俺は今、ミッドチルダなんて所にいる。な、なにを言ってるか以下略。
そんで、訓練場とか言う所で両手にゴツいグーロブを付け、拳を構えたお姉さんと対峙している。名前はクイント・ナカジマって言うらしい。異世界で日本人ちっくな名前の人に会うとは予想guyデース。
……いや、まさかクロノの『コンドノドニチ』が明日(今日)だとは思わなかった。これは罠だ!……と言いたいが
「あおな!頑張って!」
こうやってフェイトさんが応援してくれるんだから全力で頑張っちゃう。
ちなみにしゅてるんは家に置いてきた。ハッキリ言って、この先の戦いには着いてこれそうにない……もとい着いてくる気は無いらしく、俺の部屋でゲームをするらしい。……物凄く嫌な予感がするが、フェイトさんに応援されるだけでそんな些細な事は頭から吹き飛んだ。
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第35話『感情変換資質魔力』
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さて、事の発端だが土曜日だから家でだらだらごろゴローニャってしてたら、いきなりクロノがフェイトさんとアルフさんと八神と守護騎士達にリインさんにナハトにゴスラビア君、ついでに高町を引き連れやって来て、『みんな黙って俺に着いてこい イェア!』とでも言わんばかりに俺を引っ張るもんだからついイラッて来て……無言で鳩尾の辺りを裏拳で全力で小突いてあげた。ちゃんと踏み込みはいれてあるから心配はしなくていい。
で、クロノがえづいている間に俺は母さんにちょいと出てくるとだけ伝え、クロノを引き摺りアースラって所に行く事にした。
クロノの案内により、フェイトさんと初めて出会った思い出の場所である港に着くと、そこにはいつぞや(一昨日)のホワイトベースモドキが浮いていた。
……これがアースラ、だと?ひょ~……デケェ。つか、よくこんなのを港に止める事が出来たよなぁ……。
そのまま鳩尾をさすっているクロノの案内のもと、アースラへ。
中は相変わらずメカメカしかったけど、クロノに案内されるまま突き進むと、そこには立派(笑)な日本庭園があった。
そこにはニッコリとこちらを見ているリンディさんがいた。こっちみんな。こっちくんな。
「待ってました。では、座っててください。しばらくすればミッドチルダに着きますから」
そう言うリンディさんの顔は見ていて怒ってるって印象がある顔だった。なんで怒ってるんだろう。
あ……おい、その抹茶こっちに近づけんじゃねぇ。あからさまに砂糖を親の仇よろしくいれてたのにそれをこっちに押し付けんじゃねぇ。この年で糖尿病マッハとか嫌なんだよ。
しばらくすると、どうやらミッドチルダに着いたとの報告が。やっと外に出られる。
外の光景を目にし、驚きを隠せない。だって……車が宙に浮いてるんだぜ?……なんて近未来チックなんだ……。……まぁ、それ以外はビルが高い程度だったが。
ちなみに、フェイトさん達はフェイトさん達で用事があるらしく、俺とは別行動のようで、俺の案内はリンディさんがするそうだ。つまりリンディさんと二人きりって事だ。……フェイトさんと一緒にいられないとかふざけんな。
「さぁ、こちらですよ」
そんなリンディさんの言葉を右から左に受け流しながら聞いてたら人とぶつかってしまった。
体格差がある所為で俺は吹っ飛ばされる。
「あ!ご、ごめん!大丈夫かい?怪我とかは……」
どうやら俺を吹っ飛ばした人はいい人らしい。普通なら罵声のひとつも飛び出るようなもんなんだが、それがないって事は多分いい人だ。
「……いえ、俺がボーッとしていたのが悪いので……すいません」
「いや、僕も余所見をしててね……。本当に大丈夫?」
まさかこんなに心配されるとは思わなかった。
「盾街くん?なにしてるの?……って、あら、ティーダ・ランスター一等空尉じゃないですか。どうしたんです?」
「ご無沙汰してます。リンディ・ハラオウン提督。今日は非番なのでちょっと妹と買い物に出かけてました」
ふと、ティーダさんの後ろを見ると、オレンジのツインテールの小さな7歳くらいの少女がいた。
……この子が妹さんかな?
