モンスターハンター ~恋姫狩人物語~   作:黒鉄大和

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第67話 誇るべきもの

 クリュウ達が逃げ込んだのは森林地帯。天井を覆う木々の葉によって光が遮られて薄暗いエリア。湿気もある程度あり、通常は絶好のキノコスポットだ。上空から下が見えづらいという利点もあるが、同時にこちらからも上空は見づらいという難点もある。

 辺りにはランポスもブルファンゴもいない。いるとすればモスぐらいだ。辺りを一応索敵してリオレウスの追撃やランポスの襲撃がないとわかると、一行は一時休憩に入った。

 クリュウは安堵からか体の力が抜け、その場に座り込んでしまった。バサルヘルムを脱ぐと、顔や首、若葉のようにきれいな髪などが汗でびっしょりと濡れていた。別段今日は汗を掻くほど暑くはない。この汗は死闘を続けた緊張感から噴き出したものだ。

「クリュウ様、大丈夫ですか?」

 フィーリアはそんな彼を心配しながらタオルを取り出すとその汗を拭う。

「大丈夫だよ。あ、自分でやるから」

 クリュウはフィーリアからタオルを受け取ると汗を拭う。大丈夫だとは言ったがまだ心臓はバクバクだし、息も荒い。いつまたリオレウスの攻撃があるかわからないという不安に、クリュウはキョロキョロと辺りを見回す。

「大丈夫だ。ここは段差が多い上に狭い。奴の大きな巨体ではここでは満足に動けないだろうから現れん」

 そんな彼の不安を拭い取ったのはシルフィードだ。風に揺れる彼女の銀色の髪がわずかな日光を反射してキラキラと輝いているその後姿はどこか幻想的だ。

「あ、あのッ!」

「何だ?」

 クリュウの声に振り返ったシルフィードに、クリュウは改めて先ほどのお礼を言う。

「先程は危ない所を助けてもらい、ありがとうございました」

 頭を下げてお礼を言うクリュウ。そんな彼をシルフィードはしばし見詰めた後、スッと背を向けると砥石を使って煌剣リオレウスの刃を整える。

「そんな事でいちいち礼など言うな」

「あ、はい……」

 お礼を言ったのに冷たく返されたクリュウは途端にしゅんとなってしまう。そんな彼を見てムッとするフィーリアとサクラ。

 クリュウは落ち込んだままデスパライズの刃を砥石で整える。さすがリオレウスの鱗とだけあってかなり刃こぼれしていた。

「――肩、大丈夫か?」

 そんな声に「え?」と驚いて顔を上げると、すでに刃を整え終えたシルフィードがこちらを向いていた。その碧眼が見詰めるのは――リオレウスに噛み砕かれた左肩の装甲。

「あ、はい。一応大破していますが、動く分には問題ないと思います。怪我もしてませんし」

「そうか」

 クリュウの返答にうなずいた後、シルフィードは「辺りを散策して来る」と言って一人で行ってしまった。小さくなっていく彼女の背中を見て、クリュウはちょっぴり嬉しそうに微笑んだ。

