もし差し支えなければ、数えてみてください。
ちなみに、前回の無名祭祀書を含めると、私が数えた限りだと、13になりました。
「いや待ておかしいだろ!なんでこんなに危険物が大量にあるんだ!」
「……
「違う!そうじゃない!」
いったい何が目的なんだってばよ。
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第32話『ここに、魔道書があるじゃろ?』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「これは危ないモノなんだぞ!宇宙が何個あっても足りない!」
宇宙って個数で数えるのか(困惑)。いや、そんな事はどうだっていい。今は、クロノが必死にうちの店の本を値切ろうとしているって事だ。許さんからな。絶対にうちじゃあ値切りはさせんぞ。
「しかもこんな……『妖蛆の秘密』に『カルナマゴスの遺言』に『エイボンの書』……。『レメゲトン』、『ソロモンの大いなる鍵』、『フサンの七秘聖典』まで……。……って、よくみたら棚の上に『輝くトラペゾヘドロン』があるじゃないか!……どうしてこんなにポンポンポンポンS級ロストロギアが出てくるんだ……」
クロノが次々と魔道書ゾーンをあさってる……。それ、片付けるのメチャクチャ面倒臭かったり重かったりするんだからやめろよぉ!……と言いたいが、まぁ、アイツに片付けさせよう。それにしても、懐かしいモンがぞろぞろ出てくる……。そういや、2mの銀の鍵どこにしまったっけ……。
あそこの本達、英和辞典とその他諸外国語辞典片手に解読したらよく分からん事が書いてあってなんとなくしか意味を理解出来なかったから本棚に入れたんだっけ……。
……あ、あれって確かヨグなんちゃらの拳だっけ?この間ふざけて使ったんだけど制御が出来なくて大変だったっけ……。高町の士郎さんに俺の父さんが力を合わせてなんとか押さえ込んだ所に、高町の姉である美由紀さんの
「……これは、石板?……ッ!?いや違う!これは『セラエノ断章』か!?くそっ……読んでしまったから頭が……ぐぅ……。早く来てくれ……ユーノ……」
割ってくれるなよ?それも一応売り物なんだから。
「……君は、なんで君はこんな魔道書が沢山あるのに平気でいられるんだ!」
「…………はぁ?」
どういうことだ?まるでクロノの言っている言葉の意味が分からんぞ?
まったくなにをふざけた事を言ってんだ?このまっくろくろすけは寒くて頭のギアが凍っちまったか?
「その『なにをふざけた事を言ってんだ』って顔を止めてくれ」
「なら、ちゃんとした説明を要求します」
「…………分かった」
そうして、クロノは語る。どれだけその本達が危険なのか。まぁ、要約すればクトゥルフ神話関連だから危ないよーって感じかな?途中寝てて聞いてなかったし。
それ以前に聞く気が皆無だし。クロノの説明の最後の方にはちゃんと起きたけどフェイトさんとの会話のシュミレーションしてたからあんま聞いてなかった。
興味なんて欠片も無いからね。仕方ないね。
「――つまり、これらは人間には危険なモノなんだ。だから僕達が厳重に管理しているんだ」
「……で?」
「……君は、僕の話を聞いてなかったのか?」
「はい。そうですが?」
「だから……!」
「だからこの本を……
「あ、あぁいや、別にタダって訳じゃ……」
敵意とほんの少しの殺意を混ぜてクロノに睨みをきかせてあげたら、どうやらクロノはタダで持っていく気は無いみたいだ。良かった。これでクロノから定価よりも高い値を……ゴホン、これでクロノからぼったくれる。
……まぁ、一応中古だし、その価格+税でいっか。これは。それくらいしても別に恨まれたりはしないだろう。
「……それで、いくらなんだ?」
「えっと……だいたい一冊安く見積もっても八千万くらいですね。で、それに消費税六百四十万を+して、八千六百四十万です。……約五冊ご購入で四億三千二百万くらいですが……どうみてもお手持ちが無いみたいですよ?大丈夫ですか?なんなら考え直す時間くらいはありますよ?」
「 なんだ?その法外すれすれな値段は……」
なんだ?今の間。
「いえ、偽者だったらもっと安いんでしょうが……どうやら本物らしくって……。で、それを特別に中古価格で売ってやる……もとい売って差し上げるんですから……だいぶ優しい方だと思うんですよ。で、お答えは?」
