『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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……信じられますか?
3話からまだ半日も経って無いんですよ?
なのにほぼ最終戦って……。


第21話『たっぽい』

 さってと……さっきから銀髪さんの挙動がかぁなぁり不自然だが、別に気にする事でも無いか。

 

「う、うぐ……あ、あ────────ッ!?」

 

 前言撤回。

 なにあの犬歯、今まで生えてなかったよね?

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第21話『たっぽい』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 オーイエイエイエ……。ふざけんな、こんなのアリかよ……。

 あれか?もしかして『八重歯だやぽーん』ってのを狙ってんのか?だとしたら残念だったな。完全に外れてる気がするぞ?

 

「────」

 

 こっちみんな。絶対に、絶対に仲間なんかに、しないんだからね!

 …………にしても、なんて因果な話だよ。俺はただ、フェイトさんとキャッキャウフフな生活を送りたいだけだってのに。つい四~五時間程前にシグナムさんと出会ってこんな事に巻き込まれるなんて……。

 ま、この程度、フェイトさんに出会えた事と比べれば、本当に些細な事なんだけどね。それほどまでにフェイトさんとの出会いは強烈だったって事さ。

 だからこそ、俺はフェイトさんを助けるためならどんな事だってやるさ。それが俺の『愛』だ。

 ……って……あれ?よくよく考えてみれば今のこの状況ってフェイトさんは囚われのお姫様。俺はフェイトさんを助ける為に来た………流石に王子様ってのは無いだろうから……ヒーロー?……ハハッワロス。

 ……でも、つまり、まるで絵本のお伽噺みたいな状態な訳で……。あれ?これってフェイトさん助けれたらかなりかっこよくね?

 ……おぉ、俄然やる気出てきた。

 ヤッテヤルデス。

 

《…………お主、不純だのう……》

 

「……まぁ、このくらいの見返りはあってもいいとは思うんですがねぇ……」

 

 とにもかくにも、その為にはフェイトさんを救うことが一番だ。とりあえず性格的にモード反転して裏コードからの『ザ・ビースト』みたいになってる銀髪さんに走って近付く事から始めよう。この件が終われば距離を取らせて貰うが。

 

「アァァァァァァァァッッッッ!」

 

 銀髪さんに近付いた瞬間に銀髪さんが左手をこちらに向け、パイルバンカーを射出。勿論それはフライパンで逸らし、そのままこちらも返す刀って事で左手で腹パン。

 

「ブルァァァァァァッッッッ!」

 

 おいアナゴさんと最強の中ボスが混ざったような声を出さなくてもいい。そんな声出さなくても効いてないって分かったから!

 おう、その怒りに任せた右手での本気の腹パンを返すんじゃねぇよ。(それはいら)ないです。

 これはとにかく垂直に飛んで回避。

 ……落ちながら戦えたら、また変わるんだろうなぁ。

 

「……あはは。まるで、効いてないですねぇ……」

 

 悔しいでしょうねぇ………。くっそ悔しいじゃねぇか、ちくしょう。

 だが諦める訳にはいかない。この程度、俺のフェイトさんと出会えなかった半年間よりはましだ。

 

「もう一発!」

 

 今度はフライパンのターン!フライパンを両手で持ち、兜割りの要領で頭から叩き込む。

 

「ごぶぅっ!?」

 

 奴さん、まともに喰らいやがった。これは勝ったな(確信)。

 

「ぐるぁぁぁぁッッッッ!」

 

 しかしそれでは許さないと銀髪さんは俺の足首を掴む。……え?リーチが足りなくねって?ほら、パイルバンカーについてた触手、あれを伸ばしたんだよ。……しかも意外と締め付ける力が強いのなんの。

 そのまま地面に叩き付けられた。

 なんとか受け身は取れたけど……。いや、これは受け身って言うよりは腕を犠牲に、ダメージを最小限にしたって言った方が正しいかも知れん。

 つか、腕の骨が折れた……。しかも利き腕が……。

 

《人間には215本の骨があるのであろう?その一本が折れたくらいで何を弱音を吐いとる!はよぅ逃げ出さぬかっ!》

 

 最近のフライパン、キツイや……。

 いや、俺としても逃げたいのはヤマヤマなんだが……。コイツ、まだ触手を離さないんだぜ?……執念深すぎるだろ……。

 

《お主が言うでない》

 

 ……結構、ドライなんだな、このフライパン。言ってる事が矛盾してるかどうかは置いておくとして。

 触手に掴まれ宙ぶらりん。更にはパイルバンカーでロックオン。……おいおい、俺ぁリョナはNGだぜ?

