『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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 連続投稿です!(深夜のテンション)


 …………書き貯めしてたなんて言えない。


 フライパンはまだです。




※今回どこかで聞いたようなお店の名前がありますが、現実のお店とは一切関係はありません。


第一章《愛って?》
第2話『愛、それはユニヴァース』


 フェイトさんと別れ、だいたい半年が過ぎた。

 結局、フェイトさんから連絡は一切こず、その代わりに高町からの呼び出しが多くなった気がするが、全て無視して逃走しているので知らない。

 

 だからなのか、今、屋上にて縄で簀巻きにされたあげく、三人娘の前に転がっているんだ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第2話『愛、それはユニヴァース』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 さて、本当にどうした事だろう。

 しかも時期が時期なだけに恐ろしく肌寒い。

 今日は家に帰ったらフェイトさんとのツーショット写真を見ながらずっとニヤニヤしようとしていた矢先にこれだ。これはもう訴訟していいレベルだと思うんだけど……どうかな?

 

「帰っていいですか?」

 

「ダ~メ♪」

 

 そうやってほんわかと拒否の言葉を話すのは月村 すずかさん。紫の長い髪の毛に、紫色の瞳。そして醸し出すほんわかお嬢様のオーラと、そのオーラに惑わされてはいけないほどの運動神経を持つ、聖祥大学附属小学校男子人気No.1を争う美少女。

 俺はこの子に追い掛けられて捕まった。

 

「何で帰っちゃ駄目なんです?」

 

「なのはちゃんが貴方に用事があるって言ってたから」

 

 残念だが、俺にはそんなものは欠片も見当たらない。正直、他を当たって欲しいくらいだ。

 だけど、なんで窓から飛び降りたのにいつの間にか屋上に連れてこられたんだろうか。

 その辺を割りと聞きたい今日この矛盾。

 

「って言うか、そもそも誰なのよ貴方!」

 

「あ、俺、盾街 あおなって言います」

 

 そしてそんな俺にキツイ言葉を浴びせてくるこの少女はアリサ・バニングスさん。長い金髪、キツイ緑目(ちなみに緑は嫉妬の色らしい)、更にはお嬢様の上、学年1位を楽々さらっていく才色兼備の体現と言ってもいい程の美少女。ちなみに俺のランクは上と下の同時から数えた方が早い。

 

「そんなんは知ってるわ!」

 

 なんで知られて……。そっか、家が隣だからか。

 つか、知ってるんなら何故聞いたし。

 

「そうじゃなくって、なんでアンタの為にアタシ達の大切な時間を削らなくちゃいけないのって事よ!」

 

 それはこちらもなんですがそれは?

 

「しかも毎日毎日毎日毎日なのはの口から『あおな君がまた逃げたあおな君がまた逃げたあおな君がまた逃げた……』ってボソボソ聞かされるのよ!?こっちの身にもなって貰いたいわ!」

 

 知らんがな。

 俺だって高町なんかに時間は割きたくないから逃げたんだ。だからこうなったんだろうけどそれは俺の預かり知る所じゃ断じてない。

 だが、それが俺の所為である可能性が欠片でも存在するって話ならバニングスさんや月村さんに迷惑を掛けたんだから謝った方がいいのかも知れない。

 もしかしたらそれで逃げれる……もとい帰れるかも知れないから。

 幸い、高町はまたどっかに行っている。早く逃げないと凶器を持ってこられる可能性が出てくる。

 俺もこの年で死にたくない。

 

「そうだったんですか……。なんていうか、本当にすいません……」

 

 心から(笑)の謝りだが、バニングスさんにはどう写るか!

 

「……ぅ、わ、分かればいいのよ」

 

 結果、縄を解いては───くれなかった……。

 ただ赤くなっただけで終わりやがった。こんなんじゃ抜け出せねぇ。

 縄脱けを使おうにもこれは手足なんかじゃなく、身体に縄を両腕ごとぐるぐる巻きだ。

 畜生……。

 このままじゃ、高町が帰って来ちゃう。……どうしよう。

 そんな時だ。

 

『ゆあーしょっーく』

 

 俺の携帯が鳴る。

 しめた。これならもしかしたら急用が入っただなんだで帰れそうだ。

 

「あ、すいません。携帯に連絡が入ったみたいなので取ってくれません?」

 

 この状態じゃ電話が取れない。

 だから取ってもらう。

 

「ん?あぁ、仕方ないわね」

 

 意外にも、バニングスさんが取ってくれた。これは俺の中では高ポイントやでぇ。

 

「ありがとうございます。……では」

 

 耳に当たった冷たい俺の携帯。

 そこから聞こえてくる声は………。

 

『げ、元気にしてた?久しぶり……だね』

 

 フェイトさんだった。

 

「フェっフェフェフェフェフェフェイトさん!?お、お久しぶりです!今どこですか!今すぐそこに行きますから場所を教えてくださいお願いします!」

 

 あかん。テンションがおかしい事になってる。

 仕方ないか。

 

『あ、うん。えっとね?……君と……あおなと初めてあった場所にいるよ』

 

 あの港か。

 

