『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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大層なタイトルですが、いつもの様に詐欺ってる可能性が大きいです。


第31話『進化の光』

 腹痛に腹を押さえながらもフェイトさん達と途中まで一緒に下校。

 その後家に着くと同時に着替えてすぐさま本屋『千科辞典』へと向かう。……そういや、今日は新しい本を入荷するって話をこの前ちょろっと聞いた。……なんか、毎回毎回こういう時に限って、狙って店番やらせられる気がする。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第31話『進化の光』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「こ、これは……」

 

 …………そん、な……。

 俺が店に着いた時には、既に沢山のダンボールが空になっており、その中身であるだろう本が乱雑に棚に並べられていた。

 まるで、荒らされたかのような後。

 ……母さん、なんで……。

 そう言えば、今日は母さんが店にいる筈だった。しかし、店には母さんの姿はない。

 まさかと思い、レジの中を見ると万札が何枚か消えていて、変わりに紙が一枚あった。その紙を見て、だいたいの事は悟った。

 ……くそっ。やられた。

 置いてある紙には、

 

 

 

『本届いたから棚に詰めといたよ~。あ、あと買い物行ってくるから』

 

 

 

 ――と、書いてあった。

 帰るのが、遅すぎた。……くそぅ。なんでこんなに無茶苦茶な本棚を俺が揃えなくちゃならないんだよ……。

 ……パッと見、荒らされたかのように見えるけど、実際はそうじゃない。実は、俺の母さんは几帳面な性格じゃあない。……それも結構酷いレベルで、だからこうやって俺か父さんがいないと、届いた本を無茶苦茶に入れる。事実、家にいたってそうだ。洗濯物を畳むのもかなりくちゃってしてたりするものぐさな人だ。

 ……だけど、母さんはそんな事を有無とは言わせない実力がある。………なんの実力があるかって?

 …………そんなの、普通の人間が理解しちゃいけないと思うんだよ。……理解しようとしたら俺の頭の容量じゃ足りなくて、ねぇ……。全く……父さんはすげぇよ。

 さて、本棚をきちんと整理し、レジのお金を整え、カウンターの椅子に座る。俺の店番は、これからだ!

 

 

 

 

 

 ……暇なんだよなぁ……。あれから10分。ただただ扉の外の道路を見るだけの簡単なお仕事になりつつある今。

 頭の中では、フェイトさんに対する様々な告白シュミレーションと平行して『なんでうちの店は自動ドアに変えないのかな?』って考えるくらいしかやることがない。

 ……いやはや、本格的にやることも無いし、諸手をあげて背伸びをする。……あ、背中がパキッていった。やっぱりぐでぇってしてたからだろう。

 そんな時、扉の鈴が聞こえる。

 

「頼もう」

 

 ……おっと、お客さんかな?しゃんとしなくては。

 

「いらっしゃいませ。どんな本でもだいたい揃う『千科辞典』へ、ようこそ。はてさて、あなたはどんな本をご所望で?」

 

 ……言ってて恥ずかしくなんか、無いんだからね!ごめん嘘、かなり恥ずかしい。

 

「…………って、貴女はシグナムさんじゃ無いですか。……どうしたんです?剣道の本でも買いに来たんですか?それとも、俺を狩りに来たんですか?」

 

 身構える。だがフライパンを持ってくるのを忘れた。まぁ飛んでくるだろうし別にいっか。

 

「む?なんだ。ここはお前の店だったのか」

 

「少し語弊がありますね。詳しくは俺の両親の店、です。……それで、シグナムさんはなにしに来たんです?」

 

「いやなに、我が主が頼んでいた本が届いた……との通知があるとの事で、御使いとして私が行くことになってな」

 

 ……頼む?あぁ、取り寄せてたのか。

 うちは、ネットで取り寄せが出来るシステムがある。まぁ、特別な理由(身体的、精神的、その他諸々)がない限り、郵送はしないので、うちに取りに来るしか無いんだけど。……つか、

 

「八神さんが、うちを利用していたとは……」

 

 こんなところで接点があった……だと!?