「心配、してくれてたんだ……」

 ちょっと嬉しいクリュウ。その笑顔は本当に無邪気な子供のようだ――そんな彼を笑みを見て、警戒心全開なフィーリアとサクラ。

「で、でも本当に大丈夫ですか? 無理していませんか?」

「大丈夫だよ。実際体までは被害がないし。十分動けるって」

「……ほんと?」

 不安そうに見詰める二人に、クリュウは苦笑いする。

「もう二人は心配性だな。それよりサクラは怪我大丈夫?」

 先程の戦闘で、かなりリオレウスの攻撃を受けていたサクラ。怪我の心配をするなら彼女の方が心配だ。

「……問題ない」

「で、でもさ……」

「……平気。気にしな――」

 そこまで言って、サクラは突如黙ってうつむいてしまった。そんな彼女の態度にクリュウが不思議そうに首を傾げると、

「……大丈夫じゃない」

「え? そ、そうなのッ!? 怪我してるのッ!?」

 クリュウは慌てて道具袋(ポーチ)の中から包帯やら薬草やらを取り出す。フィーリアも水筒とタオルを取り出して消毒の準備に入る。と、

「……クリュウ、看護して」

 ピト……

「ふえぇッ!?」

「な、何してるですかぁッ!?」

 サクラは突如クリュウに寄り掛かるとそのまま腕を彼の首に回してしな垂れ、顔を彼の胸に埋めた。そんな彼女の大胆行動にクリュウは顔を真っ赤にして慌てるばかり。

「さ、サクラぁッ?」

「……少し、こうさせて」

「あうぅ、気分が優れないなら……仕方ないけど……」

 怪我をしている彼女に無理はさせられない。クリュウは恥ずかしい気持ちに耐えながらも、彼女の行為を許した。が、

「サクラ様ッ! 即刻クリュウ様から離れてくださいッ!」

 フィーリアが顔を真っ赤にしながら怒る。いつもは柔らかく丸っこい瞳も、今は幾分か鋭くかなり怒っているように見える。

「ふぃ、フィーリア? どうしたの?」

 突然怒り出したフィーリアにクリュウは戸惑う。そんな彼に抱き付くサクラは気にした様子もなく彼の胸に頬擦りする。その行為が、フィーリアをさらに激怒させる。

「どう見ても怪我などされてないじゃないですかッ! うそつかないでくださいッ!」

「え? サクラ、怪我してる訳じゃないの?」

「……怪我はしてない。でも、すごく疲れた」

 そう言ってサクラはスッと隻眼を閉じる。

 確かに攻撃力もあり機動力もあるので必然的にチームの主力となってしまう太刀。そんな太刀を使う彼女は、先程の戦闘もかなり動き回ってリオレウスと肉薄していた。体力の消耗が最も激しいのは彼女だろう。

「疲れたのなら仕方ない。少し休ませてあげようよ」

「そ、そんなぁッ!」

 愕然とするフィーリア。そんな彼女は小さく微笑むクリュウの腕の中のサクラが勝ち誇った笑みを浮かべたのを見逃さなかった。

「……フッ」

「何ですかッ! その人を小バカにしたような笑い方はッ!」

 悔しそうに怒るフィーリアだが、サクラはそんな彼女を無視してクリュウに抱き付く。完全に場の主導権を握っているのはサクラの方だ。

 圧倒的に不利な立場にいるフィーリア。鈍感なクリュウはそんな彼女を見て相変わらず首を傾げている。

「と、とにかく休むのなら横になるのが一番ですッ! そんな不安定な場所で休めば余計疲れてしまいますッ!」

「……ここが一番落ち着く」

 サクラは涼しくフィーリアの文句を退けてよりクリュウに密着する。元々あまり感情を表には出さないサクラが小さいながらも幸せそうな笑みを浮かべているその姿は、それだけ彼女がこのひと時を幸せに感じているという証拠だ。

 だが、このようなサクラの独占状態を許していいのか――断じて否ッ!

「クリュウ様、私も気分が優れないのですが……」

 額に手を当てて体をフラつかせる。演技丸出しなフィーリアの行動にサクラはピクリと眉を動かす。だが、結構天然なクリュウはこんな簡単な演技も見抜けなかった。

「だ、大丈夫フィーリア?」

 本気で心配してくれるクリュウに多少の罪悪感を感じながらも、フィーリアは「うぅ、ダメですぅ」と弱々しく言ってその場に座り込む。慌てるのはもちろんクリュウ。

「横になった方がいいよ。見張りなら僕がしておくからさ」

「ありがとうございます……」

 フィーリアはにっこりと微笑むが、サクラを見ると途端に表情を険しくする。そんな彼女を見るサクラは一言。

「……三文芝居」

「放っといてください!」

 小声で言い合う二人に、クリュウは「どうしたの?」と不思議そうに問う。フィーリアは「何でもないですよ」とにっこりと微笑んだ後、サクラに対抗する為に恥ずかしさを堪え、顔を真っ赤にしながらサクラとは反対方向からクリュウに抱き付いた。

「……ッ!?」

「ふぃ、フィーリア……ッ!?」

「私もここが一番落ち着きます。だから、しばしこうさせてください」

 そう言ってフィーリアも負けじとクリュウにしがみ付く。戸惑うクリュウからは見えない位置で、二人の恋姫の壮絶な睨み合いが開始された。

「……邪魔」

「それはこちらのセリフです」

「……離れて。クリュウは私だけのもの」

「それは横暴って言うんですよ。クリュウ様は誰のものでもありません。私はただこうしてクリュウ様のお傍にいられればいいんです」

「……離れろ。これは最後通牒」

「そっちこそ離れてください。返答次第では宣戦布告とみなします」

 クリュウには気づかれないような小声で互いを牽制し合う二人。その勢いは戦争にまで発展しそうな勢いだ。サクラの隻眼は鋭く刃のように恋敵を捉え、フィーリアの両眼はしっかりとサクラをキッと睨み付ける。その睨み合いには殺意すら薄っすらとにじみ出ていた。

