ソードアート・オンライン―黒の剣士ともう一人の少年― 作:出席する白ウサギ
アリスってのはわざとそうしました。
作者としてはこうすることでとある部分が伏線になるんです。(伏線のつもりなんで違うかもしれないけど)
なんだろう……この気持ち……
SAOに無事inできた人達はここ、『はじまりの町』という場所に来る。
僕もアリスとして例外なくここに来た。
ある人はこの仮想世界にこれたことに喜び、ある人はこれからやれるであろうゲーム内容に武者震いしてる者など沢山いる。
そんな中に異質を放つように四つん這いになって落ち込む人がいる。そう……僕だ。
姉のアバター名を聞きそびれてこっちから探すことができないという不覚をやらかしてしまった。
しかも、最初は一人でやりたいとか言うから待ち合わせとかそんなものはない。
一人のゲーマーとしてログアウトしてアバター名を聞くとかない。
やっぱりログインしたならこの仮想世界を堪能してからじゃないと。
数時間inしただけじゃ物足りない。
いや、待てよ……向こうにアバター名は伝えてるから向こうから連絡は来るのか……そこは不幸中の幸い?なのかもしれない、僕ナイス。
初期のアイテムは片手直剣と1000コル、数個のお試し回復ポーションだ。
片手直剣っていうのは片手剣って感じのTHE西洋の剣って物だ。
コルというのはこの仮想世界……えっと、アインクラッドという舞台においてのお金だ。
英語が得意じゃないから聞き流してたけど『アインクラッドのお金』っていう意味の略称だって兄ちゃんが言ってた。
お試しポーションってのは……そのままだね、明らかに初心者用ってことだ。
さて、持ち物確認も終わったし適当なパーティーに参加してモンスターを倒しに行こうと思う。
同じことをやってる人も多くすぐに四人パーティーは見つかった。
さぁ、ここから僕、アリスの伝説が始まるのだ……なんちゃって
はじまりの町をでれば外には『フレンジーボア』という見た目は青いイノシシのモンスターが某RPGでいうスライム的な役割だ。
ていうかこのゲーム、モンスター名が英語表記で読みに困ってる、今、なう。
と、冗談めかしたが読むのはマジで無理、パーティーの人に読みは教えてもらったけどね、このアバター便利。なにしたかって?そりゃ上目遣いで(ry
フレンジーボアの攻撃は突進しかないという事をパーティーの人から教えてもらい、僕達は剣を構える。
「突進!くるよ!」
一人の青年がβテスターなのか合図を教えてくれる。
なので攻撃のタイミングはわかるのだが……
「う、うわぁぁ!こっちにくるな!」
「ひ、ひぃぃ!」
とまぁ、ゲームなのに自分の目線で、体は自分の感覚で動かすものだから……その……つまりだ、アバターの体=現実の体と思うくらいリアルな状態と認識してしまってる所に自分めがけてイノシシが突進してくるのだ。
例外なく僕だって怖い。
どこぞのラノベ主人公とかってすぐこういった戦闘してるけど、なにあいつら?戦闘民族の血でも引いてるの?って思うくらいおかしいと思う。
と竦み上がってこんなことを思ってるうちにβテスター(仮)が倒してくれた。
「やっぱ最初は恐怖心との戦いか~」
「すみません、攻撃できなくて」
「いや、初心者にはよくあることだから今のうちにゆっくり慣れていこう、俺も最初はそうだったし」
あ、この人βテスターですわー(確信
サービス開始してフィールドに出たの、たぶんだけど僕らが最初に飛び出したと思うからね、僕らに出会う前に戦う事ができてたのはβテスターだけだ。
そんなこんなもあり、βテスターの人が優しく指導してくれるおかげで僕らのパーティーは一応恐怖心に打ち勝って戦う事ができるようになった。
「そろそろ素材もいい感じでたまってきたし一旦町に戻ろうと思うんだけど」
「私も戻りたいですね、流石にこれだけやれば集中力が途切れてしまって」
「俺はもう少しやりたいけど、二人がそう言うのなら……」
このβテスターの声をきっかけにパーティーメンバーは町に戻る気満々のようだ。
「すみません、僕はまだ残ってます」
元々即席のパーティーだったからお互いに了承してその場でパーティーを抜けた。
さぁ!オープニングセレモニーが始まるまでイノシシを狩り続けるぞ~!
一人になろうと攻撃は直線的な突進のみ。
慣れてしまえばこっちのもん、ソロでもやれるさ!