『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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さて、今回は前回予告した通り、はやて回ですが…………なんか……グダッてます。

もしあれなら、書き直しが入る可能性があるので、あしからず。






ランクインしてたのを見て咳き込んで鉄の味がしたのは内緒です。


第20話『人の見る夢の儚さ』

 …………そう言えば、高町はどこに行ったんだろう。

 

《……そのタカマチとやらは、彼処で杖のようなモノを構えておる少女かのぅ?》

 

 あそこ?どこだよ。

 

《……この身体では指を指す事も出来んから使いづらい……。まぁ、方向を言うならお主の丁度真後ろじゃ》

 

 後ろを振り向くと今まさに砲撃をしようとする高町がいた。これが本当の後ろの大魔王かって違くて。

 

「……あおな君、早く逃げないと巻き込まれちゃうよ?……『スターライトォォォ……」

 

 あ、これ、あかん奴や。高町の目からハイライトが消えてたように見えたし。

 ……でも逃げるってどこに?あの高町、今にもまるで漫画やアニメの最終技を繰り出そうとしてるように見えるんだけど。

 

《お主!はよう、逃げぃ!あれは儂でも分かる。あれは危険じゃと……》

 

 逃げるったって、どこに……。まぁ、俺ならあの程度避けれそうな気g

 

 

 

「----ブレイカァァァァァァ』ッッッッ!」

 

 

 

 ふぅん。なんなんだ?このなまっちょろい砲撃。そんなモノ、受けるとでも

 

「ンアァァァァァーッ!!」

 

《喰らうんかぃぃぃぃ!》

 

 銀髪さんと共に、俺はピンク色の中で、文字通り光になった。

 光の中、アッタカイナリィ……。

 

「オゲェェェ……」

 

 おい。銀髪さんから聞こえちゃいけない音が聞こえたぞ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第20話『人の見る夢の儚さ』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 あ~ぁ……。さっきまで健やかーに眠ろうとしとったのに、触手を思い出して吐きそうになったから眠気が一気に吹き飛んでもうた……。

 ……それにしても、私、なんでこないなけったいな所で寝ようとしとったんやろ……しかも、車椅子乗りながら、不思議やわ。このままやったら身体が寝違えて大変な事になっとったわ。起きて良かった。

 

「主……本当に大丈夫ですか?」

 

「え?……あぁ、まぁ、大丈夫や。なんか、スッキリしたし」

 

 なんとなく、なんとなくやけど、今さっき吐いたような気がする。まぁ、それは置いておく。

 

「……で、その管制人格さんとやらは、私になにさせようって魂胆なん?」

 

「あの……いえ、そういうんじゃなくて……私は貴女にここで寝て欲しい。……ただ、それだけです」

 

 ……………。

 

「大声で返事をしたる。断る!」

 

「こ、困るんですが!?」

 

「あんな?理由も説明せんと無理矢理眠れって……。例えばの話をするで?これは、ある人の話や」

 

「あ、はい」

 

「修学旅行中で、バスん中で眠らなあかんようになった。時間帯は夜中の2時。せやけど先生は無理矢理眠るように言ってくる。その結果、その人は二時間しか眠れへんかった」

 

 これは、近所のお兄さんの話やった。まぁ、そのお兄さんは引っ越したんやけどね。

 

「つまり、眠りとは強要するもんでも、強要されるもんでも無い。……その上で、そない私に強要するって言うんなら理由を言いんさい」

 

 すると、私の目の前に(ひざまず)き、顔をこちらに向けていた管制人格さんは、頭を垂れ、少し考える素振りを見せる。その際に少し可愛いって思ったのは私の秘密やで。

 

「…………私は、今、貴女と融合し、この世界を滅ぼそうとしております。……その内、私は"私"を御しきれなくなり、貴女を殺してしまう。……私は今まで『闇の書』の奥深くにいました。しかし、私の心は、常に夜天の守護騎士達と深く繋がっていました。だから私も、貴女の事を、とても大切に想っています。だから私は貴女を殺したくない……。だから……こそ……私は…………。…………こうなってしまった以上、私にはどうする事も、出来ません」

 

「……………………だから私に眠れって?」

 

 許せへん……。

 

「…………」

 

 こんなの、絶対に許せる訳があらへん。

 

「眠れば痛みを感じずに死ねるから眠れって?…………あんた……」

 

 …………本当に。

 

 

 

 

 

「アホちゃうか?」

 

 

 

 

 

「………………え……?」

 

 全く……。

 

「なら、その胸で光輝いてる暖かい光はなんやっちゅうねん」

 

