それは一瞬の事だった。
しゅてるんの放った
俺よりも先に、舞い降りて、ベクターキャノンに本を当て、
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第41話『威厳(?)ありし王』
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そのヤガミモドキは、これまた一瞬の内に艦隊をコレクションするゲームだったら大破進軍しているくらい慢心していたしゅてるんの背後に周り、首筋を掴み、レヴィちゃん共々正座させていた。余談だが、その時の二人の表情はしゅてるんは
「……さて、まずはレヴィよ」
「……は、はい」
名指しで呼ばれたレヴィさん。まるで母親に叱られてる子供のようで少し和んだのは秘密。ってか、結局怒られたくないだのなんだの言ってたが、結果は変わらず叱られる。知らなかったのか?運命と(高町ではない方の)大魔王からは逃れられない。
「……一応、我は王として、命令を下した者として一部始終を見ておったが、
見てたんなら助けんかいこのダラズ。おっとつい思った事が口に出そうになってしまった。
色々と癪だったので右手でサムズアッブ&リバース。
「……いや、その、えっと……。つ、強さを確かめるには全力で行った方がいいかなって思って……」
「こんの……馬鹿者!」
自称 王 の 一括!▼
レヴィ は ふるえあがってうごけない!▼
ついで に 俺 も▼
「それで殺してしまっては元も子も無いであろうが!大体、お主は血の気が多すぎるぞ?」
「うぅ……。ごめんなさい……」
「謝るくらいならするな、と言う話だが………。…………今回は外に出る事が出来、尚且つ久方ぶりに暴れられる機会を与えてしまったようなモノ。つまり我にも責任が無いとは言えない。……だから我が言えるのは次は気を付けるようにとだけだ」
「王様……」
あれれぇ?甘過ぎやしませんかねぇ?俺殺されかけたんですが……。いやまぁ目の前で『オマエ 命令 マモラナカッタ コロコロする』ってのをやられても困る訳なんだけども。
「次は……シュテルだ」
「………ほわぁ………っ!あっ……はい……」
当のしゅてるんはと言うと、何故か俺のアルバムを持ってほんわかしていた。おい、どこからそれを持ってきたし。
しかしそのアルバムはヤガミモドキによって没収され、しゅてるんは深い悲しみを負った。
アルバムは道端に捨てられるというね。まぁ、別に怒りはしないが、後で校舎裏とだけ伝えて置こう。
「シュテル。お主は何故、
「レヴィを仕留める為でした」
おおう。悪気もない一言だ。
その光景にヤガミモドキも思わず溜め息。
「……ハァ……。あのなぁシュテル。お主のあの砲撃はあの程度の結界なぞ軽くぶち破る代物ぞ?結界に当たらなかったからどうと言う事は無かったが……もし結界に当たっていれば、大惨事では済まない事になっておったのだぞ?」
「…………。私はしっかりとレヴィを狙っていましたので……」
う~ん。あの砲撃を見る限り大惨事程度じゃ済まない気がするんだけど……。
そんな悪びれる気が全くないしゅてるんの様子を見ていたヤガミモドキの額には漫画でよく見る怒りマークが……。
……だいぶ、苦労してんだな、あのヤガミモドキ。だってあんなに髪の毛が灰色に近くなって……。まぁ、あんな問題児二人の保護者的なポジションなんだろうから仕方ないっつたらそれまでなんだろうけど。
「……貴様は、自身の仕出かした事の重大さに、まだ気付いておらんのだな」
「……?」
「あれは結界をぶち破った後、外の民家に直撃するコースを辿っていたのだぞ?」
「なっ!?」
珍しいなぁしゅてるんの驚いた顔。……つか、俺、もう帰ってもいいんじゃないかな?
