百合は好きかい?(ボ○ガ博士風)
あと、私はロリコンじゃないです(多分)
──貴方の好きな人は、誰ですか?
「俺は、フェイト・テスタロッサが大好きです!」
「私は主である八神 はやてが大好きだ!」
──どんな所が好きですか?
「普段は天然が入ってるけどふとした時に見せて……いや魅せてくれるその心からの笑顔。それに誰かを守るって決めたときの凛とした覚悟を決めた顔が大好きです!」
「家族を誰一人として失いたくないという気高く誇りだかいその覚悟と勇気、そしてそれをなし得るだけの力に美貌に心構えを持っている所が大好きだ!」
──もしも貴方の好きな人が危険に陥ったら?
「「迷わず全力で駆け付ける!!!」」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
第23話『愛と勇気のモノガタリ』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
銀髪さんが俺の拳を受け止めた瞬間、いきなり脱皮をし始める。脱皮……いや、卵の孵化に近いのか?……いや、これは脱皮だ。
で、そこから出てきた銀髪さんからは、悪い憑きモノが取れたようなそんな感じがあった。しかも、さっきまでナイスボディだったのにロリ化(俺達と同じくらいの年齢みたいな外見)に変わるという離れ業までやるというね。
その顔には、まだ『ザ・ビースト』になる前の絶望し、諦め、闇落ちしたかのような影を落とした顔じゃなく、どこか吹っ切れたかのような顔で、腕に付いていたパイルバンカーのようなモノは無くなってるし、髪の毛もどこか光輝いているように見える。いや、実際に光っている。
そして、俺の左拳を受け止めていない方の腕には、八神を抱えていた。……どうやら、意識を失っているみたいだ。
「……お前。さっき私に向かって『愛の重みを知らぬ者よ。愛の深さに溺れて沈め』、と言ったな?」
「………あぁ、はい。言いましたが……それがなにか?」
銀髪ロリさんは、先程の恨みつらみをたっぷり込めたような叫び声を『何処へやったんだ?離してやった』とでも言わんばかりに180度変えた声色だ。
「やっと……やっと分かったのだ……。『愛』とはなにか……誰かを想うとは……なんたるか、を」
「そうですか。それで?例えそれが分かったとしても、俺の怒りは消えることはありません」
「私のこの気持ち……。そうこれこそまさしく『愛』だ!」
ふふふ……。話を聞いてくれません。
「そこの白い少女よ!」
「あ、ひゃ、っひゃい!?」
「主を……頼む」
そう言って、八神を高町に渡す銀髪ロリさん。ちなみに、『闇の書』は八神の腕の中に抱かれてた。闇の炎に抱かれtなんでもない。
……いやはや、本当に、誰だ?この銀髪ロリさん。
「……私は、ようやく気付けたのだ。私に何が足りなかったのか。私には、何が必要だったのか、が」
聞いてもいないのにつらつらと話始める。
「それは『勇気』だ。……どうやら『愛』は知らぬ間に既に知っていたらしくてな……」
笑って鼻の下を擦る銀髪ロリさん。……これ、俺行動してもいいのよね?
……いやまぁ、銀髪ロリさんが言ってる事、分からなくは無いけどさぁ……。
確かに、誰かに『愛』を伝える為には一歩踏み出す為の『勇気』が必要だ。……だが、幾ら『勇気』があっても、そこに『愛』が無ければ『愛』とは言えない何かになる。
「……私は、主に出会いそれに気付かされた。……だが、ナハトヴァールは私達を中々外に出してはくれなくてな……。今の今まで必死にハッキングを繰り返していたのだが……。お前の、『愛を知らない』、との言葉にピクリと反応してしまい、強引に、ナハトヴァールを押し退けて
「……なるほど。……それで、その握ってる拳はなんですか?……まさか、とは思いますが……」
うん。その……なんて言うか……俺としては、別に今から殴り愛(誤字にあらず)をしてもいいんだよ?どっちの『愛』がツヨイカーとか、そんなの。
……でも、俺、腕が折れてる。完全に不利だ。こんな状況で、当たって欲しく無いな……この予想。
「あぁ!そのまさかだ!」
あぁんひどぅい。
「……私はどうやら、今まで知っていた筈の『愛』から目を背けていたようだ。……だが、それは私に『勇気』が無かったから。……主はそう、教えてくれた」
とにかく、距離を取りたい。話はそこからだ。
「……つまり、私が言いたいのは、どんな行動をするにも、一歩踏み出す為の『勇気』が必要だ、と言うこと。そうそれこそ、『愛』する為にも、守る為にも、だ」
「…………それは、なんですか?……『勇気』があるから『愛』がある、そういう事ですか?」
「あぁそうだ」
………違う。その理屈は、間違っている!
