『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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…………M・HEROダーク・ロウ絶対に許さない。


第14話『ラスト1頁』

 八神はやて……。

 昔の八神を一言で表すとしたらヤンチャな奴だった。

 だが、今の八神を見てみよう。

 

「シグナム!ヴィータ!シャマル!ザフィーラ!そこに座り!」

 

 これなんて母親?

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第14話『ラスト1頁』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 今、(ワタクシ)こと盾街あおなは久々の八神家にお邪魔しております。

 理由?八神が夕飯を作ってくれるってさ。ちなみにオムライス。

 --それで、

 

「今俺の目の前で土下座してるこの守護騎士達をどうにかしてくれませんか?」

 

「駄目や。幾ら昔馴染みの勝手知ったるあおな君が相手やったとしても、これはある種のケジメを付けなくちゃあかんのや」

 

 前言の即座撤回。やはり八神は昔から変わってない。

 

「ち、ちくしょう……なんでアタシ達がこんな事を……」

 

「ヴィータのアイス無しな」

 

「は、はやてぇ……そりゃ無いよぅ……」

 

 うん。やっぱり八神だ。全然変わってない。特に理不尽な所とか。……まぁ、本当に昔と変わってないってならヴィータが本気で反省したならちゃんとアイスをあげるだろう。

 

「まぁもういいでしょう。……だいぶ反省しているように見えますし。俺も胸の中の『粛清してやるうううう!!』って気持ちも収まりましたし」

 

「…………あおなは許してくれた。せやけど、他の多くの人に迷惑掛けたんや。それはどないすれば……」

 

 ……ふむ。

 

「……あの、守護騎士の皆さん。聞きたい事があるんですが……」

 

「……なんだ?」

 

「そもそも、なんで魔力を蒐集する必要があったんです?」

 

 大体集めたって何に使うのかがさっぱり分からん。あれか?幻想の郷の半人半霊の人みたいに春を集めて桜を咲かすんだー的な事をやろうとしてんのか?

 

「………それは、我が主を見れば分かる」

 

 分かるかんなもん。見ただけで分かるって……俺はそんなに八神と付き合い長い訳じゃ無いんだよ。

 ……あれ?八神の足になんか違和感が……。

 

「……八神さんって、車椅子……でしたっけ?」

 

「気付くのおそないか?」

 

 ……どういう……ことだ……。

 俺がそんな困惑した顔をしていた為か、シグナムさんが優しく教えてくれた。

 ……さっさと教えてくれれば良かったのに。

 

「……闇の書が未完成な事による影響だ」

 

 ……ん?

 

「……裏守備にする奴ですか?」

 

 あれはあれでもう完成してるような。

 だって速効魔法だし。

 

「それは月の書だ」

 

「じゃあ表側「太陽でも皆既日食でも、ましてや生者でもない!」

 

 なんでシグナムさんそんなに詳しいのん?

 

「……闇の書による蒐集を行ってない所為か、主のリンカーコアが侵食され、足が動かなくなってしまい、更には命にまで危険に……」

 

「えっ……なにそれ聞いてない」

 

「えっ」

 

「私が聞いたんは魔力を集めたらなんでも願いが叶うーとかその程度なんやけど」

 

 さて……情報の食い違いが出てきた訳ですが。

 

「い、言ってませんでしたっけ?」

 

「聞いてへん。…………まぁ、例え命が危なくなったとしても、蒐集は永遠に行わへんけどな」

 

 ……あぁ、こんな奴だったよ。

 コイツは昔から誰かが傷付くのが大嫌いだったもんね。誰かが傷付くくらいなら自分が全部ライフで受けるって奴だったからね。

 

「とりあえずその辺の話は後々するとして…………つまり、貴女方はその闇の書が完成すれば八神さんの足が治り、命の危険が無くなる……そう考えているからこそこんな行動に移した、と」

 

 俺のその言葉に頷く騎士の皆さま。

 ……ふむ。お互いがお互いを大切に想いあってるからこそ、こんな行動になる、か……。

 それにしても、その感情の所為で今回は食い違いがあったが。

 

「で、貴女方は今までどんなのから魔力を蒐集しているか、覚えていますか」

 

「えっと……その星々で「ヴィータちゃんには聞いてないです」……ぐぬぬ」

 

 いつから許したと錯覚していた。あぁん?