間接的には関係あるかも知れんが、直接的には無い気がする。
「……もし、我が受け止めていなければ今頃はどうなっていた事やら……」
「そ、それじゃあ、私は……とんでも無いことを……やろうと……し、て……」
「……シュテルよ。色恋事に集中するな、とは言わん。だが、もう少し冷静に周りを見よ。さもなければ集中のしすぎで見えぬモノも出てくる。まさに『恋は盲目』と言うが、限度を超えれば今回のような事になりかねん」
…………なんだろう。このヤガミモドキの話、俺にもぐさりと来るんだが。
「……なぁ、シュテル。今日は何も起きずに終わったが、次はどうなるか分からぬ。だから、次は気を付けるように、な?……我から言えるのはこれだけだ」
「……はい。王の言葉、しかと心に刻みました」
あ、なんかいい感じに纏まった。
ならもう争う必要は無さそうだし…………この結界、出口どこだろう。
「これでよしと。……さて次だ。そこで出口を探そうとしておる盾街 あおな!」
やめろ……やめてくれ……。俺に話を降るんじゃない。
「……なんですか?俺に、なにかご用でも?」
「元はと言えば、貴様の所為でシュテルが惑わされてしまったのだぞ!その責任を取って貰わねば気がすまぬ!」
なにかと思えば責任を擦り付けられる。
「惑わされたってのはそちらが勝手に陥った事だと思うんですよ。…………いやまぁその感情を否定する気はないのでその涙目をやめてくださいしゅてるん。……とにかく、俺が言いたいのは『愛』も『恋』も自分自身の感情"程度"じゃテレビのリモコンみたくそう簡単にコントロール出来るもんじゃ無いと思うんですよ」
そんな事が簡単に出来るような奴はきっと石仮面でも被って人間止めた奴か、そもそも心が無いっていう本末転倒な奴くらいだろう。
俺だってフェイトさんが危険な目にあったのを見たり聞いたり感じたりしたら種割れする勢いで全力出す。それこそ、次の日が筋肉痛で動けなくなったりしたとしても、だ。
「王たる者ならば、臣下の気持ちはしっかりと理解しとくべきだと俺は思うんです。で、その上で相談する方がいいのでは?」
今のヤガミモドキはなんて言うか、娘を嫁に出したくないお父さんに見える。
「ぐぬぬ……。確かに、確かに貴様が言っている事は分かる。……だが、シュテルに話し掛けても『今はあおなの観察に忙しいのでまたいずれ』と言われ突っぱねられていて
「……いや、あの……えっと……。きっとしゅてるんは思春期なんですよ。……だから余り気にしなくても……」
いつのまにか目にいっぱい涙ためてるし。……なんだろう、飲み屋で酔っ払った父親の愚痴を聞かされてる気分になった。
「…………」
うわぁ……親の仇を討とうとしてる目だよあれ。討たれちゃうよあのまま放っておくと。まだ年末じゃないのに忠臣蔵を体験したくは無いなぁ……。
「あおなぁ!」
そんな時に俺を助け出してくれたのは天使フェイトさん。
息切らせ
心配顔に
頬紅潮
あおな、吐血しながらの川柳。
わぁいフェイトさんだぁ!ぼくフェイトさんだぁい好き!
「あおな、大丈夫だった?」
「はい!俺は大丈夫です!」
「えっと……怪我、無い?」
「また髪のはn大丈夫です!怪我なんてありませんよ!」
※ただし内側は除く
……いやぁ、ネタを言おうとしたらいつの間にか打ち消されてたよ。
「…………ところで、そこにいる私達によく似た人達は?」
ニコニコと(恐らく)気持ち悪い微笑みでフェイトさんと会話していた俺は、ずっと放置していた三人を思い出す。
「あぁ、えっと……………あれ?」
……しまった。なんて言えばいいんだろう。
居候人のご家族って言えばいいのか?
いや、それだと『なんで紹介してくれなかったの?………そっか。あおなにとって、私ってその程度だったんだね』ってフェイトさんに幻々滅々されるかもしれない。
……ここは、一世一代の賭けになる(確信)。
俺が心を決め、口を開いた瞬間を狙ってか狙わずか、とにかくその瞬間、レヴィちゃんが口を開いた。
「むむぅ!ボクのニセモノ!?」
割りと本気で殺意が沸き掛けた。
~その頃のキリ……桃色頭さん~
(ようやく見つけた!エグザミアを手に入れる為の、『鍵』を!!)
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イメージ:保護者みたいな王様
……正直、出来てたかどうか不安ですが、謎のやりきった感が私を襲ってます。
あと、ふと最近思ったのですが、もうそろそろフライパンにきちんとした名前を付けるべきだと思いました(小並感)。
そんなアンケート的な何かをするかも知れませんので、その時はご協力いただければありがたいです。
さて、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。
二箱買って相生とオベリオンが出なかった……(´;ω;`)