そんな事を考えていると、ティーダさんとリンディさんの会話は終わったみたいだ。
「では、僕はこれで」
……なんだろう、なにか嫌な予感が胸に引っ掛かるんだよなぁ、この人。俺の嫌な予感が当たる確率は3割だべ。なんていうか3年後に死にそう(小並感)な気がするんだよ。いてもたってもいられないから一声掛けておくとしよう。
……まぁ、俺がなにを言ったとしても変わらないかもしれないだろうけど、なにもしないよりはマシだと思ったんだ。詰まる所、俺のただの自己満足って奴だね。
「あの、ティーダさん」
「うん?どうしたの?」
「もし、危なくなったとしても、決して諦めず、危険な時こそ大切な人の顔を思い浮かべて頑張って下さい」
「え?……あ……うん。分かった。肝に命じておくよ。……じゃあ、行こうかティアナ」
これでいい。……のかどうかは分からないけど、なんとなく、なんとなく大丈夫な気がする。俺はこれで満足したぜ。だからリンディさん、引っ張るのはやめてくれ、服が伸びる。
リンディさんに引っ張られ、連れてこらたのはまるでエヴァ零号機がいたような、真っ白で四角い部屋だった。ふと上を見たら窓があってそこにはフェイトさん達がいた。
あ、フェイトさんが手を振ってくれた。……やっぱり可愛いなぁ……。
「さて、ここで今から貴方の力量を測りたいと思います。……本来なら試験官なんですが、手が空いている者が見付かりませんでした。ですので、今回はたまたま手の空いていたクイント・ナカジマ准陸将に頼むことにしましたので」
……なんだって?
「すいません。話聞いてませんでした」
「じゃあ、頑張ってください」
あ、リンディさん無視しやがった。
もっとも、聞く気は皆無だったが。
「えっと……君が盾街くん……であってるんだよね?」
「ア、ハイ。そうですが」
「さっきも説明があったと思うけど、クイント・ナカジマって言うの!よろしくね!」
両手をホールド。上下にシェイク。
まぁ、何が言いたいのかと聞かれたら一言、手首ェ。
「じゃ、始めよっか。お互い、全力を尽くそう!」
そう言って紫のポニーテールを靡かせながら後ろを振り向き、6歩前へ、そして再びこちらに振り向き拳を構えた。
それがさっきまでのお話。
今?腹部を殴られて壁にメリィしてますよ。なにあの威力。フライパンが(次元を超えて)飛んで来なかったら即死だった。
いや、だって目の前でいきなり消えたぁっ!?って思ったら次の瞬間には腹部に近付く右拳。
あ、これ死んだって思ったが唐突に召喚されたフライパンの火の当たる部分で拳を防御するも勢いを殺せずそのまま後ろに全速後退からの壁に。本当にこのフライパンってなんなんだ。
「どうしたの?これで終わり?」
いやぁ、俺の動体視力落ちたのかな……?いや、フェイトさんじゃないからこそ見る気が起きないんだ。
終わってほしい……心の底からそう思う、が、フェイトさんが応援してくれたんだ。ここで負ける?ハハッふざけんじゃねぇ。
「そんな馬鹿n「そりゃあ良かった」
唐突なアッパー。おい、立ち上がる最中に顎狙うってそんなの、ズルじゃん!そもそもの話で舌噛んだらどうすんだ。
う~ん……。打ち上げ花火ってこんな気分なのかな……。
とりあえず天井付近まで近付いたので、落ちないようにフライパンの柄を天井にぶっ刺す。
さて、問題はこれからだ……。
~その頃のなんだかんだであおなを評価しているヴィータ~
(おいやめろ!そこでお前が負けたらアタシが弱いって事になっちまうじゃねぇか!)
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本当はここで出すつもりじゃなかったんですが……ここで出して置かないと出す時が無くなると思ったので一応ティーダ・ランスターさん登場です。
この後、どうなるかはティーダさん次第。
クイントさんのキャラが思った以上に掴みづらかったです……。まぁ、その辺はなのはイノセントとかで補完して行こうと思ってますので、もし少しでも変な所があったとしても、出来れば気にしないで頂けたらありがたいです。
さて、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。