ただ、ここの描写をなくすと話を持っていきづらかったので入れました。
ホントはオリジナルの神様でも入れればいいのですが、神様の知識には疎いもので…
仮に有名どころの神を使って原作に被るのも怖いという言い訳乙。
この作品でダンまち読んでない人とかいれば教えて欲しいかな〜……なんてσ(^_^;)
次回はちゃんとオリジナル展開も入りますので、続きも待っててくれると嬉しいです。
あと、お気に入りが30件超えてて驚きです!
ダンまちの二次小説が少ないからですかね?
というか、私もダンまち二次小説読みたいですしw
誰か他の人も書いてくれないかな?
「会場はここか…」
キリトに出かけるといった場所、それはとある神による宴に参加することだった。
厳密には違うが、まずは宴の豪華なディナーを楽しもうと、神ヘスティアは早速会場に入る。
(それにしても、ガネーシャの奴あいかわらず派手だな〜)
今日の主催者である神、ガネーシャによるファミリアはこの迷宮都市オラリオでもかなり有名なファミリアだ。
しかも、神本人は目立ちたがりときている。
いや、ナルシストといったほうがいいだろう。
中に入ると、そこには今までの生活ではまずお目にかかれない食べ物が並んでいた。
キリトには悪いと感じたが、せっかくの機会だ。存分に食べようとテーブルに向かう。
周りの神とは明らかに食べるスピードが違って、ヘスティアがいるテーブルでは食べ物がみるみる減っていく。
「随分とはしゃいでいるわね、ヘスティア。少し…いや、かなりみっともないわよ。」
「ヘファイストス!」
赤髪で眼帯を付け、すらっとしたモデルのような身長で男装をしている彼女は『ヘファイストス』。
ヘスティアの天界からの親友で、下界に降りてきてしばらくやっかいになっていたが、何もしない彼女にさすがに思うところがあってか自身のファミリアのホームから追い出した。
しかし、それでも古びた教会をホームとして与え、バイトまで探してきくれたお人好しである。
「ファミリア作ってから半月ほどたったかしら?調子はどう?」
「まぁ、それなりに軌道には乗り始めてるよ。ここでもう少し人数がいれば…いや、でもそれだとキリト君との二人きりの時間が減っちゃうな。」
「あら、随分とその子がお気に入りなのね。」
「ああ!僕にはもったいないくらい素敵な子だよ!」
そんな二人で話していると、あたりがざわつき始めた。
よく見ると、入り口の辺りに人だかりができていた。
そこの中心には、
「あれはフレイヤね。さすが美の神ね。男神なんかもう腑抜けもいいとこよ。」
「僕は少し彼女が苦手だな」
「あらひどいわ、ヘスティア。でも私は貴方のそういうところ好きよ。」
「うわっ!いつの間に背後に?!」
ヘファイストスの会話で目を離してたためフレイヤが近づいていたことに気づかなかった。
それにしても女神から見ても、フレイヤは美しく目を奪われそうになる。
雪のような白い肌。身体の構造の黄金比はまるで自分のもであるかような完璧なプロポーション。
見るものを魅了し、子が見たらそれだけで顔をあからめてしまうだろう。
(キリト君には絶対近づけちゃいけないな。)
「いや、あまり気にしないで欲しい。君より苦手な奴は他にもいるし。」
「それはわいのことかいな?」
「げっ!ロキ!」
そこには朱色の髪と瞳をもつロキがいた。
神々の間では、ロリ巨乳のヘスティアと無乳のロキといつも比較されいて、それが影響しているのかどうかロキは貧乳であることを気にしており、巨乳のヘスティアとは何かと相性が悪い。
ヘスティアも毎度突っかかってくるロキを苦手としている。
「あら、ロキ。久しぶりね。聞いたわよ。最近のあなたのファミリアの活躍。」
「いやぁ、ファイたんのとこもすごいやん。それで相談なんやけど、今度の遠征でファイたんのところからの腕利きの鍛治師を同行させて欲しいねん。」
かわいい女の子や綺麗な女の子が好きなロキはよくファミリアの団員にセクハラをしたり、妙な愛称で呼んだりして困らせている。
今もファイたんとよばれるヘファイストスは微妙な顔をしながら会話を続ける。
「あら、いいわよ。私たちのファミリアも深層の素材が手に入れば嬉しいし。その話は今度ゆっくり話し合いましょう。」
「いやぁ、ほんまおおきにな!」
「それしても、ロキが会場にいたの気づかなかった。」
ヘスティアが何気なく言った言葉なのだが、ロキはかなり気にしていたのか
「そこの万年発情女のせいでわいの登場が薄れたんや!」
「心外だわ。節度は持ってるわよ。」
「それで?今日は何が目的なんや?」
「私が何か目的がないと宴に出てはいけないのかしら?」
「今までこういう宴には出てこなかったお前が、いきなり参加したのにはなんか裏があるって考えるのは当然やろ。」
「失礼ね。ただの暇つぶしよ。」
「ふふ。」とロキの質問を笑い流す。
その態度がロキにはどうも気に食わなかったが、これ以上は何もわからないだろうとわかり、標的をヘスティアに変える。
「それにしても、ドちび。なんや貧相な服装してるな?」
(うぜえええええええええええええええええ!)