「少しの間だけ、待っててください!すぐ行きますから!」

 

『うん。待ってる』

 

 そうして、電話は切れる。

 ………ふ、ふふふ。会える。会えるんだ。フェイトさんに……ふふふふ。

 

「ちょっと、盾街?大丈夫?」

 

「いくら盾街君のテンションが上がったとしても、逃がさないよ?なのはちゃんから言われてるんだし」

 

 そんなこと、知ったこっちゃない。

 

 

「フリーダム&ユニヴァァァァァァス!!」

 

 

「「と、飛んだ!?」」

 

 気付いたら、俺は縄を引き千切って屋上から飛び降りていた。

 ちゃんと鞄を持って。

 そんで地面には衝撃を逃がしながら着地した後、靴箱へ直行。靴を履き替えると、港へと走り出す。

 こうなった俺を止める事なんてもう不可能さ。

 車よりも、電車よりも、飛行機よりも、風よりも、情報の伝達力よりも、早く──。

 ただ、フェイトさんに会いたい。それだけが頭でぐるぐると黄金長方形の回転をしている。

 

 俺は……光になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

 ……ここは、どこだ?……海?……みな、と?

 

「あ……あおなだ。おーい」

 

 我に返った頃には既に港に着いていた。何が起こったかはこの際はもうどうだっていい。フェイトさんが俺を呼んでいるんだ。行かなくちゃ。

 

「久しぶり……だね。あおな」

 

「はい!フェイトさん!」

 

 あぁ、癒される……浄化されるって言うのは、こんな気持ちなんだろうな……。

 心の奥底からの安心感。なんていうか、救われる。そんな気分。

 

「あおな?」

 

「はぅあ!あ、すいません。少し自分の世界に入ってました」

 

「ふふふ…。あおなって、面白いね」

 

 笑ってるフェイトさんは可愛い……。

 

「そうだ。あおなに言うことがあるんだけど、私、今日からこの町に、海鳴に住むことになったんだ」

 

 フェ!?よっしゃぁぁぁって言いたい気持ちをなんとか抑え込む。

 

「そうなんですか?じゃあ、これからもよろs「その上で」……はい?」

 

 と、そんななんとか喜びの雄叫びを押さえ込んだ上で出した形式上のような挨拶を言おうとした瞬間にフェイトさんに遮られた。

 他の人ならイラッてくる所だが、そんなのが全然ない。これが恋か。

 

「その上で、さ……えっと……その……」

 

 あぁ、もじもじしてるフェイトさん可愛い……。

 

「一緒に……()にいかない?」

 

「はい?」

 

 フェイトさんの声は、俺の耳の性能が悪い所為か聞こえなかった。性能の悪いこの耳を地獄耳を持っている高町のと取り替えたい。

 

「あ、えっとね?……あおなと一緒に……その、携帯を買いたいなって……思って……」

 

「はい!俺は勿論OKです!」

 

 フェイトさん が 買い物 に 誘う▼

 俺 に 拒否権 など 存在 しない!▼

 選択肢?そんなもの、今、過去、未来のどの俺にもある訳がない。

 

「どこにします?ギルガメッシュ愉悦店ですか?それともドコカにしますか?それとも固い金庫店にしますか?あ、ちなみに俺のはギルガメッシュ愉悦店です」

 

 これは巷で言う買い物デートになりはしないだろうか。そうであったら俺としては限りなくありがたい限りなんだが。

 

「じゃあ、ギルガメッシュ愉悦店にする」

 

「はい!分かりました!」

 

 これで俺との連絡では、通信料やらなんやらを度外視することが出来る。

 え?高町に教える?なんでそんなことをしなくちゃいけないのやら。

 ちなみに、高町家はドコカで、バニングスさんと月村さんもドコカらしい。固い金庫店?あぁ、高町のお兄さんが利用してる。誰かと連絡する度に『お金が大変な事になってる』って毎月嘆く事になってる。

 

「じゃあ、早速行きましょうか!」

 

「うん!」

 

 港から歩いて携帯を買いに……。この間の時間はとても短く、だけどすごく濃密に感じられた。

 そして──

 

「これでいいんだよね?」

 

「はい!」

 

 ──俺の名前がフェイトさんの電話帳の初めてを飾ることになった。

 

「じゃあ、今日はありがとね」

 

 そして、別れの時が来た。

 フェイトさんが『またね~』って言いながらこちらに手を振ってくれている。

 ……そうだ。

 

「フェイトさん。言い忘れてた事がありますが……」

 

「ん?何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──おかえりなさい、フェイトさん」

 

「ぁ……うん!ただいま!……あおな」

 

 夕焼けに染まりながら笑うフェイトさんを見て、家に帰りほっこりしていた俺は、その翌日、高町の手により、夕日よりも赤く染まった。




~その後のなのはさんの心境~

(あ~あ……。またあおな君に逃げられた……。なんでこうやって暴力的な面でしかあおな君に話せないんだろう)

 その後、フェイトの携帯の機種が違うことを知り、更に落ち込むなのはであった。


◆◇◆◇◆◇◆


 もしこの店名が駄目なら変えます。

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 次回もよろしくお願いいたします。

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