『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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とりあえず復習としてvivid買って読んでたり、真紅眼強化で喜んでたり、エルシャドール・ネフェリムが禁止に逝って嘆いていたら五日経ってました。


第34話『良妻兼ボッ』

 私がソレを知ったのは本体から切り離されてからでした。

 ですが、初めはソレがなんだったのかが分かりませんでした。……ただ、心が満たされる。ソレはそんな気分になる存在でした。

 ソレを感じ、少しほんわかしていると、私と同じく本体から切り離されたようなモノ(恐らくリンカーコアの魔力)だと思われるピンク色と紫色の球が同時に私の中へと入り、私と同化していき、いつの間にか私は今の私の姿へと変わっていました。それと同時に名前と役割も頭の中に浮かんで来たのです。それに驚きニヤリとするのですが……上空では戦闘が行われておりましたので、私は『王』と『力を司るマテリアル』と共に、私達のオリジナルにバレないようこっそりとそこから離脱しました。

 

 

 

「――とまぁ、離脱したにはしたんですが……離脱した瞬間に私の中にまだ知らない『貴方という存在』への愛しいという想いが生まれまして。で、今はそれを確かめる為にここに来ています」

 

「…………とりあえず、しゅてるんは早すぎた厨二病だと言うのだけが理解できました」

 

 解せません。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第34話『良妻兼ボッ』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「…………何故です?」

 

「いや、そんなトンボみたいに目の前で指をくるくる回されたあとみたいに首を傾げないでください」

 

「貴方の手で空から降ってくる雪や散り行く桜の花びらのようにくるくる踊らされるのでしたら何も言いませんが」

 

 駄目だコイツ早くなんとかしないと。

 ……いやまて。よくよく考えてみたらなんで高町を素材にしたのに俺にこんなに好意を寄せてるんだ?高町は俺を毛嫌いしている筈……だと言うのになんでこんな風な性格のしゅてるんが出てきたんだ?

 流石に俺はラノベやギャルゲやエロゲの主人公みたく鈍感じゃない。だから気付ける訳で……気付いた所で謎は深まるばかりで……。

 

《どの口が言うとる》

 

 喋ってないからどの口とは言えない。

 

「………では、踊りましょうか」

 

「唐突に変な事を言わないでください。残念ですが、ダンスは…苦手なんです」

 

 唯一踊れるのはフェイトさんへの求愛ダンスぐらいだ。だが確実にフェイトさんにwhite eye(白 い 目)で見られるからやらないけど。

 

「そうなんですか……」

 

 悲しそうな顔をしているが、俺に罪悪感は生まれない。生まれてくるのはフェイトさんに会いたい気持ちとしゅてるんに対する疑心暗鬼だけだ。

 

「……話は戻るが……」

 

 あ、クロノいたの?存在が薄かったから忘れてたよ。

 ……あれ?ゴスラビア君は…………っておいゴスラビア君後ろで魔道書読んで発狂してるじゃねぇか。それを無視するんじゃねぇよクロノ。

 あとで精神分析(物理)でもやっといてあげよう。

 

「……君の……いや、君達の目的はなんなんだ?」

 

「盾街あおなを手に入れr……ゴホン。システムU-Dを手に入れ、私達がそれぞれ各個とした『個』を手に入れる……今はそんな所でしょうか」

 

 なんだろう……。それ絶対に建前だよね?って突っ込みたくなった。

 つか、こんなのがあと二人もいるのかよ……。もう勘弁してくれ……。

 

「……最後に聞かせてくれ。まさかとは思うが、君達も盾街あおなと同じようなレアスキルを持っているのか?」

 

 ……れあすきる?なんだそりゃ、俺それ聞いてねぇぞ?

 俺としてはレアよりはミディアムが好きなんだが……。

 

「そうですね……。では、これだけ答えて置きましょう。"『闇の書』に付属していたモノ全てを『愛』が感化した"……。私が言えるのはこんな所です」

 

「……なっ!」

 

 おい、説明しろよ。説明責任を果たせよ!

