ふぅ……なんとか、なりました……」

 

 ふわふわゆらゆら、ゆっくりと、下に~下に~降りて行く。多分これ、下からパンツ丸見えだろうな……とかそんな事を考えながら下を見たら……あれ?見覚えがある人がいる。

 ……あれは、フェイトママとおn…あおなパパ?(※視力は決闘者並)

 こんなの、我慢出来る訳が無い。ちょっと小さいかもだけど、どうせまた小さくなったとかなんだろうし。

 

「わぁい!フェイトママとお兄さんだぁ!!」

 

「ちょっ!ヴィヴィオさん!?頭から落ちていったら速度が!」

 

 パラシュート無しダイビングの次は頭からダイビング。このままだと、『道路に咲く花』ってタイトルになってボツになるかもだけど、きっとクリスがなんとかしてくれるって信じてる。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第43話『おかあさま』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 フェイトさんが、まるで舞うように戦う。レヴィちゃんも解せないけれどもフェイトさんの速度についていっている。フェイトさんがデバイス――確か『バルディッシュ』だったかな――を縦に振るえばレヴィちゃんは横凪ぎに払いのけ、レヴィちゃんがデバイスで突けばフェイトさんはそれをデバイスで絡め取り、上に放り投げる。

 それをレヴィちゃんはまるでフォースを使うかの如く……ここから見てたらビデオの逆再生を見てるかのようにレヴィちゃんのデバイスが手元に戻ってくる。

 その戻す勢いのままフェイトさんに降り下ろす。やはり当然っちゃ当然としてフェイトさんは受け止める。

 ちなみにしゅてるんは視力が悪いのか目が追い付いていないみたいだった。だらしねぇな。

 

「あの……あおな?何故あの速度を……その……目で追えるんですか?」

 

「逆に何故しゅてるんは目で追えないんですか?」

 

 しゅてるんの話を聞きながらもフェイトさんを目で追い続ける。上上下下左右左右BAと動くフェイトさんをただ単に、一心不乱に追い続ける。ほんの少しだってフェイトさんの素晴らしい姿を逃して後悔すんのは嫌なんだ。

 

「いえ、そもそもの話、普通の人間があんなに気持ち悪いくらい目が動かせる訳が無いじゃないですか」

 

「……あれ?しゅてるんって普通の人間でしたっけ?」

 

「いえ、私は人間ではありませんよ?まだ受肉の方法は分かりませんし。今の私達は言うなれば0と1の羅列に質量がくっついただけのようなものですね」

 

 なんだそれ。ただの夢の技術じゃないか。

 

「そんな私ですら出来ない事を平然と出切るようになるとは……やはり、この能力(感情変換資質)の本家は違いますね」

 

 だからその能力がなんなのかは俺は全く知らない訳なんだが……。まぁ、今は"そ ん な こ と(能力だなんだの話)"よりもフェイトさんだよ。

 上方向、俺としゅてるんの後ろ、ヤガミモドキの後ろから謎の奇声と圧力と桃色を感じるが気にしてはいけないだろう。……上方向からは『ママァァァァァ』と『ヴィヴィオサン!?』って声、後ろからは『ブェ"イ"ドォ"ォ"ォ"』って聞こえるけどこれ絶対気にしたら振り返っちゃいけない所で振り返って魂持ってかれるレベルでヤバイと思う。

 だがしかし俺よ、よく考えてみよう。

 

 奇声を発する→危険(どこがとは言わない)→っょぃ=フェイトさんが危ない

 

 つまり、フェイトさんが危機に陥る可能性が出てくるって事だ。

 フェイトさんは今、レヴィちゃんと戦っている。そんな状況でもし不意討ち紛いに攻撃を受けたらレヴィちゃんの攻撃を受け止める事が出来ず、俺が内臓から爆発しなくてはならない事になる。

 ならばどうするか、露払いをするしか、無いじゃない!

 フェイトさんを守るため、覚悟を決めて後ろを振り向く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし時既に遅かった。俺が後ろを振り向いた、丁度その瞬間、俺の頭上を紫色のナニカが通り抜けようとしている所だった。その姿はまるで女s……いや女性。長い黒髪に張りのある肌、所々露出が激しいドレスっぽい服を着ている顔芸(シューティングスタードラゴンの最後の攻撃をしている遊星ver.)さえなければ美人だと分かる顔だった。その顔から分かるのは狂気と狂喜。確実に何かに執着しているって顔だ。確実にフェイトさんに近付けるのはあかんやつや。

 でも、ソイツ(謎の飛行体)は既にソイツの腹の部分まで俺を通り過ぎようとしていた。――だが、しかし、それで諦める訳が無いんだよねぇ!!

