『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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勘違い、すれ違い。

恋愛モノではよくある事です。


第13話『ぶっちっかまっせ♪』

 やっとクロノから解放された。

 ……本当に、なんて、なんて長い検査だったんだ。

 しかもその結論が『分からない』とかマジでふざけんなよちくしょう。燃やすぞ。どこをとは言わないが。

 まぁ、それはともあれ面倒臭い検査もクロノの話も全て終わった訳だからもうこれでフェイトさんに会えるんだ!

 ひゃっはー。(テンションが有頂天)

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第13話『ぶっちっかまっせ♪』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 俺は、今一度フェイトさんのいる(であろう)扉の前にいる。

 ……あぁ^~心がぴょんぴょん違うそうじゃない。

 ……心臓が口からfry awayしそうなくらい暴れまくってる。暴れんなよ……暴れんなよ……。うぉ……凄い緊張してきた。

 もし、この病室に入った時にフェイトさんが着替え中だったらどうしよう。切腹しよう。1873年に廃止されてるけど、このアースラは日本じゃないからいいや。逆治外法権って奴さ。

 まぁ、死にはしないけどね。フェイトさんも悲しむかも知れないし。

 兎にも角にもとりあえず入る前に聞き耳をしておこう。もし本当に着替えてたら大変だし、俺は変態にはなりたくない。扉に耳をそっと当てる。冷たい。

 周りは静かだから中の音がよく聞こえる。

 すると、中から泣き声が聞こえてきた。

 

『--うぅ……ぐすっひっく……ごめん。ごめん。あおな……』

 

 フェイトさんが………泣いてる!?

 

「フェイトさん!大丈夫ですか!」

 

 そんな声を聞いたとあっちゃあ俺は止まれる訳がねぇ!構わねぇ!突入だ!

 病室の扉を開き、フェイトさんを発見!

 

「フェイトさん!どうかいたしましたか!もしかしてどこか痛い所とかがあるんですか?」

 

 フェイトさんを見ると、フェイトさんは自分の身体を抱き締め泣いていた。

 まさか、あの騎士どもにやられた傷が痛むとか?治した筈なんだけど、やっぱり精神面に……。

 ………あの騎士ども……絶対に許さんぞ………特にヴィータ!

 

「あ……あおな……。私、私ぃ……う、うぅ……どうしよう……」

 

「フェイトさん…………」

 

 …………これは、早急に不安の種を取り除かなくちゃいけない。何故なら、フェイトさんの顔には抑えようとしたけど、出てしまう……いや、(こぼ)れてしまったと考えた方が正しい涙がフェイトさんの顔を覆う両手から(あふ)れているからだ。

 こんなの見せられて黙っていられる訳がない。

 

「…………フェイトさん、少し、待っててください。俺が全部終わらせて来ます」

 

「……あお、な?」

 

「大丈夫です。ただ、不安の種を始末(殲滅)してくるだけ、ですから」

 

「えっ?あおな、何を言って……」

 

「アルフさんも、待っててください。すぐに帰って来ますから」

 

 ゆっくりと扉をくぐる。覚悟なんてモノ、とっくの昔に完了している。後は実行するだけの簡単なお仕事だ。

 ……首根っこ洗って待っていやがれ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

~その頃のアースラ指令室~

 

「か、艦長!アースラ内にて膨大な魔力を確認!」

 

「な、なんですって!?」

 

「映像、来ます!」

 

「!?………そんな、なんで……。彼には、盾街あおなには、魔力は無かったんじゃ…………」

 

「しかも、こんな空間を歪ませるような……」

 

「あの……クロノ執務官。これ、空間が歪んでるんじゃなくて、湯気です」

 

「えっ」

 

「でも魔力は本物です」

 

「えっ」

 

「あ、盾街あおなが転移しました」

 

「えっ」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 気付いたら地上にいた。いやマジで。

 フェイトさんの病室から出て沸き上がる怒りを表しにて憎き騎士どもの顔を思い浮かべていたらいつのまにか見知らぬ……いや少しだけ見知った土地に着いた。……どこだっけ、ここ。

 

「せやからな?一人で行けるって言っとるやろ?」

 

「し、しかし主……私は貴女の守護騎士として……」

 

「いや、確かに心配なんは分かるで?そやけど、私だってずっと一人で暮らして来たんやし、ポストに葉書落とすだけやから大丈夫」

 

 俺がその場で思い出そうと躍起になっていると、向こうからほのぼのとした会話が聞こえてくる。うむ。ここは平和だねぇ。だけどここではゆっくりとは出来ない。

 ……それにしても……あれ?この二人の声、どこかで聞いた事があるような……。

 うぅむ……片や昔に聞いた声。それは車椅子に乗っている少女。片や最近聞いた声。目立つピンクのポニーテール……って……あれは確かシグムントさんだったっけ?