確かに、本一冊が八千万ってふざけんなちくしょうがレベルだとは思うが……仕入れ主の父さんのメモに書いてあるし、よく本をタダで譲ってくれたフェイトさん程じゃないけど、かなり美しくて迫力のある真っ赤っかの女の人が懇切丁寧に本物って言ってたんだから仕方ないったら仕方ない。
そういや、読んだらグールになるんじゃね?って本があるって聞いたんだが、それっぽいのを読んでもグールにならなかった、訴訟。ちなみにその本を持ってきてくれた人からは腐乱臭がした。
「…………」
ふむ。この顔は必死に悩んでる顔だ。クロノの額に流れる汗と連動してかしてないかは知らないが、そこに置いてある本も汗をかきはじめてるし……。ん?あれ?外を見たら雨降ってんじゃんか。まぁいいや。
はてさて、クロノの答えやいかに。
クロノが口を開く。だがその瞬間うちの店の扉が思い切り開かれた。
「ごめん!クロノ!遅くなった!」
そこには、元気なユーノ・ゴスラビア君が……。おっと、一応お客さんに当たる訳だから挨拶"は"しておかなくちゃ。
「いらっしゃいませ。どんな本でもだいたい揃う『千科辞典』へ、ようこそ。はてさて、あなたはどんな本をご所望で?」
もはや俺の中ではテンプレと化している。……やっぱりアレンジ加えた方がいいのかな?……カツとカレーしかり、クリフォートにスキルドレイン又はオシリスしかり…………俺がメイドっぽくなってみるとか?
……駄目だ、吐き気がする。……むむ?ふと思い付いたが、もしもフェイトさんがメイド服を着てくれたら…………あぁ^~。
「ユーノ!よく来てくれた!」
「ど、どうしたんだい?クロノ。そんな剣幕で……」
「見てくれ!このロストロギアの数!……これをどうすればいいかが、分からなくて……買おうにも僕じゃなにしたって届かない額で……」
「………ねぇクロノ。あおなを勧誘しに来たこと、もしかして忘れてる?」
「…………あ"」
「……あと、ここのロストロギアは何故か謎の安定性を保っているから、変に刺激しない方が得策だと思うけど?」
「そ、そうなのか?」
……やっぱり、メイド服はフェイトさんに似合う。……いや、フェイトさんに似合わない服なんてこの世にあるわけが無い。……いや、閻魔大王の格好をしたフェイトさんも……いいじゃないか。……って事は、フェイトさんに似合わない服なんてそれこそこの世にもあの世にも無いって事だ。
さっすがフェイトさんだ!
「…………ゴホン。さて、盾街あおな。君に再三問い掛けるが、管理局に入らないかい?」
……似合わない服は無い。……そういや、高町のバリアジャケット……だっけ?もしあれをフェイトさんが着たらどうなるんだろう。……高町が着ると大魔王だが、フェイトさんが着ると、熾天使を天元突破する女神になると思う。
「……盾街?」
「あぁすいません。で、なんの話でしたっけ?」
「……管理局に入らないか、という話なんだが?」
「先程お断りした筈ですが……。もしや鳥頭だったりするんですか?」
「いやそう言う訳じゃ…………。……仕方ない。言いたくは無かったが高町なのは、フェイト・テスタロッサ、八神はやてとその守護騎士と元管制人格は管理局に入っている」
「…………それが、なにか?」
「彼女達はこの地球の中学校を卒業すると、ミッドチルダに移住するんだが……」
…………え?
いや、それ以前にミッドチルダってなんだ?俺、そんな国も地名も地区も知らないぞ?
「……そもそもの話なんですが、ミッドチルダとは?」
「……もしかして聞いて無かったのか?……ミッドチルダは僕と母さん、そしてフェイトの母親とアルフとリニスの故郷であり…………時空管理局の発祥の地だ」
~その頃のはやてさん~
(今ごろ……なのはちゃんなにしとんのやろう。リハビリ、面倒臭いなぁ……)
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書いてて気付いたんですが、今までミッドチルダって単語出てきてませんでしたね(汗)。
それにしても、VIVID楽しみですね(自動車学校から目を逸らしながら)。
感想、質問、批評、誤字脱字待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。
さて……もうそろそろG.O.Dの準備でもしときましょうか。