 何故気付かなか……いや、八神って姓は多々あるし、仕方ないか。

 

「さて、話は戻りますが、どの本ですか?」

 

「あ、あぁ。……えっと……『結城友奈は勇者である』……だったかな?」

 

 ……八神……きっと将来化ける気がする。だっていい趣味してやがるぞ、アイツ。

 

「じゃあ少し待っててください……えっと……あ、あった。料金は先払いなんで、もう持ってって貰っても大丈夫ですよ。ありがとうございました。またのご利用をお待ちしておりm「待ってくれ!」……す?」

 

 シグナムさんが勢いよく俺を制止すると、いそいそとお金を取り出し始めた。……あれれぇ↑?おっかしいぞぉ↑?おれ、さきばらいって言ったよなぁ?

 

「……他になにか、ご用でも?」

 

 明らかに俺の『面倒臭いぞてめぇ』って視線を感じている筈なのに無視してやがる。……騎士ってすごいなぁ。まさかこんな所でそう思うとは思わなかったが。

 当の騎士であるシグナムさんはおもむろに財布を取り出すと、二千円札を取り出し俺に渡す。二千円札、殺されたんじゃ!?

 

「…………なんですか?このお金」

 

「ここは、だいたいの本が……いや、書物が揃っているのだろう?」

 

 おい、会話しろよ。いや、ちゃんと聞かれた事には答えるけども。

 

「えぇ……。まぁそうですが」

 

「『マスターガイド3』……これだけで、通じるな?」

 

 ……なるほど。そういう事か。

 俺はその二千円札を受け取り、奥からその本を取り出し、シグナムさんに渡す。

 ……話は269度変わるが、海鳴市は都会っぽく見えるが田舎だったりする。まぁ簡単に言えば、田舎過ぎず都会過ぎず、と言った所である。なので、多すぎず少な過ぎず、が丁度良かったりする………のだが、そんな海鳴市でもたまにネオエクスデスがグランドクロスを撃つ直前のように需要と供給のバランスが乱れる時がある。

 そう言ったのは、だいたい人気商品やカードゲームの付録が着いた書籍などが当てはまる。

 ……そう言った商品や書籍はまるで台風が一気に全部をかっさらって行くかの如く、すぐに棚々を綺麗に掃除していく。……後には、戦い(多々買い)に敗北した者達とレジへの行列が残るとかなんとか。

 さて、今回シグナムさんに渡したのはカードゲームの方の書籍だ。この書籍、どうやら発売30分で売り切れたらしい。

 そういった本を揃えるのも、うちの仕事だったりする。

 

「ありがとう……ありがとう……。釣りは、いらない」

 

 うわぉ……シグナムさんがめっちゃ感謝してる。しかも釣り銭キャンセルって……それ、割りと困るんだよなぁ……。

 

「ありがとう。盾街。これで私はシャマルに勝てる」

 

 ……シャマルさん……いったい何者なんだ?……あと、いくらソイツが強くても出せなかったら意味ないからね?あと、出せても冷静に対処されたら意味ないからね?

 ……シグナムさんが出ていくと、その二分後クロノがやって来た。

 

「…………いらっしゃいませ。お帰りはまわれ右して、どうぞ」

 

「……はぁ……。単刀直入に言おう。管理局に入らないかい?」

 

「ライフルとショットガン、どちらをご所望で?」

 

「えぇ……」

 

 俺は無言でライフル(電動)とショットガン(電動)を取り出す。……これは一応強盗相手に護身用を、であって本来は人に向かって撃つもんじゃない。ちなみに弾丸は塩だ。傷口にはクリティカルダメージが入る。

 

「まぁ、君はそう言うとは思ってはいたが……。……って、む?」

 

 ……とりあえずライフルとショットガンを仕舞い、こんどは飛び出すスタンガン(父作)を出そうとすると、クロノが何かに気付く。……つか、お前さっきから本棚をチラチラ見てただろ?

 

「な、なんでこんな所にロストロギアが沢山あるんだ!……だ、駄目だ……見たら、頭がっ!?」

 

 …………ロストロギアって、なに?

 とりあえず、ロサンゼルス!トロトロサーモン!メタルギア!ってのだけは思い付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんでクロノは無名祭祀書程度で狼狽してんだろう。




~その後のシグナムさん~

(どうしてクェーサーはシューティングスターを突破出来ないんだろう……)※敗北しました


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


盾街母は強い(どの方面にも)。
それを落とす盾街父とはいったい……?

……あと、なにやらまた物語がぐだりそうです……。
なんとか動かさなくては……。

感想、質問、批評、誤字脱字報告待ってます。
次回もよろしくお願いいたします。










…………クェーサーの効果で相手を止めるタイミングが分かりません。だって止めても止めても突破されるんだもん。

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