 ならば丁度いい。

 片方の昔に聞いた声の事は一先ず置いておく。

 そんでダッシュで近付き一言。

 

「お前も守護騎士か?守護騎士ならば俺とデュエル(手合わせ)しろ!」

 

「「……………」」

 

 ……(アカン)。やるんじゃなかった。シーンどころかチーンすら鳴らない酷さだよこれ。

 

「………あっ……き、貴様はまさかあの時の!」

 

 復活早いなシグムントさん。

 

「そうです!あの時はよくもやってくれやがりましたね!シグムントさん!」

 

「私はシグナムだ!どうして1日も経っていないのに忘れるんだ!」

 

「あ、そうだったんですか?それはすいませんでしたねぇ……」

 

 駄目だ。面白くって自然と口角が上がっちまう。

 面白がっている暇なんざないのに。

 

「それはさておき、答えはどうなんですか?俺と手合わせするんですか?それとも惨めったらしく尻尾振ってお家にgoするんですか?」

 

「貴様……!」

 

 そっとフライパンを構えると、シグナムさんもガチャンと剣を構えた。

 端から見たら恐ろしい程シュールなのかも知れないが、俺と、相対しているシグナムさんは至って真面目だ。真面目だったら真面目だ。

 

「ちょっ、ちょっと待ちぃ!い、いったいどうなっとんのや!私の目の前で何が起きようとしとんねん!」

 

「大惨事対戦、ですかね」

 

「違うそうやない。私が聞きたいのはそれやない」

 

 じゃあ何だって言うんだ。シグナムさんもそれが気になっているのか俺に攻撃しようとして来ないし。

 ……チャンスかな?

 

「ふぅ……。とりあえず聞きたい事があんのやけど」

 

「はい?」

 

「二人の関係は?」

 

「俺は魔力を取られた側です」

 

「  」

 

 質問には答えず、顔に縦線を入れるという漫画の技術を使う高度な技を使うシグナムさん。

 あれ?ちょっと痩せてる……?

 

「……なぁ、シグナム」

 

「…………」

 

「答えんかい」

 

「彼とその他大勢の魔力を蒐集してしまいました!」

 

 ……車椅子の少女って、あんなに気迫あったんだ。……なんだろう。凄いデシャヴュを感じる。

 

「はぁ………あのな?蒐集したらあかんって言うたやろ?」

 

 ……この声……麻雀してそう(小並感)って違くて、どっかで聞いた事があるんだよ……。

 

「他所の人様に迷惑掛けるから駄目やって言うたのに……」

 

 ……どこだったっけ……『また会うた時には美味しいケーキをたくさん奢るんやで!』…………あ。

 

「もしかして……八神さん?八神はやてさん、ですか?」

 

 会話に割り込む形になったが、それは致し方ない犠牲だ。所謂コラテラル・ダメージという奴だよ。

 

「……ぇ?」

 

 八神?何故八神がここに……。引っ越したのか?自力で隣街へ?

 ………って、ここよく見たら海鳴市中丘町じゃないか。道理でどっか見たことがあると思ったよ。全くもう。俺の記憶力って頼りないなぁ。……ぐぬぬ。

 ……にしても、そうか。俺が飛ばされたのか。なんで?あれか?守護騎士を思い浮かべたから、なのかな?

 

「……えっと……どちらさんで?新手のナンパならノーセンキューやで?」

 

「あの……盾街、盾街あおなと言う名前に聞き覚えがあったりは…………」

 

「………………えっ!?あ、あんた……ほんまにあおななん?……それにしては身長も伸びとるし喋り方も変わっとるし……。……ほんまにあおななん?」

 

 身長は5年もすれば伸びるさ。喋り方は仕方ない。

 ………やっぱり、まだ疑うか。そりゃそうか。それとさっきからシグナムさんが空気に……まぁ、気にする事じゃあないか。

 さて、そんな事より証拠証拠。

 あ、とっておきのがあった。

 

「……5歳の時、八神さんの家に泊まった時に八神さんがおねs「あ、ああんたはあおなや!確実にあおなや!その手加減を知らんトラウマのほじくり方をする奴を私は他には知らん!」

 

 ………酷い言われようだ。まぁ、信じて貰えて良かった訳だけど。




~その頃の八神 はやて~

(な、なんでコイツがここにおるんや……。あぅ……。シグナムに、知られてもうた……)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ハーレム?私はハーレムなんか狙ってませんよ?
私、ハーレムはどちらかと言えば苦手ですし。


……まぁ、流れ次第ではどうなるか分かりませんが(小声)


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