恋姫†無双~DQNッ☆キチ○イだらけの三国志演義~   作:gtu

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第8話

 

 

 

 

「はぁ…どこかにいい文官がいないかな…」

 

公孫賛は太守の執務室でふと呟いた

公孫賛は北平の太守として異民族達からの防衛を任されている優秀な将である

しかし、公孫賛のもとに優秀な文官が集まることはなかった

北平という不安定な情勢の土地であることと、何より、袁紹の治めるギョウという発展した都市が近くにあったため、基本的に優秀な人材は皆ギョウのほうに行ってしまう

 

そして、北平に来るような文官はそのほとんどがギョウでは出世が出来なかったものであり、都会では通用しなかった出戻り野郎達が田舎なら通用するだろうという甘い考えで来るのである

 

それでも使える奴は使えるのだが、使える奴は後々、袁紹や有力で安全な土地の太守達に引き抜かれる

 

その土地に思い入れがあるかあるいは、主君に本当に忠誠を誓っている文官でない限り、出来れば皆安全なところで仕事をしたいのだ

その気持ちも公孫賛自身もわかっており、また、下手に処罰を加えると今度は本当に文官が寄り付かなくなるため、基本的に引き抜かれることを許さざるを得ない状態なのだ

 

だが、武官のほうは白馬義従という主に烏桓族で構成された強力な騎馬隊もあり、また防衛を任されるだけあり、一般の兵の練度も高く、当時の群雄のなかでは、頭一つ抜きん出た存在だった

 

(…何で人材が集まらないのだろう…私に人望がないからか…)

 

公孫賛がそう考えていたとき何者かが執務室の扉を叩いた

 

「…入れ」

 

公孫賛がそう言うと失礼しますと言う声が聞こえ、扉が開いた

どうやら、門番をしていた兵のようだ

 

「…なにようだ?」

 

「はっ!申し上げます!門前に黄巾党討伐の義勇軍を100人ほど率いている劉備と名乗るものが太守様にお目通りを願っておりますが、いかがいたしましょう?」

 

「なに!?劉備だと!?…わかった謁見の間に通せ」

 

「はっ!了解しました!」

 

 

 

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桃香!久しぶりだな!元気だったか!」

 

公孫賛は久しぶりにあった親友を前に嬉しそうに出迎えた

 

「うん!白蓮ちゃんも元気そうで何よりだよ!」

 

桃香もそれに、嬉しそうに返した

 

親友との挨拶も終わり、公孫賛は早速本題を切り出した

 

「…それで?さっき義勇軍100人とか行ってたけど本当は何人なんだ?」

 

「あはは~…バレちゃった…実は後ろの5人だけなんだ…」

 

「…そ、それはいろいろと予想外だな…うん?5人?後ろには3人しかいないが」

 

「えっ?」

 

桃香が後ろを振り向くと居たのは愛紗と鈴々と一刀だけであった

 

「…あれ?森さんと水野さんは?」

 

その問いに、鈴々が答えた

 

「お兄ちゃん達は義勇軍の振りをしてくれた人達を送っていくついでに手伝ってくれたお礼にいくって言ってたのだ!」

 

「そっか!もぅ…一言言ってくれればいいのに…後でちゃんと紹介するけど、今いないのは、森さんと水野さんと言って2人共、とっても強くていい人なんだよ!」

 

「ほぅ!桃香が言うんだかなりの腕前なんだろう!早く会ってみたいものだな…それで?そこにいる3人は誰なんだ?」

 

「うん!まずはご主人様なんだけど…」

 

そうして、桃香が3人を紹介している頃、お礼(意味深)に行ったいい人達(笑)は公孫賛の城市から離れた街道を歩いていた

 

そして、偽の義勇軍を募った街の目の前に着いた勝成はその足を止め、後ろを振り返りにこやか言った

 

「…はい、ここから先一歩でも進んだら殺すからそのつもりで」ニコッ

 

ザワザワ………

 

勝成の言葉に義勇軍達は困惑した

 

「はぁ?あんたなにいっt…」

 

ドシュ……!!

 

勝成の言葉に反応し、前に出た男は、勝成の刀に串刺しになったそして、思考停止している義勇軍に勝成は静かにそして力強く言った

 

「騒ぐなよ…騒いだら全員殺しててめぇらの家族にもお礼してやるからな…!」

 

「………………!!」

 

義勇軍全員が戦慄を覚え、沈黙した

 

「よし…ではこれから来た道を引き返すぞ…もし途中で逃げたしたりしたら………分かっているな?」ニコッ

 

勝成はまたしてもにこやかにそう言った

 

「ヒャヒャヒャ!!…なかなか面白いことするじゃねぇか水野!!お前気に入ったぜ!!手伝ってやるよ!!」

 

「ハッハッハ…そう言って戴くと有難い森武蔵殿…では、貴殿は後ろで連中が逃げ出さないか見張っていてくだされ」

 

「あいよ…任せとけ!!」

 

そうして、勝成と長可は義勇軍を連れて公孫賛のいる城市に戻って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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