 

《詰まる所、お主の力が周りの者に伝染すると言う事じゃよ》

 

 お前が説明するのかよ。つか、俺の力ってなんだよ。話はそこからなんだが。

 

「では、とりあえず私はここで失礼します。次に貴方達会えるのは恐らく一週間後でしょう。……それでは」

 

 そのまましゅてるんは扉から出ていった。結局、何がしたかったんだろうか。

 後には、唇を噛み締めて俯いているクロノと、訳が分からなくてボーッとしている俺、そして発狂してぬとねの区別がつかなくなっているゴスラビア君が残された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あぁ、そういえば、管理局に入るかどうかの話なんだが」

 

「仕方ないですが、フェイトさんの為に入ります……。後、今日はもう疲れたんでそこのお荷物(ゴスラビア君)連れて帰ってください」

 

「……そうか。なら……」

 

「……出来れば、そう言ったのは今度の土日にしてくれません?……あと、俺のその、れあすきる?ってなんです?」

 

「じゃあ、その事も含めて今度の土日にでも説明しよう」

 

 ……その後何度も何度もしつこく聞いたが、クロノは『コンドノドニチ・コンドノドニチ・コンドノドニチ』とまるで新しい言葉を覚えたてのインコみたいになってたので、作画崩壊パンチ(=腹パン)を喰らわしておいた。

 あと、とりあえずゴスラビア君には45度チョップをした後、クロノと共に本を片付けさせ帰ってもらった。もう二度と来ないで欲しい。

 

 

 

 

 

 

 さて……6時だし店を閉めるとしよう。

 うちの本屋は朝8時に開き、6時に閉まる。理由を聞いたら父親曰く『適当』だそうだ。……本当に大丈夫なのだろうか?まぁ、どうせそんな事は店員兼息子の俺が考えても分かる事じゃないから考えなくてもいいか。

 とりあえず店内の掃除と……道具の点検だけして帰るとしよう。……明日も学校だし。

 そんなこんなで店じまいをしっかりとし、外へ。やっぱり12月だし、肌寒い。……こんな時にフェイトさんがいてくれたら俺の心はほっかほかになるんだろうなぁ……。あぁいや、こんな寒い中にフェイトさんを俺の私利私欲の為だけに晒すなんてダメだ。

 ならどうしようか……。今度から使い捨てカイロでも持っていこう。

 そんな事を考えつつ、帰路につく。太陽は既に沈み、辺りは家に帰る人達の喧騒に包まれている。この商店街ではいつもと変わらないそんな風景の、筈なのに。

 ……視線を感じる。いや、俺は別にこんな時にまで厨二病を発動させる程暇って訳じゃない。そんなこと(厨二病を発動)させるよりはフェイトさんの事を考えた方が有益だ。

 ふとその視線の方向を振り向くも誰もいない。

 そのままだるまさんが転んだの要領で何度もしつこく振り向くが、見付けられない。……誰だろう。

 

 

 家に着いてもその視線は途切れる事なく俺をつけ回していた。……ちくしょう。ストレスで円形脱毛症になったらどう責任を取ってくれるってんだ。

 

「……ただいま帰りました」

 

 その視線は家の扉を開くと同時にまるで一発屋芸人みたいにパッと消えた。本当になんだったんだろう。最近は色んな事が起きすぎて俺の頭の容量じゃ『フェイトさんは最高』だと言うことしか理解できない。

 

「あーお帰りー」

「お帰りなさいませ」

 

 …………ん?

 奥から女性の声が二つ。片や母さんというのは分かった。しかしもう片方てめぇは誰だ。父さんはそんな声じゃない。そんな高町の声を少し丁寧口調にしたような……………あれ?今日聞いたような。

 

「……しゅてるん、何故しゅてるんがここに」

 

「両親への挨拶は基本、そう聞きました」

 

 あぁ……理のマテリアルってこういう意味か。

 根回しって意味かな?

 

「あおな~。どこでこんな可愛くていい子見つけたよの~。お母さん、こんな子ならあんたを心配なく託せるわよ?」

 

 oh外堀埋められてやんの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……いや、それ以前に

 

「しゅてるんはあの時『次に貴方達会えるのは一週間後』、とか言ってませんでしたか?」

 

「あぁ、それはあくまであなたを除いた『貴方達』という意味です」

 

 どういうことなの……。




~その頃の王様~

(シュテルに単独行動の許可を出したのは我だが……。あの時の少し狂気じみた瞳、大丈夫であろうか……)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


未来組……誰を出しましょうかねぇ……(今後の展開を考えながら)

あぁ、後、今回のリミットレギュレーション、どうでしたか?
私としてはユニゾンビが逃れてくれて嬉しい限りでしたが、シャドールとクリフォの構成を考え直すのが少し辛いって所ですかね……。


さて、感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。

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