 ……つか、こりゃ駄目かも分からんね。

 

 

 

 

 

「あおな君を……離せぇぇぇぇぇ!」

 

 

 

 

 

 そんな時に後ろから聞こえてくる救い(?)の声。……この声って……よっしゃ来た!メイン高町来た!これで逃げれる!(厚い手のひら返し)

 今この銀髪さんから目を逸らすのは危険かも知れないが、本能が今の高町から目を逸らすなっていったから無理矢理にでも顔を後ろに向けると、高町がこちらに杖を向けて浮いていた。

 …………あれ?なんでこっちに向けんの?この銀髪さんの後ろに回ってファイヤってするんじゃないの?普通は。

 

《A.C.S,stand by》

 

「アクセルチャージャー起動!ストライクフレーム!」

 

 …………って、あの、なのは=さん。その杖が変形してるのはまだ許容出来るんですが……。その杖の先っぽから出てる赤い突起物はなぁに?

 

《Open》

 

「エクセリオンバスターA.C.S!」

 

 ……あぁ、そういう名前なのね。

 

《良かったのぅ。ちゃんと答えてくれたぞ?》

 

 違う。そういう問題じゃない。

 

《……にしても、儂もあんなふうにがしょんってやってみたいのぅ……》

 

 やれるもんならやってみやがれ。

 

「ドライブ!」

 

 おっと。そんな事を考えてたら高町が突撃してきた。

 …………………とつげき?

 ってうぉい!それあかん奴や!多分それ刺さる奴や!

 こうなったら俺の全力全開の腹筋みせてやらぁ!つか、当たれば(恐らく)一撃死かも知れないから死ぬ気だぞおるぁ!

 

「ふんぬっ!」

 

 これが俺の……全力全開!

 身体を持ち上げた瞬間に、俺の尻の下を高町が通る。この瞬間に少し尻をかすってズボンが少し破れたが……命が助かっただけでも儲けものだよ。

 

「ぐるぉっ!?」

 

 どうやら、高町の一撃は銀髪さんにジャストミートしてくれたみたいだ。良かった良かった。

 ふふん。銀髪さんは吹っ飛ばされるっ!

 …………で、なんで触手は外れないんですかねぇ!

 

「ああぁぁ(ああぁぁぁぁぁ)…………」

 

 俺も銀髪さんと一緒に吹っ飛ばされる。と、言うよりは引っ張られる。

 やだ……この触手、全然外れてくれな……外れろやごるぁ!

 とにかく掴まれてないほうの足で蹴るしかない。

 …………お、外れた。なんだ!頑張れば外れるじゃないか。

 ……あ、あれ?なんだろう。身体が突然軽くなっ

 

「あぶっ!?」

 

 気付いた時には民家に頭から突っ込んでた。

 

「いたた……。良かった。死んだかと思いましたよ……」

 

《とんでもないわい。生きとるよ》

 

 ……身体にそれほど目立つ怪我は……無しっと。

 強いて言えば右腕が肩からぷらーんってしてて応答しないんだが…………まぁ、ここら辺はフェイトさんを助ける為の致し方ない犠牲、所謂コラテラルダメージって奴だな。

 

《お主、好きじゃのう。その、こらてらるだめーじって言葉》

 

「お気に入りの1つですよ」

 

 この家の持ち主に表面上だけ謝り、再び路上へ。

 ……あれ?気配を感じない。どこ行ったんだろう。

 そしたら港の方から音がした。そちらに目を向けたら、高町が海の上空で銀髪さんと戦っていた。

 …………つか、こんな所まで吹っ飛ばされたのかよ……。

 

「さて、どうしましょうか…………。俺、さっき(第5話参照)はどうやって飛んだんでしたっけ……」

 

 ……いや、さ。さっきは無我夢中だっからいつの間にか飛んでたんだけど……。そんな無我夢中の時の感覚なんて覚えてる訳が無い。

 ……あ、銀髪さんが『闇の書』を出した。

 

『今です!』(幻聴)

 

 はい!孔明先生!

 

「伸びろフライパン!」

 

 まぁ、こんな事したってフライパンが伸びる訳が

 

《任せろ!》

 

 伸びたぁぁぁぁぁぁ!




~その頃の高町さん~
あおなが触手に捕まっていた時の事

(あ、あおな君が捕まってる。……あれ?これってもしかして助けれたらあおな君にかっこいい所、見せれるかも知れないの!)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


フライパン
 伸ばしてみたよ
  やりすぎた

とにかく四月のVIVIDが楽しみな今日この頃


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