恋姫†無双~DQNッ☆キチ○イだらけの三国志演義~ 作:gtu
「これをしたのはお前か!?」
関羽が勝成に尋ねた
「あぁ、こいつらが逃げてきて、道を聞こうと呼び止めたら、邪魔するなら殺すと脅されたのでついね…お主らの仲間だったか?」ニコッ
勝成は微笑みながら言った
「そんなわけないだろ!!それより貴様森武蔵殿を知っているのか!?」
ギャー…
そんな事を話していると雑木林の更に奥から悲鳴が聞こえた
「なっ、なんだ!?今の声は!?」
一刀はその声に反応した
「…とりあえず奥の方に行ってみようよ!もしかしたら森さんが倒した賊の声かもしれない!!」
「…そうですな…なに、この関雲長賊が何人いようとも遅れは取りませぬ!!」
「ふむ…よくわからんがお主に着いていった方が賢明なようだな」
(…賊を倒したということは敵ではなさそうだな)
「はい!是非来てください!」
一刀達は勝成と共に雑木林の奥に進んだ
雑木林の中心部そこには賊の大将の男を木に縛り付け手に持っている松明の火をその男の顔に押し付けている長可がいた
周囲には30体ほどの賊の死体が地面に転がっていた
「おいおい…何べん言ったらわかんだよ…ギャーじゃねぇだろギャーじゃ…」
「…た、たのむ…許してくれ…」
「許す?なにいってんだ?許すもなにも俺は怒ったりしてないぜ、むしろさっきまでの鬱憤が晴れて清々しささえ感じてるんだよ…」
「ほ、ほんとうか?…ならこの縄をほどいてくれ…頼む…」
それを聞いた長可は左手に松明を持ちかえ、木に立て掛けていた人間無骨を右手に持った
「そうだな…気もすんだし、現状も理解できたし、放してやるよ……首だけな!!!」
ズシュ…
長可は右手の人間無骨でその男の胴と首を切り離した
「…ふぅ…すっきりした…これで村に戻って村燃やして、略奪してもこいつらになすりつけられるな…ここで殺されたのは仲間割れに見えるだろうし…しかし三國志の時代か、確かこいつ黄巾党とかいってたな…すると、曹操とかがまだ、県令だったころか」
普段の言動で忘れがちだが、長可は、元は土岐氏に仕えていて、八幡太郎義家の七男陸奥七郎義隆を祖とする森氏の生まれである
つまりは、次男とはいえかなり由緒正しい家のお坊ちゃんなのである
当然、幼い頃から教養や礼儀も一通り学んでいるのである(それを生かすとは言っていない)
三國志のだいたいの流れから、ある程度有名な武将程度なら教養として知っているのである
(…あの男の話が本当だとすると、さっきの桃色は劉備だったことになる…まだ無名の劉備の名を偽る必要はないしな…結構もったいなかったかもな…まぁいいやとりあえず戻って村焼こう)
松明の火を一旦消しながら考えていると、後ろから声をかけられた
「森さん!こんなところで何してるんですか!?」
「あ!?…北郷か…わりぃが用事があるんでな…後にしてくれ…」
「…用事って賊を一人で倒すことですか?…そんなの出来るわけないじゃないですか!!」
「そうですよ…森さん…こんな拷問まがいのことまでして…そんなに一人で背負わないでください…少しでいいんです…私達を頼ってください!」
「森武蔵殿…私は貴殿を勘違いしていた…しかし、貴殿の義と武は本物だ!!我々と共に賊を討ちましょう!!」
「鈴々も戦うのだー!!!」
(…はぁ?なにいってんだ?こいつら?)
長可当然の疑問である
村焼こうとしたら、いつのまにか正義の味方認定である…うむ、わからん
「お主があの鬼武蔵殿か…なるほど…あの井伊の赤揃えが恐れるのも無理はないか」
困惑する長可に勝成は尋ねた
「あぁん!!誰だ!?てめぇ!」
「水野日向守勝成と申します…以後お見知りおきを」
「…水野か…水野?…家康の生母の家だったか?…ぶっ殺す!!!」
そう言って長可は人間無骨を構えた
「落ち着け鬼武蔵殿…今は徳川だ、豊と…羽柴だ揉めている場合ではないでしょう」
人間無骨を構える長可に対して、勝成は、一切構えずそう答えた
(こいつ…なかなか厄介だな…)
長可も歴戦の将である自分と相手の力量ぐらい分かるそして、自分と同等かそれ以上の相手に真っ正面から立ち向かうほど長可は馬鹿ではない(怒っているときは除く)
「ちっ、わかったよ…」
そう言って長可は人間無骨を下げた
(しかし、劉備か、最終的には負けるにしても三國の一国を担っていた奴だこいつの下についとけば食いっぱぐれはしないだろう…途中でやばくなったら鞍替えすればいいしか…)
「しょうがねぇ…てめぇらの下についてやるよ!!…ありがたく思いやがれ!!」
「俺も現状がわからぬのでな…お主らと共に行こう」
「はい!ありがとうございます!!」
こうして長可と勝成は一刀達と共に行動することになった