モンスターハンター ~英雄への旅路~   作:楼河

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どうも初めまして!今回この小説を投稿させていただく、楼河という者です。
唐突ですが、今回この小説を投稿しようと思ったきっかけというか理由なのですが、
ただ何かを残したい、という漠然とした思いです。
つまりこれがやりたかっただけという訳ですね!
という訳で、ただ自分がやりたかっただけの、ほぼ自己満足で出来上がっているようなこの小説、どうか楽しんでご覧くださったら幸いです!


第1部 終末への兆し
プロローグ


 ドンドルマ、ポッケ村(フラヒヤ山脈)、テロス密林の、ほぼ中間に位置する村。

 ――それがカナタ村。

 この村は、西側以外、ゴルドラ山脈に囲まれていて、そこからは、モンスターの襲撃の心配はあまりないが、西側は、広大なゴルドラ平原が広がっていて、見通しがよく、モンスターの目につきやすいので、モンスターの襲撃にあうこともある。しかしそのたびに、旅のハンターなどの協力によって乗り越え、苦労して築きあげてきた村である。

 苦労して築き上げてきただけに、ゴルドラ山にある、山菜、鉱石、木材などの、資源は豊富である。

 魚類などの、海産物などの資源は、ドンドルマなどから、貿易をしてカバーしている。

 交通の便は、街道が山を通っているため、若干不便だが、ドンドルマ―ポッケ村間などの中間地点となっているため、今やなくてはならない村である。

 そのため、人口150人余りの小さめの村ながら、この村に訪れる人が多い為に、カナタ村はその人口の少なさに見合わないほど栄えていた。

 そんなカナタ村に、一人の少年を乗せた馬車(といっても引いているのは馬ではなくアプトノスなのだが)が近づいていた。

 

「おーいお兄さん!カナタ村が見えたぞ!」

 馬車を引く御者の声を聞き、少年が馬車の外を眺める。

「お?もう見えたか。意外に早かったな」

 ゴルドラ街道は、ゴルドラ山の山頂付近を通る。そして、山頂から下りに差し掛かって少しすると、少し開けた場所に出る。そこからゴルドラ山の麓を一望することができる。もちろん、ゴルドラ山のすぐ真下にあるカナタ村も見ることができる。

 この馬車は、先ほど山頂を通り、たった今カナタ村を見ることのできるその開けた場所にさしかかったところだ。

「いやーそれにしてもお兄さんは運が悪かったね」

「なんで?」

 唐突にそう言われ、不思議そうに少年は聞き返す。

「知らないのかい?もう少し季節が前だったら、このあたりは、紅葉がきれいなんだがなぁ」

 その証拠に、地面には少し前には木についていたであろう赤い紅葉の葉がいくつもあった。

「なんだ、そんなことか。そんなことは当然知っているさ。俺はカナタ村出身なんだからな」

 そう言いつつ、少年はどこか悔しそうな顔をしていた。

「へえ、お兄さん、カナタ村出身かい?」

「ああ、両親の跡を継ぐために、ドンドルマのハンター養成学校で修行してきたんだ」

「そうかい。じゃあ、カナタ村は何年ぶりだい?」

「そうだな、村を出たのは3年くらい前かな」

「そんなに前なのか?」

 御者が驚いたような声を出す。しかし少年はたいしたことないというふうに、

「俺は早いほうだぜ?卒業まで長いやつで5~6年かかる奴もいるからな」

 と言った。

「ふーん、大変なんだな」

「まあな」

 少年はそう言い、数日前まで在籍していた学校生活を懐かしむように、チラッとドンドルマの方角を眺めた。

「おっと、そうこうしている内に、カナタ村に到着だ」

 御者が馬車を止め、少年に言う。その言葉を聞き、身を乗り出すようにして馬車の外を見て、少年は言う。

「お、着いたか。ここまで送ってくれてありがとう。助かったぜ!」

 待ち焦がれた、といったふうに目を輝かせ、荷物をまとめながら少年は感謝を口にした。

「気にするな。それよりお兄さん、ハンターなんだから、ちゃんと大切な人を守ってやれよ!」

「...おう!」

 その言葉に、少年は少し考えるような顔をして、答える。

「それじゃあ、俺はこれからポッケ村まで行くから、縁があったらまた会おうな、お兄さん!」

 余談だがこの馬車、人間を運ぶものではなく、本来はドンドルマからポッケ村へと貿易の品を運ぶためのもので、少年はこの御者に頼み込み、それに乗せてもらったというわけだ。

 人を運ぶものもあるのだが、道中にモンスターがいる関係でいつ出発できるか不明瞭だったり、貿易の品といった重いものを運んだりする時に馬車が使われるため、そもそも人を運ぶ馬車が無かったりする時もある。

 それを待たずにこの馬車に乗ったところをみると、この少年がどれだけカナタ村に帰るのを楽しみにしていたかがうかがえるだろう。

「ああ、元気でな!」

 御者の言葉に返事を返すやいなや、少年はカナタ村に着いた馬車から勢いよく飛び降りる。

 

「大切な人を守れ。か、俺は、これから何を守るんだろう、この村の人々かな?それとも・・・」

 そう独り言をつぶやく少年の顔は、どこか物憂げだった。

 少年には両親がいなかった。正確には、いなくなってしまったのだ。

 少年がまだ幼いころ、彼の両親は、ギルドからの依頼を受け、そのまま行方が分からなくなってしまったのだ。

 残されたのは、少年と、少年の妹だけ。二人は村長の世話になっていたが、彼は親の後を追ってハンターになった。その少年の名は――

「この先、どんな未来が待っているんだろう。いつか、父さんと母さんに会えるだろうか?」

 

 ――少年の名は、ヴェルデ・ヘルトデイス。

 英雄と呼ばれたハンターの血を引いた少年である。


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