「……何を言ってるんですか?『愛』があるから『勇気』を振り絞れるんですよ。……どれだけ『勇気』があっても、『愛』する事が出来なければ、何も始まらない……。俺だって、初めてフェイトさんに出会った時、一目で恋に落ちました……。だから、『勇気』を振り絞って声を掛ける事が出来たんですよ……」
俺は、『愛』があるから『勇気』がある。
銀髪ロリさんは『勇気』があるから『愛』がある。
俺達二人の意見は、どうやら真っ直ぐ平行線のようだ。『正義』の反対はもう1つの『正義』、とは多分この為にあるんだろう。
銀髪ロリさんは、しばらく俺の顔をじー……と見て、なにかを思い付いたかのように頷く。そして--
「…………ふむ。こうなったら、お前の『愛』と、私の『勇気』。どちらが強いのか、白黒付けようじゃないか!」
--元気に決闘の申し込みのようだ。
俺としては、断る理由は欠片も無い。俺の、フェイトさんへの『愛』を……『愛』がどれだけのモノなのかをこの銀髪ロリさんに教えてあげる必要がある。
「上等です。受けてたちますよ。そのお誘い」
「それは良かった。だがその前に」
いきなり、銀髪ロリさんが俺の右腕に触れた。その瞬間、右腕からゴキゴキィッって嫌な音がした。……しまった、完全に油断してた……。もう手遅れって思いながら右腕を見ると、治ってた。……まさか治してくれたのかな?
「片腕が使えんというのは、フェアでは無いだろう。……私は、万全のお前と白黒付けたいのでな」
……なんだ、銀髪ロリさんっていい奴じゃん。
……じゃあ、あの悪堕ち状態とか『ザ・ビースト』は、ただ、はっちゃけてただけ、なのかな?
まぁ、そんなの、今となっては些細な事だ。別段気にする程の事でも無いか。
「……ふふふ。見える私にも見えるぞ。お前の中で燃え広がっている『愛』の炎がっ!」
俺としては、そんな熱血展開はご勘弁したい所なんだが、
「……分かりますよ……。俺にも、貴女のその
見えてるもんは仕方ない。
「お互い、全力を尽くそうじゃないか」
「勿論です」
シン……って空気が静かにはりつめる。まぁ、下の海は荒れてるが。
お互いに一呼吸。……あぁもう焦れったい。
「「いざ尋常に!」」
こうして、『愛』と『勇気』の絶対に譲れないぶつかりあいが始まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
……女の子を『闇の書』さんから渡されたんだけど……どうしよう。……まぁ、まずは地面に降ろそう。
……でも、降ろしたら降ろしたでやる事が無くなりそうなの……。だって、あおな君が『闇の書』さんとなんか戦うって事になっちゃってるし……邪魔をするなって感じだし……。
あぁ、それにしても、あんな真剣な表情をしてるあおな君、格好いいなぁ……。
さて、地面に着いたっと。ゆっくりと、この子をフェイトちゃんの隣に降ろそう。
「う、うぅん……。……あれ?ここ、どこやねん……」
あ、起きちゃった。
「ここ?ここは、海鳴市の港だよ?」
「……あっ………あ、貴女は、誰です?」
私が答えると、その子は目をパッと開けてどこか頬を染めて私の顔を見る。……もしかして、人見知りの激しい子、なのかな?
……この子、ちょっと関西訛りしてる。けれどそんなの、気にする必要はないか。
「私?私は高町 なのは。……あなたは?」
「あ、……えっと……私、八神 はやてって言います……。その……高町、さん……」
「なのはでいいよ♪私もはやてちゃんって呼ぶから」
「は、はひゅ~………」
あ、あれ?気絶しちゃった?……人見知りが激しすぎたらこんなになるんだ……。
~その頃のフェイトさん(アリシア)~
(あっちゃ~……出るに出れないよ。こんな状況、見てるしかないや……。あ~ぁ……暇だ)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
えっと……つまりリインさんが目覚める事が出来た、もとい表に来れたのははっきり言ってあおなの一言が原因です。
……あ、あと脱皮の後の皮はパイルバンカーも含めてちゃんと着水しましたよ(露骨なフラグ建て)。
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次回もよろしくお願いいたします。