 私が指差したのは、管制人格さんの胸の辺りにある、小さく、せやけど強く光を放っている光の球。

 

「えっ?………はっ?な、なんだこれは!?……こんなの、『闇の書』のプログラムにも無い。………本当に、なんなんだ……これは……。……だが暖かい」

 

 気付いてへんかったんかい。

 これがホンマの灯台下暗しって奴やんな。まぁ、今回は下暗しの方が明るいんやけど。

 

「それは、多分愛の光や」

 

「……?」

 

「ちょいと臭くなるかもしれへんけど、言ったる。管制人格さん。あんた、"愛"って、言葉、知っとる?」

 

「あ、い……?いえ、そんな言葉は私のプログラムには……」

 

「あんたは、守護騎士達や私の事をどう思ってるん?」

 

「…………心の底から大切に想っています」

 

 …………これだけ言ってもまだ気付かんって……こら、筋金入りやな。

 誰かに意図的に消されたか、それとも事故か。この場合は確実に前者、やろう。

 

「それこそまさしく"愛"や。誰かを大切に想う。それは言い換えればその人を愛しく想う。誰かを絶対に守りたい、傷付けたくない。それもまた、まさしく"愛"や!」

 

「…………これが……"愛"?」

 

「……あんたは、少し臆病過ぎる……。守ろう、守ろうって思ってばかりやと、一歩も前には進むことは出来んのんやで?」

 

 そっと、管制人格さんの頭を抱く。ふんわりとした髪の柔らかさ。……全く。身体はでかくても、心は小さくて弱いんやね……。

 

「勇気を持って大きく一歩を踏み出してみるんや。そしたら、世界はまた違って見える。管制人格さんには皆がついとる。何も心配する事はないんやで……。私だって、そない簡単に死ぬつもりは無い」

 

「あるじ………」

 

 泣き虫さんなんやなぁ、この子は……。だからこそ、私は支えたい、いや、守りたいって思えるんやろう……。

 

「……管制人格さん………んー…いつまでも、こんな呼び方はダメやな。よし、新しい名前を付けたげる」

 

 こんな、呪いみたい戒めから解放してあげな、可哀想過ぎる。

 --どんな、名前がええかな。

 ……よし決めた。

 

「新たなる夜天の主の名の元に、汝に新たな名を贈らん。……汝の歩む道に幸運の追い風あれ、汝の進む方角に祝福のエールあれ、汝が辿る時間に勇気あれ──汝の新たな名は、リインフォース。…………これから、よろしゅうな♪リイン」

 

「はい………あるじぃぃぃ………」

 

 ………ん?あれ?なんだろ、この違和感。……リインに名前を付けた瞬間に……この空間全部を把握出来たって言うか……理解出来たって言うか……なんやよう分からん。

 

「……これは……。恐らく、『闇の書』……いえ、『夜天の書』のシステムも貴女を主として認めたのでしょう」

 

 へぇ……こうやって認められるんだ……。

 って事は、もう外出れるんかな?

 

「いえ、まだ出られないかと」

 

「え?なんでなん?」

 

「いや、そのちょっとバグってる防衛プログラムの『ナハトヴァール』がどうやらまだ主を認めていないようでして……その所為でまだ表に出られそうにないです」

 

 ……そんなん内側から、どないせいっちゅうねん。

 

「こればっかりは表にいる人達に頼るしかありませんね」

 

 ……リインにもどうにも出来ないんならそれは仕方ない。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 …………なんだろう。何か頼られた気がした。

 まぁ、そんなのはどうだっていいんだ。高町にジュッてされた事よりも重要な事じゃない。

 だがそれ(高町にジュッされた事)さえもここで気にしているようじゃあ、フェイトさんを助ける事なんて出来そうにない。

 とりあえず俺が今やるべき事を再確認しよう。

 

①ありとあらゆる手段を使って銀髪さんに『闇の書』を持たす

 

②どんな手を使ってでもその本を奪い取る

 

③フェイトさんを助ける

 

 これでよし。

 

《……なぁ、それ、具体的な手段が書いておらぬのだが……》

 

 俺の寿命が終わるまで黙ってくれ。

 

《何故じゃ!?》

 

 うるさいからだよ………。言わせんな恥ずかしい。




~その頃のリニスさん~

(思わず逃げちゃった……。でも、私のこんな状態じゃ何をしても、魔力が無いからあんまり意味がない……)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


次回からあおなのターンに戻ります。


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次回もよろしくお願いいたします。










クリフォオシリスク組んでみたら意外に回って楽しかった(現実逃避)。

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