『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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皆様、GWは楽しめましたか?
私はバイトと自動車学校で楽しめました(白目)。


第42話『本物ト偽物と』

 レヴィちゃんの『ニセモノ』発言の効果発動!

 俺を対象に、俺の堪忍袋の緒が切断(強制)される!

 その瞬間、俺の怒りが大爆発。

 

「絶許レヴィちゃん」訳:絶対に許さねぇレヴィちゃん!!

 

 怒りのお陰か呂律が回らない。だが構うものか。

 1歩ずつゆっくりとレヴィちゃんの方へと歩を進める。多分その時の俺の顔って範馬の家に伝わる鬼が背中から顔に移ったようなそんな顔をしているんだと思われ。

 

「待ってあおな」

 

 しかしそんな俺を(ぎょ)せたのはやっぱりフェイトさんしかいないわけで。俺は見事にぴたりと止まった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第42話『本物ト偽物と』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 そんなフェイトさんの横顔を見ると、やっぱり麗しいのは常識だとして、感情の揺らぎなどが見てとれなかった。……怒って無いのかな、フェイトさんは。

 

「……認める。確かに私は……君の偽物じゃないけど……事故が無ければ生きていた筈のアリシアの……お姉ちゃんのニセモノ(クローン)だよ」

 

 はっきりと、前を向いて話すフェイトさんにはなにか憑き物が落ちたかのようなそんな雰囲気があった。

 続けてフェイトさんは口を開く。

 

「……でもね?私はアリシアじゃないって教えてくれた人達がいてね……。まぁ、その人達は口頭では言わなかったんだけど、私は私だって教えてくれた」

 

「なら、君は一体何者なんだ!」

 

 なんでレヴィちゃんがビビってるんですかねぇ……。

 前に俺にフェイトさんの身の上話を話した時は身体が震えだす程だったのに、今のフェイトさんはそれを乗り越えたような強さが見てとれる。

 ……やっぱり、フェイトさんは凄いや。凄いってチープな言葉しか出ないほど凄い。

 

 

 

 

 

「私はフェイト。フェイト・テスタロッサ!」

 

 

 

 

 

 はっきりと、自分の存在をそこ(・ ・)に刻み付けるかのように強く威圧感も込めて叫ぶ。

 ……おぉ、これが覇王色の覇気か。フェイトさんの圧倒的な覇気を前に尻餅をついたのは俺だけだったのは少しだけ誇らしかった。

 

「へいと……。うん!ボクの相手にとって不足は無い!」

 

 おいゴルァ!テメェさっきフェイトさんの名前間違えず言えたじゃねぇか!

 なのになんで、ここでフェイトさんの名前間違えやがんだ!なぶりコロコロしてやろうかあ"ぁ"ん?

 

「あおな、あおな」

 

 そんな殺意の波動に飲まれそうな俺を現実に引き戻したのはしゅてるんだった。

 

「……なんですか?しゅてるん」

 

 ただ今、怒りと憤怒でオーバーレイネットワーク構築しちゃってるからかなり不機嫌です。

 

「レヴィがああなっているのは『仕方がない』と考えてもらえませんか?」

 

 何をバカな事をおっしゃってるんですかねぇこの人は。俺にはどんな時も『仕方ないね』って言える兄貴のような寛大な心は無いんだぜ?フェイトさんが全てだもの。そのフェイトさんの名前が間違えられたとあっちゃあ、ねぇ?

 チラリと(くだん)のフェイトさんの方へ目を向けたら相も変わらずレヴィちゃんはまるで瞬間移動よろしく移動してるしフェイトさんは……あれ?ツインテがポニテになってるし……赤くなってる?顔がって意味じゃなく、身体全体で赤くなってる……だと!?

 しかも、レヴィちゃんのスピードに対応してる……。これ完全にアーアアーってなってる奴だ!凄いや凄い!流石フェイトさんだ!

 

「……で、なんで『仕方ない』で済まそうと?」

 

 フェイトさんの変化を見た途端に先程までの胸につっかえてた不機嫌さは無限の彼方へ吹き飛び、一気に落ち着けた。

 ……俺にとってフェイトさんが強くなってくれる事が一番だし、それにフェイトさんも余り気にしてないみたいだし、俺が気にしてたらフェイトさんに気を使わせてしまう可能性が出てくるし……。

 

「私の話を聞いてくださる事に感謝します。……私も、王もレヴィもそうなのですが、私達はまだ、生まれてから、それほどの時間……いえ、この場合は時を過ごしていません」

 

 ちなみに、ヤガミモドキ本人はレヴィちゃんの応援に忙しそうだ。

 