 そんな壮絶な争いがすぐ近くで行われているなど知る由もないクリュウは不思議そうに二人を見詰める。と、

「付近には危険なモンスターは存在しない。リオレウスもどうやらエリアを移動し――何をしているんだ君達は?」

 戻って来たシルフィードは不思議そうに首を傾げる。

 リオレウスが住まう狩場で一人の少年に二人の少女が抱き合っている姿を見れば、誰だって戸惑うものだ。

「あの、二人とも疲れているみたいなんです」

「そうか。まぁ相手がリオレウスでは当然だろう。もうしばらく休憩するか?」

「そうですね」

 クリュウは二人の状態を見てもう少し休憩しようかと考えていたが、そこは二人もハンター。長期戦になればこちらが不利になるとちゃんとわかっている。

「大丈夫です。それよりも一度態勢を立て直しましょう。そしてリオレウスの怒り状態が解けた頃を見計らって第二戦を開始しないといけませんね」

「……第二戦は罠を中心に慎重にいくべき」

 クリュウから離れて真剣な顔で言う二人。年相応な女の子であっても、やっぱりハンターなのだとクリュウは感心した。

「確かに、今回のリオレウスは平均個体より大きい」

「そうなんですか?」

「あぁ、一回り弱くらいは大きいな」

 シルフィードの返答にクリュウは苦笑いした。最強の飛竜と恐れられるリオレウスとの初戦が平均よりも大きな個体とは、厄介極まりない。

「せっかく罠や爆弾があるんだ。次の戦闘ではトラップ戦を重視して戦おう。先程のような戦いで構わないが、クリュウとフィーリアには罠を張ってほしい。できるか?」

 シルフィードの問いに、クリュウは力強くうなずく。三人の時でも罠を担当するのは常にクリュウであり、そこだけは自信があった。

「大丈夫です。罠や爆弾は得意ですので任せてください」

「そうか。常日頃の戦闘では君が罠や爆弾を担当しているのか?」

「はい」

「なるほど。君は《罠師》や《ボマー》というスキルが似合いそうだな」

 罠師とはトラップを設置する速度が速まり、調合が必ず成功するというスキル。ボマーとは爆弾の威力を上げ調合が必ず成功するスキルの事。どちらもクリュウにはぴったりなスキルだ。

「あはは、そうですよね。いつかそんなスキルを手に入れてみたいですよ」

 実際、戦闘ではサポートに回る事が多いので、そういうスキルがあった方が何かと便利だ。余裕ができたらそんな防具を作ってみたいと常々思っているクリュウ。

 シルフィードはそんなクリュウの言葉に「そうか」とだけ返すと、携帯食料をかじりながら地図と睨み合いをする。

「戦いはまだまだ始まったばかりだ。日もすでに頂点から下がり始めている。この調子だと日をまたいでの戦闘になりそうだな」

「そんな事になってリオレウスに眠られたら大変ですよ?」

「確かにそうだ。だが急ぐあまりに無茶をして怪我、最悪死ぬ可能性を考慮すれば少し長引いてもこちらの方が確実だ。いくら飛竜の治癒能力がすごくても、一日で回復できる傷など表面程度。内側の傷まで完全に治すにはそれこそ一週間程度は掛かる。今回は爆弾も多いから内側へのダメージは大きい。この戦法の方がメリットが多いのだ」

 確かにその通りだ。急ぐあまりに怪我したり、最悪死者が出てしまっては手遅れだ。それならば多少時間が掛かっても確実な方がいい。賢明な判断だ。

「夜戦も行うんですか?」

「いや、夜戦はなるべく控えた方がいいだろう。特にクリュウはリオレウスとの戦闘は初めてだ。初戦でいきなり夜戦は辛いだろうし危険。夜は攻撃せずにこちらも拠点(ベースキャンプ)に戻って体力を回復させるのが一番だ」

「そうですね」

 シルフィードとフィーリアの話し合いを聞きながら、クリュウは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。自分のせいで作戦を大幅に変更させてしまっている。それが情けない。

 考えないようにしていたが、やっぱり自分は足手まといでしかないのだ。今の自分の実力では、元々リオレウスなんて受注する事もできないレベルだ。それを無理してこうして立っているに過ぎない。それが自分だ。