 

 

 

 咄嗟に地面を蹴りあげソイツ(謎の飛行体)の腹……もとい足を掴む。指がギリギリで引っ掛かったのに安堵し、どうやって地面に叩き付けようかと思考する。

 しかし現実は卑怯だった。何故かって?ソイツの加速が止まらないんだ。俺の身体はつい最近リイン(暴走)さんの時に味わった引っ張られる感覚を再び味わう事になった。

 身体を必死にパラシュートの布の部分にしようと曲げようにも速すぎて身体が動かねぇ。

 ……ちくしょう。こんな時に覇王色の覇気とかフルコーンが第三形態になる時のオーラとかあれば良かったのに……。俺が、俺が弱いk今はそんな事はどうだっていい。フェイトさんだ。フェイトさんにどれだけ危機が及ばないようにするか、だ。チラリとフェイトさんとレヴィちゃんの方へ目を向けると激しい打ち合いで宙に浮いていってる。

 チラリついでにふと、指が千切れそうな感覚を味わいながらも苦し紛れに上を見ると、上から金髪の流星みたいなモノが落ちてきている最中で、更に目の前から高速で移動してくるピンクの物体を目視で発見。

 

 良いこと思い付いた。

 

 俺はコイツの加速を信じ、手を放し地面へと自由落下。

 どう降りようか。そうだ、猫のように降りよう。華麗に着地すればきっとフェイトさんもトゥンクくらいらしてくれるだろう。と、用意はする。だがそんな俺の考えは裏切られ、まるで抱き抱えられるように受け止められた。

 …………まさか、フェイトさんが!

 そんな淡い期待はしゅてるんのどや顔に消えた。

 解せぬ。

 

「あおな……。あなたは結局何をしたんです?」

 

 しゅてるんがどや顔から困り顔、そして思案顔にシフトしていく。おいおい、俺、しゅてるんのシフトレバーそんなに動かしてねぇぞ。

 

「しゅてるんに何かしてもらうために降りてきたんです」

 

「はぁ……。……まぁ、あおなの頼みでしたら何でも聞きますが」

 

 ん?今何でもって…………しゅてるんの場合本当に何でもしそうだから怖くて何もお願い出来なくなる気がする。

 

「じゃあ、今からフェイトさんとレヴィちゃんに『Ⅲ、Ⅱ、Ⅰ、Ⅳォォ!で下に降りて』って念話をお願い出来ますか?」

 

「お安い御用ですが…………所で、何故ローマ数字を?」

 

「もしかしてロシア数字の方が好みでしたか?」

 

「未来を見据えるのでしたらイタリア数字の方が好ましいです」

 

 未来ってなんだ。

 

「……ともかく、出来るのでしたらお願いします」

 

「あ、はい………」

 

 さて、こっからが見物だ。

 しゅてるんが目を閉じる。すると、フェイトさんとレヴィちゃんがこちら(主にしゅてるん)に目をやり、小さく頷く。

 ……なんか邪魔してご免なさい感が半端ないが、二人を守るためだと思えばこんなもの…………全然些細じゃない。

 そんな事を考えてたらしゅてるんがこちらに顔を向け、頷いた。……って事は準備は万端って事だ。

 それではカウントを始めよう。

 

 

 Ⅲ

 謎の三つの飛行物体はフェイトさん、レヴィちゃんを未だ補足中。

 

 

 Ⅱ

 フェイトさんとレヴィちゃんはお互いに頷き合い、どうやらタイミングを合わせようとしている模様。……失敗したらどうしよう。責任とってコンクリ100%のドラム缶風呂に入って海にダイブしよう。

 

 

 Ⅰ

 未確定飛行物体は既にフェイトさん、レヴィちゃんの二人にも補足される。……そういえば、桃色の人はヤガミモドキ狙ってた筈なのにどうしてこっち(フェイトさんのいる所)に来たんだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 Ⅳォォォォォ!

 

 

 運命の時、来たれり。フェイトさんとレヴィちゃんが一気に下に降りその場から避難する。フェイトさんは俺の所まで後退、レヴィちゃんはヤガミモドキの場所まで後退。

 それを見届けた後、上から……もっと言えば今さっきまでフェイトさん達がいた所から呻き声が上がった。

 一人目は俺が掴んだ紫の人。二人目は金髪オッドアイロリ、三人目は桃色ロング。

 ……見事に顔面からいっちゃってて、痛そう(小並感)。

 感想を聞こうとフェイトさんの方に顔を向けるとフェイトさんの視線は紫の人に釘付けになってた。

 

「母さん!?」

 

 ……俺は、紫の人、もといフェイトさんのお義母さんに土下座した。




~その頃のディアーチェ~

(ぬぉあ!?な、なんだあの三人は!……ビビっておる訳では断じてないが、流石に少し驚いたぞ……。ビビっておる訳では無いがな!)(強がり&涙目)


◆◇◆◇◆◇◆◇


お気に入りが1000件突破しましたので、記念に何かしようとしてもなにも浮かばないこんな私の脳みそを恨みたい今日この頃です。

……なにも浮かばないのでフライパンの名前決めか、オマケのエクストラで違うルートでも考えるかをしようかなって思ってたり。
またいずれ連絡します。

さて、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。








本当にありがとうございます。

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