「私達はまだ何も知りません。この世界の常識も、この世界のバランスも、この世界の可能性も」

 

「つまり、貴女方は『生まれたばかりの赤子だから許してください』、とでも?」

 

「そう聞こえたのであれば謝ります。……ですが、実際その通りです。私はまだ『理』のマテリアルでしたから『私』はここにいる、と早期に解決出来ました。しかし、レヴィはまだ自分が何者なのかが理解出来ていません」

 

 それフェストゥムに出会ったら最悪なパターンな奴じゃないか。

 

「今のレヴィは自分の存在を『強さ』と『王の為に働く』という事でしか縛り付けられていません。ですから、純粋だったからこそ、あれ(感情変換資質)が発動出来たのでしょう」

 

 なにかに……誰かに頼らなくちゃ自分が何者なのかが分からないって……。なんだよそれ……。

 

「……それで、俺にどうしろと?」

 

「あなたはここから動かずただ見ていてください。もしかしたら、レヴィはこの戦いで『自分』を手に入れる事が出来るかも知れませんから……」

 

 見ているも何も、俺にそれだけの力が……フェイトさんみたいな力があるんだったらとっくの昔にフェイトさんの手助けをしてたさ。でも、今の俺があの中に入ったらフェイトさんの邪魔になる。

 ……やっぱり、俺はまだフェイトさんの力になる事が出来ない。

 ……俺は、フェイトさんを守る為の壁になる事なら出来る。だけど、肩を並べる事は出来ない。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

~新暦79年 ある日の昼下がり~

 

 

 ん~……。やっと掃除が終わった……。

 さて、今日はこのあとは公民館に行って、ストライクアーツの練習をして、シャマル先生の所に行って精神分析をしてもらって……寝るだけかな。

 リオもコロナも先に行っててって言ったからいないし……。

 よし。ここから軽く身体を温めるって意味も込めてジョギングでもしながら行こうかな?

 クラウチングスタートセッツ!

 

「ヴィヴィオさ~ん!」

 

 そんな時、私の名前を呼ぶ声がしたので、そちらに目を向けたら、そこには私の先輩のアインハルト・ストラトスさんがいた。

 私はすぐさま立ち上がり、挨拶を返す。

 

「あ、こんにちは、アインハルトさん!」

 

「あ、はい、こんにちはヴィヴィオさん。えっと……今から公民館、ですか?」

 

「はい!今日もストライクアーツの練習をしようってノーヴェ……さんが」

 

 んぅ……やっぱりノーヴェにさんって付けるのなれないな……。ノーヴェは『そんなの(敬語なんて)いらない』って言ってたけど……やっぱり必要かなって。

 フェイトママも、なのはママも、お兄s……あおなパパも耳にタコが出来るくらい言ってたし。

 

「あの、ヴィヴィオさん。私もご一緒してよろしいでしょうか?」

 

「あ、はい!勿論です!」

 

 あっ……言ってから気付いたけど、私、リオ、コロナ、ノーヴェさん、そしてアインハルトさん……。これ、誰かが一人がぼっちになる奴だ。

 ま、いっか。私が一人で壁を相手に組手をすればいいだけだし。

 

「じゃあ今から、ここから公民館まで競争しません?」

 

「それはいい考えですね!」

 

「それでは、行きますよ?位置について……」

 

 そう言って地面に手を付けた瞬間の事だった。

 

「………………あれ?」

 

 地面が、ありませんでした。

 ……………訳が分からないよ。クラウチングスタートしようとして地面に手を付けようとして、地面が無いだなんて……

 

「こんなんじゃ、クラウチングスタート出来ないよぉぉぉぉ!」

 

「ヴィヴィオさん!?気にするのは確実にそちらではありませんよ!?今私達は完全にこんな夜空に放り出されてるんですよ!?何が起こったのかちゃんと整理してください!」

 

 ア、ハイ。アインハルトさんにそうさとされ、周りを見て落ち着く事にする。

 あ、綺麗な夜景だ。……あれ?もしかしてここ、海鳴市の上空?

 

「ヴィヴィオさぁん!ここで落ち着いてたら地面に叩き付けられますって!」

 

 アインハルトさんには悪いって思ってるけど、たまにはパラシュート無しダイビングもいいもんだって思いました。




~その頃のプレシアさん~

(見つけたわッッッあの姿、まさしくフェイトぉぉぉ!)


◆◇◆◇◆◇◆◇


繋ぎ回ってなんだかスッキリ出来ません。

私としても、何故最後にヴィヴィオちゃんの生活(的なモノを少しだけ)突っ込んだのかが分からなくなってます……ぐぬぬ。
自分の事が自分で理解できないって怖いですね。

さて、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。

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