『愛』はすべてに打ち克つ!   作:とかとか

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 純愛初挑戦です。




 ………今まで恋愛の『れ』の字も体験した事が無い私が純愛を書けるんですかねぇ。




 フライパンはまだ出ません。


※2/9 PM6:32 高町家=翠屋ではないとの指摘から変更致しました。御了承ください。


《プロローグ》
第1話『一目惚れ』


  

 

「結婚とその後を前提として、付き合って下さい!」

 

「え!?……あの、その前に君、誰?……とりあえずよくわからないから……ごめんなさい……」

 

「 」

 

 軽く絶句した海のそばの公園の、6月の下旬の事。

 俺、初恋で失恋しました。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第1話『一目惚れ』

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 最初の告白は、6月の下旬の事だった。

 俺はその日熱かったから涼みに行くために一人で(・ ・ ・)(←ここ重要)海が見える公園の近くを散歩していたら、たまたま隣のクラスの(俺の最も苦手で天敵と言っても良いほどの奴である)高町と、その近くにいる一人の少女を見つけた。

 その少女を見た瞬間、俺の心臓はどうにかなったんじゃないかってくらいに動機が激しくなったって言うのは、今でも覚えている。

 嗚呼、これが噂に聞く一目惚れって奴なのか。

 昔から惚れた腫れたとは無関係だった俺だが、まさかこんな事になるなんて夢にでも思う訳がないさ。

 だって、あの少女を見てみてよ。

 風に靡く、ツインテールにした長い金の髪の毛に、柔和な微笑みと少し潤んだ赤い瞳。

 更には半袖から覗くすらりとした両手と両足。

 ……ここだけ見たら、俺は完全に変態だ。

 でも、本当におかしくなったんじゃないかってくらいにはその子を見てたのかも知れない。

 だから高町が少しの間その場を離れた瞬間に少し近付き、あんな、上記に記したような告白をしたんだろう。

 で、結果は言わなくても分かるように見事に振られる訳で。

 でも、諦められる訳がないんだよなぁ……。

 

「ぐ、うぅ……。そ、そりゃそうですよ。こんな名前も知らないような逸般人が近付いて来て、いきなり告白するなんて、おかしいですよねぇ……」

 

「えっと……君の言ってる事はよく分からないんだけど……。あ、そうだ!じゃあ、私と自己紹介しようよ!……それで、お互いの名前で呼び会うんだ。そしたら友達になれるんだって私の友達が教えてくれたから……」

 

 なん……だと!?

 神はまだ俺にチャンスを残しておいてくれた。つまり、友達から始めろって事ですね神様。

 

『ちゃうねん』

 

 なんか聞こえたが無視する。とにかく恐らく、これが人生最後になるだろうけど……すがっておくに越したことはない。ありがてぇ、ありがてぇよぉ……。

 ……………ってまてまて。よくよく冷静に考えてみたら、名前を呼んだら友達って……高町理論じゃないか。

 ……昔から、幾度となく俺の邪魔やらなんやら攻撃してきた今では隣のクラスの高町 なのは。……なんだよ、なんだってんだよ名前の響きが似てたら高町にとっては攻撃対象なのかよ(昔のトラウマ発動中)。

 ……だがまぁ、今はその高町のお陰でこの子と友達になる事が出来る。ありがとよぉ!高町ぃ!高町理論を教えといてくれてぇ!ここだけは本当に感謝だ。

 

「あ、えっと、俺は盾街(たてまち) あおなって言います。この町に……海鳴町に住むただの小学3年生です」

 

 本当にただの小学3年生です。

 強いて違う所をあげるとすれば、『愛』って言葉がとっても好きって所カナ。

 ……それと、暴君(高町なのは)と名前が少し似てるって所カナ……。

 

「そうなんだ……あおな?……って言うの?可愛い名前だね!」

 

 うん!ありがとう!言われると思ってたその可愛いって言葉!

 いつもなら凹む所だが、なんでだろう。この子に言われたら胸の奥底がきゅんきゅんする。

 ……そうか……これが"恋"……なのか……。

 

「私はね?フェイト・テスタロッサって、言うんだ。よろしくね?」

 

「はい!よろしくお願いします!フェイトさん!」

 

 ……フェイトさん……フェイトさん、か……。いやぁ……いい名前だなぁ……。うん。恋は盲目って言うらしいけど、どうやら本当だったらしい。もうこの子以外見れない。だから後ろの大魔王に気付けない。

 

「………あ・お・なくぅぅ~ん。なんでここにいるのかな?」

 

 気付いた時には既に後ろに立っていた。

 俺は顔面の冷や汗を全力で阻止しつつ後ろを振り向く。……これは本格的に俺の後ろに立つんじゃねぇ殺法を学んだ方がいいんじゃなかろうか。

 