いつもそうだ。
ロキとヘスティアは出会ってからそんなに長くはない(不老不死の神基準)。
それなのにロキはヘスティアと顔をあわせる度に煽ってくる。
理由は簡単だ。
ヘスティアにあって、ロキにはないものがある。
ヘスティアは怒りで顔を赤くしてロキに煽り返す。
「ふん!実に滑稽だな!僕を笑うためだけにそんな露出の多いドレスを着て、わざわざ自分の
赤くしていたヘスティアに続いてロキも煽られ返されたことによって顔を赤くする。
「少し黙れや!」
そして、我慢できずにロキはヘスティアの頬を両手でつまみ、引っ張る。
「ふぎゅううううううう」
この二人の神のやり取りはもはや神たちにとっては当たり前らしく、神々の口からは「もっとやれ!」というものがたくさんだ。
ロキが頬を引っ張り揺らすことで、ヘスティアの身体も揺れ、さらにそしてその豊かな双丘も揺れる。
「…ふん!今日はこの辺にしといたるわ!」
(((あ…折れたな。))))
周りの神からはその揺れる胸に耐えきれなかったのは見え見えだった。
のたうちまわるヘスティアに目もくれずにその場を離れようとするロキに、
「うー!今度僕の前に現れる時はその貧相な胸を僕に見せるんじゃないぞ!」
と、止めの一言。
「うっさいわ!ボケええええええええ!覚えとけよっ!」
そんな捨て台詞を吐いてロキは会場から出て行った。
騒ぎが収まると、野次に来ていた神たちもヘスティア達の元から離れていった。
「ホントに丸くなったわね、ロキ。」
「小物臭しかしないんだけど…。まぁ、でも確かに神々に殺し合いをけしかけていた頃よりは安心できるかしらね。」
ポツリと呟かれたフレイヤの言葉にヘファイストスは呆れつつも同意するのだった。
背後では未だにふらふらしているヘスティアの背中をヘファイストスが支えてやる。
そしてヘファイストスはフレイヤに再び顔を向けて尋ねる。
「そういえば、貴方とロキって付き合い長いんだっけ?」
「ええ。貴方達と同じくらいかしら。」
「私たちの場合は腐れ縁よ。」
と、苦笑いでヘファイストスは答える。
「ロキは子供達が大好きみたいだな。だから今みたいに変わったのかもしれない。」
「甚だ遺憾だけど、子供達が好ましいというのだけはロキに賛同してあげるよ。」
「へぇ、前までは『私のファミリアに入ってくれないなんて、子供たちは見る目がなーい』、なんて言ってたのに。貴方のファミリアに入ったキリトっていう子のおかげ?」
「ふふん!自慢の僕の子さ!」
「確か、黒い髪に黒い目をした東洋人みたいな子よね?あと、少し女の子みたいに中性的な顔立ちしてたかしら?それにしても、貴方がファミリアを作ったと言ってきた時はびっくりしたわ。」
「女の子っぽいとかそういうのあの子の前で言っちゃダメだよ!気にしてるんだから!」
「あらそうなの?」とヘファイストスが言っている横で、手に持ったグラスをコトンとテーブルに置く動きをみせる。
「それじゃあ、私も失礼させてもらうわ。」
「え?もう?フレイヤ貴方何か用事があったんじゃないの?」
「もういいのよ。聞きたいことは聞けたし。」
「貴方ここにきて誰かに尋ねるようなことしてないじゃない。」
パーティーの始めから一緒にいたヘファイストスは怪訝そうな顔を隠さない。
そんな彼女の態度には気にも留めずにヘスティアに今までとは違う笑みをみせる。
「それにここの男神は食べ飽きたもの。」
そんなとんでもない発言をしてフレイヤはこの場から離れていった。
残った二人は微妙な顔をお互いに見合った。
お互いに思うところがあったがそっと胸の奥にしまった。
「それで、貴方はどうするの?私はもう少しみんなの顔を見に回ろうと思っているのだけど、帰る?」
ヘファイストスがそう尋ねると、びくっと肩を揺らす。
ここでようやくヘスティアは自分の目的を思い出した。
「もし残るならどう?久しぶりに飲みにでもいかない?」
「あー…えっと…そのー…。」
急にシドロモドロになったヘスティアにヘファイストスは不思議に思う。
なにやら緊張しているらしく、うなじからは汗が見える。
「そのぉ…ヘファイストスに頼みたいことがあって…」
「…………」
先ほどとは違って目を細め、軽蔑の視線を送る。
まるで汚物を見るかのような親友の視線に早くも前言撤回をしたくなったがキリトの顔を思い出し、それを思い止め胸を振るいい立たせる。
今度こそこの親友に愛想を尽かされるかもしれないなと、覚悟しながら目的遂行の為に決意を新たにする。
「はぁ〜…………。一応聞いてはあげるわ。私に何を頼みたいの。」
目の前に立つこの神、ヘファイストス。
天界では火の神と称されていた彼女が作った、【ヘファイストス・ファミリア】は、このオラリオにおいて唯一冒険者業での収入で運営されていない。
迷宮都市でダンジョンで生計を立てないという珍しいこのファミリアは、しかしこの都市に住んでいれば誰でも知っている大ファミリア。
多くの人材を抱え、育成し、何をも変えがたいブランドの一品を世に生み出すことで有名なファミリア。
そうだ、彼女のファミリアは『鍛治師』のファミリアだ。
ヘスティアはそんな大手のファミリアの長に向かって、大きな声で頼み込む。
「キリト君の…僕のファミリアの子に、武器を作って欲しいんだ!」