 俺は今もきっとこれからもこの先も永遠にヴィータちゃんを許すことは無いだろう。なぜならフェイトさんを傷付けたからね。仕方ないね。

 

「……で?どうなんです?」

 

「えっとね……」

 

 こっちをまるで般若のような形相で睨んでいるヴィータを完全に無視し、話を振ると近所の優しそうなおばちゃんっぽい人が話し掛けて来た。

 …………えーっと……マジで誰だっけこの人。

 ……し、し、し……まぁおばちゃんでいいや。

 

「……魔力を蒐集する対象はね、その星々にとって有害と言われている生物だけに絞ってるの。……そう言った生物ってのは、大体魔力を少しだけだけど、保有してるから……」

 

 前回の大勢って有害な生物って意味だったのかい。

 

「しかも、初めて人の魔力を蒐集したのはお前達だけだったからな。誇っていいぞ」

 

 怒ってはいるんだよなぁ……。ついさっきのシグナムさんのこの言葉の所為で俺の怒りが有頂天。怒りの臨界点を突破。

 

「……シグナム、これから3日間ご飯抜きな」

 

「……あ……」

 

 言ってからしまったってパラガス顔をしても遅いんだよ。ザマァ。

 っとと、こんな事をしてたら話がどんどん脇道に逸れる。

 

「えっと……詰まる所、話を纏めると八神さんの足を元に戻す&命の危険を無くす為に魔力を蒐集していて、それで今まで蒐集していた魔力は有害な生物のみ。人間からは俺達だけ、という事ですね?つまり、八神さん。貴女が謝るのはどうやら俺を含めて三人だけですよ。良かったですね」

 

「こんなとき、どんな顔してええか分からへん……」

 

 複雑な顔をすればいいと思うよ。

 

「あぁそうだ。それと……」

 

 突然、シグナムさんが思い出したかのようにコチラを向く。

 ……なんだ?仲間なんかにはしないぞ?

 

「どうしたんです?」

 

「魔力の事なんだが……」

 

 あれ?もしかしたらまだまだ魔力が必要なのかな?

 なら適任がいるんだよ。二人(クロノとリンディさん)、ね。

 やっべぇニヤケてくる。あの二人に長時間フェイトさんと会えなかったこの憎しみをぶつけられると思ったら心の底から笑えてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「実は、お前の魔力を蒐集し終えた時点で後1頁蒐集すれば終わる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………え?

 

「闇の書って魔力を紙にするんですか!?」

 

「あおな君!驚く所はそこじゃないと思うんだけど!?」

 

 いや、だって魔力を紙にするんだよ?

 エニグマとかそんな感じで質量保存の法則ガン無視とか超COOLだぜ。

 

「あぁ、いや、元々闇の書には666頁分の余白があってだな……。そこにリンカーコアから吸収した魔力を溜めておけるんだ」

 

 ……って事は。

 

「魔力を文字にする事が出来る……って事、ですか」

 

 あれかな?綴るのかな?

 

「うん、だから驚く所が違うかな?」

 

 じゃあどこに驚けってんだよ!

 俺もう大概の事じゃ驚けないぞ!闇の書には実は人格がありましたーとかじゃない限り俺はもう絶対に驚けないからな!

 

「……まさか、お前の魔力だけで闇の書が一気に500頁近く集まるとは思わなかった」

 

 こんなのないよ(俺の魔力量)。ありえない(俺のクロノ達への復讐計画)。

 ……クロノに復讐出来ないとかふざけんな。

 

「…………それに、お前の魔力を吸収した所為なのかどうかは知らないが、少しだけこの闇の書がおかしい」

 

 知らん。そんな事は俺の管轄外だ。

 ……にしても、マジか……。クロノ達は俺にリンカーコなんとかが無いとか抜かしてたが……なにか関係あるんだろうか。

 ま、関係していようが無かろうがどうでもいいんだが。

 俺としてはフェイトさんに危害が無ければそれでいいんだよ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「…………なぁ、聞いた?アリア」

 

「…………うん。聞いたよ。ロッテ」

 

 八神家の近くの塀に乗っている二匹の猫が顔を向かい合わせ、溜め息をつく。

 そして一言。

 

「「…………こんなの絶対おかしいよ」」




~その頃のフェイトさん~

(強く……ならなきゃ。その為にもあの守護騎士達が使ってたカートリッジシステムって言うのを早く理解しないと……)


◆◇◆◇◆◇◆◇


シグナムさんってネタキャラですよね(暴走)。

ちなみに、私のエースは銀河眼の光子竜です。

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次回もよろしくお願いいたします。

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