「……おやおや。高町さんじゃないですか。お久しぶりって言うか、こんなところ(・ ・ ・ ・ ・ ・)で会うなんて奇遇ですねぇ……」

 

 とにかく威嚇MAXで高町の方へ目をみやる。

 かなり長い茶髪をどうやったらそんなツインテールになるんだって頭と、見た目凄い美少女って顔に深い影を落としながら……より詳しく言うなれば『ヤンデレが好きな人の浮気現場を見た(ver.目にハイライトがある)』状態って顔でこちらの顔を見ていた。

 確実に人一人殺してるって目だよこれ。

 

「こんなところって……普通はこないよ?」

 

「そちらこそ……どうしたんです?こんな休みの日、貴女も普通なら家でゴロゴロしている時間帯でしょう?」

 

 ちなみに、俺の家は高町家の隣にあったりする。

 だからなのか、近所付き合いがあったりする。かなり深い所まで。

 それに理由と付け、更に説明を付け加えるなら高町家は商店街で、家族+アルバイトで洋菓子店『翠屋』を営んでて、うちは本屋『千科辞典』を父さん+アルバイトが営んでる。こちらも隣同士。

 本屋の帰りに翠屋へ行く、そんな付き合いだ。より詳しく言うとすれば、本屋に寄ったら翠屋で割引、翠屋で買い物したら本屋で割引。そんなwin-winな感じで親たちは仲良くさせてもらってます。俺は高町のなのはさん以外と仲良くさせてもらってます。

 

「いや、今日はフェイトちゃんの見送りに来たんだよ」

 

「え……フェイトさん、どこかに行っちゃうんですか?」

 

 おう高町。その謎のどや顔やめろ。

 

「うん……。ちょっとの間だけど、この町を離れなきゃいけなくなっちゃって……」

 

 あぁ……こんな((´・ω・`))顔になったフェイトさんも可愛い……。

 ちなみに高町はその言葉を聞いて謎のどや顔からフェイトさんと同じようなしょぼん顔になっていた。俺にとっては高町のなんぞ需要の欠片も無いね。

 

「……だ、だったら俺と携帯のアドレス交換しましょうよ!」

 

 そこで取り出したるはスマートな携帯。これならフェイトさんが県外だろうが海外だろうがどこにいたって連絡が取れる。流石に圏外は無理だが。

 

「あ……えっと……私携帯電話は持ってなくて……」

 

「  」

 

 再び台詞に空白が入る俺。だが、諦める訳にはいかない。もしここで諦めたらこの"繋がり"は切れ、二度と会えない。そんな気がする。

 

「じゃあ、俺の携帯の電話番号を渡します」

 

 俺は懐からペンとメモ帳(店番してる時に何時なんどきうちの本屋への予約が入るか分からないからだいたいいつも持ち歩いてる物)を出し、電話番号を書く。

 そしてそれをフェイトさんに渡す。

 

「ありがとう」

 

 その時の笑顔は頭から二度と離れないと思う。

 

「でも、離れる所はかなり遠い所だから電話も出来ないよ?」

 

 そこで高町の茶々が入るが勿論気にしない。

 

「そんなの、関係ないですよ。愛の前に、障害は付き物ですからねぇ。しかも、それが距離なんてそんな些細なもの」

 

「……そこは次元が違うんだけど」

 

 高町の漏らした言葉の意味が一瞬理解できなかったが、どうせ想像の絶する"程度"の距離なんだろうと解釈した。

 

「…………本当の意味で次元が違うんだけどなぁ………」

 

 どうやら、高町はまだまだ理解してないようだった。これは本格的に教えなくちゃならないかもしれない。勿論、その理由を問われたら断るけど。

 

「高町さん。貴女は全然分かってない」

 

「はぁ?」

 

 だからそんな分かってない高町に言ってやった。

 

 

 

「愛は次元を越えるけど、次元は愛を越えるものじゃないんですよ」

 

 

 ってね。

 その後、高町はやっぱり分かってないのか、疑問符を頭に浮かべてそうな顔をしながら俺を港から追いやった。解せぬ。

 とにかく、フェイトさんにお別れの言葉を三時間ほど言おうとしたんだけど、その前に追いやられたんだもの。

 たったの一言の『またね』とツーショットの写真しか撮れなかった。




~その後のなのはさんの心境~


(あうぅ……なんであおな君がこんな所にいるの……)


◆◇◆◇◆◇◆◇


 後悔があるとすればクリスマスにあげたかった……ただそれだけです(リア充に恨みがましい視線を向けながら)。

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 次回もよろしくお願いいたします。

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