ソードアート・オンライン《三人の勇者》(凍結) 作:ホイコーロー
それに伴い、この小説をお気に入りに登録している皆さんへの告知も兼ねて、こっちでも1話だけ更新します。
内容はほぼ皆無なので、これを読まずにリメイク版へと飛んでいただいて構いません。
それでは、どうぞ。
プロローグ
『なあ、なんか言ったらどうなんだ、ヒ××××フ……いや……、××晶×さんよ!』
『……まさかこんなに早く正体を曝すことになるとは思わなかったよ。見事だ、カ××君。』
どこの決闘場だろうか。薄暗く、やけに広い場所に鎧や剣で武装した人々が立ちすくんでいる。中にはひどく傷つき、立つことさえままならない者もいるようだ。
そして、その中にいる一人の青年が、彼らに取り囲まれるように凛とたたずむ者に向かって叫び声を上げている。
『黙れ! お前のせいで何千人の命が奪われたと思ってるんだ! さんざん人の命を弄んでおいて、そんな口をきくな!』
『私は彼らを殺したかったわけではないよ、×リ×君。むしろ、その逆だ。彼らには、少しでも長くこの世界で生き延びてほしい、私はそう願っていた。』
『だったら、仮にそうだとして、だ。そいつらを殺したのはこの世界に住むモンスターだろ。モンスターは自分の意思はおろか、命さえプログラムに規定された、ただの人形。そいつらが犯した罪の責任を、どうしてその製作者が被らないで済むと思える。』
『子供の罪をその親が清算しなければいけないというのは、些か古い考えだとは思わないか? ハ×××君。』
さらに、先ほどの青年よりも四、五歳ほど年下であろうか、二人の少年が怒りを露わにして詰め寄る。
それでもなお、その者は、やはり凛とたたずむままだった。
『やめろ、二人とも。……どうやら何を言っても無駄なようだな。』
『そうとも、ここで私に届く力たり得るものは、ただ一つのみだ。』
そう言って二人は互いに剣を抜く。
そこにはわずかながらの逡巡もなく、あるのは絶対に負けないという覚悟と必ず勝つという決意。
そして、音もなく決戦の火蓋が……
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「……ら! 哲ってば! もう起きなよ!」
「うーん? あと五分だけ……。」
「起きろ!」
「ぐぇ!?」
少女のエルボーが見事ボディーにクリーンヒット!
「……あ、あれ? ここは?」
「なーに寝ぼけてんの! 今日は大事な用事があるんでしょ。早くちゃんと起きなよー。」
時刻は朝の八時三十分を過ぎようとしている。
おそらく一般的な大学の授業開始時刻は九時ごろであろう。
もし一限目があるとすれば
「や、やっべエエェェェ!!」
もれなく遅刻である。
そして、支度もほどほどに大学へと向かう青年。
「(なーんか変な夢を見たような気がすんなぁ……? ま、いいや!
そんなことより! 今日はついに待ち焦がれたあの日! 講義なんかとっとと終わらせねぇと!)」
どんなに急いても講義が早く終わるわけではないだろうが、その青年はとても胸躍っているようだった。
今日の日付は11月6日。とあるゲームのサービスが開始される日である。
そして彼らは
その運命を、歩み始める。
この話をもってこの小説は完結です。
今後は、同タイトルのリメイク版でお会いできたらと思います。
読んでいただき、ありがとうございました!!