 三人ともリオレウスなんて何度も狩って来た歴戦のハンター達。そんな彼女達の動きを阻害しているのは自分という弱くて無力な存在。

 ――やっぱり、無理して依頼を受けたのは間違いだったのだろうか……

 不安になるクリュウ。と、そんな彼の肩をそっと叩く者がいた。振り返ると、そこには自分とほとんど身長が変わらない隻眼の少女――サクラが立っていた。

「サクラ……」

「……顔を見ればわかる。また、自分を責めてた」

「そんな事ないよ」

 小さく笑って誤魔化すが、付き合いの長いサクラは誤魔化せない。スッと隻眼が細まるのは彼女が真剣な時だ。

「……クリュウは、笑って誤魔化す。だけど、私には通じない。瞳を見れば、わかる」

「……やっぱり、サクラには敵わないな」

 苦笑いするクリュウ。子供の頃から彼女には誤魔化しが通じない。元々彼がそういう事が苦手というのもあるが、彼女には通じないのだ。

「ねぇサクラ。僕って頼りになってるのかな?」

 ふと訊いてみた。こんな事を訊くのはダメなのかもしれないが、それでも聞いてみたかった。彼女の気持ちを――

 サクラは一瞬だけ瞳を大きく見開くと、再び細める。だがそれは真剣な瞳ではなく――笑みを含んだもの。

「……クリュウがいるから、私はがんばれる。だから、頼りにしてる」

「サクラ……」

「……クリュウはもっと自分に自信を持つべき。あなたは、いずれ私をも越える逸材だから」

「まさか。そんな事絶対にないって」

「……なぜ、そう言い切れる?」

「言い切れるさ。僕は極普通のハンター。君やフィーリア、シルフィードさんは歴戦のハンター。その差は埋まらないよ――僕達の間には、越えられない壁があるんだよ」

 クリュウの返答に、サクラは何も答えなかった。ただ、どこか寂しげな瞳を下げてそっと背を向けると、そのままクリュウから離れた。声を掛ける間もなく……

「サクラ……」

「クリュウ様? どうかされたんですか?」

 シルフィードと話し合いを終えたフィーリアがどこか不安そうに声を掛ける。そんな彼女にクリュウは「何でもないよ」と小さく笑う。

 フィーリアはその笑み何か違和感を感じていた。どこか寂しげな、そんな笑顔。

「クリュウ様、何があったんですか?」

「気にしないで。何でもないから」

「でも……」

「今はリオレウスの事だけに集中しようよ。そろそろ出発した方がいいのかな?」

「……そうですね」

 フィーリアはまだ何か言いたげだったが、それ以上何も言わなかった。あまり詮索して嫌われたくないし、もし何かがあるのなら、彼の方から自分に頼ってほしかった。

「シルフィードさん、もうそろそろリオレウスの怒り状態も解けているでしょうか?」

 クリュウは地図を見たまま無言のシルフィードに声を掛けた。そんな彼の問いに対しシルフィードは「たぶんな」と返すと地図を道具袋(ポーチ)に収めた。

「では、もう行った方がいいですか?」

「準備は終わっているのか?」

「はい。いつでも出発可能です」

「そうか。ではそろそろ行くべきだな」

 そう言うとシルフィードはフィーリアとサクラも呼んで出発を告げた。二人とも用意はすでに完了しており、すぐに出発となった。

「では出陣する。奴はおそらく頂上付近にいるだろうと推測されるだろう。上空警戒をしながらそこへ向かう。各員は第二戦を覚悟し万全の体勢で臨むように」

「はいッ!」

「わかりました」

「……(コクリ)」

「では行くぞ」

 それを号令に一行は出発した。シルフィードを先頭に荷車をクリュウ、サクラが右、フィーリアが左を担当して護衛する隊列(フォーメーション)だ。

 クリュウは歩きながらふとサクラに振り返ったが、彼女はクリュウと目を合わせるとスッと視線を逸らしてしまう。

「サクラ……」

「……自分を見限る人は、嫌い」

「べ、別に見限っている訳じゃないよ」

「……クリュウは、もっと自分を誇るべき。あなたの力は、いずれ私を越えるもの。私は確信してる――クリュウは、もっと強くなるって」

 そう言うサクラは、小さく微笑んでいた。どこか楽しげで、嬉しそうで、恥ずかしそうな、年相応な女の子の笑顔。その笑顔に、クリュウも自然と微笑んでいた。

 自分が彼女を越える。そんな事ありえないと考えながらも、どこか嬉しかった。自分を認めてもらったような気がして、嬉しかった。

「ありがとう、サクラ」

「……(フルフル)」

 サクラはお礼を言われたのが恥ずかしいのか、ちょっぴり頬を赤らめて視線を下げた。歩く速度が速まり、自然と彼女が隣に並ぶ。

 一瞬見えた彼女の口元には、小さな笑みが浮かんでいた。

 そんな並んで歩く二人を斜め後ろから見詰めるフィーリアも、小さく微笑んでいた。

 本当はクリュウを彼女に独占されるのは嫌だが、それ以上に落ち込んでいる彼はもっと嫌だった。だから、彼を励ましてくれている彼女には感謝している。邪魔をしないのは、そのお礼だ。

「――譲るのは一回だけですからね」

 唇を尖らせて小さくつぶやくフィーリア。その表情はどこか嬉しそうであった。

 天井を木々の枝が覆い塞ぎ日の光をかなり遮断する薄暗い森林地帯を抜け、一行は再び低い草が生える山場の広場に出た。

 先程までリオレウスがいただけあって、モンスター達はいなかった。

 クリュウ達はペイントボールの匂いを追ってリオレウスがいるであろう山頂付近を目指して長い坂道を登り始めた。

 

 ――ちなみに、その道中でサクラがクリュウに抱きつきフィーリアの堪忍袋の緒が切れてケンカになり、クリュウが慌て、シルフィードがため息したという事故があったりする。


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